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RAID レベルのまとめ
RAID 0 は、ストライピングを使用して、高いデータ処理能力を提供します。特に、フォールトトレランスが要求されない環境で大容量ファイルを処理する場合に使用します。
RAID 1 は、ミラーリングを使用します。大容量である必要はないけれども、完全なデータ冗長性を要件とする、小規模なデータベースまたはその他のアプリケーションに適しています。
RAID 5 は、特に小さなランダムアクセスに対して高いデータ処理能力を提供します。トランザクション処理アプリケーションなど、読取り要求率は高いけれども、書込み要求率は低いアプリケーションに
使用します。RAID 5 の書込み性能は、RAID 0 や RAID 1 に比べて大幅に低くなります。
RAID 10 は、ミラーリングされたスパン全体にわたりストライピングされたデータからなります。高いデータ処理能力と完全なデータ冗長性を提供しますが、より多数のスパンを使用します。
RAID 50 は、パリティとディスクストライピングを使用します。高い信頼性と要求率、高速なデータ転送、および中規模から大規模の容量を必要とするデータを扱う環境で、最も効率的に機能します。書
込み性能は、RAID 5 と同様に制限されます。
異なるサイズのドライブで構成されるアレイの記憶領域
RAID レベル 0、および 5 では、データはディスク全体にわたってストライピングされます。アレイ内のハードドライブが同じサイズでない場合、1 つまたは複数のドライブが一杯になるまでデータがスト
ライピングされます。1 つまたは複数のドライブが一杯になったら、その他のディスクに残った空き領域は使用できません。他のドライブには対応するディスク領域がないので、このディスクの空き領域に
データを書込むことはできません。
図 4-1 は、RAID 5 アレイにおける記憶領域の割り当ての例を示します。データは、最小ドライブが一杯になるまで、3 つのドライブにわたりパリティ付きでストライピングされます。最小ドライブが一杯
になると、すべてのドライブに冗長データのディスク領域を確保できないため、他のハードドライブに残った記憶領域は使用できなくなります。
図 4-1 RAID 5 アレイの記憶領域
RAID 10 および RAID 50 アレイの記憶領域
RAID 1 および RAID 5 アレイをスパニングすることで、それぞれ RAID 10 および RAID 50 アレイを作成できます。RAID レベル 10 および 50 では、他のアレイよりも記憶容量の大きいアレイを
持つことができます。小さいほうのアレイの記憶領域が一杯になっても、大きいほうのアレイの残り領域を使用することが可能です。
図 4-2 は、サイズの異なる 3 つの RAID 5 スパンで構成される RAID 50 の例を示します (各アレイは、3 ~ 14 個のハードディスクで構成できます)。最小のアレイが一杯になるまでは、データは
3 つの RAID 5 アレイにわたってストライピングされます。次に、残り 2 つの RAID 5 アレイの小さいほうが一杯になるまで、データはその 2 つのアレイにストライピングされます。最後は、最大のアレ
イの余分の領域にデータが保存されます。
図 4-2 RAID 50 アレイの記憶領域
1
2
2
2
5
3
14
28
10
4
14
28
50
6
14
28