FROM NO. 3322-870 モデル 03200-210000001 & up モデル 03201-210000001 & up モデル 03220 および 03221 オペレーターズ マニュアル リールマスター ® 3100-D トラクションユニット 本機の特長を理解し、安全に効率よく作業を行っていた リールマスター 3100-D は、ANSI B71.4-1999 規格による だくために、運転前に必ずこのマニュアルをお読みくだ 乗用芝刈機の安全基準を満たす製品であり、下のような さい。特に次のようなマークは安全に関する重要な内容 ANSI 認証シールを貼ってお届けしています。 をお知らせするものですから、必ず指示をお守りください。 TORO このマークは、「注意」「警告」または「危険」の文字と 共に表示され、いずれも安全作業のための重要事項を示 します。これらを遵守されないと人身事故につながる恐 れがありますので十分にご注意ください。 © The TORO COMPANY—2000 禁無断転載 安全規格準拠 ANSI B71.
はじめに Toro 社ターフ管理用機器をお買い上げいただき、まことにありがとうございます。 お買い上げいただいたリールマスター 3100-D は、最高のグリーンのための最高の芝刈り機として、能率、省力化、維持 管理の軽減を実現できる機械として開発され、その設計や安全については先進の技術とコンセプトを取り入れておりま す。どうか、適切な取り扱いと保守によって素晴らしい性能を発揮させていただきますよう、お願い申し上げます。 Toro 社では、最高の機械を、末永く安全にお使いいただきたいと願っております。リールマスター 3100-D で実際に作業 をされるオペレータをはじめとして、本機を取り扱われる方は必ずこのマニュアルをお読みになり、安全、組み立て、 運転、保守などについての内容を必ずお守りください。主な内容は以下の通りです: 1.安全について 4.運転の方法 2.組み立て手順 5.保守 3.運転の前に このマニュアルでは、安全や機械の構造などについての重要な内容がお客様の目に止まりやすいよう工夫しておりま す。「危険」「警告」「注意」は安全に関する内容です。これら三角形の警告マークがついている情報は安
も く じ 安全について …………………………………………4〜 5 安全ラベルと指示ラベル ………………………………6 仕 様 ……………………………………………………7 付属部品表 …………………………………………………8 組み立ての手順 ……………………………………9〜 15 仕業点検リスト …………………………………………25 定期点検チャート ………………………………………26 グリスアップ ………………………………………27 〜 28 一般保守 …………………………………………………29 車輪を取り付ける ……………………………………9 エアクリーナの整備 ……………………………………30 ハンドルを取り付ける ………………………………9 エアクリーナの日常の手入れ ………………………30 バッテリーをチャージする …………………………9 エアクリーナの定期整備 ……………………………30 運転席を取り付ける …………………………………10 エンジンの整備 ……………………………………31 〜 33 傾斜計を点検する ……………………………………11 エンジン・オイルとフィルタ
安全について リールマスター 3100-D は ANSI 安全規格 B71.
安全について(続き) 20. 実際に転倒が起きる角度は一定ではなく、芝草の状 態や斜面の凹凸の状態、速度(特に旋回中の速度)、 カッティングユニットの位置(特にサイドワインダー 装着機)、タイヤ空気圧、オペレータの経験など多 くの要素が複雑に絡み合って条件が形成されます。 一般に傾斜角度 20 °以下では転倒の恐れは少ないと いわれます。25 °程度で転倒の恐れは中程度となり ます。これ以上の角度では転倒人身事故の恐れが急 激に大きくなります。この機械は傾斜角度 25 °以内 の斜面でお使いください。リールマスター 3100-D に はステアリング・チューブに傾斜計が取り付けられ ており、走行中の斜面の傾斜角度を知ることができ ます。上限角度の 25 °がわかるようになっています。 また草に隠れて見えない凹凸などに警戒を怠らない ようにしてください。急斜面以外にも、サンドバン カーや池、溝、小川、などの近くでは特に注意が必 要です。小さな旋回を行う時には十分に速度を落と す、斜面では旋回しない、急発進や急停車を避ける、 後退ペダルをブレーキとして使用する、なども重要 な安全動作です。また斜面を下るときにはハン
安全ラベルと指示ラベル 本機には、以下に示すようなラベルが貼ってあります。破れたり読みにくくなったラベルは貼り替えてください。貼り 替え用ラベルは、以下に示すパーツ番号により、お買い上げの Toro 社正規代理店へご注文ください。パーツ番号はパー ツカタログにも掲載しています。 コンソール・パネル P/N 99-3443(モデル 03200) P/N 99-3493(モデル 03201) (CE 諸国では P/N 99-3558 を追加する) ツールボックス・カバーの内側 P/N 99-3494 シザーズ・リンク P/N 94-3353(モデル 03201 の み) はさまれないように注意 ファン・シュラウド P/N 93-6681 傾斜計 P/N 100-4837 (CE 諸国では P/N 100-4933 を使用する) ツールボックスのカバー P/N 99-3496 (CE 諸国では P/N 99-3560 を使用する) 6
仕 様 エンジン:クボタ,3気筒 4サイクル液冷ディーゼルエン ジン。排気量 1124 cc,出力 21.5 hp(2500 rpm)を 2650 rpm で使用する。2段式大型エアクリーナを別途搭載。 オーバーヒート時の緊急停止スイッチを内蔵。 タイヤ&ホイール: 前輪: 20 × 12-10,4プライ、チューブレスタイヤ。 後輪: 20 × 10-10,4プライ、チューブレスタイヤ。 リムの取り外し可能。 冷却系統:冷却液はエチレングリコールと水の 50/50 混合 液。ラジエター容量は約 5.7 リットル。補助タンク 容量は約 1リットル。 推奨タイヤ空気圧:前後輪とも 0.98 〜 1.
