User Guide --Wireless (some models only) --Windows Vista (June 2008)

無線 LAN の保護
無線 LAN の標準仕様に備わっているセキュリティ機能は限られており、基本的には大規模な攻撃では
なく簡単な盗聴を防ぐための機能しかありません。そのため、無線 LAN には、既知でよく確認され
いるセキュリティの脆弱性があると認識しておくことが大切です。
「無線 LAN スポット」と呼ばれるインターネット カフェや空港などで利用できる公衆無線 LAN
は、セキュリティ対策が取られていないことがあります。公共の場でのセキュリティと匿名性を高め
る新しい技術は、無線デバイスの製造元や無線 LAN スポットのサービス プロバイダによって開発さ
れている段階です。無線 LAN スポットを利用するときにコンピュータのセキュリティに不安がある場
合は、ネットワークに接続しての操作を、重要でない電子メールや基本的なネット サーフィン程度
とどめてください。
無線 LAN をセットアップする場合や、既存の無線 LAN にアクセスする場合は、常にセキュリティ機
能を有効にして、不正アクセスからネットワークを保護してください。一般的なセキュリティ レベル
は、WPAWi-Fi Protected Access-Personal WEPWired Equivalent Privacy)です。無線信号
はネットワークの外に出てしまうため、他の無線 LAN デバイスに保護されていない信号を拾われ、
(許可しない状態で)ネットワークに接続されたり、ネットワークでやり取りされる情報を取得され
たりする可能性があります。ただし、事前に対策を取ることで無線 LAN を保護できます。
セキュリティ機能内蔵の無線トランスミッタを使用する
無線基地局、ゲートウェイ、またはルータといった無線トランスミッタの多くには、無線セキュ
リティ プロトコルやファイアウォールといったセキュリティ機能が内蔵されています。適切な
無線トランスミッタを使用すれば、無線セキュリティでの最も一般的なリスクからネットワー
を保護できます。
ファイアウォールを利用する
ファイアウォールは、ネットワークに送信されてくるデータとデータ要求をチェックし、疑わし
いデータを破棄する防御壁です。利用できるファイアウォールにはさまざまな種類があり、ソフ
トウェアとハードウェアの両方があります。ネットワークによっては、両方の種類を組み合わせ
て使用します。
無線を暗号化する
さまざまな種類の高度な暗号プロトコルが、無線 LAN ネットワークで利用できます。お使いの
ネットワークのセキュリティにとって最適な解決策を、以下の中から探してください。
WEPWired Equivalent Privacyは、すべてのネットワー データを送信される前に
WEP キーで符号化または暗号化する無線セキュリティ プロトコルです。通常は、ネット
ワーク側が割り当てた WEP ーを使用できます。また、自分でキーを設定したり、異なる
キーを生成したり、他の高度なオプションを選んだりすることもできます。正しいキーを持
たない他のユーザが無線 LAN を使用することはできなくなります。
WPAWi-Fi Protected Accessは、WEP と同じように、セキュリティ設定によってネッ
トワークから送信されるデータの暗号化と復号化を行います。ただし、WEP のよう
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の決められたセキュリティ ーを利用して暗号化を行うのではなく、TKIPtemporal key
integrity protocol)を使用してパケットごとに新しいキーを動的に生成します。また、ネッ
トワーク上にあるコンピュータごとに異なるキーのセットを生成します。
ネットワークを閉じ
可能であれば、ネットワーク名SSID)が無線トランスミッタによってブロードキャスト(送
信)されないようにします。ほとんどのネットワークは、最初にネットワーク名をブロードキャ
ストして、利用可能であることを近くのコンピュータに伝えます。ネットワークを閉じれば、お
使いのネットワークの存在が他のコンピュータから知られにくくなります。
無線 LAN の保護
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