Reference Guide
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タイムゾーンをまたいだ保護の調整
Active Directory ドメインでは、サーバーのシステム時刻は各サーバーのタイムゾーン構成に従
って、同期が取られます。ただし、DPM サーバーが別のタイムゾーン内のコンピュータを保
護している場合は、ジョブをスケジュールしたり、レポートを確認したり、アラートを管理し
たり、データ回復を実行する際に、時間の違いを考慮する必要があります。
DPM の時刻の表示方法
DPM は、保護するコンピュータのタイムゾーンで、同期化ジョブと復旧ポイントジョブを自動
的にスケジュールします。DPM 管理コンソールの他のすべての領域では、システム時刻は
DPM サーバーのタイムゾーンで表示されます。保護対象コンピュータのタイムゾーンで実行さ
れるジョブをスケジュールした場合でも、ジョブの開始時刻と復旧ポイント時刻は DPM サー
バーのタイムゾーンで表示されます。
たとえば、DPM サーバーがベルリンにあり、保護対象コンピュータがレイキャビークにある場
合、保護対象コンピュータのタイムゾーンはベルリンより 2 時間早くなります。同期化と復旧
ポイントを 6:00 P.M. でスケジュールした場合、これらのジョブは、ファイルサーバーの時
刻、レイキャビークのタイムゾーンの 6:00 P.M. に実行されます。しかし、レイキャビークの
ユーザーが、昨日の 6:00 P.M.の状態へデータを回復する場合には、ベルリン時刻で 8:00 P.M.
を表す復旧ポイントを検索する必要があります。これは、DPM 回復ユーザーインターフェイス
では、復旧ポイント時刻は DPM サーバーのタイムゾーンで表されるためです。
DPM 管理コンソールの回復タスク領域の 最終変更日時 列には、ファイルの一番新しい変更の
日時が表示されます。これには、コンテンツへの変更とメタデータへの変更が含まれています。
ネットワークの使用帯域幅調整の作業時間は、保護コンピュータのタイムゾーンを使用します。
初期レプリカ作成のスケジュール設定
初期レプリカ作成ジョブは、DPM サーバーの時刻を使用してスケジュールされます。つまり、
保護対象コンピュータではまだ経過していない時刻であっても DPM サーバーでは過去となる
時刻であった場合、この時刻で実行するジョブをスケジュールすることはできません。レイキ
ャビークのファイルサーバーを保護する DPM サーバーがベルリンにあるというこの例の場
合、2 台のサーバー間の時間の差は 2 時間です。ベルリン時刻 9:00 P.M. に、レイキャビーク
のファイルサーバーの初期レプリカ作成ジョブを同日の 8:00 P.M. にはスケジュールできませ
ん。これは、その時刻がベルリンの DPM サーバーでは既に過去の時刻であるためです。
初期レプリカ作成ジョブは、保護対象コンピュータの時刻を使用して発生します。つまり、レ
イキャビークのファイルサーバーの初期レプリカ作成ジョブを指定日の 9:00 P.M. にスケジュ
ールした場合、ジョブはその日のレイキャビーク時刻 9:00 P.M. に実行されます。
ベルリンの DPM サーバーが、ベルリンより 1 時間遅いソフィアにあるファイルサーバーも保
護している場合、 ベルリンで 8:00 P.M. に、ソフィアのファイルサーバーに対する初期レプリ
カ作成ジョブを 8:30 P.M. に実行されるようにスケジュールするとします。8:30 P.M. は DPM
サーバーにとってまだ経過していない時刻なので、スケジュールすることはできます。ただ
し、8:30 P.M. はソフィアでは既に過ぎているので、この場合、初期レプリカ作成は即座に開始
されます。