付属部品表 注:組み立てに必要な部品がそろっているかをこの表で確認してください。全部そろっていないと正しい組み立てがで きません。部品によってはすでに取り付けられている場合もあります。 内 容 数量 ホイール・アセンブリ 3 ハンドル 1 ジャムナット 1 カバー 1 ネジ 1 フード・ラッチ・ブラケット 1 ネジ(1/4-20 × 1-1/2 ) 1 平ワッシャ(1/4 ) 1 ロックナット(1/4-20) 1 排気ガード 1 セルフ・タップ・ネジ 4 ROPS 1 フランジヘッド・キャップスクリュ 4 フランジ・ナット 4 ホース・クランプ 1 昇降アーム 2 ピボット・ロッド 2 キャップスクリュ(5/16-18 × 7/8) 2 スラストワッシャ 2 リンチピン 2 始動キー 2 傾斜計 1 EEC 用ステッカー 4 EEC 認証シール 2 オペレーターズマニュアル 2 パーツカタログ 1 解説ビデオ 1 エンジンマニュアル 1 納品前チェックリスト 1 登録カード 1 仕様
組み立ての手順 4.バッテリーの各セルからキャップをはずし、セルの 上限までゆっくりと電解液を満たす。 車輪を取り付ける 1.ホイール・アセンブリをそれぞれのハブに取り付ける。 (空気バルブを外側に向けて取り付ける)。 5.キャップをはめ、3〜 4 A で 4〜 8時間充電する。 注 重要:後輪のリムは前輪のリムより細くなっています。 2.45 〜 65 ft-lb(6.2 〜 9.0 kg.
組み立ての手順(続き) 重要:バッテリーを機体から取り外した場合には、再取 り付けに際して、必ず、クランプボルトの頭が下、 ナットが上になるようにしてください。逆に取り 付けると、カッティングユニットをシフトさせる ときに当たる可能性があります。 3.座席左右の穴に、それぞれシートベルトを取り付け る(図 5:標準シートの場合にはボルト 2本とロック ワッシャを使用、デラックス シートの場合はボルト 2本とロックナットを使用)。必要な金具はすべて座 席に付属している。 9.腐食防止のため端子部にワセリン(Grafo 112X スキ ンオーバーグリス; P/N 505-47)を塗り、プラス端子 にゴムカバーをかぶせる。 4.シートを機体に載せて取り付け穴を整列させる。 10. バッテリー・カバーを取り付けて終了。 運転席を取り付ける(図 4 〜 7) 出荷に際して運転席は取り付けませんので、標準シー ト・キット(Model 03224)またはデラックス・シート・ キット(Model 03225)を取り付けてください。 5.右側のシート・ストラップの下からシート・スイッ チのコードを通し、ワイヤ・ハー
組み立ての手順(続き) 3.ラッチをブラケットに取り付け直す。 傾斜計を点検する(図 8) 危 4.ロック・ブラケットにキャップスクリュ(1/4-20 × 1-1/2) を通し、平ワッシャ、ロックナットで締め付ける。 険 横転事故の危険を減らすため、25 度以上の傾斜面で は作業しないこと。 排気管ガードを取り付ける(図 10) (欧州規格の場合には取り付け必要) 1.マフラー部の取り付け穴にガードを合わせる。 2.セルフタップ・ネジ4本で固定する。 1 図8 1.傾斜計 1.平らな場所に駐車する。 2.機体のクロスビーム(工具箱脇)に携帯斜面計(付属 部品)を置いて、機体が水平になっていることを確 認する。このとき、運転席に座った状態で、機体に 装着されている傾斜計の読みが 0°であれば問題ない。 3.携帯斜面計で 0°の読みが出ない場合には、駐車場所 を変えて、携帯斜面計の読みで 0°になるように駐車 し直す。 1 図 10 4.この状態で、機体に装着されている傾斜計の読みが 0°でない場合には、傾斜計の取り付けネジをゆるめ て 0°の読みが出る位置に調整する。 1.排気管ガード
組み立ての手順(続き) 2.ROPS のそれぞれの側をフランジヘッド・キャップス クリュとロックナット(各 2)で固定し(図 8)、60 ft-l bs(8.3 kg.m)にトルク締めする。 2.左右の昇降アームにそれぞれピボット・ロッドを差 し込み、取り付け穴を整列させる(図 13)。 3.燃料タンクからの換気チューブを ROPS の換気管に 接続する(付属部品のホース・クランプを使用する)。 危 1 険 燃料タンクからの換気チューブを ROPS の換気管に 接続しないでエンジンを始動させると、燃料が換気 チューブからあふれ出る。 2 図 13 1 1.昇降アーム 3 2 3.ピボット・ロッドを昇降アームに固定する(5/1618 × 7/8 キャップスクリュ)。 5 4 2 4.左右の昇降アームをそれぞれピボット・シャフトに 差し込み、保管しておいたピボット・シャフト・リ ンクとキャップスクリュを取り付け、70 ft-lb(9.7 kg.
