Administrator Guide
Table Of Contents
- Dell EMCストレージ システム PowerStoreおよびUnity XTメトロ ノード機能向け管理者ガイド
- CLIワークスペースとユーザー アカウント
- メタ ボリューム
- システム管理
- メトロ ノードにおけるシン サポート
- ストレージのプロビジョニング
- ボリュームの拡張
- データ移行
- WANネットワークの構成
- コンシステンシー グループ
- パフォーマンスおよび監視
- アクティブ-パッシブ ストレージ アレイを使用したメトロ ノード
- 索引
ストレージ アレイが通知できるストレージ ブロック不足エラーは、主に 2 種類あります。これらは次のとおりです。
● 一時的な不足:ストレージ アレイのスペース解放プロセス中に、書き込み成功の応答をすぐに返せない場合に発生します。こ
のような場合、メトロ ノードは書き込みが失敗してストレージ ボリュームに hardware-dead とマーク付けする前に、短時間の
I/O を再試行します。コール ホームはこのような場合に発行されます。ストレージ ボリュームが正常性テストの応答に成功す
ると、メトロ ノードはストレージ ボリュームの自動リカバリーを試みます。正常なミラーによってストレージ ボリュームが保護
されている場合、正常なミラー レッグがホストに対する I/O 処理を継続するため、ホストでサービスの停止が認識されることは
ありません。
● 恒久的な不足:ホストが write コマンドを発行したアドレスにマッピングを行うための使用可能ストレージ ブロックがない場合
に発生します。メトロ ノードは、このエラーに対し、ミラーリングをしたデバイスとミラーリングをしていないデバイスで異な
る処理を行います。
ミラーリングをしていないストレージ ボリューム上の恒久的なブロックリソース不足の場合、要求された書き込みに対しては、ス
ペースの割り当てに失敗したため、ストレージ ボリュームの書き込みが保護されているとメトロ ノードに示して応答します。また、
メトロ ノードの仮想ボリュームは write コマンドがホストに戻すエラーと同じエラーを返します。VMware ホストは、書き込み要求
に対してこのエラーを受信した際、書き込み要求を行った仮想マシンを停止し、他の仮想マシンが操作を続行できるようにします。
他の仮想マシンは、すでにマッピング済みのブロックに対して読み取りと書き込みを正常に行うことができます。ただし、他の仮
想マシンが、マッピングをしていないストレージ ブロックに対する書き込み要求を行い、その書き込みでもリソース不足エラーが
発生した場合は、こちらも停止します。
ミラーリングをしていないボリュームでは、ストレージ管理者が UNMAP コマンドを使用してストレージの再使用を試みることで、
スペース不足エラー状態からリカバリーをすることができます。再使用したストレージが不足している場合は、空きブロック スト
レージをストレージ アレイに追加して、スペース割り当て失敗のエラー状態に対処してから、中断または停止している仮想マシン
を起動します。
ミラーリングをしたボリュームでは、メトロ ノードが、他の I/O エラーと同様に、ミラー レッグで発生したホスト書き込みエラーの
マスクを行います。少なくとも 1 個のミラー レッグで I/O が成功すると、メトロ ノードはホスト リクエストを正常に完了させま
す。メトロ ノードは、そのミラー レッグを Out-Of-Date(OOD)とマーク付けし、再構築(復旧)の自動実行を試みることはあり
ません。ストレージ管理者は、アレイにスペースを割り当て、このストレージ ボリュームでそのスペースを使用できるようにしてか
ら、Solve Desktop に記載の手順に従って、ミラー ボリュームの手動リカバリーをする必要があります。ミラーのリカバリーが完了
すると、メトロ ノードによってボリュームが再構築されます。
ミラー ボリュームの最後のレッグで恒久的なストレージ不足が発生した場合、メトロ ノードはミラーリングをしていないボリューム
と同様に、書き込みを要求しているホストにそのエラーを伝播します。
シン ストレージ使用量のしきい値の設定
管理者は、シン プロビジョニングをした特定のストレージにソフト リミットまたはしきい値を設定できます。それによって、シン
プロビジョニングをしたデバイスのストレージ スペース不足が通知されます。このしきい値はホスト上またはアレイ上で構成され
ます。メトロ ノード上では構成されません。メッセージによって、デバイスが設定されたしきい値に達したことが通知されます。
現在、ストレージ デバイスからこのような通知を受信すると、メトロ ノードはコール ホームを送信してから、I/O を再試行します。
このような通知は 1 件の I/O につき 1 回受信できます。また、シン デバイスのスペースが不足しない限り、I/O は最終的に成功しな
ければなりません。このようなコール ホーム通知を受信した際、メトロ ノード管理者は、ホスト管理者にスペースを解放するよう
通知するか、ストレージ管理者に容量を追加するよう要求してください。
シンのミラーリングと移行
メトロ ノードでは、異なるアレイへのシン ボリュームのミラーリングと、シンボリュームの移行を行うことができます。
シン レッグの再構築中も、メトロ ノードはレッグのシン特性を維持できます。そのためには、メトロ ノードから、SCSI UNMAP
コマンドに対応しているアレイには SCSI UNMAP コマンドを発行し、UNMAP 機能に対応していないアレイのブロックにはゼロを
書き込みます。シン再構築に関する追加情報については、「シン プロビジョニングを行ったストレージの再構築」を参照してくださ
い。
シン ミラーリングの実行
ミラーをシン対応デバイスに接続し、そのミラーがシンではない場合、RAID 1 デバイスはシン機能を失います。
28 メトロ ノードにおけるシン サポート