Administrator Guide
この問題を回避するには、バックアップ中における動作を変更します。バックアップが Y に設定されている環境変数
DEREF_HARD_LINK で始まる場合、ハードリンクファイルの最初のインスタンスだけをバックアップするのではなく、ハードリン
クファイルのすべてのインスタンスが通常のファイルであるかのようにバックアップされます。この場合、選択的復元には常にフ
ァイルデータが含まれます。このオプションの欠点は、バックアップに時間がかかり、ハードリンクファイルを伴うデータセットの
バックアップ用に必要な容量が増えることです。
NDMP を使用した NAS ボリュームデータのバックアップ
FluidFS クラスタでは、バックアップ操作専用の IP アドレスを使用しません。設定済みのクライアントネットワークアドレスは使
用できます。データは Ethernet を介して送信されます。複数の NDMP バックアップ / 復元セッションは、NAS コントローラ 1 台あ
たり、最大 48 セッションで同時に実行できます。システムパフォーマンスに対する NDMP バックアップ処理の影響を最小限にす
るため、NDMP 操作はオフピーク時にスケジュールしてください。
このタスクについて
FluidFS クラスタで NDMP を設定した後、NDMP サーバはクライアントネットワークで DMA サーバからのバックアップ要求を監視
します。その後、DMA サーバは、バックアップを目的とし、バックアップ操作を開始する NAS ボリュームにアクセス(マウント)
します。
図 42. NDMP バックアップ
NDMP を使用して NAS ボリュームデータをバックアップする場合は、次の考慮事項に注意してください。
• NDMP は高可用性(HA)を提供しません。接続損失によってバックアップセッションが中断されると、セッションは終了しま
す。
• 現在のバックアップセッションの一時的なスナップショットを手動で削除することはできず、実行するとただちにセッション
が終了します。
• バックアップセッションがエラーで終了すると、一時的なスナップショットはそのまま残ることがありますが、自動的に削除さ
れます。
次の手順では、NDMP を使用した NAS ボリュームデータのバックアッププロセスについて説明します。
手順
1. DMA サーバは、FluidFS クラスタの IP アドレスへの接続を作成します。
2. FluidFS クラスタ上の NDMP サーバは、DMA サーバがバックアップに指定した各 NAS ボリュームの一時スナップショットを作
成します。また、レプリケーションのターゲット NAS ボリュームのバックアップを実行する際に、FluidFS クラスタは専用の
NDMP スナップショットを作成しません。その代わりに、前回成功したレプリケーションからベースのレプリカスナップショッ
トを使用します。
一時 NDMP スナップショットは、次のフォーマットを使用して名前が付けられます。
ndmp_backup_session_id_controller_number
3. NDMP サーバによって、NAS ボリュームデータが DMA サーバにコピーされます。
4. データの受信後、DMA サーバはローカルディスクやテープデバイスなどのストレージデバイスにデータを移動します。
5. バックアップ完了後、NMDP サーバは一時スナップショットを削除します。
NDMP 環境変数
NDMP 環境変数は、バックアップおよび復元セッションごとの NDMP サーバの動作を制御します。
DMA サーバがこれらの環境変数の設定をサポートしているかどうかを確認するには、お使いの DMA サーバのマニュアルを参照し
てください。DMA サーバで特定の環境変数を設定できない場合、NDMP サーバはデフォルト値で動作します。
次の表は、サポートされる環境変数の概要を示しています。
424 FluidFS 管理