組み立ての手順(続き) 3.後キャリア・フレーム(図 17)を後カッティングユ ニットに載せ、取り付け穴を取り付けリンクに合わ せる(図 18)。 2 3 1 図 15 1.昇降シリンダ 2.ホース 3.隙間 1 7.昇降シリンダの左端を左昇降アームに連結し(ピン 1本)、リテーニングリングをはめる。 注:昇降アームを完全に上昇させた状態で、ホースが図 15 のようなルートで通ることが必要です(隙間の大 きさが 1〜 3 mm)。 カッティングユニットにキャリア・フレーム を取り付ける(図 16 〜 18) 図 17 1.後キャリアフレーム 4.キャップスクリュ(3/8-16 × 2-1/4)、平ワッシャ 2個、 ロックナットを使用して、取り付けリンクとキャリ ア・フレームを連結する(図 18)。リンク両側にワ ッシャを1枚ずつ使用氏、4.3 kg.
組み立ての手順(続き) 1 2 3 1 図 21 1.チッパー・チェーン リール・モータを取り付ける(図 22 & 23) 図 19 1.スラストワッシャ 2.キャリア・フレーム 3.リンチピン 1.各ユニットをピボット・ロッドの前に置きます。 3.昇降アームとキャリア・フレームのピボット部全部 をグリスアップする。 重要:ホースが折れたりひねられたり強く曲げられたり していないことを確認してください。図 20 のよう なルートが適切です。カッティングユニットを上 昇させ、左にスライドさせてください(モデル 03201 のみ)。後カッティングユニットのホース が走行ケーブル・ブラケットに当たらないことを 確認し、必要に応じて接続部やホースの位置を再 調整してください。 4.各キャリア・フレームのスロットにチッパー・チェ ーンを下から上に通し、チェーンをキャリア・フレ ームの上に固定する(図 21 ;キャップスクリュ、ワ ッシャ、ロックナットを使用)。 2.右側カッティングユニットの内側の端からウェイト とガスケット(図 20)を取り、ユニット外側のベア リング・ハウジングのプラグを抜いてそこ
組み立ての手順(続き) 昇降アームを調整する(図 24 〜 28) 1.エンジンを始動し、昇降アームを上昇させ、各昇降 アームとフロア・プレート・ブラケットの間のすき まを測定する(図 24)。この値が 4.6 〜 8.1 mm の間に ない場合は、ストップ・ボルト(図 26)を戻し、シ リンダを調整して隙間を作る。シリンダの調整は、 ジャムナット(図 25)を戻し、ロッドの端部からピ ンを抜いてクレビスを回転させて行う。調整が終わ ったらピンを取り付けて隙間の大きさを確認し、必 要に応じて再調整し、ナットを締める。 3 1 3 2 図 26 1.ストップ・ボルト 2.昇降アーム 3.隙間 注:移動走行中に昇降アームがガタつくようなら、隙間 をさらに小さくすることができます。 2 1 2 1 図 24 1.昇降アーム 2.フロア・プレート・ブラケット 図 27 3.隙間 1.ウェア・バー 2.バンパー・ストラップ 2.各昇降アームとストップ・ボルトとの隙間(図 26) が 0.13 〜 1.
