表示変換機能 本節では、数値の表示形式の変換について説明します。 ■ Eng変換と逆Eng変換 計算結果として表示中の数値の指数部を、 3の倍数に変換して表 示することができます。 A Eng変換の操作例 1 1,234をEng変換して表示する a 1234= W W 2 123を逆Eng変換して表示する a 123= 1W(←) ■ S-D変換 S-D変換の機能を使うと、小数を分数やπの形式に変換したり、 その逆に変換することができます。 – 72 –
A 変換が可能な形式について S-D変換では、 小数で表示された計算結果を、 次の形式の数値に 変換することが可能です (同時に、 次の形式の数値を小数に変換 する操作が可能です)。 分数形式:分数として変換可能な小数を、分数形式に変換しま す。 仮分数、 帯分数のどちらで表示を行うかは、 変換時 の分数表示設定に従います。 π形式: πを含む次の形式への数値の変換が可能です(自然表 示時のみ有効)。 nπ(nは整数) dπ abπ c または c (分数表示設定に従います) ● 分数のπ形式への変換では、 変換できるものは逆三角関数の 結果やラジアンで一般的に表現される数値に限られます。 ● 計算結果が'形式で得られた場合に、fにて小数表示に変 換することが可能です。 しかし、計算結果が小数表示の場合は、'形式に変換するこ とはできません。 A S-D変換の例 ● 変換対象によっては、変換に時間がかかる場合があります。 1 分数 → 小数 A Math '5c6= f f ● fキーを押すごとに、 表示が交互に切り替わります。 – 73 –
2 πを含む分数→小数 A Math 15(π)*'2c5= f 3 'を含む数→小数 A Math !2e*!3= Math f – 74 –
複素数計算 (CMPLX) 本節では、複素数計算の操作について説明します。 本節での計算を行う際には、計算モード(15ページ参照)と してCMPLXモード (N2)を選択してください。 ■ 複素数計算の概要 A 本機で可能な複素数計算について 本機では、複素数を使った次の演算が可能です。 u 加減乗除計算 u 逆数、 2乗、3乗(関数X–1, X2, X3を使用) u 偏角と絶対値の計算 u 共役複素数の計算 A 虚数 (i) の入力について CMPLXモードでは、Wキーは虚数 i を入力するためのキーと して働きます。本節では 「iキー」 と表記します。 a+biの形式で複素数を入力する際には、iキーを利用します。 例えば2+3iを入力するには、次のように操作します。 2+3i CMPLX Math A 極座標形式での複素数の入力について CMPLXモードでは、 極座標形式(r ∠θ )での複素数の入力も可能 です。 例えば5∠30を入力するには、次のように操作します。 51y(∠)30 CMPLX Math ● 偏角θ の入力時(および計算結果表示時) の単位は、 現在の角 度設
A 計算結果の表示形式について 本機では、 複素数計算の結果を表示する際の座標形式として、 直 交座標形式と極座標形式のいずれかを選ぶことができます。 虚軸 虚軸 r ⬔ a + bi b a 実軸 直交座標形式 実軸 極座標形式 座標形式の切り替えは、セットアップで行います。詳しくは「複 素数表示設定を切り替えるには」 (18ページ) を参照してくださ い。 直交座標形式(a+bi )選択時の計算例と結果表示例 1 2×(' 3 +i)=2' 3 +2i=3.
極座標形式 (r∠θ )選択時の計算例と結果表示例 1 2×(' 3+i) = 2' 3+2i = 4∠30 Az CMPLX Math CMPLX Math 2*(!3e+i) = 2 1+i = ' 2∠45 Az 1+i= ● 偏角θ は、–180°<θ ≦180°の範囲で出力されます。 A 複素数メニューについて CMPLXモードの選択時には、複素数メニューが利用可能です。 複素数メニューは、12(CMPLX)を押すと表示されます。 各メニュー項目の具体的な操作方法については、次項からの説 明を参照してください。 ■ 共役複素数(Conjg) 複素数z=a+biに対する共役複素数 z=a−biを求めることが できます。 - 2+3i の共役複素数を求める a CMPLX 12(CMPLX)2(Conjg) 2+3i)= – 77 –
■ 絶対値と偏角の計算 (Abs, arg) z=a+biの形で表される複素数を複素平面(ガウス平面)上の座 標とみなして、絶対値(|Z|)と偏角(arg)を求めます。 - 2+2i の絶対値と偏角を求める Az 虚軸 b=2 a=2 実軸 絶対値の算出: CMPLX Math CMPLX Math 1w(Abs)2+2i= 偏角の算出: 12(CMPLX)1(arg) 2+2i)= ■ 計算結果表示形式の強制指定 現在の複素数表示設定にかかわらず、直交座標形式または極座 標形式で計算結果を表示することができます。 A 計算結果を直交座標形式で表示するには 計算式の末尾に12(CMPLX)4('a+bi)を押します。 - 2' 2∠45 = 2+2i Az CMPLX 212e1y(∠)45 12(CMPLX)4('a+bi) = – 78 – Math
A 計算結果を極座標形式で表示するには 計算式の末尾に12 (CMPLX)3 ('r∠θ)を押します。 - 2+2i = 2' 2∠45 Az CMPLX 2+2i12(CMPLX) 3('r∠θ)= ■ 複素数計算の例題 3 1 - (1+3i)÷(2i)=—−— i 2 2 a CMPLX (1+3i)/ (2i)= – 79 – Math
統計計算 (STAT) 本節での計算を行う際には、計算モード(15ページ参照)と してSTATモード (N3)を選択してください。 ■ 統計計算の概要 A 統計計算の操作の流れ はじめに、本機を使った統計計算の大まかな操作の流れを説明 します。次の操作例を行ってください。 1. N3 (STAT)を押します。 u 次のようなSTATタイプ選択画面が初期表示されます。 この画面では、 統計計算のタイプを選択することができま す。 2. ここでは1(1-VAR)を押します。 u 画面上部にSTATシンボルが点灯し、 STATモードに入った ことを示します。 u 次のようなSTATエディタ画面が表示されます。 STAT この画面では、 統計計算実行の対象となる標本データを入 力することができます。 3.
4. Aを押します。 u STAT演算画面が表示されます。 STAT この画面では、STATエディタ画面で入力した標本データ に基づく統計計算や、COMPモードとほぼ同様の各種計算 を実行することができます。 5. ここからの操作は、 実際の統計計算の例です。 11(STAT)を押します。 u 次のようなSTATメニューが表示されます。 この画面からコマンドを選択して統計計算を実行したり、 他の画面に移動することなどができます。 6. 計算例:標本データの平均値を求めます。 5(Var)を押してください。 u Varサブメニューが表示されます。 STAT 7.
8.
