FORM NO. -3325-164 オペレーターズ マニュアル Model No.03550-200000001 & UP Model No.
このマニュアルでは、安全、運転、および保守について解説しています。 このマニュアルでは、安全や機械の構造などについて重要な内容がお客様の目に止まりやすいよう工夫しております。 「危険」「警告」「注意」は安全に関する内容です。これら三角形の警告マークがついている情報は安全上重要な事項ですか ら、十分に内容をご理解ください。「重要」は機械に関する重要事項を示し、「注」は本機に関する一般的な注意事項です。 製品番号と交換部品のご注文 モデル番号とシリアル番号 モデル番号とシリアル番号は左側フレーム部材に取り付けたプレートに刻印されています。本機に関してご連絡をいただく 際には、必ずこの2つの番号をお知らせください。 Toro 代理店に交換部品をご注文される場合には、以下の情報をお知らせください: 1.モデル番号とシアル番号 2.必要な部品などのパーツ番号,名称,個数。 注:パーツカタログでご注文の場合には、図中番号ではなく、必ずパーツ番号でご指定ください。 目次 安全について …………………………………………………4 安全ラベルと指示ラベル …………………………………6 仕 ベアリングとブッシュのグリスアップ
安全について トレーニング 運転中に 1.このマニュアルをお読みになり、内容をよく理解して ください。各部の操作方法や緊急の停止方法に十分慣 れておきましょう。 1.排気ガスには有害成分が含まれています。換気の不十 分な場所ではエンジンを運転しないでください。 2.作業は日中または十分な照明のもとで行ってください。 2.子供や正しい運転知識のない人、必要な資格や免許を 持たない人には運転させないでください。 3.人の近く、特に子供やペットに近くでは絶対に芝刈り 作業をしないでください。 4.事故を起こせば必ずオペレータや管理者の責任問題と なります。このことを常に心に銘記しましょう。 5. 人を乗せないでください。 6. プロのオペレータとしての自覚をもって練習や教習を 受けてください。特に: 3.エンジンを始動させるときには走行ペダルがニュート ラル位置、リールスイッチが解除位置であることを必 ず確認してください。 4.
安全について 10. ガードやシールド類をすべて確実に取り付けて作業し てください。安全装置は必ず使用してください。 6.磨耗したり破損したりした部品はすみやかに交換して ください。 11. ガバナの設定を変えてエンジンの回転数を上げないで ください。所定の速度以上でエンジンを運転すること は危険です。 7.燃料タンクを空にする作業を行う時は屋外で行ってく ださい。 12. 運転席をはなれる前に: 8.調整を行う時は、手足や頭や衣服をカッティングユニ ットや可動部に挟まれないように十分ご注意くださ い。 A.カッティングユニットを停止し降下させる。 B.シフトをニュートラルとして駐車ブレーキを掛け る。 C.エンジンを停止し、キーを抜く。 13. 移動走行時や使用しない時は、カッティングユニット を「解除」状態にしておいてください。 14.
安全について 運転音と振動 音圧レベル 本機は、EEC 基準 84/538 及びその改訂に則って同型の実機 で測定した結果、運転士の耳の位置での連続聴感補正音圧 レベルが 88 dB(A)であることが証明されています。 音力レベル 本機は、EEC 基準 84/538 及びその改訂に則って同型の実機 で測定した結果、音力レベルが 102 dB(A)/1pW であること が証明されています。 振動レベル 手および腕 本機は、ISO5349 に定める手順に則って実機で測定した結 果、手部における振動レベルが 2.5 m/s2 未満であることが証 明されております。 全身 本機は、ISO 2631 に定める手順に則って実機で測定した結 果、臀部の振動レベルが 0.