運転の前に 注 意 重要:オイルは 5 運転時間ごと又は毎日点検し、50 運転 時間ごとに交換してください。 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜くこと。 燃料を補給する(図 31) 燃料は 2号軽油を使用します。 エンジン・オイルを点検する(図 29 & 30) エンジンは、クランク・ケースにオイルを入れた状態で 出荷されていますが、エンジンを初めて始動させるとき は、その前後に必ず油量の点検を行ってください。 燃料タンクの容量は約 28 リットルです。 1.燃料タンクの補給口付近をウェスできれいにぬぐう。 1 油量は約 2.
運転の前に(続き) 注 意 エンジン停止直後にラジエターのキャップを開ける と、高温高圧の冷却液が吹き出してやけどを負う恐 れがある。ラジエターのキャップを開ける時はエン ジンが十分に冷えていることを確認すること。 2 3 1 重要:表に挙げられた以外の銘柄を使用しないでくださ い。システムを損傷する恐れがあります。 油圧オイル・グループ 1 (温帯地域、普通の負荷で使用する場合) 注:グループ内で互換性があります。 ISO タイプ 46/68 マルチ粘度アンチ・ウェア油圧作動油 Mobil DTE 15M Amoco Rykon Premium ISO 46 Castrol AWH46 Conoco Hydroclear AW MV46 Gulf Harmony HVI 46 AW Kendall Hyken Golden MV SAE 5W-20 Pennzbell AWX MV46 Phillips Mangus A KV 5W-20 Shell Tellus T46 Sunoco Sun Hy.
運転の前に(続き) 重要:通常の外気温が 0 ℃〜 41 ℃の範囲で使用する場合 には、グループ 1 のオイルの使用をお奨めします。 このオイルは、広い温度範囲で優れた性能を発揮 するので平均的なユーザーに適しています。グル ープ 2 のトラクタ用汎用オイルもほぼ同様の性能 を発揮しますが、タイプ 46/48 に比べて高温度域 での効率が低下することが考えられます。 通常の外気温が高い(20 ℃〜 49 ℃)熱帯地方で は、グループ 2 のオイルをお使いください。この グループのオイルは粘度が高いため、低温下で使 用すると、始動困難、始動直後の不調、バルブの 開閉不良、バック圧の上昇などのトラブルが発生 します。 注:グループと銘柄が異なると完全な互換性が得られな い場合がありますので、 オイルを入れ換える時は、 必ず古いオイルを完全に抜き取ってください。 油圧オイル:グループ3(生分解オイル) ISO タイプ VG 32/46 アンチ・ウェア油圧作動油 Mobil EAL 224 H 注:生分解オイルは、第 1および第 2グループのオイルと 互換性がありません。 注:通常のオイルから生分解オイルに入れ換える
各部の名称と操作 走行ペダル(図 35) ペダル前部を踏み込むと前進、後部を踏み込むと後退で す。坂道を下る時のブレーキとしても使用します。ペダ ルから足をはなせばニュートラル位置となり、車両は停 止します。 位置にします。事故防止のため、使用ない時はキーを抜 き取っておいてください。 芝刈り・走行切り換えレバー(図 35) かかとで操作します。左位置で移動走行モード、右位置 で芝刈りモードとなります。カッティングユニットは芝 刈りモード以外では動作しません。 カッティングユニット・シフトレバー(図 37) 前に倒すとカッティングユニットが降りてきます(エンジ ンが掛かっていることが必要。また、上昇位置ではカッ ティングユニットは回転しません。)レバーを後ろへ倒し て RAISE 位置にするとカッティングユニットは上昇します。 MODEL 03201 :レバーを左右に動かすとカッティングユ ニットがその方向にスライドします。この操作はカッテ ィングユニットを上昇させた状態で、または芝刈り走行 中に行ってください。 注:芝刈り速度は出荷時の設定で 9.
各部の名称と操作(続き) 冷却水温警告灯(図 37) エンジンの冷却水の温度が異常に高くなると点灯し、水 温がさらに 5.
