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SSD キャッシュの使用
SSD キャッシュ機能は、ソリッドステートディスク(SSD)物理ディスクを使用して、ストレージアレイ内の読み取り専用パフォ
ーマンスを向上させます。SSD 物理ディスクは論理的にグループ化されて、RAID コントローラモジュールメモリ内でプライマリキ
ャッシュと共に使用するためのセカンダリキャッシュを提供します。
SSD キャッシュを使用すると、アプリケーションのスループットと応答時間が向上し、さまざまな負荷、特に高 IOP 負荷において、
持続性のあるパフォーマンス向上を実現します。
トピック:
• SSD キャッシュの仕組み
• SSD キャッシュの利点
• SSD キャッシュパラメータの選択
• SSD キャッシュの制限事項
• SSD キャッシュの作成
• SSD キャッシュに関連付けられた物理コンポーネントの表示
• SSD キャッシュでの物理ディスクの場所の特定
• SSD キャッシュへの物理ディスクの追加
• SSD キャッシュからの物理ディスクの削除
• SSD キャッシュの一時停止または再開
• SSD キャッシュでの I/O タイプの変更
• SSD キャッシュの名前の変更
• SSD キャッシュの削除
• パフォーマンスモデリングツールの使用
SSD キャッシュの仕組み
データは、ホストの読み取り後に DRAM に保存され、ユーザー指定のベース仮想ディスクからコピーされ、2 つの内蔵 RAID 仮想デ
ィスク(RAID コントローラモジュールに 1 つずつ)に保存されます。これらの仮想ディスクは、SSD キャッシュの初期セットアッ
プ時に自動的に作成されます。いずれの仮想ディスクも読み書き操作ではアクセスできず、MD Storage Manager インタフェースに
表示されたり、このインタフェースで管理したりできません。
SSD キャッシュに対するデータの移動では、単純な仮想ディスク I/O メカニズムが使用されます。
SSD キャッシュにデータを保存すると、ベース仮想ディスクに繰り返しアクセスする必要がなくなります。しかし、どちらの SSD
キャッシュ仮想ディスクもストレージアレイでサポートされる仮想ディスクの数に悪影響を及ぼします。
SSD キャッシュの利点
SSD キャッシュ機能の利点は、お使いのシステム設定およびネットワーク環境によって異なりますが、高機能 SSD キャッシュの使
用によって通常最も恩恵を受ける負荷は次のとおりです。
• 物理ディスクの I/O プロセス(IOP)によってパフォーマンスが制限される負荷。
• 物理ディスクへの書き込みと比べて非常に高い割合で物理ディスクの読み取りが行われるアプリケーション。
• 物理ディスクの同じ領域、および / または隣接した領域に対して繰り返される読み取り。
• アプリケーションによりアクセスされるデータの全体は、常に潜在的な SSD キャッシュ容量より少なくなります。そのような
状態であるかどうかを確認するには、キャッシュされる仮想ディスクの数とサイズを確認することで、しばしば信頼できる見
積もりを取得することができます。キャッシュされる仮想ディスクが多いほど、アプリケーションが SSD キャッシュ内に設定
できる量よりも多いデータ容量にアクセスする可能性が高くなります。
SSD キャッシュパラメータの選択
SSD キャッシュの作成時には、お使いのアプリケーションに最適な I/O タイプを次の選択肢から選択できます。
• ファイルシステム
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