HP Thin Client 用 Windows Embedded Standard 7 管理者ガイド
© Copyright 2010, 2012-2014 HewlettPackard Development Company, L.P. Microsoft および Windows は、米国 Microsoft Corporation およびその関連会社の米国また はその他の国における商標または登録商標 です。 本書で取り扱っているコンピューター ソフ トウェアは秘密情報であり、その保有、使 用、または複製には、HP から使用許諾を得 る必要があります。FAR 12.211 および 12.
このガイドについて このガイドでは、テキストの要素を区別するために以下のスタイルが使用されています。 スタイル 定義 変数またはプレースホルダーは、山括弧で囲まれてい ます。たとえば、は、C:\Windows \System などの適切なパスに置き換えます。変数の 実際の値を入力するときは、括弧は付けずに入力して ください [optional parameters] オプションのパラメーターは、角括弧で囲まれていま す。実際にパラメーターを指定するときは、括弧は付 けないでください "literal value" 引用符で囲まれているコマンド ライン テキストは、引 用符を含めて、表示されているとおりに入力する必要 があります iii
iv このガイドについて
目次 1 お使いになる前に ......................................................................................................................................... 1 その他の情報の参照先 ........................................................................................................................................ 1 初期設定のユーザーおよび管理者のアカウントへのログオン .................................................................... 2 Windows の[コントロール パネル]の表示 ....................................................................................
5 管理ツール ................................................................................................................................................. 15 HP Cloud Connection Manager ............................................................................................................................ 15 HP Device Manager ..............................................................................................................................................
1 お使いになる前に このガイドは、Windows® Embedded Standard 7 オペレーティング システムをベースとする HP Thin Client モデルの管理者を対象としています。HP が提供する最新の Windows Embedded Standard 7E ま たは Windows Embedded Standard 7P イメージを使用し、設定を行うときまたは管理ユーティリティに アクセスするときには管理者としてログオンすることを前提としています。 その他の情報の参照先 このガイドでは、HP Thin Client に固有の機能の概要を説明しています。詳しい情報、およびイメージ の更新とアドオンについては、以下の表に示す参照先を確認してください。 リソース 内容 HP サポート センター イメージの更新およびアドオン http://www.hp.
初期設定のユーザーおよび管理者のアカウントへのログオン 初期設定では、Thin Client はユーザーとしてログオンします。管理者は手動でログオンする必要があ ります。Windows へのログオンについては、以下の情報を参照してください。 ● 工場出荷時に設定されている初期設定の管理者アカウント名とパスワードはどちらも 「Administrator」です。 ● 工場出荷時に設定されている初期設定のユーザー アカウント名とパスワードはどちらも「User」 です。 ● パスワードは、大文字と小文字が区別されます。 ● セキュリティ保護のため、パスワードを初期設定値から変更することをおすすめします。詳しく は、11 ページのアカウントのパスワードの変更を参照してください。 ● 追加のユーザー アカウントの作成について詳しくは、11 ページの追加のユーザー アカウント の作成を参照してください。 ● 特定のユーザー アカウントへの自動ログオンの設定について詳しくは、11 ページの自動ログオ ンの設定を参照してください。 Windows の[コントロール パネル]の表示 このガイドで説明されて
2 書き込みフィルター 書き込みフィルターは、フラッシュ ドライブへの無許可の書き込みおよび過剰な書き込みを防止する ことによって、安全な環境を提供し、Thin Client の寿命を延ばします。書き込みデータは書き込みフィ ルターによって捕捉され、RAM ドライブにキャッシュされるため、次に Thin Client が再起動したとき に消去されます。以下の 2 種類の書き込みフィルターを使用できます。 ● エンハンスド ライト フィルター(EWF) :すべての書き込みデータをオーバーレイにキャッシュ することによって、ボリューム全体(初期設定では C:)を保護します。 ● ファイル ベース ライト フィルター(FBWF) :ファイルを個別にキャッシュします。これによっ て、保護から除外するファイルまたはフォルダーを指定できます(除外したファイルは常に基本 ボリュームに書き込まれるようになります) 。 注記:EWF は、初期設定で有効になっています。使用できる書き込みフィルターは一度に 1 つのみで す。 書き込みフィルターを管理するさまざまな方法の概要については、3 ページの書き込みフィルター の