運転操作 始動・停止の手順 重要:以下の場合には燃料システムのエア抜きが必要で す: A. 新車を初めて運転するとき B. 燃料切れでエンジンが停止した時 C. 燃料系統の整備作業(フィルタの交換など)を 行った後 エア抜き手順はこのページ右欄を参照してください 6.エンジンを停止するには、スロットルをアイドル位 置、リールスイッチを「解除」位置に戻し、始動キ ーを OFF 位置に回して抜き取る。 燃料システムのエア抜き(図 40) 1.平らな場所に駐車する。燃料タンクに少なくとも半 分以上燃料が入っていることを確認する。 2.フードを開ける。 1.駐車ブレーキが掛かっていること、リール回転スイ ッチが「解除」位置であることを確認する。 2.着席し、走行ペダルから足を外し、ペダルがニュー トラル位置にあることを確認する。 3.スロットルを中間位置にセットする(ハーフスロッ トル)。 4.キーを差し込んで ON/PREHEAT 位置に回し、グロー 表示が消えるまで(約7秒間)待ち、次に START 位 置に回すとエンジンが始動する。始動したらキーか ら手を放せば、キーは ON/PREHEAT 位置に戻る。
運転操作(操作) インタロック・スイッチの動作を点検する 注 意 インタロック・スイッチは運転者の安全を確保する ための装置であるから、絶対に取り外してはならな い。スイッチ動作を毎日確認し、動作不良があれば 必ず修理してから運転にかかること。スイッチは、 作動状態に係わらず 2 年毎に全部交換する。 1.無用の人間を遠ざける。また、点検中はカッティン グユニットに手足を近づけない。 2.着席し、リール回転スイッチを「回転」位置で、ま た走行ペダルを踏み込んだ状態でそれぞれエンジン を始動させてみる。クランキングしなければ正常で ある。クランキングする場合は修理する。 3.着席し、リール回転スイッチ「解除」位置、走行ペ ダル「ニュートラル」位置、駐車ブレーキを「掛け ない」状態でエンジンを始動させ、座席からゆっく り立ち上がって走行ペダルを静かに踏み込む。エン ジンが 1〜 3秒間以内に停止すれば正常である。停止 しない場合は修理する。 4.着席し、エンジンを掛けた状態で、リール回転スイ ッチを「回転」位置、芝刈り/走行切り換えレバーを 「芝刈り」位置とし、カッティングユニットを下降 させる。リールが下
運転操作(操作) 斜面では十分に速度を落としてハンドリングを安定させ てください。斜面を横切って走行する時、サイドワイン ダー付きの機械では、斜面に入る前に必ずカッティング ユニットを山側にスライドさせて機体を安定させましょ う。谷側にスライドさせると機体が「不安定」になりま すから注意してください。 斜面の刈り込みは、できるだけ上下方向に行ってくださ い(横切りながらの刈り込みはできるだけ避ける)。斜 面を下る時にはカッティングユニットを下ろしておきま す。また、斜面での旋回はしないでください。 障害物の周囲を旋回する練習もしましょう。カッティン グユニットを下げた状態、上げた状態のどちらでも上手 に旋回できるように練習してください。狭い場所を通り 抜ける時にカッティングユニットをぶつけて破損しない ように、正しい車幅感覚を身につけてください。 サイドワインダーでは左右へのスライドによる「リーチ 感覚」をつかんでください。 サイドワインダーの操作は、カッティングユニットが上 昇位置(移動走行)にある時、または実際に芝刈り走行 中以外は行わないでください。カッティングユニットを 下げたまま、機体が停止している
運転操作(操作) 刈り取り量が多い場合は、シールドを水平より少し下向 きに開けます。シールドを開きすぎるとエンジン付近や ラジエター部に刈りカスが溜まってオーバーヒートしや すくなりますから注意してください。 カッティングユニットにはバランスウェイトがついていま す(リール・モータと反対側)。刈り高のミスマッチが起 こる場合にはこのウェイトを増減することができます。 芝刈り作業が終わったら、ホースと水道水で洗車してく ださい。水圧が高いとシールやベアリングに浸水します からノズルは使用しないでください。ラジエターやオイ ル・クーラに泥や刈りカスが残っていないことを確認し てください。洗浄後、オイル漏れ、損傷、磨耗などがな いか、またカッティングユニットの切れ具合を点検し、 明朝の仕事にそなえましょう。 重要:洗浄が終わったら、サイドワインダーを左右に数 回動かしてください。これにより、ベアリングブ ロックとクロスチューブに溜まっている水を掃き 取ることができます。 クリップ・レートを選択する (リール速度の調整) 安定した高品質の刈りを行い、均一な感じに仕上げるた めには、リール速度が刈り高とマッチしてい
仕業点検チャート このページをコピーして使ってください。 点検・整備項目 年 月 月 火 第 水 週 木 始業時点検・整備記録 金 土 日 インタロックの動作 ブレーキの動作 エンジン・オイルの燃料の量 冷却液の量 燃料フィルタ/水セパレータの水抜き エアフィルタ、ダスト・カップ、 バープバルブ ラジエターとスクリーン エンジンからの異常音 1 走行操作時の異常音 油圧オイルの量 油圧ホースの傷み具合 オイル漏れ 燃料残量 タイヤ空気圧 計器の動作 刈り高 グリスアップ 2 塗装傷のタッチアップ 1 2 =始動困難の場合はグロープラグとインジェクタのノズルを点検する。 =車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップする。 要注意個所の記録: 項目 日 付 点検者名 内 容 1 2 3 4 5 6 7 8 25
