® 80 Series V Multimeter ユーザーズ・マニュアル May 2004 Rev.2, 11/08 (Japanese) ©2004, 2008 Fluke Corporation. All rights reserved. Specifications are subject to change without notice. All product names are trademarks of their respective companies.
製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM (デジタル・マルチ・メーター) は、製品の寿命期間内で材質上および製造上に欠陥は有りません。ここで 言う「寿命」とは、Fluke が製品の製造を停止した後 7 年とします。保証の期間は製品の購入日から少なくても 10 年間と定義します。この保証には、ヒュ ーズ、使い捨て電池、不注意、使用上の間違い、汚染、改造、DMM の仕様範囲外での使用による故障を含む事故もしくは異常な操作や取り扱いによって損 傷したと Fluke が認めた製品、ま P たは機器部品の通常の摩耗および引裂は、この保証の対象になりません。この保証は機器の最初の購入者に対する保証で、 譲渡することはできません。 この保証は購入日から起算して 10 年間、LCD も保証の対象となります。それ以降 Fluke は、DMM の寿命期間内で、その時点での部品購入価格に基づいた 料金で LCD をお取り替えいたします。 最初の購入者としての権利を立証し、購入日を証明するため、製品に同梱されている登録カードの必要事項を記入して返送していただくか
目次 項目 ページ はじめに......................................................................................................................... Fluke への連絡先 ........................................................................................................... 安全に関する情報........................................................................................................... The Meter's Features 本器の特徴................................................................................... パワーアップ・オプション...............
80 Series V ユーザーズ・マニュアル AC または DC 電流の測定 ........................................................................................ 周波数の測定 ............................................................................................................ デューティー・サイクルの測定.................................................................................. パルス幅の測定 ......................................................................................................... バー・グラフ .................................................
表目次 表 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 表題 ページ 電気記号......................................................................................................................... 入力 ................................................................................................................................ ロータリー・スイッチの位置 .......................................................................................... 押しボタン ............................................................
80 Series V ユーザーズ・マニュアル iv
図目次 図 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 図題目 ページ 表示部の各記号(87)........................................................................................................ AC および DC 電圧の測定 ............................................................................................. ロー・パス・フィルター ................................................................................................... 導通試験.................................................................................................................
0 Series V ユーザーズ・マニュアル vi
はじめに Fluke への連絡先 はじめに XW警告 本器を使用する前に「安全にご使用いただくため に」をお読みください。 特に記載のない限り、本ユーザーズ・マニュアルの説明お よび手順等は、シリーズ V モデル 83 および 87 (以下、 本器、87、83 と呼びます) に共通です。すべての図は、 87 のものです。 フルーク社へのお問い合わせは、次の番号にお願いします。 米国: 1-888-44-FLUKE (1-888-443-5853) カナダ: 1-800-36-FLUKE (1-800-363-5853) ヨーロッパ: +31 402-675-200 日本: +81-3-3434-0181 シンガポール: その他の諸外国: +1-425-446-5500 米国からのサービスには、次の連絡先をご利用くだ さい: 1-888-99-FLUKE (1-888-993-5853) 株式会社フルークのアドレスは、www.fluke.com/jp です。 製品の登録には、register.fluke.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル XW警告 安全に関する情報 本器は次の規格に準拠しています。 • • • • • • EN61010-1:2001 ANSI/ISA S82.01-2004 CAN/CSA C22.2 No. 1010.
