Users Guide
11–QLogic チーム化サービス
全般的なネ ッ ト ワー クに関する考慮事項
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スパニングツリーアルゴリズム
イーサネッ ト ネ ッ ト ワー クの場合、 2 つのブ リ ッ ジ間またはス イ ッ チ間では、 ア ク テ ィ
ブなパスが
1 つだけ存在 し ます。 ス イ ッ チ間にア ク テ ィ ブなパスが複数存在 し ている
と、 ネ ッ ト ワーク内にループが生 じ る可能性があ り ます。 ループが発生する と 、 一部の
ス イ ッ チは、 ス イ ッ チの両側でス テーシ ョ ン を認識する よ う にな り ます。 この状況では、
転送アルゴ リ ズムが正常に機能で きず、 重複フ レームが転送 される可能性があ り ます。
スパニングツ リーアルゴ リズムでは、 拡張ネッ ト ワーク内の全スイ ッ チにまたがるツ
リ ーを定義し て、 特定の冗長デー タ パスを強制的にス タ ンバイ (ブ ロ ッ ク) 状態に切 り
替え る こ と で、 パスの冗長性を実現し ます。 ネ ッ ト ワー ク内のス イ ッ チは、 パスの識別
に使用するスパニング
ツリー パケ ッ ト を定期的に送受信 し ます。 1 つのネ ッ ト ワーク
セグ メ ン ト が到達不能にな っ た場合、 あるいはスパニ ング ツ リ ーのコ ス ト が変わっ た場
合、 スパニング
ツリー アルゴ リズムは、 スパニング ツリー トポロジーを再設定し、 ス
タンバイ
パスをアク テ ィ ブ化する こ とでリ ンクを再設定し ます。 エン ド ステーショ ン側
では、 スパニング
ツ リ ーの動作は見えません。 し たがっ て、 これらのステーシ ョ ンで
は、
1 つの LAN セグ メ ン ト に接続 し たのか、 複数のセグ メ ン ト で構成 されたスイ ッ チ
LAN
に接続し たのかわか り ません。
スパニングツ リープロ ト コル (STP)は、ブリッジ間やスイッチ間での動作を目的とし
たレイヤ
2 プロ ト コルです。 STP の仕様は、 IEEE 802.1d で定義されています。 STP
の主な目的は、 ネ ッ ト ワー ク内に冗長パスがある と きにループに陥ら ないよ う にする こ
とです。
STP は、 ネ ッ ト ワー クループの検出および無効化を行い、 ス イ ッ チ またはブ
リ ッ ジの間にバ ッ ク ア ッ プ リ ン ク を提供 し ます。 このプ ロ ト コルを使用する と、 デバイ
スは、 ネ ッ ト ワーク内の
2 つのステーシ ョ ンの間で 1 つのパスのみを使用するよ う に、
ネッ トワークにある他の
STP 準拠デバイ ス と 相互操作を行 う こ と が可能にな り ます。
安定したネッ トワーク トポロジーを確立すると、 すべてのブリ ッジはルート ブリ ッジか
ら送信される
hello BPDU (ブ リ ッ ジプロ ト コルデータユニ ッ ト ) を待つ状態にな り ま
す。 あらかじめ定義された時間
( 最大経過時間 ) が経過 し て も、 ブ リ ッ ジが hello
BPDU
を受信し ない場合、 ブ リ ッ ジはルー ト ブ リ ッ ジへの リ ン クがダウン し た と判断
し ます。 次に このブ リ ッ ジは、 他のブ リ ッ ジ と のネゴシエーシ ョ ン を開始し て、 ネ ッ ト
ワーク を再設定 し て、 有効なネ ッ ト ワー ク
トポロジーを再び確立します。 新しいトポロ
ジーを作成するプロセスは、 最大
50 秒かかり ます。 この間、 エ ン ド ツーエン ド の通信
は中断さ れます。
エン ドステーシ ョ ンに接続したポート に対しては、 スパニングツリーは使用しないこ と
をお勧め し ます。 その理由は、 定義上、 エ ン ド ス テーシ ョ ンは、 イーサネ ッ ト セグ メ ン
ト内でループを作成しないからです。 さらにチーム化したアダプターを、 スパニングツ
リ ーを有効に し たポー ト に接続する と、 接続上の不測の問題が発生する可能性があ り ま
す。 た と えば、 チーム化 し たアダプ タが物理アダプ タ の
1 つで リンクを失ったと仮定し
ます。 物理アダプ タが再接続された場合
( フォールバックとも呼びます)、中間ドライバ
は リ ン クが再び確立され、 ポー ト で ト ラ フ ィ ッ クの送受信が開始された と認識し ます。
しかし、
STP によ っ てポー ト が一時的にブ ロ ッ ク さ れる と、 ト ラ フ ィ ッ クが失われる こ
とになります。