安全について 防護めがねを 着用せよ ヘルメットを 着用せよ 火気厳禁 油圧装置 液量レベル レベル インジケータ 接続 毒物危険 救急看護 流水で洗浄 せよ エンジン トランスミッ ション ブレーキ オイル 冷却水 (水) 吸気 排気 圧力 フィルタ 温度 故障/不具合 始動スイッチ または メカニズム ON または スタート OFF または ストップ 間隔あける 除雪装置 集塵装置などの 回転螺旋装置 プラス(足す) 増やす 正極(+極) マイナス(引く) 比例関係で 増減する タンクが空 満タン状態 アタッチメント 下降 アタッチメント 上昇 減らす 負極(−極) バッテリの 充電状態 アワーメータ または 所定時間経過 走行方向 前進/後退 レバーの操作 方向 2方向レバー レバーの操作 方向 4方向レバー 右回転 時計回転 左回転 反時計回転 グリスポイント 注油ポイント つり上げはこ の位置で ジャッキや支 えは この位置で ドレン 空にする エンジンオイル エンジンオイル の圧力 エンジンオイル の
安全について 劇薬 火傷に注意 毒性ガス 中毒に注意 感電に注意 高圧の液体 触れると体内 に入る 危険注意 高圧スプレー 肉が吹き飛ぶ 危険注意 上に注意 落ちると危険 横に注意 当たると危険 横に注意 はさまれると 危険 足部に注意 当たると危険 周囲に注意 当たると危険 足に注意 巻き込み危険 足に注意 回転刃 手指に注意 回転羽根 完全に停止す るまで待て 手指に注意 エンジンファン 巻き込み危険 回転ベルト 飛んでくる異物 全身注意 飛んでくる異物 顔面注意 機械の通り道 立ち入り注意 (枠内に略画 が入る) 前倒事故注意 乗用芝刈機 爆発注意 火事または 裸火に注意 昇降シリンダを 固定装置で 確実にロック せよ 安全距離を 保て 旋回半径内 立ち入り禁止 整備作業前 エンジン停止 キーを抜け 所定乗車席にて 運転の妨げに ならない時 以外の乗車は 禁止 技術マニュア ルを参照せよ シートベルトを着用せよ 高圧スプレー 肉が吹き飛ぶ 危険注意 上に注意 落ちると危険 手指の上方に 注意 落ちると危険 手指に注意 切断危険 巻き込み
安全について エンジン冷却 液の圧力 エンジン冷却 液のフィルタ エンジン冷却 液の温度 エンジン吸気 または混合気 エンジン吸気 圧縮混合気 エンジン吸気 またはエアフ ィルタ エンジン始動 エンジン停止 プライマ 電気式予熱 (始動補助剤) ( 低 温 時 の 始 動補助装置) トランスミッ ションオイル トランスミッ ションオイル の圧力 トランスミッ ションオイル の温度 n/min エンジン故障 エンジンの 回転速度 チョーク NH L F RP トランスミッ ションの故障 クラッチ ニュートラル 後退 駐車 油圧オイルの レベル 油圧オイルの フィルタ 油圧オイルの 温度 燃料フィルタ 燃料系統の故障 ディーゼル燃料 無鉛燃料 4輪駆動 PTO PTO の回転速 度 リール式 カッター 0356 水ポンプ 0626 湿気無用 High(ハイ) Lo w( ロ ー ) 高い 低い 前進 1 2 3 ファーストギア セカンドギア 油圧系統の故障 駐車ブレーキ ヘッドライド ロック施錠 リール式カッ ターの刈り高 調整
仕 エンジン: クボタ3気筒4サイクル,液冷ターボディーゼルエンジン。 26 kW(35 馬力)エンジンを 3200 rpm に調整して使用する。 排気量 1123 cc,大型3段エアクリーナを別途搭載,オーバ ーヒート時の自動停止スイッチを装備。 メインフレーム: 全溶接スチール構造。3か所にフレーム固定用アイあり。 冷却システム: エチレングリコール不凍液 50/50 混合液,容量は 7.1l。容量 1 l の補助タンクを搭載。着脱式スクリーン付。ラジエタ 前部のオイルクーラは可動式で掃除しやすい。 燃料システム: 2号軽油を使用,タンク容量は 38l。燃料フィルタは水セ パレータを兼用。 走行システム: ペダルによる前進後退速度制御。走行速度は前進 0〜 16.1 km/h,後退 0〜 6.4 km/h。HST トランスミッションを前アク スルに直結,減速比は 20.9 : 1。アクスル/タンク容量は 4.
仕 様 全重: モデル 03550 ; 1341 kg * モデル 03551 ; 1454 kg * * 7枚刃カッティングユニットと集草箱を搭載し油脂・ガ スケット類を含む。 オプション 5枚刃カッティングユニット(7インチ) モデル No.03860 7枚刃カッティングユニット(7インチ) モデル No.03861 11 枚刃カッティングユニット(7インチ) モデル No.03862 サッチングユニット モデル No.03871 集草箱キット モデル No.03882 アームレスト キット モデル No.30707 4輪駆動キット(モデル 03550 専用) モデル No.03538 ターフディフェンダ電子リーク警報機キット モデル No.
