HP Z210 Workstation Maintenance and Service Guide (February 2011)
SATA ハードディスクドライブのセキュリティ*
HP コンピューターには SATA ハードディスクドライブ向けに HP DriveLock (ドライブロック)
があり、これによってデータへの不正アクセスを防止できます。
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警告! DriveLock (ドライブロック) を有効にして、マスターパスワードを見失ったり、忘れたりす
ると、SATA ハードディスクドライブは永久にアクセス不能になります。パスワードを復元したり、
データにアクセスする方法はありません。
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DriveLock (ドライブロック) は、コンピュータ セットアップ (F10) ユーティリティに拡張機能とし
て実装されています。DriveLock (ドライブロック) は、ATA Security コマンドセットをサポートし
ているハードディスクドライブが検出された場合にだけ使用可能です。HP  コンピューターでは、
SATA エミュレーションモードを RAID+AHCI または RAID に設定している場合には使用できませ
ん。
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DriveLock (ドライブロック) は、データのセキュリティを最重視するお客様のために用意されていま
す。このようなお客様にとっては、内容に不正にアクセスされることによって生じる損害を考えれ
ば、ハードディスクドライブやそこに格納されているデータを失わないようにするための手間は問題
ではありません。 
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このセキュリティレベルと、パスワードを忘れたときの対処という問題を解決するために、HP の
DriveLock (ドライブロック) の実装では、2 段階のパスワードセキュリティ方式を採用しています。
1 つのパスワードはシステム管理者が設定して使い、別のパスワードは通常ユーザーが設定して使う
ことが想定されています。 
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両方のパスワードが失われた場合は、DriveLock (ドライブロック) を解除する方法はありません。し
たがって、DriveLock (ドライブロック) は、ハードディスクドライブ内のデータを企業情報システム
に複製しているか、定期的なバックアップを行っている場合に、最も安全に使用できます。 
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両方の DriveLock (ドライブロック) パスワードを失った場合には、ハードディスクドライブは使用
不能になります。これは、上記に該当しないお客様にとっては、受け入れがたいリスクです。上記に
該当するお客様にとっては、ハードディスクドライブに格納されたデータの性質をかんがみると、許
容できるリスクと考えられます。
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DriveLock (ドライブロック) のアプリケーション
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DriveLock (ドライブロック) セキュリティ機能の最も現実的な用途は、企業環境での使用です。シス
テム管理者がハードディスクドライブ設定の責任を持ちます。この設定には、DriveLock (ドライブロ
ック) のマスターパスワードとユーザー用の仮パスワードの設定が含まれます。ユーザーがユーザー
パスワードを忘れたり、装置が他の従業員に譲渡された場合でも、マスターパスワードを使えば、ユ
ーザーパスワードをリセットして、再びハードディスクドライブへアクセスできるようにすることが
できます。 
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DriveLock (ドライブロック) の有効化を担当する企業情報システム管理者には、マスターパスワード
の設定や管理に関する企業ポリシーも作成しておくことをお勧めします。そうすることによって、従
業員が会社を辞めるときに両方の DriveLock (ドライブロック) パスワードを設定してしまうような
事態を避けることができます。このような事態になると、ハードディスクドライブは使用不能にな
り、交換を余儀なくされるからです。逆に、マスターパスワードを設定しなかった場合には、システ
ム管理者はハードディスクドライブの管理権限を失い、不正なソフトウェア、その他のアセット管理
的な業務、サポートなどの日常チェックを実施することができなくなります。 
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セキュリティ要件が厳しくないお客様の場合には、DriveLock (ドライブロック) を有効にすることは
お勧めしません。このようなお客様には、個人ユーザーや、通常ハードディスクドライブに機密デー
デスクトップマネジメント
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