安全に関する情報 • テスト・リードの絶縁材に損傷がないか、金 属部が露出していないか点検します。テス ト・リードの導通をチェックします。メー ターを使用する前に、破損したテスト・リー ドは、必ず交換してください。 • テスト・リードは、接地側を接続してから通 電側を接続してください。テスト・リードの 接続を切り離すときは、最初に通電側から切 り離してください。 • 作動に異常な点がみられる場合は、本器の使 用を中止してください。保護機能が損なわれ る恐れがあります。疑わしい場合には本器を 修理に出してください。 • 本器に記載されている定格を超える電圧を、 端子間、または端子と接地間にかけないでく ださい。 • カバーを外した状態またはケースを開けた 状態で本器を操作しないでください。 • 本器を爆発性のガスや蒸気、粉塵の環境下で は使用しないでください。 • AC 30 V rms、AC 42 V pk、または DC 60 V を超える電圧を扱うときには、細心の注意を 払うようにしてください。このような電圧で は感電の危険があります。 • 本器の電源には、9 V 電池 1 個
80 Series V ユーザーズ・マニュアル W注意 • 本器または被試験装置の損傷を防ぐために、以下 のガイドラインを守ってください。 すべての測定に適した端子、機能、およびレ ンジを使用してください。 • 電流を測定する前に、本器のヒューズを チェックしてください (「ヒューズのテス ト」を参照)。 • 4 抵抗や導通、ダイオード、静電容量を試験す る前には、測定対象回路への電源を切り、高 電圧コンデンサーをすべて放電させてくだ さい。
安全に関する情報 表 1.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 本器の特徴 表 2 から 5 では、本器の特徴について説明します。 表 2. 入力 端子 6 説明 A 0 A ~ 10.
本器の特徴 表 3. ロータリー・スイッチの位置 機能 スイッチ位置 任意の位置 J L M N 本器の電源を入れると、本器のモデル番号がディスプレイに短時間表示されます。 AC 電圧測定 ロー・パス・フィルター (K) には A を押します (87 のみ)。 DC 電圧測定 600 mV DC 電圧レンジ 温度 (T) には、A を押します (87 のみ)。 導通テストには、E を押します。 e 抵抗測定 静電容量測定には、A を押します。 O ダイオード・テスト P 0 mA ~ 10.00 A の AC 電流測定。 0 mA ~ 10.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 4.
本器の特徴 表 4.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 4.
本器の特徴 番号 E - 意味 負の読みを示します。相対モードでは、 現在の入力が、保存されている基準値 より低いことを示します。 高電圧入力が存在することを示します。 入力電圧が 30 V 以上の場合に表示され ます (AC または DC)。ロー・パス・フィ ルター・モードの場合にも表示されます。 また、校正、Hz、デューティー・サイクル・ モードでも表示されます。 F Z G RS 図 1. 表示部の各記号 (87) H S ホールド機能がオンになっています。 表 5. 表示部の各記号 I p 本器がピーク Min Max モードで、応答 時間が 250 μs であることを示します (87 のみ)。 J m MAX MIN AVG K K ロー・パス・フィルター・モード (87 のみ) 「ロー・パス・フィルター (87)」を参照し てください。 b 電池の残量が低下していることを示し ます。XW警告: この表示が現れた 場合、感電や怪我につながる可能性の ある誤った読みを避けるために、直ち に電池を交換してください。 aom1_af.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 5.
測定方法 パワーアップ・オプション 本器のロータリー・スイッチを回して電源をオンにする間 に、ボタンを押さえ続けると、パワーアップ・オプションが 有効になります。パワーアップ・オプションを、表 4 に示 します。 自動電源オフ 本器は 30 分間ロータリー・スイッチまたはボタンが操作さ れない状態が続くと、自動的に電源がオフになります。MIN MAX 記録が有効である場合は、自動電源オフは動作しま せん。自動電源オフを無効にするには、表 4 を参照してく ださい。 Input Alert™ 機能 テスト・リードが mA/μA または A の端子に接続されてい て、ロータリー・スイッチが正しい電流の位置にセットされ ていない場合に、警告のビープ音が鳴り、「LEAd」という 表示が点滅します。これはテスト・リードが電流測定用端子 に接続されているときに、電圧や導通、抵抗、静電容量、 またはダイオードの測定を行わないように警告するための ものです。 W 注意 リード線が電流端子に接続されているときに、プ ローブを通電中の回路に並列に入れると、試験中 の回路を損傷し、本器のヒューズを切断する可能 性があります
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 電圧を測定する際には、本器は回路に並列のおよそ 10 MΩ (10,000,000 Ω) インピーダンスのように機能します。この 負荷作用により、高インピーダンス回路では、計測誤差が 生じることがあります。多くの場合、回路のインピーダン スが 10 kΩ (10,000 Ω) 以下であれば、誤差は無視できる (0.1 % 以下) 程度となります。 AC 電圧に重畳している DC 電圧オフセットを測定する際 には、最良の確度を得るために、まず AC 電圧を測定します。 AC 電圧レンジをメモし、次にその AC レンジに等しいか それ以上の DC 電圧レンジを手動で選択します。これによ り、入力保護回路を働かせることなく安全に、DC 測定の 確度を上げることができます。 atk2f.eps 図 2.