定期点検チャート 定期整備チャート&チェック・リスト 整備・点検項目 定期整備の種類 エアフィルタ、ダストカップ、バッフルの点検 グリスアップ 50 運転 時間ごと 100 運転 時間ごと 200 運転 時間ごと 400 運転 時間ごと 800 運転 時間ごと エンジンオイルの交換 バッテリーケーブルの点検 †ファンベルトとオルタネータベルトの点検 バッテリー液の点検 ‡エンジンオイルのフィルタの交換 エンジン・オイルとフィルタの交換 エアフィルタの交換 †油圧フィルタの交換 †ホイールナットのトルク締め 油圧オイルの交換 燃料フィルタ/水セパレータの交換 燃料プレフィルタの交換 走行ケーブルの動きの点検 スパイダ・カップリングの磨耗の点検 エンジン rpm の確認(アイドル時とフルスロットル時) エンジンバルブの調整 †初期交換は 10 運転時間 ‡初期交換は 50 運転時間 油圧ホースの交換 インタロックスイッチの交換 ラジエターの内部洗浄と冷却液の交換 燃料タンクの内部洗浄 油圧タンクの内部洗浄 26 定期的な実施が望ましい作業: 左の作業は 1000 運転時間ごと又は2年ごとに実
グリスアップ グリスアップ(図 44 〜 55) トラクションユニットのグリスアップ箇所を以下に列挙 します。通常の使用では 50 運転時間ごとに全部のベアリ ングとブッシュに No.
グリスアップ(続き) 図 49 図 53 図 50 図 54 図 52 図 55 (注を参照のこと) 図 52 28
一般保守 注 意 1 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜くこと。 フードの外しかた(図 56) フードは簡単に取り外すことができます。 1.ラッチを外しフードを持ち上げる。 図 56 1.コッターピン 2.ピボット部のピンを抜き取る。 3.フードを右側にスライドさせながら反対側を持ち上 げると外れる。 4.取り付けは上記と逆の手順で行う。 29
エアクリーナの整備 エアクリーナの日常の手入れ 1.エアクリーナ本体にリーク原因となる傷がないか点 検してください。あれば交換してください。 2.200 運転時間ごとに(悪条件下ではより頻繁に)フ ィルタの整備を行ってください。余り頻繁に行うの はよくありません。 3.本体とカバーがしっかり密着しているのを確認して ください。 エアクリーナの定期整備(図 57 & 58) 3.フィルタを点検し、破れ等があれば交換する。破れ ているフィルタを再使用しないこと。 水による主フィルタの洗浄 A.フィルタクリーナを溶かした水に 15 分間漬けて おく。クリーナの箱の使用説明を参照のこと。 B.15 分たったら真水ですすぐ。フィルタの裏から 表に向けて水をかけて汚れを落とす。高圧の水 (2.
エンジンの整備 エンジン・オイルとフィルタの交換(図 59 & 60) 水セパレータ(図 61) 水抜きは毎日おこなってください(図 61)。 運転開始後 50 時間でエンジン・オイルとフィルタを初回 交換し、その後は、通常の使用条件では 50 運転時間ごと にオイルを交換、100 運転時間ごとにフィルタを交換し てください。 1.燃料フィルタの下に容器をおく。 2.フィルタ容器下部のドレン・プラグをゆるめて水や 異物を流し出し、ネジを締める。 1.ドレン・プラグを外してオイルを抜き、プラグを元 通りに取り付ける。 1 2 図 61 1 1.水セパレータ 図 59 1.エンジン・オイルのドレン・プラグ 2.オイル・フィルタを外し、新しいフィルタのガスケ ットに薄くエンジン・オイルを塗って取り付ける。 締めすぎ厳禁。 2.ドレン・プラグ 燃料フィルタの交換 フィルタは 400 運転時間ごとに交換してください。 1.フィルタ容器の周辺をウェスできれいにぬぐう。 2.フィルタ容器を外して取り付け部をきれいに拭く。 3.ガスケットに薄くオイルを塗る。 4.ガスケットが当るまで手でねじ込み、そこ
エンジンの整備(続き) B.アクセスパネルを外す。 4.新しいフィルタをラインに接続し(フィルタに付い ている矢印が噴射ポンプの方向を向くように)、ホ ースをクランプで固定する。 危 険 2 軽油は引火しやすいため、保管や取り扱いに十分注 意すること。取り扱い中は禁煙を厳守し、エンジン 作動中、エンジンが高温の時、および密室内での燃 料補給はしないこと。燃料補給は必ず屋外で行い、 こぼれた燃料、エンジンを始動させる前に拭き取る こと。また、保管は安全で汚れのない認可された容 器で保存し、容器には必ずキャップをはめること。 燃料以外の用途に使用しないこと。 3 1 図 64 1.アクセスパネル インジェクタからのエア抜き(図 63) 注:通常のエア抜き(21 ページ)ではエンジンが始動で きない場合に行います。 2.オイル・クーラ 3.ラジエター C.オイル・クーラのラッチを外し、クーラーを後 ろに傾け、オイル・クーラとラジエターの裏表 を水または圧縮空気で丁寧に清掃する。清掃が 終了したらオイル・クーラを元に戻し、ラッチ を掛ける。 1.No.