● 変数の数が異なる統計計算タイプに切り替えると、 現在登録 されている標本データがクリアされます。 STATタイプ選択画面で1∼8を押すと、次のような画面 が表示される場合があります。 STAT 標本データをクリアして統計計算タイプを切り替えるには = (Yes) を、 切り替えるのをやめるにはA (Cancel) を押し ます。 ● 変数の数が同じ(二変数の) 統計計算タイプの間での切り替 えの場合は、標本データは保持されます。同じ標本データに 基づいて、異なる回帰演算を実行することが可能です。 A 標本データの入力について STATエディタ画面を表示するには 他の計算モードからSTATモードに入った場合は、STATタイプ 選択画面で統計計算のタイプを選んだ時点でSTATエディタ画 面が表示されます。 すでにSTATモードに入っており、 他の画面が表示されている場 合は、 11 (STAT)2 (Data)を押します。 STATエディタ画面について STATエディタ画面の1行が、 1個 (1組) の標本データを表します。 現在選択されている統計計算タイプが一変数か、二変数かに応 じて、 STATエデ
FREQ列 STAT STAT 一変数の場合 二変数の場合 ● FREQ列には、各行の標本データの頻度(同一標本データの データ数)を、数値で入力することができます。ある行のX列 (またはY列) にデータを入力すると、 その行のFREQ列には初 期値として1が自動的に入力されます。 標本データを入力するには ● 入力は、 現在カーソルが表示されているセルに対して行うこ とができます。カーソルの移動は、カーソルキーを使って行 います。 STAT カーソル ● ライン表示選択時のCOMPモードでの入力と同じ要領で、 数 値や式の入力を行います。 入力中の数値や式は、 STATエディ タ画面下部の 「詳細情報エリア」に左詰めで表示されます。 STAT 詳細情報エリア } ● 入力の途中 (数値や式が詳細情報エリアに左詰めで表示され ている状態)でA を押すと、入力中の内容がクリアされま す。 ● 入力中の内容を確定するには、= を押します。確定と同時 に、 選択されていたセルに数値が表示されます (最大6桁) 。 計 算式を入力した場合は、計算結果が数値で入力されます。 STAT – 84 –
● 二変数の場合、 ある行のX列またはY列のどちらか片方への入 力を確定すると、 もう片方には初期値として自動的に0が入 力されます。 入力に関するご注意 ① 入力可能な行数 (標本データ数) は、 現在選択されている統計 計算タイプと、 本機のセットアップの 「統計表示設定」 の状態 によって次のように異なります。 統計表示 統計 設定 計算タイプ OFF (FREQ列非表示) ON (FREQ列表示) 一変数 80行 40行 二変数 40行 26行 ② 詳細情報エリアへの表示は、常にライン表示形式となりま す。 ③ STATエディタ画面では次の入力操作はできません。 ・m, 1m (M–)キーの操作 ・変数メモリーへの数値登録操作(STO) 標本データの保持に関するご注意 次の操作を行うと、 STATモードで入力した標本データはすべて 消えてしまいますので、ご注意ください。 ● STATモードから他の計算モードに切り替えた場合 ● セットアップで統計表示設定 (FREQ列の表示/非表示設定) を切り替えた場合 A 標本データの編集について STATエディタ画面で入力した標本データに
入力済みのセル内のデータを上書きするには 入力済みのセルへの上書き操作は、 基本的には標本データの初 期入力時の操作と同じです。 1. STATエディタ画面で、入力済み内容を変更したいセルに カーソルを移動します。 2. 上書きしたい数値 (または計算式) を入力し、 =を押します。 u 新たに入力した数値(または計算式)によって、 カーソル位 置のセルの内容が上書きされます。 ご注意 入力済みのセルに対する編集操作は、新規入力による上書き操 作のみが可能です。 すでに入力済みの数値の一部を変更するこ とはできません。 特定の行を削除するには 現在のカーソル位置の行全体を削除することができます。 1. STATエディタ画面で、削除したい行のいずれかのセルに カーソルを移動します。 2. Yを押します。 u カーソル位置の行全体が削除され、 削除した行以降の行が 順次繰り上がります。 特定の位置に行を挿入するには 現在のカーソル位置の手前に、 行を挿入することができます。 行 の挿入は、次の手順で行います。 1.
ご注意 すでに入力可能な行数いっぱいまで入力済みの場合は、行の挿 入は実行されません。 すべての標本データを一括削除するには STATエディタ画面に入力したすべての標本データを、 次の手順 で一括して削除することができます。 1. 11 (STAT) を押してSTATメニューを表示し、3 (Edit) を押します。 u Editサブメニューが表示されます。 2.
u 複数の計算履歴の記憶 u カルク機能 u ソルブ機能 u 一部の関数計算(微分、 積分など) u マルチステートメントの入力 また、 セットアップの表示形式設定にかかわらず、 常にライン表 示形式となります。 A STATメニューについて STATエディタ画面またはSTAT演算画面で11 (STAT) を押 すと、 STATメニューが表示されます。 STATメニューの内容は、 現在選択されている統計計算のタイプ (82ページ) が一変数か、 二変数かによって、 メニュー項目が異な ります。 一変数の場合 二変数の場合 ● メニューの表示中に11 (STAT) を押すと、 メニュー表示 前の画面に戻ります。 共通のメニュー項目 メニュー名 説 明 1Type STATタイプ選択画面を表示します。 2Data STATエディタ画面を表示します。 3Edit STATエディタに対する編集を行うためのEdit サブメニューを表示します。 4Sum 各種の総和を求めるコマンドを含むSumサブ メニューを表示します。 5Var 平均や標準偏差などを求めるコマンドを含む Varサブメニュー
● 4Sum, 5Var, 6MinMaxの各サブメニューに含まれるコ マンドについて詳しくは、 「一変数統計演算」 (下記) および 「回 帰演算 (二変数統計演算) ( 」93ページ) の該当項目を参照して ください。 一変数時のメニュー項目 メニュー名 7Distr 説 明 正規分布演算を実行するコマンドを含むDistr サブメニューを表示します。 二変数時のメニュー項目 メニュー名 7Reg 説 明 回帰演算を実行するコマンドを含むRegサブ メニューを表示します。 ご注意 対数回帰演算、 e指数回帰演算、ab指数回帰演算、およびべき乗回 帰演算の選択時は、 標本データの入力数が多くなると、 Regサブ メニューに含まれるコマンドの演算に時間がかかります。 ■ 一変数統計演算 11(STAT)1(Type)1(1-VAR) A 総和 (Sumサブメニュー) 11(STAT)4(Sum) 1Σx2 2Σx 標本の2乗和を求めます。 標本の総和を求めます。 A 標本数/平均/標準偏差 (Varサブメニュー) 11(STAT)5(Var) – 89 –
