Users Guide

NetXtreme ユーザーガイド Broadcom Gigabit Ethernet のチーム化サービス
ページ 46 アプリケーションに関する考慮事項 マニュアル 2CS57XX-CDUM513-R
指定されたパスは、以下の 2 つの要素によって決まります。
1. クライアントサーバー ARP キャッシュ。これは、バックアップ サーバーの MAC アドレスを指定します。これは、
Broadcom 中間ドライバのインバウンド ロード バランシング アルゴリズムによって決定されます。
2. クライアントサーバー Red の物理アダプタ インターフェイスは、データ転送に使用されます。Broadcom 中間ドライ
バのアウトバウンド ロード バランシング アルゴリズムがこれを決定します ( アウトバウンド トラフィック フロー
インバウンド トラフィック フロー (SLB のみ ) を参照 )
バックアップ サーバーのチーム化インターフェイスはクライアントサーバー Red への転送に G-ARP (gratuitous
address resolution protocol) を使用します。そして今後は、クライアント サーバーの ARP キャッシュがバックアップ サー
バーの MAC アドレスで更新されるようになります。チーム化インターフェイス内のロード バランシング メカニズムに
よって、G-ARP に組み込まれる MAC アドレスが決定されます。選択され MAC アドレスは、基本的にクライアント
サーバーがデータの転送先として使用するアドレスです。クライアントサーバ Red では、SLB チーム化アルゴリズム
によって、2 つのアダプタ インターフェイスから、実際にデータ転送に使用するインターフェイスが決定されます。この
例では、クライアントサーバー Red からのデータが、バックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスで受信され
ます。チーム化したインターフェイスにさらに負担がかかったときに
SLB が機能する仕組みをデモンストレーションする
ため、バックアップ サーバーが第 2 のバックアップ処理を開始するシナリオを考えてみます。具体的には、クライアント
サーバー Red へのバックアップに加えて、クライアントサーバー Blue に対して第 2 のバックアップを開始します。バッ
クアップ サーバーへのデータ送信にクライアントサーバー Blue が使用するルートは、バックアップ サーバーの MAC
ドレスを指定する ARP キャッシュによって決定されます。バックアップ サーバーのアダプタ A では、すでにクライアン
トサーバー Red のバックアップ処理で負担がかかっているため、バックアップ サーバーは、SLB アルゴリズムを呼び出
します。そして、ARP キャッシュをバックアップ サーバーのアダプタ B MAC アドレスに変更するように、クライ
アントサーバー Blue (G-ARP を通じて )
通知メッセージを送信
します。クライアントサーバー Blue は、データを転送
する必要があるとき、SLB アルゴリズムによって決定されたいずれかのアダプタ インターフェイスを使用します。重要な
点は、クライアントサーバー Blue からのデータが、バックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスではなく、
ダプタ B インターフェイスで受信されることです。これが重要とされる理由は、両方のバックアップ ストリームが同時に
実行されており、バックアップ サーバーは、異なるクライアントからのデータ ストリームに対して
ロード
バランス
を実
行する必要があるからです。両方のバックアップ ストリームを実行している場合、バックアップ サーバーの各アダプタ
インターフェイスは同等の負荷を担っており、ロード バランス対象のデータは、両方のアダプタ インターフェイスで均
等に処理されることになります。
バックアップ サーバーが第 3、第 4 のバックアップ処理を開始した場合も、同じアルゴリズムが適用されます。バック
アップ サーバーでチーム化したインターフェイスは、ユニキャスト G-ARP を転送して、バックアッ クライアントに
ARP キャッシュを更新するように通知します。そして、各クライアントは、バックアップ サーバー上のターゲット MAC
アドレスに至るルートで、バックアップ データを転送します。
フォルト トレランス
テープ バックアップの実行中にネットワーク リンクで障害が発生した場合、バックアップ サーバーとクライアントの間
のすべてのトラフィックが停止して、バックアップ ジョブが失敗します。しかし、Broadcom SLB とスイッチ フォルト
トレランスの両方に対応するように、ネットワーク トポロジーを設定した場合、リンクに障害が発生しても、滞りなく
テープ バックアップを続行することができます。ネットワーク内のすべてのフェイルオーバー プロセスは、テープ バッ
クアップ ソフトウェア アプリケーション側では見えません。ネットワーク フェイルオーバー プロセスで、バックアップ
データ ストリームの送信先を決定する方法を理解するには、 6 のトポロジーを理解してください。クライアントサー
バー Red は、パス 1 を通じてバックアップ サーバーにデータを転送しますが、リンク障害はバックアップ サーバーとス
イッチの間で発生します。データは、スイッチ #1 からバックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスへ送信でき
なくなったので、このデータは、スイッチ #1 からスイッチ #2 を介して、バックアップ サーバーのアダプタ B インター
フェイスにリダイレクトされます。フォルト トレランス対応の動作はすべてアダプタ チームのインターフェイスとスイッ
チ上の中継の設定によって処理されるので、リダイレクトはバックアップ アプリケーションに認識されずに実行されま
す。クライアント サーバー側から見ると、元のパスを介してデータを送信しているように動作します。