運転の前に エンジンオイルを点検する 1.平らな場所に駐車し、エンジンを停止させ、キーを抜 き取り、フードを開けます。 1 2.ディップスティックを抜き、ウェスで拭ってからもう 一度差し込んで引き抜き、オイルの量を点検します: FULL マークまであれば OK です。 2 図2 1.補助タンク 1 1.補助タンクの中の液量を毎日点検してください。タン ク側面の2本のマークの間にあれば OK です。 2.量が足りなければ補助タンクに冷却液を補給します。 入れすぎないよう注意してください。 図1 1. ディップスティック 2. オイル補給口 3.キャップを閉めて終了です。 3.FULL マーク以下であれば、SAE 10W-30 グレードのオ イル(CD,CE,CF,CF-4,CG-4 のいずれでも可)を 補給してください。入れすぎ厳禁。オイルの容量はフ ィルタを含めて約 3.
運転の前に り6 mm 上が限度です。 燃料を補給する 4.ディップスティック キャップを閉めて終了です。キャ ップをレンチで締めつける必要はありあせん。 1.燃料タンクのキャップを開けます。 2.給油口の根元から約 2.
運転の前に BP Oil Boron Oil Exxon Conoco Kendall Phillips BP HYD TF Eldoran UTH Torque Fluid Power-Tran 3 Hyken 052 HG Fluid 油圧オイル グループ3(微生物分解タイプのオイル) ISO VG 32/46 アンチウェア 油圧作動油 Mobil EAL 224H 注:グループ3のオイルはグループ1や2のオイルと互換 性がありません。 注:上記グループ内で互換性あり。 油圧オイル グループ2 (外気温が常時 21 ℃以上で使用する場合) ISO タイプ 68 アンチウェア油圧作動油 Mobil DTE 26 又は DTE 16 Shell Tellus 68 Amoco Rykon Oil 68 Arco Duro AW S-315 Boron Industron 53 BP Oil Energol HLP68 Castrol Hyspin AWS68 Chevron Chevron EP68 Citgo Citgo A/W68 Conoco Super Hydraulic Oil 31 Exx
運転の前に リアアクスルの潤滑油を点検する (モデル 03551 のみ) リアアクスルは3つのタンクに分かれています。出荷時に SAE 80W-90 オイルを注入していますが、運転前には点検を してください。 1.平らな場所に駐車します。 2.アクスルの各端から点検用プラグ(3個)を抜き、そ れぞれの穴のまで潤滑油があることを確認します。 3. 量が不足の場合は、まず中央の給油プラグを外して潤 滑油を補給します。 3.次にアクスル両端の点検用プラグから穴の上面まで補 給します。 4.全部のプラグを締めて終了です。 2 1 1 図6 1.点検用プラグ 2.給油プラグ 1 図 16 1.左側点検プラグ(アクスル後ろ側) 14 リールと下刃のすり合わせを点検する 前日の調子に係わりなく、毎日の仕業点検の一つとして必 ず点検してください。リールと下刃の全幅にわたって軽い 接触があれば OK です。 ホイールナットのトルクを点検する 警 告 運転開始後1〜4時間で1回、また、10 時間で1回、 ホイール ナットのトルク締めを行う(6.2 〜 7.6 kg.
各部の名称と操作 座席(図8) 座席調整レバーにより、前後 10 cm の調整が可能です。座 席調整ノブは運転する人の体重に合わせて調整します。レ バー(座席左下)による座席の前後調整は、レバーを引き、 希望位置でレバーを放します。体重調整は、ノブを回して スプリングの強さを調整します。右に回すとスプリングが 強くなり、左に回すと弱くなります。 ジョイスティック(図9) カッティングユニットの昇降動作と回転・停止の制御を行 います。 。 4 5 2 6 7 1 3 8 1 2 図8 1.座席調整レバー 2.座席調整ノブ 走行ペダル(図9) 走行ペダルには、前進、後退の2つの働きがあり、ペダル 前部を踏み込むと前進、後部を踏み込むと後退です。走行 速度はペダルの踏み込み具合で調整します。負荷が掛かっ ていない状態では、ペダルを一杯に踏み込むと最高速度で 走行できます(スロットルは FAST 位置)。ペダルから足を 離せばペダルは中央位置にもどり、車両は停止します。 ブレーキペダル(図9) 2枚のペダルにより左右の車輪を別々に制御でき、旋回性 能や駐車、斜面での走行性能が高くなっています。駐
各部の名称と操作 3 2 8 10 1 5 6 1 11 7 4 7.グローインジケータ 8.充電警告灯 9.始動スイッチ 10.スロットル コントロール 11.リール回転スイッチ スロットル コントロール(図 10) 前に倒すとエンジン回転速度が速く、後で遅くなります。 リール回転スイッチ(図 10) ジョイスティックと連動してリールを駆動させます。中央 位置では、リールを上昇させることはできますが下降させ ることはできません。 バックラップ スイッチ(図 11) ジョイスティックと併用してバックラップを行います。 「カッティングユニットの保守」の「バックラップ」の項 を参照してください。 リール速度コントロール(図 11) 前のカッティングユニット用と後のカッティングユニット 用のセレクタノブがあり、それぞれのカッティングユニッ トの回転速度を設定します。#1はバックラップ用の位置 です。他の位置は芝刈り用の位置です。「リール回転速度 を選択する」の項を参照してください。 16 1 2 9 図 10 1.ジョイスティック 2.アワーメータ 3.燃料計 4.冷却液温度計 5.
