User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
44/74
[Fig.32]は,小さな部屋(Smallroom)と大きな部屋(Largeroom)における,スピーカーからの再生レベ
ルの減衰の様子と,リスニングポイントから前後に 25cm ずつ(頭 1 つ分)移動した場合の各スピーカーからの再
生レベルのばらつきを表してい
[4],[8]
各スピーカーは壁に埋め込まれた状態(指向係数 Q=2)を仮定しており,
配置は Rec.ITU-RBS.775-1 に準拠している(L/R;30 度,LS/RS;110 度)
また,Smallroom では 1.5m,Largeroom では 4.0m のモニター距離を仮定しており,各室の条件は以下の通
りである.
・Smallroom
 3.5m
W
x4.0m
D
x2.2m
H
,床面積 14m
2
,室容積 31m
3
,総表面積 61m
2
 平均吸音率α
ave
=0.6
・Largeroom
 10.0m
W
x15.0m
D
x6.0m
H
,床面積 150m
2
,室容積 900m
3
,総表面積 600m
2
 平均吸音率α
ave
=0.6
[Fig.32]リスニングポイントの移動による再生レベルの変化:Smallroom(
r
=1.5m)と Largeroom
r
=4m)
[4],[8]
グラフの実線が,Smallroom における再生音圧レベルの減衰の様子をスピーカーからの距離に従ってプロットし
たものであり,破線が Largeroom における再生音圧レベルの減衰の様子を表している.リスニングポイントから
離れた点では,各スピーカーまでの距離が同一ではなくなるため,各チャンネルの再生音圧レベルバランスが損な
われる.前後移動(±25cm)による各スピーカーの再生レベルのばらつきが○でプロットされている.モニター
距離が 4.0m Largeroom では,スピーカー間のばらつきは約 0.8dB であるが,モニター距離が 1.5m Small
room では,1.8dB と大きくなっていることが分かる.このように,小さな再生環境ではスピーカーの再生レベル
バランスが不安定になりやすく,カバーエリアを広げるなどの対応を検討した方が良いと考えられる.このような
傾向は,部屋がデッドであるほど,またスピーカーが壁埋め込みではなくフリースタンドで設置されている場合の
方が顕著に生じる.
以上をまとめると,モニター距離に関しては以下の 3 種類に大別でき,それぞれに応じて必要な工夫を検討すると
良い.
3m 以上 理想的.安定している.室内音響への配慮が重要.
2m〜3m 一般的.ケースバイケースで不安定性軽減のための検討を行う.
2m 以下 不安定になりやすい.サラウンドスピーカーのカバーエリア拡大の検討が望まれる.
尚,モニター距離に関しては,部屋の大きさだけでなくスピーカーの能力によっても制限されることが多い.
L
C
R
LS
RS
110deg
30deg
SPL(r)
SPL(r)
SPL(r)
SPL(r)
SPL(r)
(+25cm)
(-25cm)
L
C
R
LS
RS
SPL(r’)
SPL(r’)
SPL(r’)
SPL(r’)
SPL(r’)
Monitoring distance; r [m]
Small room; r = 1.5m
Large room; r = 4.0m
0
-35
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.5 5.0
Distance from the loudspeaker [m]
Reduction of SPL; SPL(r’) [dB]
4.0
SPL=1.8dB
SPL=0.8dB
Q=2
Small room
r=1.5m,
3.5m
W
x4.0m
D
x2.2m
H
,
α
ave
=0.6
Large room
r=4.0m,
10m
W
x4.0m
D
x2.2m
H
,
α
ave
=0.6