Windows Embedded Standard 7 Administrator's Guide for HP Thin Client
Table Of Contents

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エンハンスド ライト フィルターおよび
ファイル ベース ライト フィルター
重要:お使いの Thin Client に[HP Write Manager]が搭載されている場合は、[HP Write Manager]の管理者
ガイドの説明を参照してください。この付録の説明は、[HP Write Manager]が搭載されていない Thin
Client にのみ適用されます。
書き込みフィルターは、書き込みをオーバーレイにリダイレクトしてキャッシュすることで Thin
Client のフラッシュ ドライブのコンテンツを保護して消耗を抑えます。オーバーレイとは、保護され
たボリューム(フラッシュ ドライブ)への変更を追跡する RAM 内の仮想ストレージ領域のことです。
引き続きフラッシュ ドライブに書き込まれるように見えるため、Windows のユーザー エクスペリエン
スに影響はありません。システムが再起動すると、オーバーレイ キャッシュが消去され、前回のシス
テム起動以降に行われたすべての変更が恒久的に失われます。恒久的なシステム設定を行う必要が
ある場合、管理者はシステムの再起動の前にオーバーレイ キャッシュに格納される変更をコミット
(保護されたボリュームにライト スルーすることで持続する)できます。
注記:オーバーレイ キャッシュはシステムの再起動でのみ消去されるため、ユーザーはキャッシュ情
報を失わずにログアウトしたりユーザー アカウントを切り替えたりできます。
以下のどちらかの書き込みフィルターを選択できます。
●
エンハンスド ライト フィルター(EWF):EWF では、オーバーレイ キャッシュ全体を 1 つのコマ
ンドでコミットできます。ただし、ファイルごとに管理できないため、ファイルを個別にコミッ
トしたり、ファイルを基本ボリュームから以前の状態に復元したり(システムを再起動すること
によってオーバーレイ キャッシュ全体を消去する場合を除く)、ファイルを保護から除外したり
できません。
注記:
EWF は、初期設定で有効になっています。EWF コミット コマンドでは、システムの再起
動が必要です。
●
ファイル ベース ライト フィルター(FBWF):FBWF ではファイルごとに管理できるため、ファイ
ルをすぐに(システムを再起動しないで)個別にコミットしたり、変更内容を破棄することに
よってファイルを基本ボリュームから以前の状態に復元したりできます。ファイルを保護から
除外することもできます。すると、それらへの変更がフラッシュ ドライブに常に直接書き込まれ
ます。ただし、FBWF オーバーレイ キャッシュ全体を 1 つのコマンドでコミットすることはでき
ません。
注記:
ファイルがコミットされた後や FBWF オーバーレイ キャッシュが消去された後にファイル
を復元することはできません。除外一覧に何らかの変更を行った場合、システムの再起動が必要
です。
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付録 A エンハンスド ライト フィルターおよびファイル ベース ライト フィルター