エンジンの整備(続き) スロットルの調整(図 68) 1.スロットル・レバーがパネルのスロットに当たるま で後ろに倒す。 2.噴射ポンプのレバー・アームの部分にあるスロット ル・ケーブルのコネクタをゆるめる。 1 図 66 1.オルタネータ/ファンベルト 1 油圧ポンプのベルトの交換(図 67) 1.ベルトのテンション・スプリングの端にナット・ド ライバ(または細い金属管)を差し込む。 警 告 図 68 スプリングには大きな張力が掛かっているので十分 注意すること。 2.スプリングの端部を押して下げ、さらに前方に押す とスプリングがフックから外れる。 3.ベルトを交換する。 4.上記と逆の手順でスプリングに張りを掛ける。 1.燃料噴射ポンプのレバー・アーム 3.噴射ポンプのレバーをロー・アイドル・ストップに 当てて保持ながらケーブル・コネクタを締める。 4.スロットル・コントロールをコントロールパネルに 固定しているネジをゆるめる。 5.スロットル・レバーを一番前に倒す。 6.ストップ・プレートを滑らせてスロットル・レバー に当て、その位置でスロットル・コントロールをパ ネルに固定する。
油圧系統の整備 注 意 1 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜くこと。 油圧オイルの交換(図 69 & 71) 通常は 400 運転時間でオイルを交換します。オイルが汚 染されてしまった場合は油圧系統全体を洗浄する必要が ありますので、Toro 代理店にご連絡ください。汚染され たオイルは乳液状や黒ずんだ状態に見えます。 1.エンジンを止め、フードを開ける。 2.油圧ラインの接続部または油圧フィルタを外し、流 れ出すオイルを受け、完全に流れ出たら元通りに接 続する。 図 71 1.油圧オイルタンク 重要:指定された銘柄のオイル以外は使用しないでくだ さい。機器を破損する場合があります。 4.タンクのキャップを閉め、エンジンを始動し、油圧 系の操作をすべて行ってオイルを十分に循環させ、 オイル洩れがないか点検し、エンジンを停止する。 5.オイル量が足りなければディップスティックの FULL マークまで補給する。入れすぎ厳禁。 油圧オイル・フィルタの交換(図 70) 油圧オイル・フィルタは、最初の 10 運転時間で交換し、 その後は 200 運転時間ごと又は 1年に 1回のうち早
油圧系統の整備(続き) 警 告 油圧のピンホール・リークやノズルからは作動油が 高圧で噴出しているので、手などを近づけではなら ない。リークの点検には新聞紙やボール紙を使い、 絶対に手を直接差し入れたりしないこと。高圧で噴 出する作動油は皮膚を貫通し、身体に重大な損傷を 引き起こす。万一このような事故が起こったら、こ の種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外 科手術を受けないと壊疽(えそ)を起こす。 1 2 図 72 走行ドライブのニュートラル調整(図 72) 走行ペダルがニュートラル位置にあるのに本機が「動き 出す」場合にはトラクション・カムの調整が必要です。 1.平らな場所に駐車し、エンジンを停止させる。 2.前輪の1方と後輪1輪を浮かせ、ブロックなどで支 持する。 警 1.トラクション調整カム 警 2.ロックナット 告 最終調整は、エンジンを回転させながら行う必要が ある。マフラー等の高温部分や回転部・可動部に触 れると重大な事故になる。危険を伴う作業であるか ら、マフラー等の高温部分や回転部・可動部に顔や 手足などを近づけぬよう十分注意すること。 告 片方の前輪と後輪と
ブレーキの整備 駐車ブレーキの調整(図 73) 3 200 運転時間ごとに調整を点検します。 1 1.ノブをレバーに固定しているネジをゆるめる。 2.13.
