Reference Guide
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DPM 操作によるパフォーマンスへの影響
管理者としては、DPM データ転送処理によるシステムおよびネットワークリソースへの影響が
懸念事項の 1 つになります。主要なデータ転送処理は次のとおりです。
• レプリカの作成。これは、各保護グループメンバに対して 1 回ずつ発生します。
• 変更の追跡。これは、各保護対象コンピュータに対して連続して発生します。
• 同期化。これは定期的に発生します。
• 整合性チェック。これは、レプリカに矛盾が発生したときに発生します。
• 高速完全バックアップ。これは定期的に発生します。
• テープへのパックアップ。これは定期的に発生します。
これらの処理と DPM プロセスを理解することにより、DPM パフォーマンスの合理的な期待値
を得ることができます。
本項の内容
レプリカの作成
変更の追跡
同期化
整合性チェック
高速完全バックアップ
テープへのパックアップ
DPM プロセス
関連項目
パフォーマンスの管理
レプリカの作成
DPM ではレプリカとは、単一のボリューム、データベース、またはストレージグループ上にお
いて保護されるデータの完全なコピーです。保護対象コンピュータ上の DPM 保護エージェン
トが、保護対象として選択されているデータを DPM サーバーに送信します。保護グループ内
の各メンバのレプリカが作成されます。レプリカの作成は、リソース消費が大きい DPM 操作
の 1 つであり、ネットワークリソースに最も大きな影響を与えます。
通常、レプリカの作成におけるパフォーマンスは、DPM サーバーと保護対象コンピュータ間の
ネットワーク接続の速度によって制限を受けます。つまり、1 GB のボリュームを保護対象コン
ピュータから DPM サーバーに転送するときにかかる時間は、ネットワークが 1 秒に転送でき
るデータ量によって決まります。
次の表に、最適な状況下において、さまざまなネットワーク速度でさまざまなデータ量を転送す
るのにかかる時間を示します。転送時間は、「分」と明記されていない限り、時間単位です。