運 注 意 転 燃料システムのエア抜き 1.エンジンフードを開けます。 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜き、カッティングユニットを降下させておく こと。 1 始動と停止 重要:以下のような場合には燃料システムのエア抜き作業 を行う必要があります。 A.新車を初めて始動するとき B.ガス欠で停止した後で再始動するとき C.燃料系の整備の後(フィルタ交換,セパレータ整 備等) 図 12 1.エア抜きネジ エア抜き作業は「燃料システムのエア抜き」の項(このペ ージ)を参照してください。 2.燃料フィルタ/水セパレータの上に付いているエア抜き ネジ(図 12)をゆるめます。 1.着席し、走行ペダルから足を離し、駐車ブレーキが掛 かっていることを確認します。走行ペダルがニュート ラル位置、スロットルが SLOW 位置、リール回転スイ ッチが DISABLE「停止」位置にあることを確認します。 3.燃料ポンプのレバーを動かして燃料を汲み上げながら 空気を追い出します。燃料が連続的に流れるのがネジ 穴から確認できたらエア抜きネジを締めます。 2.キーを ON/Preheat 位置に
運転 1 図 14 1.燃料噴射ポンプのエア抜きネジ 注:通常はこれでエンジンが始動するようになります。始 動できない時は噴射ポンプとインジェクタの間にエア が入っている可能性があります。「インジェクタから のエア抜き」(p.
運転 昇降アームの押圧を調整する(図 17) 故障時の牽引移動 各カッティングユニットの昇降アームに付いている押圧ス プリングは、芝質などに合わせて調整することができます。 刈り込み速度が速い場合、凹凸の多い場所やサッチの堆積 が厚い場所では、押圧を大きくしてカッティングユニット をしっかり接地させると刈り高を一定に維持するのに役立 ちます。各スプリングには3つの設定位置があり、位置を 1つずらすと押圧が変化します。 緊急時には、本機を牽引して移動することができます。牽引 は前進方向に限り、速度は 4.
運転 3.牽引索の他端を牽引用の機械につなぎます。時速 4.
