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リモートレプリケーションのタイプ
次に、ストレージアレイでサポートされるリモートレプリケーションのプレミアム機能のタイプを示します。
• リモートレプリケーション — 標準または非同期とも呼ばれ、iSCSI ベースおよびファイバチャネルベースのストレージアレイ両
方でサポートされます(ローカルストレージアレイとリモートストレージアレイの両方が同じデータプロトコルを使用する必要
があります)。これには、デュアル RAID コントローラ設定が必要です。
• リモートレプリケーション(レガシー) — 同期または完全書き込みとも呼ばれ、ファイバチャネルストレージアレイのみでサ
ポートされます。
リモートレプリケーション機能の違い
(同期)リモートレプリケーション(レガシー)機能と比較すると、標準(非同期書き込み)リモートレプリケーションプレミアム
機能は、ソース仮想ディスクの状態を取得するためにポイントインタイムのスナップショットイメージを使用し、最後のポイント
インタイムイメージ以降に変更されたデータのみを書き込みます。
標準リモートレプリケーションでは、リモートストレージアレイはローカルストレージアレイと完全に同期されません。その結果、
リモートストレージアレイが突然完全に失われた場合、一部のトランザクションが失われる可能性があります。
同期リモートレプリケーション(レガシー)では、ソース仮想ディスクに書き込まれるデータのすべてがリモート仮想ディスクに複
製されます。これにより、全く同一の、リアルタイムのリモート実稼働データが生成されます。
そのほか、次のような違いがあります。
• 必要なリポジトリ仮想ディスクの数 — 標準リモートレプリケーションでは、複製された各ペア(リモート仮想ディスクからロ
ーカル仮想ディスク)に対してリポジトリ仮想ディスクを作成する必要があります。それに対して、リモートレプリケーション
(レガシー)では、必要になるのは単一のリポジトリ仮想ディスクのみです。
• サポートされるデータプロトコル — 標準リモートレプリケーションは、iSCSI ストレージアレイとファイバチャネルストレージ
アレイの両方でサポートされます。リモートレプリケーション(レガシー)は、ファイバチャネルストレージアレイでのみサポ
ートされます。
メモ: リモートストレージアレイとローカルストレージアレイ両方のデータプロトコルが同じである必要があります(ファ
イバチャネルストレージアレイと iSCSI ストレージアレイ間のレプリケーションはサポートされません)。
• 距離の制限 — 標準リモートレプリケーションプレミアム機能を使用する場合は、ローカルストレージアレイとリモートストレー
ジアレイ間に距離の制限がありません。リモートレプリケーション(レガシー)では、一般的な遅延とアプリケーションパフォ
ーマンス要件に基づいて、ローカルストレージアレイとリモートストレージアレイ間には約 10 km(6.2 マイル)の距離制限があ
ります。
一般的な使用例
標準(非同期)リモートレプリケーションは、ネットワーク効率性がより高く、通常高速のノンストップ処理を必要とする環境に適
しています。リモートバックアップ統合、長距離障害復旧、年中無休のデータ保護も一般的な使用法です。
同期リモートレプリケーション(レガシー)は、ビジネス継続性を必要とする比較的少数のローカルシステム間でのレプリケーショ
ン用に設計されています。たとえば、データセンターなどの運用、ローカル障害復旧、およびその他上位層のアプリケーションなど
があります。
リモートレプリケーション(レガシー)から非同期リモートレ
プリケーションへのアップグレード
レガシーリモートレプリケーションプレミアム機能とレガシー以外のリモートレプリケーションプレミアム機能の両方をサポートす
る RAID コントローラファームウェアバージョンをアップグレードする場合、RAID コントローラ内のすべてのレガシーリモートレプ
リケーション設定は影響を受けず、引き続き正常に機能します。
リモートレプリケーションの要件と制限事項
標準リモートレプリケーションプレミアム機能を使用するには、以下が必要です。
• 書き込みアクセスが許可されている 2 台のストレージアレイ。これらのストレージアレイの両方に、それらの間でデータを複製
するために十分な容量があることが必要です。
• 各ストレージには、デュアルコントローラの Fibre Channel または iSCSI が必要です(シングルコントローラ構成はサポートされ
ません)。
プレミアム機能 — リモートレプリケーション 151