Details Manual

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付録:ルーピング・チュートリアル
イントロダクション
VoiceLive Touch は、クリエイティブでユニークなパフォーマンスを支援する強力
なヴォーカルパフォーマンスツールで、高いリアルタイム性を誇ります。ルー
パー機能も例外ではありません。
VoiceLive Touch のルーパーはライブ時にステー
ジ上でループを一から作り上げていくことを想定した設計がなされており、レ
コーディング用のソフトウェアと組み合わせる想定のヴォイス用レコーダーの類
いとは一線を画します。この違いはイメージしにくいかもしれませんが、自分自
身とのライブ・セッションが可能になる、とお考えいただければわかりやすいか
もしれません。ルーピングは決してギミックではなく、
ヴォーカル・パフォーマ
ンスにおける表現方法のジャンルとして近年急速な広がりを見せています。
基礎用語
ループ・メモリー
VoiceLive Touch で録音できるループ長の上限は、ステレオとモノラルで異なりま
す。ステレオ時には、高音質な
30 秒の非圧縮オーディオのループを作成できます。
モノラル時の上限は倍の
60 秒となります。それなりの度胸が必要とされますが、
アンドゥ機能を無効にすると、上限をさらに倍増できます(モノラル時
120 秒)
これらの設定を変更すると、システムは内部メモリーの割り当て方法を変更する
ために、現行ループは消去されますのでご注意ください。
ヒューマン・ビートボックス
口による擬音や身体の他の部位を使ってドラム、シンバル、シェイカー等に相当
する音をだしてリズムを作り上げる技法です。
小節/拍子
ポップ・ミュージック等の現代西洋音楽は、一般的に
4 つのビートを反復するこ
とを基本としています(例:バスドラ/スネア/バスドラ/スネア)この種類
の音楽は、4 拍で 1 小節を構成する 4 拍子と呼ばれます。一部の楽曲は 1 小節が
3 拍で構成(例:ワルツ - バスドラ/スネア/スネア)される 3 拍子です。大半
の楽曲は、百を超える同じ拍子の小節で構成されます。
アディティブ・レコーディング
「アディティブ」とは「加算的」という意味で、アディティブレコーディングとは、
元の素材を上書きまたは消去することなく新しいレコーディングの内容を重ね
ることを意味します。通常は反復時に元のオーディオのレベルを若干下げて再
生させ、サウンドを徐々にフェードさせていきます。
VoiceLive Touch では、フェー
ド量を
SETUP メニューで設定します(詳細はマニュアルをご参照ください)
ループ・ポイント
レコーディングを反復再生させる際の終点と始点のつなぎ目のことを挿します。
一つのループのループ長は、ループの開始点からループ・ポイントまでの長さ
となります。
はじめてのヴォーカル・ルーピング
ルーピングを体験したことがなくても、心配は無用です。ルーピングは難しい
ことではなく、いたってシンプルです。
ルーピングの一番基本的なコンセプトは、一つのアイディアをキャプチャーし
て、繰り返し再生させることです。しかしながら、ルーピングの本当の魅力は、
一旦キャプチャーして反復再生しているループの上に、次々に他のパートを重
ねて行くことにあります。多少の技術と無限のクリエイティビティを組み合わ
せれば、ステージ上で一からループを作り上げたり、様々な装飾音を含む独創
的なアンサンブルを構築することができます。
まずは、ルーピングの基本的な流れを見ていきましょう。