User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
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【LFE の記録・再生レベルについて】DVD-Audio ソフト制作ガイドブック(増補版)より要約・抜粋
DolbyDIGITAL 等では,再生時に LFE をブースト(レベルアップ)して再生する仕組みが規定されており,制作時
においても同様に再生側でのブースト(+10dB)を行って LFE 制作が行われます.一方,DVD-Audio 規格のオー
ディオトラック(LPCM,MLP)では,LFE の信号レベル(信号振幅そのものではなく,再生基準レベル)について
も,他のチャンネルと同等の扱いとしており,全チャンネル同一レベルが前提となっています.従って,制作時には LFE
を特別な扱いとしてレベル調整をする必要はありません.尚,エンドユーザー環境で最終的に得られる LFE の音量は,
ユーザーのシステムによって施されるベースマネージメントなど様々な要因で左右される場合があります.あくまでも,
ベースマネージメント等を考慮しない場合の信号レベルで,全チャンネル一定と考えて下さい.
従って,DVD-Audio SuperAudioCD では,LFE の再生レベルは他のチャンネルと同様±0dB とする必要が
あり,Dolby DTS DVD-Video の再生環境と比較して-10dB である点に留意する必要がある.また,LFE
号の周波数帯域に関しても,DVD-Video 等と異なり,エンコーディング時 LPF などが適用されないため,フル
レンジ記録・再生が可能である.但し,「DVD-Audio ソフト制作ガイドブック(増補版」でも言及されているよう
に,様々なエンドユーザーの再生環境における互換性に配慮し,LFE のマスター音源に対して LPF を制作時に適用
しておくことが望ましい.
LFE 信号の再生レベル差に関しては,特に DVD-Audio DVD-Video のハイブリッドマルチチャンネルディスク
を制作する場合に気を付ける必要がある.例えば,DVD-Audio 環境で制作された LFE 信号を DVD-Video 用に変
換する場合は,LFE のマスター信号のレベルを 10dB 低く記録する必要がある.
【フロント・チャンネル】
レベル
L=C=R
再生帯域
フルレンジ
【サラウンド・チャンネル】
レベル
3-1:S=LS+RS=L/C/R,LS=RS≒L/C/R3dB(DVD-Audio)
5.1: LS=RS=L/C/R
再生帯域
3-1:フルレンジ(DVD-Audio)
5.1: フルレンジ
【LFE チャンネル】
レベル
バンドレベル±0dB(メインチャンネルと同じ)
再生帯域
規定なし(フルレンジも可能)
【DVD-Audio SuperAudioCD のモノラルサラウンド】
■DVD-Audio のモノラルサラウンド
DVD-Audioでは,3-1(L/C/R/S)等に代表されるモノラルサラウンド(S=LS+RS)をフォーマットとして有
している.その際の LS 及び RS の再生レベルは,(LS+RS)=L=C=R であり,LS=RS≒L/C/R-3dB である.従
って,DVD-Audio では,5.1 制作時と 3-1 制作時では LS 及び RS の再生レベルを調整し直す必要がある.これ
に関しては,DVD-Video 同様であ.すなわち,DVD-Audio では,LFE 以外は DVD-Video の再生環境と同
一の環境でマルチチャンネル制作が可能である.
以下,「DVD-Audio ソフ制作ガイドブック(増補版,DVD オーディオプロモーション協議会」によるモノラル
サラウンドに関する記述を要約・抜粋する.