運転 インタロック システムの作動確認 インタロック スイッチは、走行ペダルがニュートラル位置、 リール回転スイッチが停止(DISABLE)位置、ジョイステ ィックがニュートラル位置の時のみエンジンの始動を許可 します。また、走行ペダルが踏まれた状態でオペレータが 座席を離れるとエンジンを停止させます。 警 告 インタロック スイッチは、機械を正しく作動させ、 オペレータや周囲の人間の安全を確保するための装 置であるから、絶対に取り外してはならない。スイ ッチの動作を毎日確認し、動作に問題があれば、必 ず修理してから運転すること。スイッチをパイバス させたりすると、コントローラがそれを検出して運 転できなくなる。また、安全装置にのみ頼るのでな く、常識を十分に働かせて事故防止に努めること。 インタロック スイッチの機能点検手順: 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、エンジンを停止し、駐車ブレーキを掛けます。 2.コントロールパネルのカバーを開け、コントローラの 側にあるワイヤハーネスに付いているループバック コ ネクタを注意深くはずします。 図 22 1.診断用 ACE ディ
運転 出力機能のチェック手順: 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、エンジンを停止して、駐車ブレーキを掛けます。 2.コントロールパネルのカバーを開け、ワイヤハーネス からループバック コネクタを慎重にはずし、リール速 度セレクタを「10」(最高速度)に設定します。 3.ハーネスのコネクタに ACE を接続します。オーバーレ イを間違えないように注意してください。 4.始動スイッチを ON 位置に回しますが、エンジンは始 動しないでください。 注:オーバーレイの赤文字は対応する入力スイッチを示 し、緑文字は出力を示します。 5.A CE の右下すみの outputs displayed (出力表示中) LED が点灯すれば OK です。 inputs displayed (入力表 示中)が点灯したら、切替えボタンで出力表示として ください。 注:以下の点検では、入力表示と出力表示を何度か切り換 える場合がでてきます。切替えにはボタンを1回押し ます。何度でも自由に切替えられますが、ボタンを押 しっぱなしにしないでください。 6.運転席に座り、点検したい機能の操作を実際に行って みます。操
運転 油圧バルブソレノイドの機能 以下に油圧マニホルドにあるソレノイドの機能を示しま す。各機能ともソレノイドに通電したときに行われます。 ソレノイド MSV1 MSV2 SV4 SV3 SV5 SV1 SV1,SV2 機 能 前リール回路 後リール回路 前ウィング カッティングユニット昇降 中央カッティングユニット昇降 後カッティングユニット昇降 任意のカッティングユニットの下降 任意のカッティングユニットの上昇 運転の特性 運転操作に慣れる 実際に芝刈りを始める前に、安全な場所で運転操作に十分 慣れておいてください。特に機械の始動、停止、前進後退、 カッティングユニットの回転、停止、昇降動作などを十分 に練習してください。操作に慣れてきたら、斜面の上り下 りや速度を変えての運転も練習しましょう。 旋回時にはブレーキを使用して構いませんが、誤って芝を 傷つけないよう注意が必要です。左右独立ブレーキは斜面 での運転にも応用できます。例えば山側の車輪がスリップ する場合には山側のブレーキをゆっくり、スリップが止ま る所まで踏み込んでやると、谷側のトラクションが増加し ます。 警告システム 作業中に警告灯
保守 定期整備チャート&チェック・リスト 少なくとも以下の定期整備を必ず行ってください。 整備・点検項目 バッテリ液量の点検 バッテリケーブルの点検 定期整備の種類 50 運転 時間ごと 100 運転 時間ごと 200 運転 時間ごと 400 運転 時間ごと 800 運転 時間ごと グリスアップ エンジンオイルの交換 エアフィルタ、ダストカップ、バッフルの清掃 †ファンベルトとオルタネータ ベルトの点検 ‡エンジンオイルのフィルタ交換 冷却系統のホース点検 油圧オイルタンクの水抜き 燃料タンクの水抜き リールベアリングのプレロード(前負荷)の点検 †ホイールナットのトルク締め ◯エアクリーナの整備 燃料フィルタ/水セパレータのフィルタ交換 燃料フィルタの交換 トラクションリンクの動作点検 ‡シリンダヘッドボルトのトルク締めとバルブの調整 ‡エンジン rpm の点検(アイドル速度とフルスロットル) 油圧オイルの交換 †トランスミッション オイルの交換 †トランスミッション フィルタの交換 後輪のトーインの点検 後アクスルの整備 ―後輪のベアリングのグリスアップ(2 WD) ―後アクスルのオイル
保守 仕業点検表 毎日の点検項目 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. エンジンオイルの量 トランスミッションオイルの量 油圧オイルの量 冷却液の量 燃料フィルタ/水セパレータ エアクリーナのプレクリーナ ラジエタスクリーン ブレーキの作動状態 タイヤ空気圧 バッテリ ベルト(ファンベルト、オルタネータ) オイルおよび冷却液などの種類と交換時期 詳細は本文を参照 容量 種類 10W30CD 交換時期(運転時間) パーツ番号 3.8 l オイルなど フィルタ 4.7 l 50 100 99-8384 32.2 l 800 800 75-1330 インジケータ 94-2621 A エンジンオイル SAE B ミッションオイル Mobil 424 C 油圧オイル Mobil 424 D エアクリーナ 400 98-9763 E 燃料フィルタ 400 98-7612 F 水セパレータ 400 98-9764 G 燃料タンク 2号軽油 37.
保守 ベアリングとブッシュのグリスアップ(図 32 〜 40) ベアリングとブッシュを定期的にグリスアップしてくださ い。通常の使用条件では 50 運転時間ごとに、また、水洗い 後はそのつど以下の部分に No.
