Administrator Guide
メモ: ディスクストライピングは優れたパフォーマンスを実現しますが、ストライピングだけではデータ整合性は提供されませ
ん。
仮想ディスク操作
仮想ディスクの初期化
仮想ディスクは、それぞれ初期化する必要があります。初期化はバックグラウンドで自動的に実行されますが、優先度は変更優先
度の変更オプションを更新して変更できます。この変更は、初期化が完了するまで、アレイのパフォーマンスに影響を与える可能
性があります。各 RAID コントローラモジュールでは、最大 4 つの仮想ディスクを同時に初期化できます。
ストレージアレイは、仮想ディスクが作成されて整合性を確立すると、ホストサーバーによる仮想ディスクへのフルアクセスを確保
しながら、バックグラウンド初期化を実行します。バックグラウンド初期化は、RAID 0 仮想ディスクでは実行されません。バック
グラウンド初期化の速度は、MD Storage Manager によって制御されます。バックグラウンド初期化の速度を変更するには、既存の
すべてのバックグラウンド初期化を停止させる必要があります。速度の変更は、バックグラウンド初期化が自動的に再開されたと
きに有効になります。
整合性チェック
整合性チェックは、冗長アレイ(RAID レベル 1、5、6、および 10)のデータの正確性を検証します。たとえば、パリティ有りのシ
ステムの整合性チェックには、1 個の物理ディスク上のデータを計算し、その結果をパリティ物理ディスクの内容と比較することが
含まれます。
整合性チェックは、バックグラウンド初期化に類似しています。相違点は、バックグラウンド初期化は手動での開始や停止ができ
ませんが、整合性チェックではできることです。
メモ: 少なくとも月に 1 回は冗長アレイでデータの整合性チェックを実行することをお勧めします。データの整合性チェック、
読み取り不能セクタの検出と自動置換が可能になります。障害の発生した物理ディスクの再構築中における読み取り不能セク
タの検出は深刻な問題です。これは、システムにデータの復元を行うための整合性がないためです。
メディア検証
ストレージアレイで実行される別のバックグラウンドタスクは、ディスクグループ内のすべての設定済み物理ディスクのメディア
検証です。ストレージアレイは読み取り操作を使用して、仮想ディスクで設定された領域とメタデータ用に予約された領域を検証
します。
サイクル時間
メディア検証操作は、他のディスクグループとは無関係に、選択されたディスクグループでのみ実行されます。サイクル時間は、
ディスクグループのメタデータ領域と、メディア検証が設定されたディスクグループのすべての仮想ディスクの検証を完了するのに
かかる時間です。ディスクグループの次のサイクルは、現在のサイクルが完了したときに自動的に開始されます。メディア検証操
作のサイクル時間は、1~30 日の間で設定できます。ストレージコントローラにより、サイクル時間に基づいてディスクに対するメ
ディア検証 I/O アクセスが制御されます。
ストレージアレイは、RAID コントローラ上の他のディスクグループとは無関係に各ディスクグループのサイクルを追跡し、チェッ
クポイントを作成します。ディスクグループでのメディア検証操作がディスクグループでの別の操作により阻止またはブロックさ
れた場合、ストレージアレイは現在のサイクルの後に再開されます。RAID コントローラモジュールの再起動のため、ディスクグル
ープでのメディア検証プロセスが停止した場合、ストレージアレイは最後のチェックポイントからプロセスを再開します。
仮想ディスク操作の制限
ストレージアレイに取り付けられたかく RAID コントローラモジュールにつき、アクティブで同時に行われる仮想ディスク処理の件
数は、最大で 4 です。この制限は、次の仮想ディスク処理に適用されます。
• バックグラウンド初期化
• フォアグラウンド初期化
• 整合性チェック
• 再構築
20 MD シリーズストレージアレイについて