1n 標本数を求めます。 2o 平均を求めます。 o = Σnx 3xσn 母標準偏差を求めます。 Σ (x – o)2 n xσ n = 4xσn–1 標本標準偏差を求めます。 x σ n –1 = Σ (x – o)2 n–1 A 最大値/最小値 (MinMaxサブメニュー) STAT 11(STAT)6(MinMax) 1minX 標本の最小値を求めます。 2maxX 標本の最大値を求めます。 A 正規分布演算 (Distrサブメニュー) 標準正規分布の分布確率を計算できます。 標準化変量t は、 STAT エディタ画面で入力したデータから得られる平均値(o)と母標 準偏差値(xσn)を用いて、算出します。 11(STAT)7(Distr) 1P( 2Q( 3R( 4 't 下図のグレー部分の分布確率P(t), Q(t), R(t)の3種類を算出する ことができます。 標準正規分布 P ( t) 0 t Q ( t) 0 t – 90 – R ( t) 0 t
A 一変数統計演算の例題 1 一変数統計演算を選択して次のデータを入力する。 x 0 1 2 3 4 5 6 7 9 10 度数 (FREQ) 1 2 1 2 2 2 3 4 2 1 入力したデータに対して、 標本の2乗和と総和を求める。 1Nc4(STAT)1(ON)N3(STAT) 1(1-VAR) 0=1=2= 3=4=5=6= 7=9=10= STAT STAT cec2=c2=2 =2=3=4=2= A11(STAT)4(Sum) STAT 1(Σx2)= STAT 11(STAT)4(Sum) 2(Σx)= 2 例1で入力したデータの標本数、 平均、 母標準偏差を求め る。 11(STAT)5(Var) STAT 1(n)= – 91 –
11(STAT)5(Var) 2(o)= 11(STAT)5(Var) 3(xσn)= STAT STAT 3 例1で入力したデータの最小値、最大値を求める。 11(STAT)6(MinMax) STAT 1(minX)= STAT 11(STAT)6(MinMax) 2(maxX)= 4 例1で入力したデータを標準正規分布近似するとき、 x= 3のときの標準化変量の値以下の分布確率、x=7のとき の標準化変量の値以上の分布確率を求める。 11(STAT)7(Distr) STAT 1(P( )311(STAT) 7(Distr)4('t))= 11(STAT)7(Distr) 3(R( )711(STAT) 7(Distr)4('t))= – 92 – STAT
■ 回帰演算(二変数統計演算) A 一次回帰演算 11(STAT)1(Type)2(A+BX) 次の理論式による回帰を実行します。 y = A + BX 総和(Sumサブメニュー) 11(STAT)4(Sum) 1Σx2 2Σx 3Σy2 標本のXデータの2乗和を求めます。 標本のXデータの総和を求めます。 標本のYデータの2乗和を求めます。 4Σy 標本のYデータの総和を求めます。 6Σx3 標本のXデータの3乗和を求めます。 8Σx4 標本のXデータの4乗和を求めます。 5Σxy 標本のXデータとYデータの積和を求めます。 7Σx2y 標本の{Xデータの2乗×Yデータ}の総和を求めます。 標本数/平均/標準偏差 (Varサブメニュー) 11(STAT)5(Var) 1n 標本数を求めます。 2o 標本のXデータの平均を求めます。 o = Σnx 3xσn 標本のXデータの母標準偏差を求めます。 xσ n = Σ (x – o)2 n – 93 –
4xσn–1 標本のXデータの標本標準偏差を求めます。 x σ n –1 = Σ (x – o)2 n–1 5p 標本のYデータの平均を求めます。 6yσn 標本のYデータの母標準偏差を求めます。 Σy p= n yσ n = Σ (y – p)2 n 7yσn–1 標本のYデータの標本標準偏差を求めます。 y σ n –1 = Σ (y – p)2 n–1 最大値/最小値(MinMaxサブメニュー) STAT 11(STAT)6(MinMax) 1minX 標本のXデータの最小値を求めます。 2maxX 標本のXデータの最大値を求めます。 3minY 標本のYデータの最小値を求めます。 4maxY 標本のYデータの最大値を求めます。 回帰演算(Regサブメニュー) 11(STAT)7(Reg) 1A 回帰係数の定数項Aを求めます。 A= 2B Σy – B.Σx n 回帰係数Bを求めます。 B= n.Σxy – Σx .Σy n.
3r 相関係数rを求めます。 n .Σxy – Σx .Σy 2 . {n Σx – (Σx)2}{n .Σy 2 – (Σy)2} r= 4m x推定値を求めます。 y–A B m= 5n y推定値を求めます。 n = A + Bx - x y 左記データを一次回帰して回帰式およ 1.0 1.2 1.5 1.6 1.9 2.1 2.4 2.5 2.7 3.0 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 2.0 び相関係数を求める。 また、 回帰式よりx=2およびy=–3のと きのn (yの推定値) 、 m(xの推定値)をそれ ぞれ推定する。 1Nc4(STAT)2(OFF) N3(STAT) STAT 2(A+BX)1= 1.2=1.5= 1.6=1.9= 2.1=2.4= 2.5=2.
1.1=1.2= 1.3=1.4= 1.5=1.6= 1.7=1.
回帰演算(Regサブメニュー) 11(STAT)7(Reg) 1A 回帰係数の定数項Aを求めます。 Σy Σx Σx 2 –B –C n n n ( ) ( ) A= 2B 回帰係数の一次係数Bを求めます。 B= 3C Sxy.Sx 2x 2 – Sx 2y.Sxx 2 Sxx.Sx 2x 2 – (Sxx 2)2 回帰係数の二次係数Cを求めます。 C= Sx 2y.Sxx – Sxy.Sxx 2 Sxx.Sx 2x 2 – (Sxx 2) 2 ただし、 Sxx = Σx 2– (Σx) n . Sxy = Σxy – (Σx Σy) n . 2 Sxx 2 = Σx 3 – (Σx Σx ) n 2 2 2 2 4 ( Σx ) Sx x = Σx – n 2.