測定方法 XW警告 真の実効値 (TRM) メーターのゼロ入力動作 (87) 真の実効値 (RMS) 測定は、歪んだ波形を正確に測定でき ますが、入力リードが AC機能でお互いに短絡している場 合は、1~30 カウントの残余読み取りが表示されます。テ スト・リードが開放されている場合は、表示の読み取り値 は、干渉のために一定にならない可能性があります。これ らのオフセット読み取りは、異常ではありません。指定さ れている測定レンジでの AC 測定の確度には影響しません。 感電または怪我を避けるため、危険な電圧の存在 を確認するために、ロー・パス・フィルター・オプ ションを使用しないでください。表示された値よ り高い電圧が存在する場合があります。まず、フィ ルターを使わずに電圧測定を実行し、危険な電圧 が存在するかどうかを検出します。それから、フィ ルター機能を選択します。 注記 指定のない入力レベルは、次の通りです。 • AC 600 mV の 3 % 未満または VAC 18 m • AC 60 mA の 3 % 未満または AC 1.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 温度の測定 (87) 温度を測定するには、次の手順に従います。 本器は、付属の K 型熱電対の温度を測定します。C を 押して、摂氏 (°C) または華氏 (°F) を選択します。 1. K 型熱電対を本器の COM および dV eG 端子に接 続します。 W 注意 2. ロータリー・スイッチを 本器やその他の機器に対する損傷を避けるため、 本器の定格は -200.0 °C ~+1090.0 °C および - 328.0 °F~1994.0 °F ですが、付属の K 型熱電 対の定格は 260 °C までです。このレンジ以外の 温度では、より高い定格の熱電対を使用してくだ さい。 3. A を押して、温度モードに移行します。 4. C を押して、摂氏または華氏を選択します。 表 示 レ ン ジ は 、 -200.0 °C ~ +1090.0 °C お よ び -328.0 °F ~1994.
測定方法 atk4f.eps 図 4.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 抵抗の測定 以下は抵抗測定の際に役立つヒントです。 W注意 本器または被試験装置を誤って損傷させないよう、 抵抗を測定する前に、回路の電源を切り離し、す べての高電圧コンデンサーを放電させてください。 本器は少量の電流を回路に流すことによって、抵抗を測定 します。この電流は、2 本のプローブ間に存在するすべて の経路を流れるので、抵抗の読みは、プローブ間の全経路 にある抵抗の合計を表わすことになります。 本器の抵抗レンジには、600.0 Ω、6.000 kΩ、60.00 kΩ、 600.0 kΩ、6.000 MΩ、50.00 MΩ があります。 抵抗を測定するには、本器を図 5 に示すようにセットし ます。 18 • 回路内にある抵抗の測定値は、その抵抗の規定値とは 異なることがよくあります。 • 抵抗測定において、テスト・リードによる 0.1 Ω~0.
測定方法 atk6f.eps 図 5.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 高抵抗や漏れ試験へのコンダクタンスの利用 コンダクタンスは抵抗の逆数であり、電流の流れやすさ です。高いコンダクタンスの値は、低い抵抗の値に対応し ます。 本器の 60 nS レンジでは、コンダクタンスをナノジーメン ス(1 nS = 0.
