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シン仮想ディスクの物理容量と仮想容量
シン仮想ディスクの設定時には、次のタイプの容量を指定できます。
• 物理(または希望)
• 仮想
仮想容量は、ホストに対して報告される容量です。一方、物理容量は、データの書き込み操作用に割り当てられた実際の物理ディ
スク容量です。一般に、物理容量は仮想容量を大きく下回ります。
シンプロビジョニングを行うと、比較的小さい物理容量で、大型の仮想容量を持つ仮想ディスクを作成できます。これはアプリケ
ーションニーズの変化に応じてデータスループットを中断することなく容量を増加できるため、ストレージ使用率および効率に対し
て有益です。指定した物理容量の割合に達したら MD Storage Manager がアラートを生成するように、使用率警告しきい値を設定す
ることもできます。
既存のシン仮想ディスクでの容量の変更
読み取り / 書き込み操作のためにホストによって使用される容量(消費容量と呼ばれる場合もあります)が標準仮想ディスクに割
り当てられた物理容量を超える場合、物理容量が追加されるまでストレージアレイは追加の書き込み要求に対応できません。ただ
し、シン仮想ディスクでは、MD Storage Manager が自動的にシン仮想ディスクの物理容量を拡張することができます。ストレージ
> 仮想ディスク > リポジトリ容量の追加を使用して手動で行うことも可能です。自動拡張オプションを選択した場合、最大拡張容
量を設定することもできます。最大拡張容量によって、仮想ディスクの自動増加を、定義された仮想容量より少なくなるように制
限できます。
メモ: シン仮想ディスクを作成する時は、最大容量よりも少ない容量が割り当てられるため、スナップショットイメージおよび
スナップショット仮想ディスクといった特定の操作が実行されるときに、空き容量が不足する可能性があります。不足が発生
した場合は、アラートしきい値警告が表示されます。
シン仮想ディスクの要件と制限事項
次の表に、シン仮想ディスクに適用される最小容量および最大容量要件を示します。
表 8. 最小容量および最大容量要件
容量タイプ サイズ
仮想容量
最小 32 MB
最大 63 TB
物理容量
最小 4 GB
最大 64 TB
シン仮想ディスクには次の制限が適用されます。
• シン仮想ディスクのセグメントサイズは変更できません。
• シン仮想ディスクの先読み整合性チェックは有効化できません。
• シン仮想ディスクは、仮想ディスクコピー内のターゲット仮想ディスクとして機能できません。
• シン仮想ディスクはリモートレプリケーション(レガシー)動作で使用できません。
シン仮想ディスク属性
既存のディスクプールの空き容量からシン仮想ディスクを作成すると、ディスクの属性を手動で設定、または MD Storage Manager
を使用してデフォルトの属性を割り当てることができます。次の手動属性を使用できます。
• 希望容量 — 仮想ディスクの初期物理容量(MB、GB、または TB)を設定します。ディスクプールの希望容量は、4 GB 単位で
割り当てられます。4 GB の倍数ではない容量を指定すると、MD Storage Manager は 4 GB の倍数を割り当て、残りを未使用容
量として割り当てます。4 GB の倍数ではない領域が存在する場合、その容量はシン仮想ディスクのサイズ増加に使用できます。
シン仮想ディスクのサイズを増加させるには、ストレージ > 仮想ディスク > 容量の追加 を選択します。
• リポジトリ拡張ポリシー — 自動 または 手動 のいずれかを選択して、MD Storage Manager が物理容量のしきい値を自動的に拡
張する必要があるかどうかを指示します。自動 を選択した場合、自動容量拡張をトリガする 最大拡張容量 値を入力します。
ディスクグループ、標準仮想ディスク、およびシン仮想ディスク 65