- 95ページ (一次回帰演算の例題) で入力したデータを二次 回帰して、回帰式を求める。 また、回帰式よりx =2およびy =3のときのn(y の推定 値) 、 m( 1 x1の推定値) 、 m( 2 x2の推定値) をそれぞれ推定す る。 A11(STAT)7(Reg) STAT 1(A)= STAT 11(STAT)7(Reg) 2(B)= STAT 11(STAT)7(Reg) 3(C)= y=3のときm1は? STAT 311(STAT)7(Reg) 4(m1)= y=3のときm2は? STAT 311(STAT)7(Reg) 5(m2)= x=2のときnは? STAT 211(STAT)7(Reg) 6(n)= A 対数回帰演算 11(STAT)1(Type)4(ln X) 次の理論式による回帰を実行します。 y = A + Bln X – 98 –
● すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算(93 ページ)と同様です。 演算式は次の通りです。 Σy – B.Σlnx n n .Σ(lnx)y – Σlnx .Σy B= n .Σ(lnx)2 – (Σlnx)2 n .Σ(lnx)y – Σlnx .Σy r= {n .Σ(ln x)2 – (Σ lnx)2}{n .Σy2 – (Σy)2} A= y–A m=e B n = A + Blnx - x y 29 50 74 103 118 1.6 23.5 38.0 46.4 48.9 左記データを対数回帰して回帰式および相 関係数を求める。 また、 回帰式よりx=80およびy=73のとき (y の推定値) 、 m(xの推定値)をそれぞれ のn 推定する。 1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)4(In X) STAT 29=50=74= 103=118= ce1.6= 23.5= 38=46.4= 48.
STAT 11(STAT)7(Reg) 3(r)= x=80のときnは? STAT 8011(STAT)7(Reg) 5(n)= y=73のときmは? STAT 7311(STAT)7(Reg) 4(m)= A e指数回帰演算 11(STAT)1(Type)5(e^X) 次の理論式による回帰を実行します。 y = AeBX ● すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算(93 ページ)と同様です。 演算式は次の通りです。 . A = exp Σlny – B Σx ( ) n n .Σxlny – Σx .Σlny B= n .Σx 2 – (Σx)2 n .Σxlny – Σx .Σlny r= {n .Σx 2 – (Σx)2}{n .Σ(ln y)2 – (Σln y)2} lny – lnA m= B n = Ae Bx - x y 6.9 12.9 19.8 26.7 35.1 21.4 15.7 12.1 8.5 5.
1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)5(e^X) 6.9=12.9= 19.8= 26.7= 35.1= ce21.4= 15.7= 12.1=8.5= 5.
演算式は次の通りです。 . A = exp Σlny – lnB Σx B = exp ( n ) . . ( n Σxn .Σxy –– ΣxΣxΣ y ) ln ln 2 ( )2 n .Σxlny – Σx .Σlny {n .Σx – (Σx)2}{n .Σ(ln y)2 – (Σln y)2} lny – lnA m= lnB n = ABx r= 2 - x –1 3 5 10 y 0.24 4 16.2 513 左記データをab 指数回帰して回帰式およ び相関係数を求める。 また、回帰式よりx=15 およびy=1.02 の (yの推定値) 、m (xの推定値) をそれ ときのn ぞれ推定する。 1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)6(A•B^X) STAT y1=3=5= 10= STAT ce0.24=4= 16.
STAT 11(STAT)7(Reg) 3(r)= x=15のときnは? STAT 1511(STAT)7(Reg) 5(n)= y=1.02のときmは? STAT 1.0211(STAT) 7(Reg)4(m)= A べき乗回帰演算 11(STAT)1(Type)7(A•X^B) 次の理論式による回帰を実行します。 y = AXB ● すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算(93 ページ)と同様です。 演算式は次の通りです。 . A = exp Σlny – B Σlnx ( ) n n .Σlnxlny – Σlnx .Σ lny B= n .Σ(lnx)2 – (Σlnx)2 n .Σlnxlny – Σlnx .Σ lny r= . {n Σ(ln x)2 – (Σln x)2}{n .
1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)7(A•X^B) STAT 28=30=33= 35=38= ce2410= 3033= 3895= 4491= 5717= STAT STAT A11(STAT)7(Reg) 1(A)= STAT 11(STAT)7(Reg) 2(B)= STAT 11(STAT)7(Reg) 3(r)= x=40のときnは? STAT 4011(STAT)7(Reg) 5(n)= y=1000のときmは? STAT 100011(STAT) 7(Reg)4(m)= A 逆数回帰演算 11(STAT)1(Type)8(1/X) 次の理論式による回帰を実行します。 y=A+ B X ● すべてのサブメニュー内のコマンドは、一次回帰演算(93 ページ)と同様です。 – 104 –
演算式は次の通りです。 Σy – B.Σx–1 n Sxy B= Sxx Sxy r= Sxx .Syy A= (Σx–1)2 Sxx = Σ(x–1)2 – n (Σy)2 Syy = Σy2– n –1. Sxy = Σ(x–1)y – Σx Σy n B m= y–A B n=A+ x - x y 1.1 2.1 2.9 4.0 4.9 18.3 9.7 6.8 4.9 4.1 左記データを逆数回帰して回帰式および相 関係数を求める。 また、 回帰式よりx=3.5 およびy=15 のと (yの推定値) 、 m(xの推定値)をそれぞ きのn れ推定する。 1Nc4(STAT)2(OFF)N3(STAT)8(1/X) 1.1=2.1= 2.9=4= 4.9= STAT ce18.3= 9.7=6.8= 4.9=4.
STAT A11(STAT)7(Reg) 1(A)= STAT 11(STAT)7(Reg) 2(B)= STAT 11(STAT)7(Reg) 3(r)= x=3.5のときnは? STAT 3.