測定方法 静電容量の測定 W注意 本器または被試験装置を誤って損傷させないよ う、静電容量を測定する前に、回路の電源を切 り、すべての高電圧コンデンサーを放電させてく ださい。DC 電圧機能を使用してコンデンサーが 放電していることを確認します。 本器の静電容量レンジは、10.00 nF、100.0 nF、1.000 μF、 10.00 μF、100.0 μF、9999 μF です。 静電容量を測定するには、本器を図 6 に示すようにセット します。 1000 nF に満たないような測定値の確度を向上させるに は、相対 (REL) モードを利用して、本器およびテスト・リー ドの残留静電容量を差引くようにします。 注記 テストするコンデンサーに電気量が多く存在す ると、「diSC」が表示されます。 atk10f.eps 図 6.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル ダイオード・テスト W注意 本器または被試験装置を誤って損傷させないよ う、ダイオード・テストを行なう前に、回路の電 源を切り離し、すべての高電圧コンデンサーを放 電させてください。 ダイオード・テストによって、ダイオード、トランジスター、 シリコン制御整流素子 (SCR)、その他の半導体装置を チェックします。この機能では、電流を半導体の接合部を 通して流し、接合部の電圧降下を測定することにより、半 導体接合をテストします。良品のシリコン接合での電圧降 下は、0.5 V から 0.8 V の間となります。 22 ダイオード単体をテストするには、本器を図 7. に示すよ うにセットします。どのような半導体部品でも、順方向バ イアス読み取りには、赤のテスト・リードを部品の + 端子 に黒のテスト・リードを部品の - 端子にあてます。 良品のダイオードは、回路内であっても、0.5 V ~ 0.
測定方法 atk9f.eps 図 7.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル AC または DC 電流の測定 XW警告 感電や怪我を避けるため、アースに対する開路電 位が 1000 V を超えるような回路での電流測定は、 決して行わないようにしてください。そのような 測定でヒューズが切断された場合、本器を損傷す るか、傷害を被ることがあります。 W注意 メーターまたは被試験装置の損傷を防ぐには: • 電 流 を 測 定 す る 前 に 、 本 器 の ヒ ュ ーズを チェックしてください (「ヒューズのテス ト」を参照)。 • すべての測定に適した端子、機能、およびレ ンジを使用してください。 • テスト・リードが電流端子に接続されている ときは、回路または部品にまたがる (並列 な) プローブ配置を決して行わないでくだ さい。 電流を測定するには、試験する回路を切断して、本器を回 路に対して直列に入れる必要があります。 24 本器の電流レンジには、600.0 μA、6000 μA、60.00 mA、 400.
測定方法 atk7f.eps 図 8.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル A 端子を使用する場合は、ロータリー・スイッチを mA/A にセットします。mA/μA 端子を使用する場合 は、6000 μA (6 mA) を下回る電流ではロータリー・ス イッチを μA に、また、6000 μA を超える電流では mA/A にそれぞれセットします。 以下は電流測定の際に役立つヒントです。 • 電流の読みが 0 で、本器は正しくセットされている 場合には、「ヒューズのテスト」の項に説明のあるよ うに、本器のヒューズをテストしてください。 4. DC 電流を測定するには、A を押します。 • 5. テストする回路の経路を切断します。切断部の負極側 に黒のテスト・リードを、切断部の正極側に赤のテス ト・リードをあてます。テスト・リードのあて方を逆 にすると、負の読みとなりますが、本器を損傷するこ とはありません。 電流計はそれ自体が少量の電圧を降下させ、回路の作 動に影響することがあります。表 14 の仕様に記載さ れている数値を用いて、このバードン電圧を計算する ことができます。 6.
測定方法 周波数の測定 以下は周波数測定の際に役立つヒントです。 本器は、1 秒ごとに信号がしきい値レベルを越える回数を 数えることにより、電圧または電流信号の周波数を測定し ます。 • 読みが 0 Hz を示すか、安定しない場合は、入力信号 がトリガー・レベルより低いか、またはその付近であ ることがあります。通常、このような問題は、低めの レンジを選択して、本器の感度を上げることで修正で きます。同様に L 機能でも、レンジが低いほどトリ ガー・レベルが低くなります。 • 読みが、予想していた値の何倍もあるような場合には、 入力信号が歪んでいる可能性があります。歪みは、周 波数カウンターの多重トリガーを引き起こすことが あります。このような問題は、高めの電圧レンジを選 択して、本器の感度を下げることにより解決する場合 があります。また、DC のレンジを選択して、トリガー・ レベルを引き上げることもできます。一般的に、表示 される値で最も低い周波数が、正しい周波数となり ます。 本器の電圧と電流機能の様々なレンジにおける、周波数測 定でのトリガー・レベルと適用対象を表 6 に示します。 周波数
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 6. 周波数測定の機能およびトリガー・レベル 機能 一般的適応 K 6 V、60 V、 600 V、1000 V スケールの ±5% 大半の信号 K 600 mV ± 30 mV 高周波 5 V ロジック信号 (L 機能の DC 結合は、高周波のロジック信号を弱 めトリガー作用を妨げるのに十分すぎる程その振幅を減少させます)。 mL L 600 mV 40 mV この表の後に続く測定のヒントの項を参照してください。 6V 1.