状態アイコン 書き込みフィルターの状態アイコンは Windows の通知領域にあり、使用中の書き込みフィルターの現 在の状態を表示します。状態アイコンを右クリックして目的の操作を選択することによって、以下の コマンドを実行できます。 ● [Enable](有効にする) :次に Thin Client が再起動したときに、書き込みフィルターを有効にしま す。 ● [Disable](無効にする) :次に Thin Client が再起動したときに、書き込みフィルターを無効にしま す。 ● [Commit](コミット) (EWF のみ) :次に Thin Client が再起動したときに、ボリューム オーバーレ イ内のキャッシュされた書き込みデータが基本ボリュームにコミットされます(恒久的に保持さ れます)。 ● [Clear Command](コマンドをクリア):現在のブート コマンドをクリアします。 注記:状態アイコンを使用して、1 つの Thin Client が再起動したときに書き込みフィルターを切り替 えることはできません。切り替えるには、[HP Write Filter Configu
アイ コン EWF FBWF 定義 ● √ √ 書き込みフィルターが FBWF から EWF に切り替わります 書き込みフィルターが壊れており、使用できません [HP Write Filter Configuration](HP 書き込みフィルター設定)ユーティリティ [HP Write Filter Configuration]ユーティリティは、EWF および FBWF に関する情報を表示したり、これら のフィルターでよく使用される機能を実行したりできるグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI)です。 [HP Write Filter Configuration]ユーティリティを起動するには、以下の操作を行います。 ▲ [コントロール パネル]で、[HP Write Filter Configuration](HP 書き込みフィルター設定)をクリッ クします。 ヒント:または、通知領域にある書き込みフィルターの状態アイコンをダブルクリックすること もできます。 このユーティリティで実行できるタスクは以下のとおりです。 ● 使用中の書き込みフィルターに関する情報の表示 ●
コマンド ライン 以下の表に、コマンド プロンプトから実行可能な、よく使用されるコマンドを示します。 EWF の構文の例 FBWF の構文の例 説明 ewfmgr -disable fbwfmgr /disable 次に Thin Client が再起動したと きに、書き込みフィルターを無 効にします ewfmgr -enable fbwfmgr /enable 次に Thin Client が再起動したと きに、書き込みフィルターを有 効にします ewfmgr c: commit fbwfmgr /commit c: \Folder\File.txt EWF:次に Thin Client が再起動 したときに、ボリューム オー バーレイをコミットします FBWF:指定したファイルをすぐ にコミットします ewfmgr c: -nocmd n/a 現在のブート コマンドをクリ アします n/a fbwfmgr /restore c: \Folder\File.txt 指定したファイルを復元しま す n/a fbwfmgr /addexclusion c: \Folder
注意:1 の方法を使用することを強くおすすめします。2 および 3 の方法を使用すると、不要な変更 がシステムに対してコミットされ、フラッシュ ドライブの消耗が激しくなる場合があります。 方法 1 方法 2 1. 書き込みフィルターを無効に します 1. 2. Thin Client を再起動します 3. 必要な設定を行います 4. 書き込みフィルターを有効に します 5. Thin Client を再起動します 2.
方法 1(EWF のみ) 方法 2 1. ▲ EWF:コマンド ラインを使用し [HP Write Filter Configuration] (HP 書き込みフィルター設定) てボリューム オーバーレイを ユーティリティを起動します コミットし、Thin Client を再起 動します 2. EWF:[EWF Main](EWF のメイ ン)タブで、[データ更新]をク FBWF:コマンド ラインを使用 リックして、Thin Client を再起 してファイルを個別にコミッ 動します トします。この操作はすぐに 有効になります FBWF:[Cached File Commit/ Restore](キャッシュされた ファイルのコミット/復元)タ ブで、コミットするファイルを 選択して、[Commit](コミッ ト)をクリックします。この操 作はすぐに有効になります 2. 通知領域にある書き込みフィ ルターの状態アイコンを右ク リックして、[Commit EWF] (EWF をコミット)を選択しま す Thin Client を再起動します 方法 3 1.
アイ コン 定義 新しく追加した項目が、次に Thin Client を再起動したときに除外されます 項目が、次に Thin Client を再起動したときに除外一覧から削除されます ブート コマンドのクリア ブート コマンドをクリアすると、以前に指定した書き込みフィルター動作([Enable](有効にする) 、 [Disable](無効にする)、または[Commit](コミット) )がキャンセルされ、次に Thin Client を再起動 したときに実行されなくなります。 以下の表に、ブート コマンドをクリアするためのさまざまな方法を示します。 方法 1 方法 2(EWF のみ) ▲ 通知領域にある書き込みフィ ルターの状態アイコンを右ク リックして、[Clear Command] (コマンドをクリア)を選択し ます 1. 2.