保守 図 29 図 30 図 31 27
保守 エアクリーナの日常の整備 注 エアクリーナ本体の手入れ(図 33) 1.ラッチを外してカバーとボディーを分離します。 意 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜き、カッティングユニットを降下させておく こと。 1.エアクリーナ本体にリーク原因となる傷がないか点検 してください。あれば交換してください。 2.フィルタについているほこりを落とさないように注意 しながら、ボディー内部からフィルタを引き出します。ボ ディーにぶつけないように注意してください。 1 2.通常の運転条件では 400 運転時間ごと、またはインジ ケータ(図 32)の色が赤に変わったらフィルターの整 備を行ってください。運転条件の悪いところでは整備 間隔を短くしてください。但し、整備のやりすぎは機 械のためによくありません。 3.ダスト カップがエアクリーナ本体に十分密着している か点検してください。 プレクリーナの手入れ(図 32) 毎日、容器部分を点検してください。ほこりの多い場所で 使用している時は間隔をつめて点検し、容器の上マークま でゴミがたまらないうちに清掃してください。 3 2 1
保守 5.新しいフィルタの場合は出荷中の傷がないか点検して ください。特にシール部を入念に点検し、傷のあるエ レメントを使用しないようにします。 6.フィルタをボディーに取り付けます。フィルタの外側 のリムをしっかり押し付けて、ボディーに密着させて ください。フィルタの真ん中の柔らかい部分には手を 触れないでください。 エンジンオイルとフィルタ(図 34 & 35) エンジンオイルもフィルタも 50 運転時間で初回交換、その 後はエンジンオイルは 50 運転時間、フィルタは 100 運転時 間ごとに交換してください。 7.カバーを元通りに取り付け、ラッチで固定します。 8.インジケータが赤になっていればリセットしておきま す。 1 図 34 1.エンジンオイルのドレンプラグ 1.ドレンプラグを取って廃油を受け、完全に抜けたらプ ラグを元通りに取り付けます。 1 図 35 1.エンジンオイルのフィルタ 2.古いフィルタを取り、新しいフィルタに薄くオイルを 塗って取り付けます。締めすぎ厳禁。 3.クランクケースに新しいオイルを入れます。 29
保守 燃料システム(図 36) 燃料タンク 2年ごとにタンクを空にして内部を清掃してください。燃 料システムが汚染された時や、長期にわたって格納する場 合も同様です。タンクの清掃にはきれいな燃料を使用して ください。 燃料ラインとその接続 400 運転時間ごと又は1年に1回のうち早い方の時期に、 劣化・破損状況やゆるみの点検を行ってください。 図 37 1.燃料フィルタヘッド 2.フィルタ容器 燃料フィルタ/水セパレータ 3.フィルタ 水抜きは毎日おこなってください(図 36)。 4.Oリング 1.燃料フィルタの下に容器をおきます。 4.ガスケットが当たるまでフィルタを手でねじ込み、そ こからさらに半回転締めつけて終了です。 インジェクタからのエア抜き(図 38) 注:以下の手順は、通常のブリーディングでエンジンを始 動することができない時のみ行います。「燃料システ ムのエア抜き」の項を参照してください。 1 2 1.No.
保守 エンジンの冷却システム(図 39 & 40) 清掃 2 オイルクーラー、ラジエター、後部スクリーンは毎日清掃。 汚れが激しければ頻繁な清掃が必要です。 A.エンジンを停止、フードを開け、エンジン周囲を 丁寧に清掃する。 3 B.クランプをゆるめてスクリーンを上に引き抜き、 水か圧縮空気で洗浄する。 C.オイルクーラーを少し持ち上げて前に傾け、オイ ルクーラー、ラジエターの両側を水か圧縮空気で 丁寧に清掃する。 D.オイルクーラーを元に戻し、後部スクリーンを取 り付け、フードを閉める。 1 図 40 1 図 39 1.スクリーン 1.リールオイル クーラー 2.ラジエター 3.トランスミッション オイルクーラー エンジンベルトの整備 初回運転後および 100 運転時間ごとに全部のベルトの劣化 状態と張り具合を点検してください。 オルタネータのベルト(図 41) 張りの点検手順: 1.フードを開けます。 2.ベルト中央(オルタネータとクランクシャフト プーリ の間)を 10 kg で押したときに 10 mm 程度のたわみがあ れば OK です。値から外れていれば、3.