測定方法 デューティー・サイクルの測定 デューティー・サイクル (またはデューティー・ファク ター) とは、信号が 1 サイクルの間にトリガー・レベル以 上あるいは以下にある時間の比率です (図 9)。デュー ティー・サイクル・モードは、ロジック信号およびスイッ チング信号のオンまたはオフの時間測定用に最適です。電 子燃料噴射装置やスイッチング電源などのシステムは、異 なる幅のパルスによって制御されており、デューティー・ サイクルの測定によりチェックできます。 5 V ロジック信号には DC 6 V レンジを使用し、 自動車用 の 12 V 開閉信号には DC 60 Vレンジを使用します。正 弦波には、多重トリガーを引き起こさないような最も低い レンジを使用します (通常、歪みのない信号であれば、 選択された電圧レンジの最大 10 倍の振幅まで利用可能 です)。 デューティー・サイクルの読みが安定しない場合は、MIN MAX を押して、それから AVG (平均) 表示に移動して ください。 デューティー・サイクルを測定するには、周波数を測定す るように本器をセットしてから、再度 Hz を押します。 周波
80 Series V ユーザーズ・マニュアル パルス幅の測定 バー・グラフ 周期波形 (パターンが等時間間隔で繰り返す) では、以 下の手順にしたがって、信号が高または低にある時間を測 定できます。 アナログ・バー・グラフは、アナログ計器の指針のように機 能しますが、振り切れることはありません。バー・グラフ は毎秒 40 回更新されます。バー・グラフはデジタル表示 に比べ 10 倍速く応答するので、ピークおよびゼロ調整を 行ったり、急速に変化する入力を観察する場合に便利です。 グラフは、静電容量、周波数カウンター機能、温度、ピー ク最大最小では表示されません。 1. 信号の周波数を測定します。 2. 再度 G を押して信号のデューティー・サイクル を測定します。E を押して、信号の正のパルスか 負のパルス (図 9 参照) の測定を選択します。 3.
HiRes モード (87) ズーム・モード (パワー・アップ・オプションのみ) 相対ズーム・バー・グラフを使うには、次の手順に従います。 1. 本器の電源を入れる際 F を押します。ディ スプレイに「2rEL」と表示されます。 2. F をもう一度押して、相対モードを選択し ます。 3.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル MIN MAX 記録モード MIN MAX モードでは、最小と最大の入力値が記録され ます。入力が、記録されている最小値より低く、または、 記録されている最大値より高くなると、本器はビープ音を 発し、新しい値を記録します。間欠的な読みを記録、現場 を離れている間に最大値を記録、または被試験装置を操作 しており本器を見ることができない場合に読みを記録す るときなどに、このモードを利用できます。MIN MAX モー ドは、MIN MAX モードが起動されてから取られた全ての 読みの平均を算出することもできます。MIN MAX モード を使用するには、表 7 の機能を参照してください。 応答時間は、新しい値が記録されるために、入力が留まっ ていなければならない時間の長さです。応答時間が短いほ ど、短い事象が記録できますが、確度は下がります。応答 時間を変更すると、それまで記録されていたすべての読み の値が消去されます。83 は 100 ミリ秒の応答時間、87 は 100 ミリ秒および 250 μs(ピーク)の応答時間を持ちます。 250 µs 応答時間は、画面上で
スムーズ機能 (パワー・アップ・オプションのみ) 表 7.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル AutoHOLD モード XW警告 感電または怪我を避けるため、回路にパワーが ないかどうかを確認するために、AutoHOLD モー ドを使用しないでください。AutoHOLD モードで は、不安定な読みまたはノイズの多い読みは捕捉 されません。 AutoHOLD モードは、画面上の現在の読みを捕捉します。 新たに安定した読みが検出されると、本器はビープ音を発 し、新規の読みを表示します。AutoHOLD モードに入る、 または終了するには、D を押します。 34 相対モード 相対モード(F)を選択すると、表示はゼロとなり、 現在の読みがそれ以降の測定の基準値として保存され ます。本器は F を押したときに選択されていたレン ジに固定されます。このモードを終了するには、F を 再度押します。 相対モードでは、表示される読みは、常に現在の読みと保 存されている基準値の差です。例えば、保存されている基 準値が 15.00 V であり、現在の読みが 14.10 V である場 合、画面には -0.
