User Manual
Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
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2-5. ダウンミキシング
マルチチャンネル・メディアの多くは,2 チャンネル再生を必須としている.
マルチチャンネル作品と同様のコンテンツに対し,2 チャンネル・ミキシングを行うためには,2 種類の方法が考
えられる.
1つは,マルチチャンネル・ミキシングを行うために使用された個別の音素材(ステム)を使用し,別途 2 チャン
ネル・ミキシングを行う方法である.
もう 1 つは,電気回路を用い強制的に 2 チャンネルを作成する方法である(フォールドダウン,Fold-down).
フォールドダウン関しては,メディアによってそのアルゴリズムが決められており,制作側は,アッテネーターの
値などをメディアにメタデータとして記録する必要がある.
以下に,主な 2ch フォールドダウンの例を示す.
2-5-1.DVD-Video(DolbyDIGITAL,DTS)の 2ch フォールドダウン
[Fig.14]DVD-Video(DolbyDIGITAL,DTS)のダウンミキシング回路:Lo/Ro ダウンミックス
[Fig.15]DVD-Video(DolbyDIGITAL,DTS)のダウンミキシング回路:Lt/Rt ダウンミックス
DVD-Video(DolbyDigital,DTS)では,上記 2 種類のダウンミックス(Lo/Ro ダウンミックス[Fig.14],Lt/Rt
ダウンミックス[Fig.15])が可能であり,DVD プレーヤー及び AV レシーバーは,これらのダウンミックス回路
を有している必要がある.Lo/Ro ダウンミックス[Fig. 14]は,制作者の意図により Att 値が選択できる点が利
点の 1 つである.再生機は,メタデータとして DVD に記録された Att 値に基づいてダウンミックスを行う(但し,
DTS の場合は Att1=Att2=-3dB=固定).一方,Lt/Rt ダウンミックス[Fig.15]は,マトリックスサラウンド
互換のある 2ch 信号を生成できる点が利点の 1 つである.ユーザーは,DolbyProLogic,DolbyProLogicII(x),
DTSNEO:6 デコーダ等を使用して,Lt/Rt の 2 チャンネルから 3-1,5.1,6.1,7.1 等のサラウンド再生を行
うことが出来る.Lt/Rt ダウンミックスでは,サラウンド信号(LS+RS)が L チャンネル信号に逆相でミックスさ
L
Lo
=
L
+
Att1
×
C
+
Att2
×
LS
Ro
=
R
+
Att1
×
C
+
Att2
×
RS
LFE
LS
RS
R
C
Att1
Att2
Att2
-
∞
■
Att1
0.707 (-3dB), 0.596 (-4.5dB), 0.500 (-6dB)
■
Att2
0.707 (-3dB), 0.500 (-6dB), 0.000 (-
∞
dB)
■Default
Att1=Att2=0.707 (-3dB)
5.1ch Master
2ch Down-mix
Meta data : Dolby DIGITAL
Att1=Att2=0.707 (-3dB)
Fixed : DTS
L
Lt
=
L
+
0.707
×
C
−
0.707
×
(LS
+
RS)
Rt
=
R
+
0.707
×
C
+
0.707
×
(LS
+
RS)
LFE
(90-degree phase shifted) LS
(90-degree phase shifted) RS
R
C
-3dB
-3dB
-3dB
-
∞
5.1ch Master 2ch Down-mix