User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
32/74
3.再生環境
再生環境は,室形状・吸音・反射・拡散などに代表される室内音響処理と,スピーカー配置の 2 種類により構築さ
れる.
本章では,スピーカー配置に関して解説を行う.
一般的には,音楽系のメディアでは,Rec. ITU-R BS. 775-1
[1]
([Fig.19]推奨とされ,それ以外のメディア
においては,同様にITU-R準拠といった記述や,先行の DVD-Video の環境に準拠などといった表現が用いられて
いることが多い.
3-1.Rec.ITU-RBS.775-1
ITU-R のスピーカー配置は,国際通信連合 -無線通信部門(International TelecommunicationUnionRadio
communicationSector)から推奨例(Rec.=Recommendation)として提示されているものである.
Rec.ITU-RBS.775-1(Multi-channelStereophonicSoundSystemWithandWithoutAccompanying
Picture)はHDTV 場を機に ITU-R 無線信部門で提示さたものであ(1992-1994そのため,
放送局ではITU-R BS.775-1 を再環境の基準とているところが多い.また,音制作を始め広再生環境の
スタンダードとして認められている配置である.
制作環境に一定の基準を設けたい場合や,再生音場に対する特別な意図が無い場合は,ITU-R の配置を再生環境と
して採用すると良い.
3-1-1. ITU-R のスピーカー配置
[Fig.19]Rec.ITU-RBS.775-1,サラウンドスピーカーが LS,RS 1 台の場合
ITU-R 配置の主な特徴は,以下である.
注)Rec.ITU-RBS.775-1 では,サラウンドスピーカーを LS,RS 用に各 1 台ずつ配置するレイアウトの他に,
複数台設置するレイアウトも記載されているが,ここでは前者の配置に関してのみ取り上げている.
1.L/R の開き角度=60°
従来のオーディオ受聴環境(L⇔R⇔リスナーで構成される正三角形受聴)との互換性を重視した配置.
2.サラウンドスピーカー(LS,RS)の設置角度=110°±10°(平面上の C 方向を 0°)
L
C
R
RS
60°
100°
120°
<15°
LS,RS
L,C,R
LS
1.2m
110°