User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
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【モノラルサラウンド(S)を LS,RS から再生する場合】DVD-Audio ソフト制作ガイドブック(増補版)
モノラルサラウンド(S)に相当する位置にそれ用の独立したスピーカーが無い場合は,S を-3dB し,LS,RS
分配して再生するのが一般的です.なお現状ほとんどの場合,プレーヤーに LS,RS とは別に独立した S チャンネ
ル用のアナログ出力がありませんので,プレーヤー内部でこのような分配処理が行われ,アナログ LS,RS から S
信号が出力されます.プレーヤーに S チャンネル出力がある場合,または IEEE1394 等によるマルチチャンネル・
デジタル伝送で S チャンネルが伝送される場合には,アンプ側で上記のような分配処理が行われます.
■SuperAudioCD のモノラルサラウンド
SuperAudioCD では,モノラルサラウンドをフォーマットとして有していない.従って,SuperAudioCD でモ
ノラルサラウンドを制作する場合は,ステレオサラウンド(LS,RS)環境において,S チャンネルを LS 及び RS
チャンネルに適切なレベルでモノミックスすることで対応する.
SuperAudioCD のマルチチャンネルの基本は 5.1(6)ch であり,他のフォーマットにおいては,未使用チャンネ
ルにデジタルミュート信号を記録するとともにミュートフラグを立てることで対応する.従って,SuperAudioCD
では,全てのチャンネルフォーマットにおいて同一の再生環境が適用できる.
2-4-4 放送:DolbyDIGITAL,DTS,MPEG-2,MPEG-2AAC
DolbyDIGITAL DTS の場合は,DVD-Video の再生特性に準じる.
MPEG-2 及び MPEG-2AAC の場合は,運用団体の規定による(特に LFE チャンネルの扱い).MPEG-2(デジ
タル放送,欧州)に関しては,ISO の規格により LFE の記録帯域が 125Hz までに制限されるが,その再生レベル
に関しては運用団体の規定を参照することになる.MPEG-2AAC(デジタル放送,日本)のLFE に関しては,ISO/IEC
の規格上フルバンド記録が可能である.但し,伝送時に帯域制限が生じる場合がある(ISO/IEC).運用上の帯域制
限や再生レベルに関しては,ARIB(AssociationofRadioIndustriesandBusinesses,社団法人電波産業会)
の規定に準じる.また,モノラルサラウンド(3-1 における S(LS+RS)チャンネル)における LS 及び RS の再
生レベルに関しても,MPEG-2 及び MPEG-2AAC の場合には,その運用団体の規定を参照する必要がある.
2-4-5.GAME
ゲームでは,ロールプレイング・ゲームなどの「ムービー」部分におけるマルチチャンネル再生と,ゲーム中の動
きに応じてマルチチャンネル再生を行う「インタラクティブ」再生の 2 種類がある.
それらのマルチチャンネル・フォーマットに関しては,各メーカーが採用している音声処理方式による.
現在は,DolbyDIGITAL もしくは DTS が採用されていることが多い.
その場合の再生環境は,DVD-Video に準じることになる.
ヤマハデジタルコンソール,「DM2000「DM1000「O2R96」では,これら様々な再生環境に対応する
ための LFE ブースト機能及 LS/RS のアッテネート機能をサラウンドモニター機能のベースマネージメン
ト・セクションに装備しており,即座に再生環境の切り替えが可能となっている.