User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
61/74
6.測定・調整
2 チャンネル再生では,リスニングポイントに対して L,R スピーカーを左右対称に設置し,それぞれを同じパワー
で再生するだけで,L,R ともに同じレベル,同じタイミングで受聴することが可能であった.一方,マルチチャン
ネルでは,全てのスピーカーを同じパワーで再生するだけでは,LFE を含めた全チャンネルを適切なレベルバラン
スかつ同じタイミングで受聴できないことが多い.
従って,殆どの場合,マルチチャンネルのモニタリング環境を構築するためには,セットアップ時の測定・調整作
業が必要となる.
モニター特性の測定・調整を行うためには,音源信号としてのピンクノイズおよび,スピーカーの再生音圧レベル
を測定するための騒音計が必要となる.
また,実際の測定にあたっては,1/3 オクターブバンド分析器(RTA,リアルタムアナライザー)が必要となるこ
とが多い.
[Fig.48]測定・調整測定・調整:DVD-Video の例
6-1. 測定用信号
測定用信号には,(20Hz)〜20kHz の広帯域ピンクノイズを用いる.
音源に用いるピンクノイズのレベル(dB,実行値)は,スタジオのヘッドルームの設定(0VU)を基準とする.す
なわち,ヘッドルームを 20dB に設定しているスタジオでは,-20dBrms のピンクノイズを使用し,ヘッドルーム
18dB としているスタジオでは,-18dBrms のピンクノイズを用いる.
ピンクノイズは,振幅の変化が大きく,コンソールなどのレベル・メーターでその入力レベルの確認を行うことが
困難である(-20dBrms のピンクノイズの場合,およそ-14dBFS 近辺で激しく変動する)
そのため,測定用ピンクノイズは,その実効値が銘記されているものを予め用意しておく必要がある.
18dB をヘドルームに設定してあるスタジオにおいて,-20dBrms のピンクノイズを用いる場合は,各スピーカ
ーからの再生レベルを目的とするレベルから 2dB(20dBrms-18dBrms)小さくなるように調整する.
RTA
SPL meter
Pinknoise
(-14)
70
80
MAIN
LFE
85dBC
20 80 12512.5 31.5 50 10k 20k
Band level [dB]
1/3oct. band center frequency [Hz]
Pinknoise
-20dBrms
(-20dB=0VU)
Mixing Console
LPF
+10dB
95dBC
(89dBC)
To
Recorder
LFE
MAIN
dB
LFEMAIN
LFE
MAIN
0
1.5dB
VU