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既存の仮想ディスク処理によって冗長 RAID コントローラモジュールに障害が発生すると、障害の発生したコントローラで行われて
いた処理は、ピアコントローラに転送されます。そのピアコントローラにアクティブな処理が 4 件ある場合、転送された処理は一
時停止状態となります。アクティブな処理の件数が 3 件以下になると、ピアコントローラ上で一時停止状態の処理が再開します。
ディスクグループ操作
RAID レベルのマイグレーション
要件に応じて、ある RAID レベルから別の RAID レベルにマイグレートできます。たとえば、RAID 5 セットに変換することにより、
フォールトトレラント特性をストライプセット(RAID 0)に追加できます。MD Storage Manager は RAID 属性に関する情報を提供
し、適切な RAID レベルの選択を支援します。RAID レベルのマイグレーションはシステムを稼働したままで再起動せずに実行でき
るため、データの可用性が維持されます。
セグメントサイズのマイグレーション
セグメントサイズとは、ストレージアレイが次の物理ディスクにデータを書き込む前に、仮想ディスク内の 1 つの物理ディスク上
に書き込むデータの量(キロバイト単位)です。セグメントサイズの有効な値は、8 KB、16 KB、32 KB、64 KB、128 KB、および
256 KB です。
セグメントサイズの動的なマイグレーションにより、特定の仮想ディスクのセグメントサイズを変更できます。デフォルトのセグ
メントサイズは、仮想ディスクの作成時に、RAID のレベルや予想される用途などの要因に基づいて設定されています。実際の用途
がニーズに合わない場合は、デフォルト値を変更できます。
セグメントサイズの変更を考慮する際の、制限に対する異なるアプローチを、2 つのシナリオで説明します。
• I/O 処理がセグメントサイズを上回る場合は、セグメントサイズを増やして、単一の I/O に必要なディスクの数を減らします。
複数のユーザーがデータベースまたはストレージ環境にアクセスしている場合は特に、単一の要求に対して単一の物理ディスク
を使用することで、他のディスクは解放されて他の要求に対応できます。
• 仮想ディスクをシングルユーザーで I/O の大きな環境(マルチメディアアプリケーションのストレージなど)で使用している場
合は、単一の I/O 要求には単一のデータストライプ(セグメントサイズ × データストレージ用のディスクグループ内の物理ディ
スクの数)で対応すると、パフォーマンスを最適化できます。この場合、同じ要求に対して複数のディスクが使用されますが、
各ディスクへのアクセスは 1 回だけです。
仮想ディスク容量の拡張
仮想ディスクを設定する際には、格納する予定のデータ量に基づいて容量を選択します。ただし、ディスクグループに空き容量を
追加して、標準的な仮想ディスクのための仮想ディスク容量を増加する必要が生じる可能性もあります。これにより、新しい仮想
ディスクを作成したり既存の仮想ディスクを拡張したりできる未使用の容量が増加します。
仮想ディスク容量の拡張の詳細については、「仮想ディスクの拡張 、p. 84」を参照してください。
ディスクグループの拡張
ストレージアレイはホットスワップ対応の物理ディスクをサポートしているため、ストレージアレイをオンラインにしたままの状態
で、各ディスクグループに一度に 2 台の物理ディスクを追加できます。操作中はいつでも、仮想ディスクグループ、仮想ディスク、
および物理ディスク上のデータにアクセスできます。データおよび増加した未使用の空き容量は、ディスクグループ全体にまたがっ
て動的に再配分されます。RAID の特性も、ディスクグループ全体に再適用されます。
ディスクグループのデフラグ
デフラグにより、ディスクグループの空き容量が 1 つの連続した領域に統合されます。デフラグを行っても、仮想ディスク上のデ
ータの保存方法は変更されません。
ディスクグループ操作の制限
取り付けられた RAID コントローラモジュールにつき、アクティブで同時に行われるディスクグループ処理の件数は、1 件までです。
この制限は、次のディスクグループ処理に適用されます。
MD シリーズストレージアレイについて 21