保守 ヒューズの試験 保守 XW警告 感電または怪我を避けるため、このマニュアルに 記載されていない修理や保守は、80 シリーズ V サービス情報に記載されているように、認定を受 けた担当者のみが行います。 一般保守 ケースは、水で軽く湿らせた布と弱中性洗剤を使用して定 期的に拭くようにします。研磨剤や溶剤は使用しないでく ださい。 端子部にゴミや水分があると、読みに影響し、Input Alert 機能を誤って作動させることがあります。端子をクリーニ ングするには、次の手順に従います。 1. 本 器 の 電 源 を 切 り 、 テ ス ト ・ リ ー ド を す べて外し ます。 2. 端子内部に入り込んでいるゴミを振り落として下 さい。 3.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 電池の交換 交換する電池は 9 V (NEDA A1604、6F22、または 006P) です。 XW警告 感電や怪我につながる可能性のある誤った読み を避けるために、表示画面に b が表示された ら、直ちに電池を交換してください。ディスプレ イに「bAtt」が表示された場合は、電池を交換す るまで本器が動作しなくなります。 電池を交換するには、次の手順に従います (図 11 を参 照)。 atk5f.eps 図 10. ヒューズの試験 36 1. ロータリー・スイッチを OFF に合わせ、端子からテ スト・リードを外します。 2. 電池収納部ドアのネジをマイナス・ドライバーを使っ て左に 90 度回し、ドアを取り外します。 3.
サービスおよび交換部品 ヒューズの交換 7. 図 11 を参考に、以下の手順で本器のヒューズを調べる、 または交換します。 ロータリー・スイッチと回路盤のスイッチが、OFF の 位置にあることを確認します。 8. ガスケットが正しく納まっていること、ケースの両側 が LCD の上方でカチリとはまる (図中 AA の部 分) ことを確認しながら、ケース上面側を元に戻し ます。 3 本のネジと電池収納部ドアを元通りに取り付け ます。ネジを右に 90 度回し、ドアを固定します。 1. ロータリー・スイッチを OFF に合わせ、端子からテ スト・リードを外します。 2. 電池収納部ドアのネジをマイナス・ドライバーを使っ て左に 90 度回し、ドアを取り外します。 9. 3. ケースの背面からプラス頭ねじ 3 個を外し、ケースを 表向きにします。 サービスおよび交換部品 4. トップケースにある入力端子の端をバッテリー収納 部の内側から静かに押し上げ、ケースを 2 つに離し ます。 5.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル F1 F2 1 aom12f.eps 図 11.
サービスおよび交換部品 表 8. 交換部品 部品 説明 バッテリー、9 V BT1 BT2 ケーブル・アセンブリー、9 V バッテリーのスナップ 0.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 8. 交換部品 (続き) 部品 AC72 AC72 TL75 MP81 MP390-391 NA U5 CR6 S2 TM1 TM2 TM3 40 説明 アリゲーター・クリップ (黒) アリゲーター・クリップ (赤) テスト・リード・セット 熱電対アセンブリー、K 型、ビーズ、鋳造デュアル・バナナ・プラグ、コイル 収納部ドア固定具 傾斜スタンド LCD、4.
サービスおよび交換部品 atk015c.eps 図 12.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 9.
