User manual - fx-FD10 Pro
3-43
ここでは、行列計算を実行するための次の行列コマンドについて説明します。
• {Mat} ... 行列を指定するコマンド“Mat”を入力
• {Det} ... 行列式を計算するコマンド“Det”を入力
• {Trn} ... 転置行列を計算するコマンド“Trn”を入力
• {Iden} ... 単位行列を入力するコマンド“Identity”を入力
• {Ref} ... 階段形の行列(Row Echelon Form)を計算するコマンド“Ref”を入力
• {Rref} ... 被約階段形の行列(Reduced Row Echelon Form)を計算するコマンド“Rref”
を入力
行列計算時のご注意
• 行列式および逆行列は、桁落ちにより誤差が生じることがあります。
• 階段形の行列および被約階段形の行列は、桁落ちにより精度が出ない場合があります。
• 行列計算は成分ごとに独立して計算が実行されるため、結果が表示されるまでに時間がかか
ることがあります。
• 行列計算の演算精度は、原則として表示結果の最下位桁±1となります。
• 行列計算の結果が、メモリー不足により行列用アンサーメモリー(MatAns)に格納できな
かった場合は、エラーとなります。
• 計算結果を行列用アンサーメモリー(MatAns)から他の行列メモリーに代入することがで
きます。この代入操作は、次の構文で行います。
MatAns → Mat
Ơ
ただしƠはAからZまでのアルファベットです。この構文で計算を実行した場合、MatAns
の内容は影響を受けません。
以下の例題は、行列メモリーにデータが入力されていることを前提として説明します。
u 行列の加減乗除計算 [OPTN]-[MAT]-[Mat]/[Iden]
例1 次の 2 つの行列の和を求める(Mat A + Mat B)
Mat A = Mat B =
AK2(MAT)1(Mat)a1(A-E)
1(A)+JJ
1(Mat)a1(A-E)2(B)w
例2 例1の 2 つの行列の積を求める(Mat A × Mat B)
AK2(MAT)1(Mat)a1(A-E)
1(A)*JJ
1(Mat)a1(A-E)2(B)w
1 1
2 1
2 3
2 1