HPDM Deployment Guide HP Device Manager 4.7 SP3
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付録E:HPDMフェイルオーバー冗長化
この付録では、F5ネットワークスのBIG-IPインフラストラクチャ内でHP Device Managerのフェイルオーバー冗長化
を実装する際の概要となるガイダンスを説明します。
HPDMは、HP Thin Clientの管理用に効率化された、使いやすいインターフェイスおよびワークフローを提供する管
理ソリューションです。HPDMは、非常に拡張性の高いThin Clientの管理ソリューションです。HPDMは、数千台の
デバイス管理から十万台以上のデバイス管理へと拡張でき、すべてを1つの管理サーバーで管理できます。
拡張性だけでは、予期しないすべての問題に対応できません。入念に計画し、冗長性を組み込むことで、インフ
ラストラクチャの障害やその他の致命的な問題が発生した場合でも、HPDMの可用性および復旧性を保つことがで
きます。
冗長化シナリオ
幅広い問題に対応できる高い可用性を実現する方法の一つとして、冗長化データ センターの作成があります。
ネットワーク内でリソースのミラーを作成し、元のサービスがオフラインになった場合に、これらのリソースを
直ちに利用可能にさせることができます。HPDMは単一の動作ポイントを持ち、単一サーバー型のサービス レイ
ヤーからのゲートウェイおよびリポジトリのフィードをハブ アンド スポーク型でやりとりして動作するよう設計
されていることから、この方法は現在のHPDMのアーキテクチャと一致していると言えます。
以下の図では、冗長化データ センターを使った環境の一例を概略的に示しています。このモデルで有効なインフ
ラストラクチャはF5ネットワークスのBIG-IPですが、この概念はソフトウェアで定義する他のネットワーク ソ
リューションにも適用できます。
このモデルでは、F5のGlobal Traffic Managerを使用して、データ センター実装間のトラフィックをマスクしてルー
ティングしており、クライアント デバイスには設置されている冗長化モデルは見えないようになっています。ま
た、Local Traffic Managerを使用して、各データ センター内のリソースの可用性を監視し、リソースへのアクセス
を提供しています。Local Traffic Managerは、利用可能なリソースを管理することでこれを実現していますが、こ
のリソースとは、今回のケースでは、HPDM Server自体、HPDM Master Repository Controller(HPDM Serverと同じVM
内でホストされています)、SQLデータベース サービス、およびマスター リポジトリの内容の保存に使用される
分散ファイル システム サービスを指しています。
冗長化の実装
冗長化したHPDM構成が通常の構成と同一に見えることが理想的です。SQLデータベース サービスおよびマスター
リポジトリのファイル システム サービスに一貫したアドレスを提供できる場合は、HPDM ServerおよびMaster
Repository Controllerエージェントを格納しているVMに対しても同様に設定します。このVMは、Local Traffic
Managerの背後で複数のVMホストをサポートできるため、各データ センター内でローカルの冗長化を作成するの
にも使用できます。今回の例では、そのレベルの冗長化は必要ありません。お使いのデータ センターの構成に
よって、Local Traffic Managerは複数のVM、およびHPDMリソースを含む複数のVMプールの両方を管理できます。
GTM
LTM LTM
データ センター データ センター
クライアント デバイス プール
リソース プー ル リソース プー ル
HPDM
分散SQL サービス
分散ファイルサービス
HPDM
ゲートウェイ ゲートウェイ ゲートウェイ ゲートウェイ