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キャッシュの使用
ハードウェア RAID コントローラでは、通常の操作にキャッシュ情報の一時的な格納場所が使用されます。通常の操作のキャッシュはシステムメモ
リなどの
DRAM メモリで構成されますが、キャッシュは電源がオンのときのみデータを保持します。
新型のコントローラでは NVCache が利用されており、サーバの電源がオフのときに利用されます。NVCache メモリには DRAM メモリ通常の操作
とフラッシュ メモリ不揮発性の両方が含まれています。コントローラのバッテリは、停電時に DRAM メモリに電力を供給しますバッテリが稼
働している場合
。そのため、メモリの内容を無期限に格納するためにフラッシュ メモリにコピーすることができます。
キャッシュの内容は基本的に 3 つの部分に分けることができます。
RAID の設定データとメタデータ - RAID アレイについての情報設定情報、ディスクのメンバー、ディスクの役割など
コントローラ ログ - RAID コントローラは複数のログ ファイルを維持しています。デルの技術者は、RAID やハード ドライブのさまざまな問題のトラブルシ
ューティングを行う際に、その主要なログとして
TTY ログを利用します。
RAID データ - 個々のハード ドライブに書き込まれる予定の実際のデータ。データは、「ライト スルー」と「ライト バック」の両方のキャッシュ ポリシー モー
ドでコントローラのキャッシュに書き込まれます。
スライシング
一連のディスク セット全体に複数の RAID アレイを設定することをスライシングと呼びます。
RAID パンクチャー
RAID パンクチャーは Dell PERCPowerEdge RAID Controllerの機能の 1 つで、二重障害の状態が原因でデータの損失が生じた場合でもアレイの
コントローラが冗長性を復元できるようにするためのものです。RAID パンクチャーは、エラーを伴う再構築とも呼ばれます。RAID コントローラが二重障害
を検知した場合、影響を受けるストライプ内のデータを回復するのに十分な冗長性がなければ、コントローラによってそのストライプ内にパンクチャーが作
成され、再構築の続行が可能になります。
複数のドライブで同じストライプ内のデータにアクセスできなくなる状態は、すべて二重障害になります。
二重障害により、影響を受けるストライプ内のデータはすべて失われます。
RAID パンクチャーは二重障害ですが、すべての二重障害が RAID パンクチャーというわけではありません。
RAID パンクチャーの原因
RAID パンクチャー機能がないと、アレイの再構築に失敗し、アレイは縮退状態のままになります。場合によっては、その障害によってその他のドライブが故
障し、アレイが機能しないオフライン状態になることがあります。アレイをパンクチャ状態にしても、起動したりアレイ内のデータにアクセスしたりする機能には
影響しません。
RAID パンクチャーは次のいずれかの状況で生じる場合があります。
二重障害がすでに存在するすでにデータが失われている
オンライン ドライブ上のデータ エラーは再構築ドライブに伝播コピーされます。
二重障害が存在しない2 回目のエラー発生時にデータが失われる
縮退状態のときに、オンライン ドライブ上に不良ブロックが生じている場合、その LBA RAID パンクチャー状態です。
このアレイのパンクチャ操作の利点は、アレイの冗長性が復元されるまでシステムを本番稼働の状態に維持できることです。影響を受けたストライプ内の
データは、RAID パンクチャーが生じたかどうかに関係なく失われます。この方式の主なデメリットは、アレイで RAID パンクチャーが生じている間は、影響を
受けたデータ
存在する場合にアクセスするたびに修正不能なエラーが発生し続けることです。
RAID パンクチャーは次の 3 つの場所で生じます。
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ハードウェアの問題のトラブルシューティング