HP ThinPro USB Manager
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デバイス マッピング/仮想デバイス
デバイス マッピング、つまり仮想デバイスでは、仮想デバイスの概念を利用してUSBデバイスの種類ごとにパ
フォーマンスを最大化します。USBデバイスはThin Clientとローカルに通信し、関連するデータだけが、そのデータ
ペイロード専用に設計された仮想チャネル経由で転送されます。このようにして重要なデータのみを送信し、ハ
ンドシェイク プロトコルの細かさを緩和することで、リアルタイム デバイスの遅延を減らし、パフォーマンスを
改善できます。多くのリモート プロトコルでは、スピーカー、ヘッドセット、Webカメラ、ディスク ドライブ、
プリンターなどのUSBデバイス用に、このリダイレクト手法を提供しています。USBデバイスがThin Clientで直接操
作されるため、リモート コンピューター側に特別なドライバーをインストールする必要はありません。
多くのデバイス マッピングでは、デバイスの中心機能(つまり、サウンド、印刷、データ保存など)のみを実
行するため、デバイスの機能が、当該デバイスと同じ種類のデバイスすべてに共通する基本機能に限定される
ことがあります。たとえば、ヘッドセットのデバイス マッピング リダイレクトを使用すると、サウンドを聴く
ことはできるが、音量キーや消音キーはすべて利用できない可能性があります。
同じように、デバイス マッピングでは多機能プリンターのスキャン機能を使用できない可能性があります。
一般にはこのリダイレクト手法が推奨されるため、デバイスの種類が対象になっている限り、デバイス マッピング
が初期設定で有効になっています。サポートされる範囲は、接続の種類およびデバイスごとに異なります。状
況によっては、[USBマネージャー]または接続設定を使用して特定のデバイスの設定を調整し、特殊なボタン、
指紋認証システム、ドライブの暗号化などのデバイスの特別な機能をリモート セッションのUSBリダイレクト
で使用するように強制する必要が生じる場合があります。
手法の要約
汎用USBリダイレクト(USBR)
長所
• ドライバーがWindowsサーバー側にあるため、デバイスをHP ThinProコンピューター上で直接利用できるよう
にしなくても、リモート セッションで利用することができます。
• 通常のWindowsセッションで使用できるデバイスの全機能をリモート セッションでも使用できます。
• リモート デスクトップから実際のデバイスを認識して、ローカルの環境と同じ方法で操作できます。
短所
• 遅延および帯域幅の制約が原因で問題が生じることがあります。
• ネットワークの輻輳が起きやすく、ローカルCPUの使用率が上昇する傾向があります。
• CitrixセッションおよびVMwareセッションでは、Webカメラおよびマイクが正常に機能しません。
• XenApp 6.5以前および古いバージョンのRDPではサポートされていません。
デバイス マッピング/仮想デバイス
長所
• ネットワークの輻輳および遅延の問題が緩和されます。
• 一部のデバイスは、この手法でないと正常に機能しません。
• CitrixおよびVMwareで、リアルタイムのオーディオ/ビデオ デバイスの動作が改善されます。
短所
• HP ThinProシステムでデバイスがローカルにサポートされる必要があるため、業界標準に準拠したデバイスし
か使用できません。
• 一部のデバイス、特にオールインワン プリンター/スキャナーなどの多機能デバイスでは、デバイス マッピ
ングすると一部の機能が使用できなくなります。
• USBデバイスの種類によっては、デバイス マッピングに対応していません。
サーバーのVDIセッション
ThinClient
データ層
displayPicture()
captureAudio()
sendAudioData()
...
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