Users Guide
シーディングデータが必要になる場合
最初にレプリケーションを確立したとき、シードドライブを使用するように指定しない限り、選択されたマシンのすべてのリカバ
リポイントはソース Core からターゲット Core へ送信され始めます。ネットワーク経由でデータを送信すると長時間かかる場合が
あります。これには、ネットワークの速度、ネットワークアーキテクチャの堅牢性、およびターゲット Core に送信されるデータの
量などが関係しています。たとえば、ソース Core 上のバックアップデータが 10 GB で、WAN リンク転送速度が 24 Mbps の場合、
転送が完了するまでに約 1 時間かかることがあります。
ターゲット Core にコピーする情報の量に基づいて、シードドライブは数百から数千ギガバイトにもおよぶデータを追加できます。
このため、多くの組織では必要なネットワーク帯域幅を消費する代わりに、シードドライブを定義してこれを消費することを選択
しています。詳細については、「レプリケートされたデータ転送のパフォーマンスに関する考慮事項 、p. 209」を参照してください。
レプリケーションを定義するときにシードドライブを使用するように指定した場合は、レプリケーションの確立後にソース Core に
保存されたリカバリポイントのみがターゲット Core へレプリケートされます。レプリケーションの確立前にソース Core に保存さ
れたバックアップは、次のプロセスを使用して明示的にデータを
シ
ー
ディング
するまで、ターゲット Core 上に保存されません。
履歴データの転送が集中してネットワークの速度が低下しないようにするためには、シードドライブを使用して以前のバックアッ
プデータをターゲット Core にシーディングします。シードドライブは、ソース Core から一連の重複排除されたベースイメージと増
分スナップショットをコピーするアーカイブファイルです。シードドライブのファイルには、ソース Core からターゲット Core にレ
プリケートする、保護されたマシンの以前のリカバリポイントの完全なセットが含まれています。
シードドライブのファイルをストレージボリュームに移動し、ターゲット Core で使用できるようにします。次に、シードドライブ
からの情報を消費します。これには、シードドライブのイメージとボリュームをターゲット Core にアタッチし、Core Console から
リポジトリにデータをインポートする作業が含まれます。このプロセスでは、ターゲット Core にレプリケートされた増分スナップ
ショットをそのベースイメージと結びつけてオーファンを修復し、1 つ、または複数の完全なリカバリイントのチェーンが形成され
ます。このプロセスは、コピー / 消費と呼ばれることもあります。
ソース Core からデータをシーディングする必要はありません。たとえば、次のとおりです。
● 新しい Rapid Recovery Core のレプリケーションをセットアップする場合、シーディングは不要です。
● 以前のスナップショットのデータはレプリケーションデータにとって重要ではなく、レプリケーションのセットアップ後に保存
されたデータのみを復元する必要があります。シーディングは必要ありません。
メモ: このような場合、Dell では、レプリケーションをセットアップする直前および直後に新しいベースイメージをキャプチ
ャすることをお勧めします。この手順により、ターゲット Core 上に完全なリカバリポイントチェーンが保存され、将来デ
ータを復元するために使用できるようになります。
● レプリケーションのセットアップ直前にベースイメージをキャプチャし、それ以降の日付にキャプチャしたデータのみを復元す
る必要がある場合、シーディングは不要です。
● シードドライブを指定せずにレプリケーションをセットアップした場合は、ネットワーク経由でスナップショットデータがソー
ス Core からターゲット Core に送信されます。
上記のいずれかの状況が当てはまる場合、データをシーディングする必要はありません。このような状況では、ソース Core からレ
プリケーションを完全に終了させることができます。
既存のリカバリポイントと Core に対するレプリケーションをセットアップし、そのボリュームレベルで復元する必要があり、BMR
を実行したり、以前のベースイメージまたは増分スナップショットからデータを復元したりする場合は、シーディングが必要です。
このような状況では、シーディングのニーズと戦略について検討してください。このトピックの内容を参照して、ターゲット Core
にシーディングするかどうかと使用する方法を決定します。
データのシーディング方法
ターゲット Core 上のレプリケーション対象マシンに、元のソース Core 上にある以前保存したデータへのアクセス権を付与する場合
は、次のいずれかの方法を使用して ターゲット Core をシーディングします。
1. ネットワーク経由でターゲット Core にシーディングします。レプリケーションを定義するときにシードドライブを使用するよ
うに指定します。これによって、シードドライブが含まれているフォルダをターゲット Core と共有し、ネットワーク経由でシ
ードドライブのファイルを消費できるようになります。データ量が大きい場合や接続速度が遅い場合は、この方法でシーディン
グすると長時間かかったり、ネットワーク帯域幅を大量に消費したりすることがあります。
メモ: Dell では、ネットワークを経由して大量のデータをシーディングすることはお勧めしません。初回のシーディングでは
非常に大きなデータを扱うことがあり、通常の WAN 接続に負担をかける可能性があります。
2. 物理ストレージメディアを使用してソース Core からバックアップデータを転送します。シードドライブのファイルを外付けの
ポータブルリムーバブルストレージデバイスに転送します。一般に、この方法はデータセットの規模が大きい場合や、サイトの
ネットワーク接続が遅い場合に便利です。この方法を使用してシーディングを行うには、次の手順を実行します。
a. ソース Core からシードアーカイブを作成し、リムーバブルメディアにそれを保存します。
b. シードドライブをターゲット Core 上の物理的な場所に移動させます。
c. そのドライブをターゲット Core にアタッチします。
208 ワークステーションとサーバーの保護