保守 スロットルの調整(図 43) 2 1.スロットル レバーを、シートベースのスロットに当た るまで前に倒してください。 1 図 41 1 1.オルタネータのベルト 2.ブレース 5.調整が終わればボルトを締めて終了です。 冷却ファンのベルト(図 42) 図 43 1.ベルトテンショナ レバーのロックナットをゆるめます。 2.レバー端に 2.3 〜 4.5kg 程度の力を掛けてファンベルト に張りを与えます。 1.インジェクションポンプのレバーアーム 2.インジェクションポンプのレバーアームの所にあるス ロットル ケーブルのコネクタをゆるめます。 3.インジェクションポンプ レバーのアームをハイアイド ル ストップに当てた状態でケーブル コネクタを締め てください。 2 注:締めるとき、ケーブルコネクタが自由に回転できるこ とを確認してください。 1 4.スロットルレバーのフリクション装置の摩擦設定用ロ ックナットを(0.46 〜 0.63kg.
保守 1.エンジンを停止し、フードを開けます。 2.タンク下のドレンプラグを開いてドレンパンにオイル を受けます。排出が終わったら、プラグを元通りに閉 めます。 1 3.タンク容量は約 32l です。「油圧オイルを点検する」の 項(p.
保守 トラクション ドライブのニュートラル調整(図 46) カッティングユニットの上昇率の調整(図 47 & 48) 走行ペダルから足を放してしても本機が動きだすようでし たら調整が必要です。 カッティングユニット昇降回路には3つの調整バルブがあ り、中央と後のユニットが早く下がりすぎて芝を傷つけな いよう調整します。以下の手順で行います: 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、右ブレーキだけ踏んだ状態で、駐車ブレーキを掛 けます。 中央カッティングユニット 1.調整バルブは運転台の床のアクセスパネル裏にあります。 2.車両の左をジャッキアップして前輪を床から浮かし、 落下事故防止のためにサポートします。 注:4輪駆動モデルでは左後輪も床から浮かすか、4駆シ ャフトを取り外すかしてください。 3.車両右側下のトラクション調整カムのロックナットを ゆるめます。 1 図 47 1.中央カッティングユニット用の調整バルブ 1 2.バルブの固定ネジをゆるめ、バルブを右に約1/2回転 させます。 3.カッティングユニットを数回上下させて調整を確認し、 必要に応じて修正します。
保守 2.バルブの固定ネジをゆるめ、バルブを右に約1/2回転 させます。 3.カッティングユニットを数回上下させて調整を確認し、 必要に応じて修正します。 トラクションリンクの点検と調整(図 50) コントロール リンクと油圧トランスミッションが磨耗して くると、トランスミッションをニュートラル位置に戻すの に大きな力が必要になります。定期的に点検してください。 4.希望のタイミングに合わせたら固定ネジを締めて終了。 トラクション リンクの点検手順: 後のカッティングユニット 1.調整バルブはフードを開けて機体の中央部、エンジン の後ろにあります。 1.障害物のない広い場所で、フルスロットル状態で全速 走行を行います。 2.走行ペダルから足を離し、車両が停止するまでの距離 を測ってください。 1 3.停止必要距離が 5.
保守 4.アイボルトの輪の内側とアンカープレートの内側の距 離を3 mm 小さくします。 5.試験運転により調整を確認し、必要に応じて修正しま す。 注:アイボルトの輪の内側とアンカープレートの内側の間 の距離を小さくするとペダルを踏むのに大きな力が必 要になりますので、あまりきつい調整をしないでくだ さい。 常用ブレーキの調整(図 51) 注 意 トランスミッション オイルの交換(図 52) 注 意 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜き、カッティングユニットを降下させておく こと。 通常は 800 運転時間ごとに交換してください。 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、エンジンを停止して、駐車ブレーキを掛け、キー を抜いてください。 2.トランスミッション下のサクション ライン付近をきれ いに拭き、下に容器を置きます。 整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キ ーを抜き、カッティングユニットを降下させておく こと。 2 ブレーキペダルの遊び(踏み込んでから抵抗を感じるまで のペダルの行きしろ)が 25 mm 以上となったり、効きが遅 いと感じ
保守 トランスミッション フィルタの交換(図 52) リアアクスル オイルの交換(図 53) (モデル 03551 のみ) 最初の 10 運転時間で初回交換を行い、その後は 800 運転時 間ごとに交換します。 800 運転時間ごとに交換してください。 必ず Toro 純正部品(P/N 75-1330)を使用してください。 1.平らな場所に駐車します。 重要:純正品を使用しないと保証を受けられなくなる場合 があります。 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、エンジンを停止して、駐車ブレーキを掛け、キー を抜き取ります。 2.フィルタ付近をきれいに拭き、容器を下に置いてフィ ルタを外します。 1 3.新しいフィルタのガスケットにオイルを塗り、中にオ イルを満たします。 1.ドレンプラグ 図 53 2.ドレンプラグの周辺をきれいに拭きます。 4.取り付け部が汚れていないのを確認し、ガスケットが 当たるまでフィルタを手で回し入れ、そこから半回転 増し締めしてください。 5.エンジンを約2分間運転してエアを抜き、エンジンを 停止してオイル漏れと油量を点検し、必要に応じてオ
保守 後輪のトーイン(図 54) 800 運転時間ごと又は1年に1回点検を行ってください。 1.後輪の前と後で、左右のタイヤの中央線間距離を測り ます(アクスルの高さで計測)。前後の計測値の差が 3.