仕様 仕様 任意の端子と接地間の最大電圧: 1000 V rms W mA または μA 入力のヒューズ保護: 44/100 A、1000 V 速断ヒューズ W A 入力のヒューズ保護: 11 A、1000 V 速断ヒューズ 表示: デジタル: 6000 カウント、毎秒4 回の更新 (87 には高分解能モードで 、19,999 カウントも付属) アナログ・バーグラフ: 33 セグメント。毎秒 40 回の更新。周波数: 19,999 カウントで > 10 Hz 時の更新毎秒 3 回。 温度: 動作時: - 20 °C ~ + 55 °C。保管時: - 40 °C ~ + 60 °C 高度: 動作時: 2000 m。保管時: 10,000 m 温度係数: 0.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 詳細仕様 すべての詳細仕様には、次の条件が適用されます。 確度は、温度 18 °C ~ 28 °C、相対湿度 90 % までの環境で、校正後 1 年間、±([読みの %] + [最下位の数]) として与え られるものとします。87 の 4 ½ 桁モードでは、最下位の数 (カウント数) を 10 倍してください。AC 変換は、AC 結 合され、レンジの 3 % から 100 % まで有効です。87 は、真の rms 応答です。AC 波高率は、フル・スケール時で最高 3、 ハーフ・スケールでは 6 となります。非正弦波形では、波高率 3 までに対して、通常 -(読みの 2 % + フル・スケールの 2 %) を加えます。 表 10. AC 電圧機能の仕様 (87) 機能 レンジ 分解能 確度 45 ~ 65 Hz K 2、4 600.0 mV 0.1 mV 6.000 V 0.001 V 60.00 V 0.01 V 600.0 V 0.1 V 1000 V 1V ロー・パス・フィルター 1. 2. 3. 4. 5.
仕様 表 11. AC 電圧機能の仕様 (83) 機能 K 1 1. 2. レンジ 600.0 mV 6.000 V 60.00 V 600.0 V 1000 V 分解能 0.1 mV 0.001 V 0.01 V 0.1 V 1V 確度 50 Hz ~ 60 Hz 30 Hz ~ 1 kHz 1 kHz ~ 5 kHz ± (0.5 % + 4) ± (0.5 % + 2) ± (0.5 % + 2) ± (0.5 % + 2) ± (0.5 % + 2) ± (1.0 % + 4) ± (1.0 % + 4) ± (1.0 % + 4) ± (1.0 % + 4) ± (1.0 % + 4) ± (2.0 % + 4) ± (2.0 % + 4) ± (2.0 % + 4) ± (2.0 % + 4)2 規定せず 200 カウントの読みに満たない場合は、10 カウントを加えます。 周波数レンジ: 1 kHz ~ 2.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 12. DC 電圧、抵抗、コンダクタンス機能の仕様 確度 機能 L F mV e nS レンジ 分解能 83 87 6.000 V 60.00 V 600.0 V 1000 V 0.001 V 0.01 V 0.1 V 1V ± (0.1 % + 1) ± (0.1 % + 1) ± (0.1 % + 1) ± (0.1 % + 1) ± (0.05 % + 1) ± (0.05 % + 1) ± (0.05 % + 1) ± (0.05 % + 1) 600.0 mV 0.1 mV ± (0.3 % + 1) ± (0.1 % + 1) 600.0 Ω 6.000 kΩ 60.00 kΩ 600.0 kΩ 6.000 MΩ 50.00 MΩ 60.00 nS 0.1 Ω 0.001 kΩ 0.01 kΩ 0.1 kΩ 0.001 MΩ 0.01 MΩ 0.01 nS ± (0.4 % + 2)1 ± (0.4 % + 1) ± (0.4 % + 1) ± (0.7 % + 1) ± (0.7 % + 1) ± (1.
仕様 表 13. 温度の仕様 (87 のみ) 温度 -200 °C ~+1090 °C -328 °F ~+1994 °F 確度1、2 分解能 0.1 °C 0.1 °F 1 % + 10 1 % + 18 1. 熱電対プローブの誤差は含みません。 2.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 14. 電流機能の仕様 確度 機能 レンジ 分解能 60.00 mA 400.0 mA6 6.000 A 10.00 A4 0.01 mA 0.1 mA 0.001 A 0.01 A μA B 60.00 mA 400.0 mA6 6.000 A 10.00 A4 0.01 mA 0.1 mA 0.001 A 0.01 A ± (0.4 % + 4) ± (0.4 % + 2) ± (0.4 % + 4) ± (0.4 % + 2) ± (0.2 % + 4) ± (0.2 % + 2) ± (0.2 % + 4) ± (0.2 % + 2) 1.8 mV/mA 1.8 mV/mA 0.03 V/A 0.03 V/A 600.0 μA 0.1 μA ± (1.2 % + 2)5 ± (1.0 % + 2) 100 μV/μA (45 Hz ~ 2 kHz) 6000 μA 1 μA ± (1.2 % + 2)5 ± (1.0 % + 2) 100 μV/μA μAF 600.0 μA 0.
