Users Guide
暗号鍵は、Keytool などのユーティリティーによって、Encryption Key Manager に
対して生成されます。AES 鍵を生成する責任と、それらの鍵をテープ・ドライブに
転送する方法は、暗号化管理の方法によって異なります。 ただし、Encryption Key
Manager による暗号鍵の使用法と、他のアプリケーションによる使用法の違いを理
解することは有用です。
Dell Encryption Key Manager による暗号鍵の処理
ライブラリー管理テープ暗号化では、暗号化されていないデータが LTO 4 または
LTO 5 テープ・ドライブに送信され、Encryption Key Manager で使用可能な鍵スト
アからの事前生成対称データ鍵 (DK) を使用して暗号文に変換されてから、テープ
に書き込まれます。Encryption Key Manager は、事前生成された DK をラウンドロ
ビン方式で選択します。 事前生成されている DK では数が不足する場合、DK は
複数のテープ・カートリッジで再利用されます。 DK は、Encryption Key Manager
によって暗号化、つまりラップされた形で LTO 4 または LTO 5 テープ・ドライ
ブに送信されます。LTO 4 および LTO 5 テープ・ドライブは、この DK をアン
ラップして暗号化または暗号化解除のために使用します。ただし、LTO 4 または
LTO 5 テープ・カートリッジ上ではどこにも、ラップされた鍵は保管されません。
暗号化ボリュームが書き込まれたら、DK は、別名または鍵ラベルに基づいてアク
セス可能であり、ボリュームが読み取られるように Encryption Key Manager で使用
可能でなければなりません。 1-8 ページの図 1-3 にこのプロセスを示します。
Dell Encryption Key Manager により、LTO 暗号化用の対称鍵をキー・グループに
編成することができます。 これを使用すると、暗号化するデータのタイプ、鍵への
アクセス権を持つユーザーに従って、あるいはその他の重要な特性によって鍵をグ
ループ化できます。詳しくは、 3-17 ページの『キー・グループの作成および管理』
を参照してください。
他のアプリケーションによる暗号鍵の処理
アプリケーション管理テープ暗号化では、暗号化されていないデータが LTO 4 お
よび LTO 5 テープ・ドライブに送信され、アプリケーションによって提供される
対称 DK を使用して暗号文に変換されてから、テープに書き込まれます。DK は、
テープ・カートリッジ上のどこにも保管されません。暗号化ボリュームが書き込ま
れたら、DK は、ボリュームが読み取られるように、アプリケーションが使用でき
る場所、例えばサーバー・データベースに入っている必要があります。
LTO 4 および LTO 5 テープ・ドライブは、Yosemite (Dell PowerVault TL2000 お
よび TL4000 テープ・ライブラリー用)、CommVault、および Symantec Backup
Exec などのアプリケーションを使用して、アプリケーション管理暗号化を行うこと
ができます。
あるいは、T10 コマンド・セットを使用するアプリケーションが LTO 4 および
LTO 5 テープ・ドライブを使用して暗号化を実行することができます。T10 コマン
ド・セットは、アプリケーションによって提供される対称 256 ビット AES 鍵を使
用します。T10 は、各テープ・カートリッジについて複数の、固有の DK を使用で
き、暗号化データおよび平文データを同じテープ・カートリッジに書き込むことも
できます。アプリケーションは、テープ・カートリッジを暗号化する際に、アプリ
ケーションによって決定された方法で DK を選択または生成し、それをテープ・ド
ライブに送信します。鍵は、非対称公開鍵ではラップされず、テープ・カートリッ
第 1 章 テープ暗号化の概要 1-7