3 設定 ● ローカル ドライブ ● ユーザー アカウントの管理 ● システムの日付および時刻の設定 ● 無線機能の無効化 ● 大容量のアプリケーションのインストール ローカル ドライブ Thin Client には、初期設定で以下のローカル ドライブが構成されています。 ● C: (フラッシュ ドライブ) :オペレーティング システムおよびソフトウェアがインストールされ ています。書き込みフィルターを使用して、このドライブへの書き込みを制限または一切禁止で きます。 注意:フラッシュ ドライブの空き領域がフラッシュのサイズの 10%を下回らないようにするこ とをおすすめします。 ● Z: (RAM ドライブ) :システムの物理 RAM から作成される仮想ドライブです。通常の固定ディ スク ドライブと同じように表示され、動作しますが、このドライブはシステムの起動時に作成さ れ、シャットダウン時に破棄されます。そのため、この仮想ディスク ドライブには情報または データを保存しないことをおすすめします。 Z ドライブには、以下の項目が格納されます。 ◦ ブラウザーの Web ページ
ユーザー アカウントの管理 既存のユーザー アカウントの管理には、ユーザー アカウント ユーティリティを使用します。ユー ザー アカウント ユーティリティを起動するには、以下の操作を行います。 ▲ [コントロール パネル]で、[ユーザー アカウント]をクリックします。 アカウントのパスワードの変更 アカウントのパスワードを変更するには、以下の操作を行います。 ▲ Ctrl + Alt + Delete キーを押して、[パスワードの変更]をクリックします。 注記:パスワードをユーザー アカウントで変更することはできません。 追加のユーザー アカウントの作成 注記:フラッシュ ドライブの容量には制限があるため、ユーザー アカウントの数は最小限に抑える必 要があります。 新しいユーザー アカウントの作成または既存のユーザー アカウントの管理には、ユーザー アカウン ト ユーティリティを使用します。 新しいユーザー アカウントの作成には、ユーザー アカウント ユーティリティを使用します。ユー ザー アカウント ユーティリティを起動するには、以下の操作を行います。 ▲ [コントロール パネル]で、[ユーザー
システムの日付および時刻の設定 [コントロール パネル]の[日付と時刻]ユーティリティを使用して、システムの日付および時刻を手動 で設定するか、インターネット サーバーの日付および時刻と定期的に同期するように設定できます。 ヒント:このユーティリティにアクセスするには、Windows の通知領域で時計をクリックして[日付と 時刻の設定の変更]をクリックするか、時計を右クリックしてメニューから[日付と時刻の調整]を選択 することもできます。 インターネット サーバーの日付および時刻と同期するようにシステムを設定する場合は、[Windows Time]サービスを有効にする必要があります。このサービスは、初期設定では無効になっています。有 効にするには、以下の操作を行います。 1. [コントロール パネル]で、[管理ツール]をクリックします。 2. [サービス]をダブルクリックします。 3.
4 リモート デスクトップ ソフトウェア ● Citrix Receiver ● Microsoft リモート デスクトップ プロトコル ● VMware Horizon View ● HP Remote Graphics ソフトウェア(一部の Thin Client のみ) ● HP TeemTalk(アドオン、一部の Thin Client のみ) Citrix Receiver [Citrix Receiver]は、Citrix Presentation Server、XenApp、または XenDesktop が Web インターフェイスで 展開される場合に使用します。[Citrix Receiver]では、公開されているアプリケーションをシームレス に統合するために、Windows デスクトップにアイコンを置くことができます。 [Citrix Receiver]を開くには、以下の操作を行います。 ▲ [スタート]→[すべてのプログラム]→[Citrix Receiver]の順にクリックします。 Microsoft リモート デスクトップ プロトコル Windows Serv
注記:一部のイメージでは、VMware Horizon View クライアントを使用するためにインストールが必要 になることがあります。インストールするには、[スタート]→[すべてのプログラム]→[Run VMware Horizon View Client Setup](VMware Horizon View Client セットアップの実行)の順にクリックします。 インストール前に書き込みフィルターが無効になっていること、およびインストール後に再度有効に なっていることを確認します(7 ページの書き込みフィルターの無効化および有効化を参照してくだ さい) 。 HP Remote Graphics ソフトウェア(一部の Thin Client のみ) HP Remote Graphics ソフトウェア(RGS)は、専門的なユーザーおよび要求の厳しいアプリケーション 向けのコラボレーションおよびリモート デスクトップ ソリューションです。すべてのアプリケー ションはリモート コンピューターで実行され、そのグラフィックス リソースを最大限に活用します。 リモート コンピューターのデスクトップは、デジタル画像、