n 進計算 (BASE-N) 2進、 8進、 10進、 16進数を用いた四則演算、 負数計算、 論理演算が 実行できます。 本節での計算を行う際には、計算モード(15ページ参照)と してBASE-Nモード (N4)を選択してください。 ■ n進計算の概要 A 基数の設定について 2進、 8進、 10進、 16進のいずれかを、 計算の基数として選択できま す。基数の設定には次の各キーを使います。 ● 本節では各キー右上の緑色の文字でキーを表記します。 DEC HEX w 6 BIN OCT l i キー 選択される基数 画面上の基数表示 U 10進 Dec c 16進 Hex b 2進 Bin q 8進 Oct STAT 基数設定表示 ● BASE-Nモードに入った時点では、 前回の設定にかかわらず、 基数は10進に設定されます。 数値の入力と計算例 BASE-Nモードでは、 現在の基数設定に従って数値が入力されま す。 1 2進法で12+12を計算する Ab1+1= – 107 –
2 8進法で78+18を計算する Aq7+1= ● 有効でない数値入力(基数設定で2進を選択している状態で の2の入力など) は、Syntax ERRORとなります。 ● BASE-Nモードでは、小数や指数部の入力はできません。ま た、 演算結果が小数となる場合は、小数部は切り捨てられま す。 16進法での数値の入力と計算例 16進法で数値を入力する際に必要なA, B, C, D, E, Fは、次の各 キーで入力します。 {A} {B} {C} {D} y e w s E c F t - 16進法で1F16+116を計算する Ac1F+1= 計算結果をn進法で表示するには 計算結果は、 常に現在の基数設定に従って表示されます。 このた め、 基数設定を変更することで、 現在表示されている計算結果を 2進、8進、10進、16進の間で切り替えることができます。 - 10進数の3010を2進、8進、16進に変換する AU30= b q – 108 –
c A n進計算メニューについて BASE-Nモードの選択時には、n進計算メニューが利用可能で n進計算メニューは、13(BASE)を押すと表示されます。 す。 画面は次の2画面があり、 cまたはfを押して切り替えます。 STAT c STAT f 1画面目 2画面目 1画面目は、論理演算子の入力に使います。 2画面目は、入力する数値の基数指定に使います。 ● 使い方については以降の操作例を参照してください。 A 演算の有効範囲について 基数に応じて、次の範囲での演算が可能です。 基数 2進 8進 10進 16進 有効範囲 正:0000000000000000≦x≦0111111111111111 負:1000000000000000≦x≦1111111111111111 正:00000000000≦x≦17777777777 負:20000000000≦x≦37777777777 –2147483648≦x≦2147483647 正:00000000≦x≦7FFFFFFF 負:80000000≦x≦FFFFFFFF ● 2進数の場合のみ、 演算できる範囲が狭くなります(2進数の 場合は1
■ 入力時の基数指定 BASE-Nモードでは、 現在の基数設定とは無関係に、 数値の入力 時に個別に基数を指定することも可能です。 A 入力時に基数を指定するには n進計算メニュー(109ページ)の2画面目を使います。 例えば10進数で3を入力するには、次のように操作します。 Ab13(BASE) c1(d)3 次に続く数値が10進数であることを表す A 数値ごとに基数を指定した計算例 - 510+516の計算結果を2進数で得る Ab13(BASE) c1(d)5+ 13(BASE) c2(h)5= STAT ● 計算結果は、 常に現在の基数設定に従って表示されます。 ■ 負数計算および論理演算 負数計算および論理演算が実行可能です。 ● 2進、 8進、 16進では、 負数は2進数表記で2の補数をとった数値 を、元のn進表記に戻して使います。 10進では、負数には負符号を表示します。 ● 本節での例題は、 すべて基数設定を2進にした場合で説明し ます。 A 論理積 (and) ビットごとの論理積をとった結果を返します。 - 10102 and 11002=10002 101013(BASE)
A 論理和 (or) ビットごとの論理和をとった結果を返します。 - 10112 or 110102=110112 101113(BASE) 2(or)11010= A 排他的論理和 (xor) ビットごとの排他的論理和をとった結果を返します。 - 10102 xor 11002=1102 101013(BASE) 3(xor)1100= A 排他的論理和の否定 (xnor) ビットごとの排他的論理和の否定をとった結果を返します。 - 11112 xnor 1012=111111111111012 111113(BASE) 4(xnor)101= A 否定 (Not) ビット反転した結果を返します。 - Not (10102)=11111111111101012 13(BASE) 5(Not)1010)= A 負数 (Neg) 2の補数をとった結果を返します。 - Neg (1011012)=11111111110100112 13(BASE)6(Neg) 101101)= – 111 –
方程式計算 (EQN) 本節での計算を行う際には、計算モード(15ページ参照)と してEQNモード (N5)を選択してください。 ■ 方程式計算の概要 (操作の流れ) はじめに、本機を使った方程式計算の大まかな操作の流れを説 明します。ここでは、次の2元連立1次方程式の解を求める場合 で、操作手順を例示します。 表示形式は「自然表示」 に設定します。 X+0.5Y=3 2X+3Y=4 1. N5 (EQN)を押します。 u 次のようなEQNタイプ選択画面が初期表示されます。 この画面では、方程式計算のタイプを選択できます。 2. ここでは 1 (anX+bnY=cn) を押して、 2元連立1次方程式を 選択します。 u 次のような係数エディタ画面が表示されます。 Math この画面では、方程式の係数を入力することができます。 3. 方程式の係数を入力します。 1= 0.5= 3= 2= 3= 4= Math X+0.
4.
■ 係数の入力について 方程式の係数の入力には、 係数エディタを使います。 係数エディ タ画面には、 選択されている方程式のタイプに応じて、 必要なだ けの入力エリア(セル) が表示されます。 Math Math 2元連立1次方程式 3元連立1次方程式 Math Math 2次方程式 3次方程式 A 係数を入力/編集するには ● 入力は、 現在カーソルが表示されているセルに対して行うこ とができます。 ● 3元連立1次方程式および3次方程式を選択した場合、 係数エ ディタ画面を表示した時点ではdの列は見えませんが、カー ソルで移動することができます。 ● ライン表示選択時のCOMPモードでの入力と同じ要領で、 数 値や式の入力を行います。入力中の数値や式は、係数エディ タ画面下部の 「詳細情報エリア」に左詰めで表示されます。 ● 入力の途中 (数値や式が詳細情報エリアに左詰めで表示され ている状態)でA を押すと、入力中の内容がクリアされま す。 ● 入力中の内容を確定するには、= を押します。確定と同時 に、 選択されていたセルに数値が表示されます (最大6桁) 。 計 算式を入力した場合は
Math A Math A 入力に関するご注意 係数エディタ画面での注意点は、 STATエディタ画面の場合とほ ぼ同様です。85ページの「入力に関するご注意」 の②、③を参照 してください。 ■ 解の表示について 係数エディタ画面で係数の入力を確定した状態(詳細情報エリ アに数値が右詰めで表示されている状態)で=を押すと、方程 式の解が表示されます。 Math Math 解の表示画面例 ● 解の表示中は、=を押すごとに次の解の表示に切り替わり ます。 最後の解が表示された後で=を押すと、 係数エディタ 画面に戻ります。 ● 連立1次方程式の場合は、 cまたはfを押すことで、 X, Y (お よびZ)の解の間で表示を切り替えることができます。 ● 2次または3次方程式で、複数の解がある場合は、 c または 3 解の個数は方程式による) の間 fを押すことで、 X1, X2, X( で表示を切り替えることができます。 ● 解の表示中にAを押すと、係数エディタ画面に戻ります。 ● 解の表示形式は、 セットアップの 「表示形式設定」 と 「複素数表 示設定」に従います。 ● 方程式の解表示中は、ENG表
■ 方程式計算の例題 1 X+2Y=3 2X+3Y=4を解く A N5(EQN) Math 1(anX+bnY=cn) Math 1=2=3= 2=3=4= Math = Math c 2 X2+2X+3=0を解く A N5(EQN) Math 3(aX2+bX+c=0) Math 1=2=3= – 116 –
Math = Math = X−Y+Z=2 3 X+Y−Z=0 −X+Y+Z=4を解く A N5(EQN) Math 2(anX+bnY+cnZ=dn) 1=y1=1= 2=1=1= y1=0=y1= 1=1=4= Math Math = Math c Math c – 117 –
4 X3−2X2−X+2=0を解く A N5(EQN) Math 4(aX3+bX2+cX+d=0) Math 1=y2= y1=2= Math = Math c Math c 5 X2−4X+4=0を解く A Math N5(EQN)3(aX2+bX+c=0) Math 1=y4=4= Math = – 118 –
関数式からの数値テーブル生成 (TABLE) 本節での計算を行う際には、計算モード(15ページ参照)と してTABLEモード (N6)を選択してください。 ■ 数値テーブル生成の概要(操作の流れ) ここでは、 次の関数式と、xの開始値/終了値/ステップ値指定 に基づく数値テーブルを生成する場合で、 操作手順を例示しま す。 関数式 : f(x)=x2+ 開始値 :1 終了値 :5 1 2 ステップ値 : 1 ● 次の操作手順は、 セットアップの表示形式設定 (16ページ) が 「ライン表示」の場合で説明します。 1. N6 (TABLE)を押します。 u 次のような関数式エディタ画面が初期表示されます。 この画面では、 数値テーブル生成の元となる関数式を入力 します。 2.
