Reference Guide
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ディスクベースの保護と回復
ディスクベースのデータ保護の利点の 1 つは、時間を節約できることです。テープベースのデー
タ保護の場合には、保護ジョブに必要な特定のテープを探し出してセットし、巻き戻しか早送り
で正しい開始点に移動するという準備の時間が必要ですが、ディスクベースのデータ保護の場合
にはそれが一切不要です。ディスクは使いやすいので、インクリメンタルデータを頻繁に保存し
ても苦にならず、保護の対象となるコンピュータやネットワークリソースに対する影響も小さく
て済みます。
ディスクベースのデータ保護を使用した場合のデータ回復は、テープベースの場合よりも信頼性
に優れています。通常、ディスクドライブはテープと比べて平均故障間隔(MTBF)がずっと長
く、安定しています。
データ回復は、テープよりもディスクから行う方が速くて容易です。ディスクからのデータ回復
は、DPM サーバー上で以前のバージョンのデータを参照し、選択したバージョンを保護される
コンピュータ上に直接コピーするだけの単純作業です。テープからファイルを回復する作業は、
通常数時間かかり、費用も高くなる場合があります。また、中規模のデータセンターの管理者
は、毎月そうした回復作業を 10 ~ 20 回、またはそれ以上行うのが通例です。
DPM とディスクベースのデータ保護を使用すれば、15 分間隔でデータの同期が行われ、データ
は 448 日もの長期間にわたって保存されます。
テープベースのバックアップとアーカイブ
磁気テープやそれに類する記憶メディアを使用する方式のデータ保護は、安価で持ち運びに便利
なほか、長期保存には特に有用です。
DPM では、コンピュータからテープに直接(D2T)データをバックアップできます。また、デ
ィスクベースのレプリカからデータをバックアップすることも可能です(D2D2T)。ディスクベ
ースのレプリカから長期間保存するテープバックアップを作成する場合の利点は、バックアップ
操作をいつでも実行でき、保護されるコンピュータに対する影響がまったくないことです。
また、完全障害復旧プランの場合は、重要な情報を別の場所に格納することも可能です。万一社
屋が損傷または損壊した場合でも、会社のデータを復旧できるのです。テープは、データを別の
場所に格納するのによく使われる便利なメディアです。
DPM を使用すれば、短期保護が目的の場合は毎日 1 回テープにデータのバックアップを取るこ
とができます。また、長期保護の場合は 99 年間の保存が可能です。
DPM パートナーが販売しているソフトウェアソリューションを使用すれば、テープの代わりに
USB ハードドライブなどのリムーバブルメディアを使用できます。詳細については、「
Data
Protection Manager Partners」(DPM パートナー)
(http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=98869)を参照してください。