User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
57/74
4-4. デコード出力のモニター
民生機の DVD プレーヤーや AV アンプなどは,ベースマネージメントコントローラーの装備が必須となっている.
前項でも述べたが,ベースマネージメントには LFE チャンネルのゲイン調節機能が不可欠であり,そのため LFE
ユニティ・ゲインで出力されていない民生機もある.デコーダーからの出力をスタジオでモニターする場合は,LFE
の出力レベルに気を付けておく必要がある.
[Fig.43][Fig.44]は,民生プレーヤーおよび AV レシーバーの出力処理の一部を簡略化した一例である.[Fig.
43]がベースマネージメント ON の状態であり,[Fig.44]が OFF の状態である.
[Fig.43]民生プレーヤー及びレシーバーの出力処理例,ベースマネージメント ON
[Fig.44]民生プレーヤー及びレシーバーの出力処理例,ベースマネージメント OFF
このようなベースマネージメント回路を有する民生機では,入力ソースに応じて[Fig.43][Fig.44]「AMP」
のゲインを自動的に切り替えることで,多種のメディアのフォーマットに応じた LFE 出力を作り出している.例え
ば,DolbyDIGITAL DTS 等,DVD-Video のソースには,+10dB のゲインを与え,DVD-Audio SuperAudio
CD に対しては,±0dB という具合である.民生機の中には,ベースマネージメントの ON/OFF に関わらずこのゲ
イン(AMP)が有効となっているものや,ベースマネージメントの ON/OFF よってその動作が異なるものがある.
従って,民生機の中には,DVD-Video 再生時 LFE 力が既に+10dB なっているものがあることに注意し
おく必要がある.スタジオのモニター環境においてこのような民生機のデコード出力をモニターする場合には,ス
タジオの LFE の再生ゲインを±0dB としなければならない(もしくは,デコード出力の LFE チャンネルを-10dB
で入力)
ちなみに[Fig.43][Fig.44]の「Att」は,5.1⇒3-1 ,サラウンドフォーマットの変更に応じ,自動的
サラウンドスピーカーの再生レベルを調整するためのアッテネーターである.例えば,5.1 の場合は±0dB,3-1
の場合は-3dB といったように,民生機では入力ソースのチャンネルフォーマットに応じ自動的にサラウンドスピー
カーの出力レベルが調整される.従って,民生機のデコードアウトをスタジオでモニターする場合には,チャンネ
ルフォーマットに応じてサラウンドのモニターレベルを調整する必要のない場合が多い.
尚,全ての民生機のプレイバックが,[Fig.43][Fig.44]のように処理されているという保証はない.使用する
LFE
LS
RS
L
R
C
SUB
LS
RS
L
R
C
AMP
HPF
LPF
HPF
HPF
HPF
HPF
Att
Att
Decode
Dolby, DTS,
MPEG-2( AAC),
etc.
DVD-Audio,
Super Audio CD etc.
LFE
LS
RS
L
R
C
SUB(LFE)
LS
RS
L
R
C
AMP
Att
Att
Decode
Dolby, DTS,
MPEG-2( AAC),
etc.
DVD-Audio,
Super Audio CD etc.
+10dB: DVD-V
+/-0dB: DVD-A / Super Audio CD
LPF