電気系統の整備 バッテリーの手入れ 1.バッテリーの電解液は常に正しいレベルに維持し、 バッテリー上部を常にきれいにしておいてくださ い。高温環境下で使用すると、涼しい場所での使用 に比べてバッテリーは早く放電します。 2.電解液の量は 25 運転時間ごとに点検します。格納保 管中は 30 日ごとに点検します。 3.液量が低下していれば、蒸留水またはミネラルを含 まない水を補給します。各セルの補給上限を超えな いように注意します。各セルのキャップは換気穴が 後ろを向く(燃料タンクの方を向く)ように取り付 けます。 注 意 電解液を取り扱うときは、安全ゴーグルとゴム手袋 を着用すること。充電中はガスが発生するので、通 気性のよい場所で充電すること。このガスは引火す ると爆発するので、バッテリーには裸火や電気スパ ークを近づけてはならない。作業中の喫煙は厳禁。 ガスを吸い込むと吐き気を催す場合があるので注意 する。バッテリーチャージャとバッテリーとの接 続・切り離しは、充電器のプラグを抜いて行うこと。 4.バッテリー上部はアンモニア水または重曹水に浸し たブラシで定期的に清掃してください。清掃後は表 面を
バックラップ 危 険 2 バックラップ中の人身事故を防止するために: ・エンジンが掛かっている間は絶対にリール部に手 足を近づけない。 ・バックラップ中はリールが止まっても再び動き出 すことがある。 ・止まったリールを絶対に手や足で回そうとしない こと。 ・エンジンが掛かっている間は絶対にリールの調整 を行わないこと。 ・リールが止まったら、リールを見る前にまずエン ジンを止めること。 1.汚れのない平らな場所でカッティングユニットを降 下させ、エンジンを止め、駐車ブレーキを掛けてキ ーを抜き取る。 1 図 74 1.バックラップ・ノブ 2.リール速度セレクタ 4.リールと下刃をバックラップ用に調整し、エンジン を始動する。 5.リール回転スイッチを「回転」側に倒してリールを 回転させる。 6.長い柄のブラシを使ってラッピングコンパウンドを 塗布する。 2.コンソールのカバーを外す。 3.バックラップノブをバックラップ位置にセットし、 リール速度ノブを「1」にセットする。 注:バックラップモードではシート・スイッチがバイパ スされ、着席していなくてもエンジンが掛かるよう になります(駐車ブレー
電気回路図 39
油圧回路図 40
冬期格納保管の準備 トラクションユニット D. 60 日ごとに 24 時間かけてゆっくりと充電する。 1.カッティングユニットやエンジンを含めた機体全体 をていねいに洗浄する。 エンジン 2.タイヤ空気圧を点検し全部のタイヤ空気圧を 97 〜 120 kPa(1.0 〜 1.3kg/cm2)に調整する。 3.ボルトナット類にゆるみながいか点検し、必要な締 め付けを行う。 4.グリスアップや注油を行う。余分なオイルやグリス はふき取る。 5.サイドワインダー(モデル 03201)のクロスチューブ 全体に薄くオイルを塗る(さび止め)。シーズン明 けにはこのオイルをていねいにふき取る。 6.塗装のはがれている部分、サビや凹みがあればタッ チアップする。 7.バッテリーとケーブルに以下の作業を行う: A. バッテリー端子からケーブルを外す。 1.エンジン・オイルを抜き取り、ドレン・プラグをは める。 2.オイル・フィルタを交換する。 3.新しいエンジン・オイルを入れる(SAE 10W-30,3.
製品番号と交換部品のご注文 モデル番号とシリアル番号 注:パーツ・カタログでご注文の場合には、図中番号で はなく、必ずパーツ番号でご指定ください。 本機のモデル番号とシリアル番号は、車体フレームにリ ベット打ちされたプレートに刻印されています。本機に 関してご連絡をいただく際には、必ずこの2つの番号を お知らせください。 Toro 代理店に交換部品をご注文される場合には、以下の 情報をお知らせください: 1.モデル番号とシリアル番号 2.必要な部品などのパーツ番号,名称,個数。 42
メ モ 43
Toro 業務用機器の品質保証 2年間品質保証 Toro 社の製品保証内容 Toro 社およびその関連会社である Toro ワランティー社 は、両社の合意に基づき、Toro 社の製品(但し 1996 年 以降に製造された製品で 1997 年 1月 1日以降にお買い上 げいただいたもの、以下「製品」と呼びます)の材質 上または製造上の欠陥に対して、2年間または 1500 運転 時間のうちいずれか早く到達した時点までの品質保証 を共同で実施いたします。この品質保証の対象となっ た場合には、弊社は無料で「製品」の修理を行います。 この無償修理には、診断、作業工賃、部品代、運賃等 が含まれます。また、保証は「製品」が納品された時 点から有効となります。 *アワーメータを装備している機器に対して適用します。 保証請求の手続き 保証修理が必要だと思われた場合には、「製品」を納入 した弊社代理店(ディストリビュータ又はディーラー) に対して、お客様から連絡をして頂くことが必要です。 連絡先がわからなかったり、保証内容や条件について 疑問がある場合には、本社に直接お問い合わせください。 Toro Commercial Pro