仕様 表 15. 静電容量およびダイオード機能の仕様 機能 分解能 レンジ 確度 E 10.00 nF 100.0 nF 1.000 μF 10.00 μF 100.0 μF 9999 μF 0.01 nF 0.1 nF 0.001 μF 0.01 μF 0.1 μF 1 μF ± (1 % + 2) 1 ± (1 % + 2) ± (1 % + 2) ± (1 % + 2) ± (1 % + 2) ± (1 % + 2) G 3.000 V 0.001 V ± (2 % + 1) 1. 1 フィルム・コンデンサーかそれ以上のもので、相対モードを利用して残留値をゼロに設定した場合。 表 16. 周波数カウンターの仕様 機能 周波数 (0.5 Hz ~ 200 kHz、 パルス幅 > 2 μs) レンジ 分解能 199.99 1999.9 19.999 kHz 199.99 kHz > 200 kHz 0.01 Hz 0.1 Hz 0.001 kHz 0.01 kHz 0.1 kHz 確度 ± (0.005 % + 1) ± (0.005 % + 1) ± (0.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 17. 周波数カウンターの感度およびトリガー・レベル 最小感度 (RMS正弦波) 入力レンジ1 5 Hz ~ 20 kHz 近似トリガー・レベル 0.5 Hz ~ 200 kHz (DC 電圧機能) 600 mV DC 70 mV (~ 400 Hz) 70 mV (~ 400 Hz) 40 mV 600 mV AC 150 mV 150 mV ⎯ 6V 0.3 V 0.7 V 1.7 V 60 V 3V 7 V (≤ 140 kHz) 4V 600 V 30 V 70 V (≤ 14.0 kHz) 40 V 1000 V 100 V 200 V (≤ 1.4 kHz) 100 V デューティー・サイクル・ レンジ 0.0 ~ 99.9 % 1. 50 確度 立ち上がり時間 1 ms 未満で ± (kHz につき 0.2 % + 0.
仕様 表 18. 端子の電気的特性 機能 L 過負荷保護1 1000 V rms 入力インピー コモン・モード除去比 ダンス(定格) (1 kΩ 不均衡) 10 MΩ < 100 pF ノーマル・モード除去 > 120 dB DC 、50 Hz または 50 Hz または 60 Hz で > 60 dB 60 Hz F mV 1000 V rms K 1000 V rms 10 MΩ < 100 pF > 120 dB DC 、50 Hz または 50 Hz または 60 Hz で > 60 dB 60 Hz 10 MΩ < 100 pF > 60 dB、DC ~ 60 Hz (AC 結合) 開放回路 試験電圧 フルスケール電圧 ~ 6.0 MΩ 50 MΩ 代表的な短絡回路電流 600 Ω 6k 60 k 600 k 6M 50 M 1 mA 100 μA 10 μA 1μA 1 μA 0.5 μA または 60 nS e 1000 V rms < 7.9 V DC G 1000 V rms < 7.9 V DC 1.
80 Series V ユーザーズ・マニュアル 表 19. MIN MAX 記録の仕様 モデル 83 公称応答 100 ms ~ 80 % 確度 > 200 ms 持続する変化に対しては規定確度 ± 12 カウント (AC でビープ音機能 ON では ± 40 カウント) 87 100 ms ~ 80 % > 200 ms 持続する変化に対しては規定確度 ± 12 カウント (DC 機能) 120 ms ~ 80 % > 350 ms の変化およびレンジの > 25 % の入力では、規定確度 ± 40 カウント (AC 機能) 250 μs (ピーク) > 250 μs 持続する変化に対しては規定確度 ± 100 カウント (87 のみ)1 (6000 カウントを超える読み取りには ± 100 カウントを追加) (ロー・パス・フィルターでの読み取りには ± 100 カウントを追加) 1.