Users Guide
Table Of Contents
- Integrated Dell Remote Access Controller 8バージョン2.70.70.70ユーザーズ ガイド
- 概要
- iDRAC へのログイン
- ローカルユーザー、Active Directory ユーザー、または LDAP ユーザーとしての iDRAC へのログイン
- スマートカードを使用した iDRAC へのログイン
- シングルサインオンを使用した iDRAC へのログイン
- リモート RACADM を使用した iDRAC へのアクセス
- ローカル RACADM を使用した iDRAC へのアクセス
- ファームウェア RACADM を使用した iDRAC へのアクセス
- SMCLP を使用した iDRAC へのアクセス
- 公開キー認証を使用した iDRAC へのログイン
- 複数の iDRAC セッション
- デフォルトログインパスワードの変更
- デフォルトパスワード警告メッセージの有効化または無効化
- IP ブロック
- 無効なパスワード資格情報
- 管理下システムと管理ステーションのセットアップ
- iDRAC IP アドレスのセットアップ
- 管理ステーションのセットアップ
- 管理下システムのセットアップ
- 対応ウェブブラウザの設定
- デバイスファームウェアのアップデート
- ステージングされたアップデートの表示と管理
- デバイスファームウェアのロールバック
- サーバープロファイルのバックアップ
- サーバプロファイルのインポート
- 他のシステム管理ツールを使用した iDRAC の監視
- iDRAC の設定
- iDRAC 情報の表示
- ネットワーク設定の変更
- 暗号スイートの選択
- FIPS モード
- サービスの設定
- VNC クライアントを使用したリモートサーバーの管理
- 前面パネルディスプレイの設定
- タイムゾーンおよび NTP の設定
- 最初の起動デバイスの設定
- OS から iDRAC へのパススルーの有効化または無効化
- 証明書の取得
- RACADM を使用した複数の iDRAC の設定
- ホストシステムでの iDRAC 設定を変更するためのアクセスの無効化
- iDRAC と管理下システム情報の表示
- iDRAC 通信のセットアップ
- DB9 ケーブルを使用したシリアル接続による iDRAC との通信
- DB9 ケーブル使用中の RAC シリアルとシリアルコンソール間の切り替え
- IPMI SOL を使用した iDRAC との通信
- IPMI over LAN を使用した iDRAC との通信
- リモート RACADM の有効化または無効化
- ローカル RACADM の無効化
- 管理下システムでの IPMI の有効化
- 起動中の Linux のシリアルコンソールの設定
- サポート対象の SSH 暗号スキーム
- ユーザーアカウントと権限の設定
- ユーザー名およびパスワードで推奨される文字
- ローカルユーザーの設定
- Active Directory ユーザーの設定
- iDRAC の Active Directory 認証を使用するための前提条件
- サポートされている Active Directory 認証メカニズム
- 標準スキーマ Active Directory の概要
- 標準スキーマ Active Directory の設定
- 拡張スキーマ Active Directory の概要
- 拡張スキーマ Active Directory の設定
- Active Directory 設定のテスト
- 汎用 LDAP ユーザーの設定
- シングルサインオンまたはスマートカードログインのための iDRAC の設定
- アラートを送信するための iDRAC の設定
- ログの管理
- 電源の監視と管理
- ネットワークデバイスのインベントリ、監視、および設定
- ストレージデバイスの管理
- RAID の概念について
- 対応コントローラ
- 対応エンクロージャ
- ストレージデバイスの対応機能のサマリ
- ストレージデバイスのインベントリと監視
- ストレージデバイスのトポロジの表示
- 物理ディスクの管理
- 仮想ディスクの管理
- コントローラの管理
- PCIe SSD の管理
- エンクロージャまたはバックプレーンの管理
- 設定を適用する操作モードの選択
- 保留中の操作の表示と適用
- ストレージデバイス — 操作適用のシナリオ
- コンポーネント LED の点滅または点滅解除
- 仮想コンソールの設定と使用
- 仮想メディアの管理
- VMCLI ユーティリティのインストールと使用
- vFlash SD カードの管理
- SMCLP の使用
- iDRAC サービスモジュールの使用
- サーバー管理用 USB ポートの使用
- iDRAC Quick Sync の使用
- オペレーティングシステムの導入
- iDRAC を使用した管理下システムのトラブルシューティング
- よくあるお問い合わせ(FAQ)
- 使用事例シナリオ
- アクセスできない管理下システムのトラブルシューティング
- システム情報の取得とシステム正常性の評価
- アラートのセットアップと電子メールアラートの設定
- Lifecycle ログとシステムイベントログの表示とエクスポート
- iDRAC ファームウェアをアップデートするためのインタフェース
- 正常なシャットダウンの実行
- 新しい管理者ユーザーアカウントの作成
- サーバのリモートコンソールの起動と USB ドライブのマウント
- 連結された仮想メディアとリモートファイル共有を使用したベアメタル OS のインストール
- ラック密度の管理
- 新しい電子ライセンスのインストール
