User Manual

Multichannel Monitoring Tutorial Booklet (M2TB) rev. 3.5.2
Masataka Nakahara : SONA Corporation
©2005 YAMAHA Corporation, ©2005 SONA Corporation
64/74
[Fig.50]オールパスレベルとバンドレベル
スピーカーの再生レベルをオールパスレベルだけで判断することは危険である.[Fig.29]は,オールパスレベル
85dBC 2 種類のピンクノイズの特性を表した例である.黒色が 20Hz〜20kHz の広帯域ピンクノイズの特
性であり,灰色が 80Hz〜8kHz の狭帯域ピンクノイズの特性である.
[Fig.51]広帯域ピンクノイズと狭帯域ピンクノイズのバンドレベルの違い
オールパスレベルを同じ 85dBC に調整した場合,狭帯域ピンクノイズは広帯域ピンクノイズに比べてバンドレベ
ルが大きくなっている(71dB⇒72dB).このことは,周波数レンジの異なるスピーカー同士の再生レベルをオー
ルパスレベルだけを基準に調整した場合,バンドレベルに違いが生じてしまうことを意味している.例えば,フロ
ントチャンネルに周波数レンジの広い大型スピーカー使用し,サラウンドチャンネルに周波数レンジの狭いスピー
カーを使用している再生環境があるとする.そのような環境で,オールパスレベル(85dBC)だけを頼りにそれぞ
れのスピーカーの再生レベルを調整してしまうと,サラウンドスピーカーの再生バンドレベルが大きくなってしま
い,結果としてサラウンドチャンネルがフロントチャンネルより大きな音量で再生されてしまうことになる.
スピーカーの再生レベルを同じにすることは,オールパスレベルではなく,バンドレベル(71dB,1/3oct.)を揃えるこ
と意味している.騒音計のみを用いたオールパスレベル(85dBC)での調整は,全てのスピーカーの再生特性が同じであ
り,十分に良好な室内音響特性が得られている場合に可能な簡易的な方法である.実際の調整には,オールパスレベル
(85dBC)の確認に加え,RTA によるバンドレベル(71dB,1/3oct.)の確認を行うことが望ましい.
40
50
60
70
80
90
AP(C)
20
31.5
50
80
125
200
315
500
800
1.25k
2k
3.15k
5k
8k
12.5k
20k
1/3 octave band center fre
q
uenc
y
[
Hz
]
SPL [dB]
All pass level : 85dBC
1/3 octave band level : approx.71dB
Wide band
All pass level : 85dBC
1/3 octave band level : approx.72dB
Narrow band
40
50
60
70
80
90
AP(C)
20
31.5
50
80
125
200
315
500
800
1.25k
2k
3.15k
5k
8k
12.5k
20k
1/3 octave band center frequency [Hz]
SPL [dB]
All pass level : 85dBC
1/3 octave band level : approx.71dB