3. 関数式を確定するには、=を押します。 u 開始値の指定画面が表示されます。 現在指定されている開始値 (初期値: 1)が表示される u 現在指定されている開始値と今回指定したい開始値が異な る場合は、開始値1を入力します。 4. 関始値を確定するには、=を押します。 u 終了値の指定画面が表示されます。 現在指定されている終了値 (初期値: 5)が表示される u 開始値の場合と同様、必要に応じて数値を入力します。 5. 終了値を確定するには、=を押します。 u ステップ値の指定画面が表示されます。 現在指定されているステップ値 (初期値: 1)が表示される u 開始値の場合と同様、必要に応じて数値を入力します。 6.
■ 関数式の登録とx値の指定について A 登録が可能な関数式について TABLEモードの関数式エディタ画面では、基本的にCOMPモー ド時と同様に、 数値や演算子、 関数、 定数、 変数などの入力操作が 可能です。ただし、次の制限があります。 ● 変数メモリーXを除く各変数メモリー (A, B, C, D, Y) および 独立メモリー (M) は、 すべて数値 (メモリー内に現在格納され ている数値) として扱われます。 ● 関数式における変数としては、変数メモリーXのみが使用可 能です。他の変数メモリーおよび独立メモリーは、関数式に おける変数としては使用できません。 Σ計算の各関数 ● 微分(d/dx)、積分( ∫ )、座標変換(Pol, Rec)、 は入力できません。 ● 次の機能は利用できません。 u リプレイ機能 u カルク機能 u ソルブ機能 u マルチステートメントの入力 u m, 1m(M–)キーの操作 u 変数メモリーへの数値登録操作(STO) A x値の指定について 数値テーブルを作成する際に使われるx値の開始値 (Start) 、 終了 値 (End) 、 およびステップ値(Step
● 入力した関数式、 およびx値の指定条件などにより、 数値テー ブルの作成に時間がかかる場合があります。 ● 数値テーブルを作成する際に、変数メモリーXの値は書き換 えられてしまいますので、 ご注意ください。 A 登録した関数式とx値の保持について TABLEモードで登録した関数式とx値 (開始値/終了値/ステッ プ値) が保持/クリアされる条件は、 次の通りです。 ● TABLEモードから出た場合は、 関数式とx値はすべてクリア されます。 TABLEモードでN6 (TABLE) を押して、 TABLE モードに入り直した場合も、すべてクリアされます。 ● TABLEモードで本機の電源を切った場合は、 再度電源を入れ ると関数式エディタ画面が表示されます。このとき、電源を 切る前に登録されていた関数式は消去されます。x値は保持 されています。 ● TABLEモードでセットアップの表示形式設定 (自然表示形式 またはライン表示形式の設定)を変更すると、登録されてい た関数式はクリアされます。 ■ 数値テーブル画面について 数値テーブル画面には、指定した開始値/終了値/ステップ値 そのx値を登録した関数式
技術情報 本節では、 本機の計算機としての性能や精度、 エラーが発生した 場合の考えられる原因と対処方法について説明します。 ■ 計算の優先順位 本機では、入力した式が次の優先順位に従って計算が実行され ます。 ● 基本的に左から右へと計算が実行されます。 ● カッコが使用された場合、カッコ内の計算が最優先されま す。 ● 個別の演算命令ごとの優先順位は、次の通りです。 順位 ① 演算命令の種類 該当記号と解説 カッコ付き関数 Pol(, Rec( ∫(, d/dx(, Σ( P(, Q(, R( sin(, cos(, tan(, sin–1(, cos–1(, tan–1(, sinh(, cosh(, tanh(, sinh–1(, cosh–1(, tanh–1( log(, ln(, e^(, 10^(, '(, 3'( arg(, Abs(, Conjg( Not(, Neg( Rnd( ② 後置関数、べき乗、 x2, x3, x–1, x!, ° ’ ”, °, r, g, ^(, べき乗根 x 正規分布 't '( パーセント % ③ 分数 a b/c ④
順位 ⑦ 演算命令の種類 該当記号と解説 乗除算 ×, ÷ π, e, 変数メモリーの直前の乗 πA, 2iなど)、 乗算省略 算省略(2π, 5A, カッコ付き関数直前の乗算省 略 (2'(3) , Asin(30)など) ⑧ 加減算 ⑨ 論理積 +, − and ⑩ 論理和、排他的論理 or, xor, xnor 和、排他的論理和の 否定 ヒント ● 負数を使った計算では、 負数にカッコを付ける必要がある場 合があります。 例えば 「–2の2乗」 を計算したい場合は、 ②後置 (–) よりも優先 関数x2の優先順位が④前置記号である負符号 2 ”と入力することが必要です。 順位が高いため、 (–2) “ y2w= –22=–4 (y2)w= (–2)2=4 ● 乗除算と乗算省略は同じ優先順位⑦なので、計算式は、左か ら順に計算されます。このため、カッコを付けることで計算 結果が変わります。 1/2i= 1÷2i= 1 2 i 1/(2i)= 1÷(2i)=– 1 2 – 124 – i
■ スタック数の制限について 本機には優先順位の低い計算数値や計算命令 (関数など) を一時 的に記憶する「スタック」と呼ばれるメモリーがあります。数値 用のスタックは10 段、 命令用のスタックは24 段まで使用でき ます。 数値用、命令用のスタックは、 それぞれ次のように数えま す。 3 2 1 1 2 3 4 数値用スタック 1 2 4 5 6 5 7 命令用スタック 1 2 3 2 ҂ 3 4 3 4 5 4 ѿ 5 4 5 ҂ 6 7 ѿ スタック数を超えて計算式を入力し、計算を実行しようとする と、スタックエラー(Stack ERROR)となり、計算結果を得るこ とはできません。 A モードに応じた特殊なスタックの数え方につい て ● CMPLXモードでは、入力した数値が実数、複素数のいずれの 場合でも、 1つの数値で2つの数値用スタックを使用します。 このため、 CMPLXモードでの数値用スタックは、 見かけ上は 5段となります。 – 125 –
■ 演算範囲・演算桁数・精度について 実行する計算に応じて、本機の演算範囲、内部演算桁数、精度は 次の通りです。 演算範囲と精度 演算範囲 ±1×10–99∼±9.999999999×1099および0 内部演算桁数 15桁 精度 原則として1回の計算につき10桁目の誤差 が±1 となります。 指数で表示する場合には 誤差は表示されている仮数表示の最下位桁 において±1 となります。連続して計算を 行った場合は、この誤差が累積されます。 関数計算時の入力範囲と精度 関数 入力範囲 DEG sin x cos x 0⬉ x ⬍9 109 RAD 0⬉ x ⬍157079632.7 GRA 0⬉ x ⬍1 1010 DEG 0⬉ x ⬍9 109 RAD 0⬉ x ⬍157079632.