5 管理ツール ● HP Cloud Connection Manager ● HP Device Manager ● HP Easy Tools(アドオン、一部の Thin Client のみ) ● HP Hotkey Filter(アドオンのみ) ● HP Logon Manager ● HP RAM ディスク マネージャー ● HP ThinShell ● HP ThinState ● HP ThinUpdate(アドオンのみ) ● HP USB Storage Local Security Options ● HP Velocity ● HP Write Filter Configuration ● Microsoft System Center Configuration Manager HP Cloud Connection Manager [HP Cloud Connection Manager](HPCCM)は HP Thin Client の管理者用のクライアント ユーティリティ で、標準ユーザー(管理者以外のユーザー)が Windows
HP Easy Tools(アドオン、一部の Thin Client のみ) HP Easy Tools は、HP Thin Client で使用する各種の構成を設定または作成するときに役立つウィザード です。システムの初期設定時に、ネットワークに HP Device Manager または HP System Update インフ ラストラクチャが見つからない場合は、このウィザードが自動的に開きます。 HP Easy Tools を手動で開くには、以下の操作を行います。 ▲ [コントロール パネル]で、[HP Easy Tools]をクリックします。 ヒント:詳しくは、『HP Easy Tools 管理者ガイド』を参照してください。 HP Hotkey Filter(アドオンのみ) [HP Hotkey Filter]は、ローカルの Windows インスタンスに影響を与えることなく、リモート デスクトッ プ セッションをロックおよびロック解除できるセキュリティ ユーティリティです。Thin Client の展 開にあたって、多くの場合、ローカルの Windows デスクトップおよび Windows
HP ThinShell HP ThinShell は、標準ユーザー(管理者以外)側のキオスク モード(シェル置き換え)機能を有効に するためのクライアント自動化ツールです。 [HP ThinShell]を開くには、以下の操作を行います。 ▲ [コントロール パネル]で、[HP ThinShell Configuration]をクリックします。 ヒント:詳しくは、『HP ThinShell 管理者ガイド』を参照してください。 HP ThinState HP ThinState を使用すると、HP Thin Client イメージをキャプチャできます。キャプチャしたイメージ は、モデルおよびハードウェアが同一の別の HP Thin Client に展開できます。 注意:HP では、同じイメージに基づく HP ThinState キャプチャおよび展開のサイクルを 3 回までサ ポートしています。3 サイクルを超えるとイメージが破損する可能性があります。 HP ThinState によるキャプチャを実行するには、以下の操作を行います。 1.
HP ThinUpdate(アドオンのみ) HP ThinUpdate はイメージのアップデートおよびリカバリ ツールであり、展開用の USB フラッシュ ド ライブにイメージをすばやく簡単にダウンロードします。このツールは、Thin Client 自体か、標準的 なデスクトップ コンピューターまたはノートブック コンピューターにインストールできます。 HP ThinUpdate を使用するには、以下の操作を行います。 1. [コントロール パネル]で、[HP ThinUpdate]をクリックします。 2. プラットフォーム、オペレーティング システム、およびイメージ バージョンを選択します。 注記:[リリース ノート]をクリックして、選択したイメージのリリース ノートを表示できます。 3. 概要パネルで指定されたサイズよりも大きいサイズの USB フラッシュ ドライブを接続します。 必要なサイズはイメージによって異なります。 4.
HP Velocity HP Velocity は、アプリケーション トラフィックの通信に使用される IP ベース ネットワークでのパ ケット損失を低減することにより、リアルタイム ネットワーク アプリケーションの応答性能を劇的に 向上させる QoS(Quality of Service)システムです。HP Velocity のクライアントサイド コンポーネント は、HP Thin Client にプリインストールされ、サーバーサイドのコンポーネントと連携して動作します。 ヒント:詳しくは、http://h50146.www5.hp.
索引 C Citrix Receiver 13 C ドライブ: 10 E EWF →「書き込みフィルター」を 参照 F FBWF →「書き込みフィルター」を 参照 W ゆ Web サイト Citrix のサポート 1 HP のサポート 1 Microsoft のサポート 1 VMware のサポート 1 ユーザー アカウント、管理 11 Z ろ り リモート デスクトップ ソフトウェ ア 13 ローカル ドライブ 10 ログオン 管理者 2 自動 11 手動 2 ユーザー 2 Z ドライブ: 10 あ アドオン 1 H HP Cloud Connection Manager 15 HP Device Manager 15 HP Easy Tools 16 HP Hotkey Filter 16 HP Logon Manager 16 HP RAM ディスク マネージャー 16 HP Remote Graphics ソフトウェ ア 14 HP TeemTalk 14 HP ThinShell 17 HP ThinState 17 HP ThinUpdate 18 HP USB