保守 ヒューズ(図 55) コントロールパネルの下に全部で6本あります。 カッティングユニットの保守作業 バックラップ 危 険 隠れた危険 バックラップ中にリールの回転が止まることがある。 どのように危険か リールが突然回転を始めることがあり、これに触れ ると重大な人身事故となる。 図 55 ヒューズ 安全のために ・止まったリールは絶対に手や足で触らない。 ・必ずエンジンを停止させ、リール回転速度調整ノ ブを1目盛り高速側にセットして再びエンジンを 始動する。 注:バックラップの時は、前3ユニット、後2ユニットが それぞれ共に回転します。 1.平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下さ せ、エンジンを停止して、駐車ブレーキを掛け、リー ル回転スイッチを「停止」位置とします。 2.運転席を上げてコントロールを露出させます。 2 1 図 56 1.リール速度コントローラ 2.バックラップノブ 3.リール速度コントロールを「1」に、バックラップノ ブをバックラップ位置にセットします。バックラップ ノブは前ユニット用と後ろユニット用があり、両方と もバックラップ位置にセットして構いません
保守 注:リール速度コントロールの設定を「13」に近づけると バックラップ速度が速くなります。数字が1つ上がる ごとに、約 100 rpm ずつ早くなります。設定を変更して から、所定の速度に安定するまで、約 30 秒間かかりま す。 4.各リールと下刃をバックラップ用に設定します。 5.エンジンを始動し、アイドル回転でまわします。 危 険 隠れた危険 バックラップ中にリールの回転が止まることがある。 どのように危険か リールが突然回転を始めることがあり、これに触れ ると重大な人身事故となる。 9.リールが停止したり回転にムラがある場合は、ジョイ スティックを後ろに倒して、バックラップを一旦中止 し、リールの回転が止まったのを確認したら、速度コ ントローラの設定を1目盛り上げて再びバックラップ を開始します。 10. バックラップ中にカッティングユニットの調整を行う 場合は、必ず、ジョイスティックを後ろに倒してリー ルを停止し、リール回転スイッチを「停止」位置とし、 エンジンを停止してください。調整が終ったら5〜9 の手順を再び行います。 11. 紙片がクリーンに切れるようになるまでバックラップ を続
保守 冬期格納の準備 トラクションユニット エンジン 1.トラクションユニット、カッティングユニットとエン ジンを洗浄します。 1.エンジンオイルを抜き、ドレンプラグを元通りに取り 付けます。 2.全部のタイヤ空気圧を1〜 1.4 kg/cm2 に調整します。 2.オイルフィルタを新しいものに交換します。 3.ボルト・ナットなどに緩みがないかを点検、必要に応 じて締めなおしてください。 3.新しいエンジンオイル(SAE 10W-30)を約 3.
保守 製品番号と交換部品のご注文 モデル番号とシリアル番号 モデル番号とシリアル番号は左側フレーム部材に取り付け たプレートに刻印されています。本機に関してご連絡をい ただく際には、必ずこの2つの番号をお知らせください。 Toro 代理店に交換部品をご注文される場合には、以下の情 報をお知らせください: 1.モデル番号とシアル番号 2.必要な部品などのパーツ番号,名称,個数。 注:パーツカタログでご注文の場合には、図中番号ではな く、必ずパーツ番号でご指定ください。 42