- 一度のホストシステム再起動における複数ネットワークカードへの IO アイデンティティ構成設定の適用
RAID
RAID は、システム内に搭載または接続された物理ディスク上にあるデータのストレージを管理するためのテクノロジです。RAID の
重要な要素は、複数の物理ディスクのストレージ容量を組み合わせて単一の拡張ディスクスペースとして扱えるように、物理ディ
スクをスパンする機能です。RAID の他の重要な要素として、ディスク障害の発生時にデータを復元するために使用できる冗長デー
タを保持する機能があります。RAID では、ストライピング、ミラーリング、パリティなどさまざまな方法を使用して、データの保
存と再構築を行います。データの保存と再構築のために使用する方法の違いによって、RAID のレベルが異なります。各 RAID レベ
ルは、読み書きのパフォーマンス、データ保護、ストレージ容量という点で、特性が異なります。すべての RAID レベルで冗長デー
タが保持されるわけではなく、一部の RAID レベルでは失われたデータを復元できません。どの RAID レベルを選択するのかは、パ
フォーマンス、保護、ストレージ容量のどれを優先するのかによって異なります。
メモ: RAB(RAID Advisory Board)は、RAID の実装に使用される仕様を定義しています。RAID レベルは RAB によって定義され
ますが、さまざまなベンダーによる RAID レベルの商用実装が、実際の RAID 仕様と異なる場合があります。特定のベンダーの
実装が、読み取りおよび書き込みパフォーマンスとデータの冗長性の度合いに影響することがあります。
ハードウェアとソフトウェア RAID
RAID は、ハードウェアとソフトウェアのどちらを使っても実装することができます。ハードウェア RAID を使用するシステムには、
RAID レベルを実装し、物理ディスクに対するデータの読み書きを処理する RAID コントローラがあります。オペレーティングシス
テム提供のソフトウェア RAID を使用するときは、オペレーティングシステムが RAID レベルを実装します。このため、ソフトウェ
ア RAID のみの使用はシステムパフォーマンスを低下させることがあります。ただし、ハードウェア RAID ボリュームとソフトウェ
ア RAID を合わせて使用することによって、パフォーマンスと RAID ボリュームの設定の多様性を向上させることができます。たと
えば、2 つの RAID コントローラ間でハードウェア RAID 5 ボリュームのペアをミラーリングすることによって RAID コントローラの
冗長性を提供することができます。
RAID の概念
RAID では特定の方法を使用してデータをディスクに書き込みます。これらの方法を使うと、RAID でデータの冗長性またはパフォー
マンスの向上を実現できます。次の方法があります。
● ミラーリング — 1 つの物理ディスクから別の物理ディスクにデータを複製します。ミラーリングを行うと、同じデータの 2 つの
コピーを異なる物理ディスクに保管することでデータの冗長性が得られます。ミラーのディスクのうち 1 つが失敗すると、シス
テムは影響を受けていないディスクを使用して動作を続行できます。ミラーリングしたディスクの両方に常に同じデータが入
っています。ミラーのいずれも動作側として機能します。ミラーリングされた RAID ディスクグループは、読み取り操作で RAID
5 ディスクグループのパフォーマンスと同等ですが、書き込み速度はより高速です。
● ストライピング — 仮想ディスク内のすべての物理ディスク全体にわたって、データを書き込みます。各ストライプは、仮想デ
ィスク内の各物理ディスクにシーケンシャルパターンを使用して固定サイズの単位でマップされた連続する仮想ディスクデー
タアドレスで構成されます。たとえば、仮想ディスクに 5 つの物理ディスクがある場合、ストライプは繰り返しなしで物理デ
ィスクの 1 から 5 にデータを書き込みます。ストライプで使用される容量は各物理ディスクで同じです。物理ディスク上に存
在するストライプ部分はストリライプエレメントです。ストライピング自体にはデータの冗長性はありません。ストライピン
グをパリティと組み合わせることでデータの冗長性を提供します。
● ストライプサイズ — パリティディスクを含まない、ストライプによって消費される総ディスク容量。たとえば、ストライプは
64KB のディスク容量で、ストライプの各ディスクには 16KB のデータがあるとします。この場合、ストライプサイズは 64KB で
ストライプエレメントサイズは 16KB です。
● ストライプエレメント — 単一の物理ディスク上にあるストライプの一部分です。
● ストライプエレメントサイズ — ストライプエレメントによって消費されるディスク容量。たとえば、ストライプは 64KB のデ
ィスク容量で、ストライプの各ディスクには 16KB のデータが存在するとします。この場合、ストライプサイズは 16KB でスト
ライプエレメントサイズは 64KB です。
● パリティ — ストライピングとアルゴリズムを組み合わせて使用することによって維持される冗長データ。ストライピングを
行っているディスクの 1 つが失敗すると、アルゴリズムを使用してパリティ情報からデータを再構築することができます。
● スパン — 物理ディスクグループのストレージ容量を RAID 10、50 または 60 の仮想ディスクとして組み合わせるために使用する
RAID 技術。
RAID レベル
各 RAID レベルではミラーリング、ストライピング、パリティを併用することでデータ冗長性や読み書きパフォーマンスの向上を実
現します。各 RAID レベルの詳細については、「RAID レベルの選択」を参照してください。
188 ストレージデバイスの管理