関数 入力範囲 sinh–1x 0⬉ x ⬉4.999999999 1099 cosh–1x 1⬉ x ⬉4.999999999 1099 tanh x 0⬉ x ⬉9.999999999 1099 tanh–1x 0⬉ x ⬉9.999999999 10–1 log x / ln x 0 x ⬉9.999999999 1099 10 x ex ' x –9.999999999 1099⬉ x ⬉ 99.99999999 –9.999999999 1099⬉ x ⬉ 230.
関数 x ' y 入力範囲 y 0: x G 0, –1 10100 1/x logy 100 y 0: x 0 2n 1 y 0: x 2n 1, ––––– m (m G 0; m, n : 整数) ただし、–1 10100 1/x log y 100 a b/c 整数・分子・分母の合計が 10 桁以内 (ただし、区 切りマークを含む) ● 演算は、 基本的には 「演算範囲と精度」 で示した精度で行われ ます。 y, 3', x!, nPr, nCrなど内部で連続演算を行うタイ ● ^(xy), x' プの関数では、内部での1回の計算ごとに発生した誤差が累 積されることがあります。 ● 関数の特異点や変曲点の近傍で、 誤差が累積されて大きくな ることがあります。 ■ エラーメッセージについて 本機の限界を超える演算を実行しようとしたり、不適切な入力 を行ったりすると、 エラーメッセージが表示されます。 エラーの 発生原因に応じて、“Math ERROR”や“Stack ERROR”など数種 類のエラーメッセージがあります。 Math エラーメッセ
● Aを押すと、エラーメッセージが表示される前に入力した 計算式をクリアします。 計算式をはじめから入力し直す場合 は、この操作を行ってください (エラーが発生した計算式は、 計算履歴には残りませんので、ご注意ください)。 A エラーメッセージ一覧 ここでは、状況に応じて表示される個別のエラーメッセージの 意味と、 対処方法を示します。 対処に際しては、はじめにエラー メッセージ画面でdまたはeを押してください。 メッセージ:Math ERROR エラー内容 対 処 u 計算の途中経過または結果 u 入力した数値を確認し、桁 が演算範囲を超えている。 数を減らして計算し直す。 u 入力可能な数値範囲を超え u 独立メモリーや変数メモ た入力を行った(特に関数 リーを関数の引数として の使用時に注意が必要)。 使っている場合、メモリー u 数学的な誤り (0 による除算 内の数値がその関数で使用 など) が行われた。 可能な範囲内かを確認す る。 ● 入力可能な数値範囲については、 「演算範囲・演算桁数・精度に ついて」 (126ページ)を参照してください。 メッセージ:Stack
メッセージ:Syntax ERROR エラー内容 対 処 u 計算式の書式に誤りがあ u 書式の誤りを確認し、計算 る。 式を訂正する。 メッセージ:Argument ERROR エラー内容 対 処 u 引数の使い方に誤りがあ u 引数の使い方を確認し、計 る。 算式を訂正する。 メッセージ:Variable ERROR ソルブ機能(52ページ)利用時に特有のエラーです。 エラー内容 対 処 u 求解対象が未指定で、かつ u 求解対象が未指定の場合 入力した方程式に変数Xが は、 変数Xを含む方程式を入 含まれていない。 力する。 u 求解対象として指定した変 u 方程式に含まれている変数 数が入力した方程式に含ま を求解対象として指定す れていない。 る。 メッセージ:Can’t Solve ソルブ機能(52ページ)利用時に特有のエラーです。 エラー内容 対 処 u 解を求めることができな u 入力した方程式に誤りがな かった。 いか確認する。 u 求解対象の変数の値を、解 に近いと思われる値を入力 して実行してみる。 – 130 –
メッセージ:Insufficient MEM エラー内容 対 処 u 計算を実行するための演算 u テーブル計算における開始 メモリーが不足している 値/終了値/ステップ値を (TABLEモードで発生する 調整して、計算の実行範囲 を狭くする訂正を行い、再 ことがあります)。 度実行してみる。 メッセージ:Time Out エラー内容 対 処 u 微分/積分計算にて、解が u tol値を現在の値より大きく 終了条件を満たしていな することで、求解条件を緩 い。 めて試してみる (このとき、 求解精度は落ちます)。 ■ 故障かなと思う前に… もし計算中にエラーが発生したり、 計算結果がおかしい場合、 下 記の操作を順番にお試しください。 操作を行う前に、 大切なデー タは事前にノートなどに書き写してください。 ① 計算式が間違っていないか確かめる。 ② 計算を行うのに必要な正しい計算モードを選択する。 ③ 上記の操作を行っても正常に操作できない場合はOキーを 押す。O キーを押すと、計算機の状態が正常であるかを チェックする。 異常が発見された場合は自動的に計算モード や設定を初
リファレンス情報 本節では、本機の電源および電池交換について説明します。 ■ 電源および電池交換 fx-370ES 電源には、単4電池を1個使用しています。 fx-912ES 電源には、 太陽電池とボタン電池 (LR44) の2電源を使ったTWO WAY POWERシステムを採用しています。 使用する場所の照度 に制限のある太陽電池のみの関数電卓とは異なり、 表示内容が 確認できる明るささえあれば使うことができます。 ●電池使用上のご注意 電池の使い方を誤ると電池の液もれで製品が腐食したり、電池 が破裂することがあります。 次のことを必ずお守りください。 この表示を無視して誤った取り扱いをすると、 人が傷害を負う可能性が想定される内容およ 注意 び物的損害のみの発生が想定される内容を示 しています。 電池について ● 本機で使用している電池を取り外した場合は、誤って 電池を飲むことがないようにしてください。特に小さ なお子様にご注意ください。 ● 電池は小さなお子様の手の届かない所へ置いてくださ い。万一、お子様が飲み込んだ場合は、ただちに医師と 相談してください。 – 132 –
● 電池は、充電や分解、ショートする恐れのあることはし ないでください。また、加熱したり、火の中へ投入した りしないでください。 ● 電池は使い方を誤ると液もれによる周囲の汚損や、破 裂による火災・けがの原因となることがあります。次の ことは必ずお守りください。 u 極性(k と l の向き)に注意して正しく入れてくだ さい。 u 長期間使用しないときは、本体から電池を取り出し ておいてください。 (fx-370ES) u 本機で指定されている電池以外は使用しないでくだ さい。 A 電池の交換 fx-370ES 電池が消耗すると、 液晶の表示が薄くなってきます。 表示が薄く なったまま使用を続けると、正常に動作しなくなることがあり ます。 表示が薄くなってきたら、 すみやかに電池を交換してくだ さい。 また正常に使用できても、 定期的に (2年に1度) 電池を交換 してください。 ご注意 本機から電池を取り外すと、独立メモリーや変数メモリーなど の内容は消去されます。 1. 1A(OFF)を押して、電源を切り ネジ ます。 2. 本体裏面のネジを外して、 裏ブタを 取り外します。 3.
