User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
5/74
0.はじめに
スタジオのモニタリング環境にとって最も重要なことは,「全てのチャンネルの特性が揃っている」ことである.
次に重要なことは,その揃った特性が,「良い特性」となっていることである.
「良い特性」を判断するためのパラメーターには,主観的なものから物理的なものまで様々なものが考えられるが,
まずは周波数特性に大きなピークやディップが生じていないことが基本である.
2 チャンネルの場合には,部屋形状やスピーカー配置を左右対称に形成することで,モニタリング環境にとって最
も重要な事項である「全てのチャンネル,すなわ L R の特性が揃っている」環境を作ることは比較的容易で
あった.
一方,マルチチャンネルにおいては,部屋形状やスピーカー配置を左右対称に形成するだけでは,全てのチャンネ
ルの再生特性を揃えることが困難である場合が多い.
最終的な作品のミキシングは,整備された再生環境で行う必要がある.
機材のグレードがいくら高くても,良い音でプレイバックされる環境が無い限り,最終的なミキシングを行うこと
は不可能である.
プロのスタジオとしてのアイデンティティは,「良いモニター環境」にある.
マルチチャンネルの到来は,再度,「スタジオのモニタリング環境とは何か」について考える良いきっかけを与えて
いる.