fx-912ES ボタン電池が消耗すると、 特に暗い所で使用したときに、 表示が 薄くなって見にくくなります。 また、 Oキーを押したときに、 直 ぐに画面が表示されません。 ボタン電池が消耗したままでは、 使 用できません。 このような場合は、 ボタン電池を交換してくださ い。 また正常に使用できても、 定期的に (3年に1度) 電池を交換し てください。 ご注意 本機から電池を取り外すと、独立メモリーや変数メモリーなど の内容は消去されます。 1. 1A(OFF)を押して、電源を切りま ネジ す。 誤ってOキーを押さないように、 本機 のハードケースを本機の前面側にはめ 込みます。 2. 本体裏面のネジを外して、電池ブタを 取り外します。 3. 古い電池を取り出します。 4. 新しい電池の表面を乾いた布でよく拭 いてからk側を上にして入れます。 5. 電池ブタをネジ留めします。 6.
仕様 fx-370ES 電源: 単4電池: R03(UM-4)×1個 電池寿命: 約6,000時間(連続演算時) 約17,000時間(カーソル点滅表示で連続放置) 消費電力: 0.0002W 使用温度: 0°C∼40°C 大きさ・重さ:幅80×奥行161×厚さ13.7mm、110g 付属品: ハードケース fx-912ES 電源: 太陽電池:本体前面に搭載(固定) ボタン電池:G13タイプ (LR44)×1個 電池寿命: 約3年(1日に1時間使用した場合) 使用温度: 0°C∼40°C 大きさ・重さ:幅80×奥行161×厚さ12.
応用例題 ■ 土木・測量 ?(三角比 I) 下図において A 地点から B 地点の距離(c)と角B(θ )がわ かっているとき、A – C 間の距離(b)と B – C 間の距離(a) は? < A 三角比を使って計算 します。 b c a cos θ = c b tan θ = a sin θ = 10m (c) b A c 60°(θ ) B b a C B > θ a C b sin θ = を展開して、b = c・sin θ c a cos θ = を展開して、a = c・cos θ c az (b = 10×sin 60を求める) 10s60)= (a = 10×cos 60を求める) 10c60)= 同様に辺bと角B(θ)のみがわかっているときは、辺a・辺cは各々 b÷tanθ、b÷sinθで求めます。また、辺aと角B(θ)のみがわかっ ているときは、辺b・辺cは各々a×tanθ、a÷cosθで求めます。 – 136 –
この例題は、 極座標→直交座標変換を使っても計算できます。 P(x,y) 10m y 60° 0 x az (極座標(10, 60)を直交座標に変換する) 1-(Rec)10 1)(,)60)= ?(三角比 II) 下図において2辺a、bの距離がわかっているとき、 角B (θ) は? A c 5m (b) θ B < C 8m (a) 三角比を使って計算します。 A c b θ B > tan θ = a C b c a = c sin θ = cos θ tan θ = b を展開して、θ = tan–1 a b b a (a) – 137 –
az (θ = tan–1 (5÷8)を求める) 1t(tan–1) 5/8)= (60進数に変換) e a ( c )で求めます。 b また、辺b、辺cがわかっているときは、sin ( )で求めます。 c 同様に辺a・辺cがわかっているときは、cos–1 –1 この例題は、 直交座標→極座標変換を使っても計算できます。 P(8,5) r 5m θ 0 8m az (直交座標(8, 5)を極座標に変換しr, θを求める) 1+(Pol)81)(,) 5)= (変数Yに格納されたθを呼び出し、 60進数に変換) tf(Y)e – 138 –
?(直接測れない距離) 下図において、角 C、角 D、辺 A がわかっているとき、X の距離は? < 下記の公式を使って計算 します。 X X= C (61° 32’) (49° 25’) D A • sin C sin (180 – C – D) A (50m) > az (C, Dの値をそれぞれ変数メモリーC, Dに登録して計算) 61e32e1t(STO)w(C) 49e25e1t(STO)s(D) 50sSw(C))/s180Sw(C)-Ss(D))= ?(ヘロンの公式) 下図において、辺 a、辺 b、辺 c がわかっているとき、面 積 S は? < 下記のヘロンの公式を b (40m) c (30m) 使って計算します。 S S = s (s – a)(s – b)(s – c) a (50m) ただし、s = – 139 – 1 (a + b + c) 2
> az (sを求め、結果を変数メモリーAに登録する) (50+40+ 30)/2 1t(STO)y(A) (Sを求める) !Sy(A)(Sy(A) -50)(Sy(A) -40)(Sy(A) -30))= ■ 物理 ?(斜面上の物体を引く力) 斜面の角度(θ )2 0 ° 、物体の重さ(W ) 6 0 k g 、摩擦係数 (µ ) 0.3のとき、物体を引く力(P)は? < P θ (20°) 下記の公式を使って計算 します。 P = W (sin θ + µ • cos θ ) W (60kg) > az 60(s20)+ 0.
?(放物運動) 初速(V0)30m/sで投げたボールが50°の角度 (θ )で上がり ました。3秒後の高さ(h) は? < V0(30m/s) 下記の公式を使って計算 します。 1 gt2 h = V0 t • sin θ – – 2 h θ (50°) (g:重力加速度 9.8m/s2) > az 30*3* s50)2E*9.
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