User Manual

32
用語解説
エンコード/デコード
信号や情報を加工、圧縮、デジタル化することをエン
コードといいます。エンコードすることで、非常に多
くの信号や情報量を一枚のCDDVDなどに収録す
ることができます。
エンコードされた信号はそのままでは音として聞くこ
とができません。これをもとの信号に戻すことをデ
コードといい、音として聞くことができます。
音場
音は発生源から直接人間の耳に届くだけでなく、壁や
天井に反射してやや遅れて到達したり(初期反射音)
複雑に反射を繰り返しながら消えていったりします
(後部残響音)。こうしたさまざまな音を聴くことで、
人間はその場所の広さや形状を知覚することができま
す。このような建物などが持つ独自の音響空間を音場
と呼びます。
ドルビープロロジック
映画館や劇場では、観客席を取り囲む多くのスピーカ
によって、シーンに合わせて前後左右に移動する効果
音、体全体を包み込むような立体サウンドが楽しめま
す。こうした臨場感を実現するのがドルビープロロ
ジックです。本来、ドルビープロロジック方式は、左
右フロント(2チャンネル+センタ(1チャンネル)
+リア(1チャンネル)合計4チャンネル構成です
が、家庭向けの放送メディアやビデオでも楽しめるよ
う、ステレオ(2チャンネル)との互換性が保たれ、
テレオ再生が可能なご家庭のAVシステムで手軽に楽
しめることが大きな特長となっています。
ドルビーデジタル
「ドルビーデジタル」は、前方3チャンネル、後方2
チャンネルの合計5チャンネルに低音専用チャンネル
LFE(ロー・フリークェンシー・エフェクト)を加え
た5.1チャンネルをデジタル圧縮技術を用いて完全に
独立した音声として再生するものです。従来の「ドル
ビープロロジック」方式が前方3チャンネル、後方1
チャンネルの合計4チャンネルを2チャンネルのステ
レオ音声にミックスして、マトリクス回路で分離する
のに対して、音質に優れ、より立体的なサラウンドが
再生できます。
バーチャルサラウンド
私たちは、おもに左右の耳に音が届く時間差と音のレ
ベルの違いを感じとることで、音がどの方向から聞こ
えてくるのかを認識します。バーチャル技術はこの耳
の特性を応用したもので、DSP(デジタルサウン
フィールドプロセッサー)使ったデジタル信号処理
と左右のフロントスピーカによって行われますが、リ
スナーは2つのスピーカとは別の方向にある仮想
(バーチャル)スピーカから音が聞こえるように感じま
す。これにより、あたかもリアスピーカをくわえた5
スピーカシステムのようなサラウンド音場を体験でき
ます。
ヤマハDSP(デジタルサウンドフィー
ルドプロセッサー)
ヤマハでは、世界の著名なコンサートホールやオペラ
ハウスなどで、反射音の方向・強さ・帯域特性・遅延
時間などの音場情報を実際に測定し、その膨大なデー
タをROMに蓄積しています。
本機は、音場を再現するヤマハDSP(デジタルサウン
ドフィールドプロセッサー)を搭載、この音場実測
データをもとに作成された音場プログラムを自由に選
択し、著名ホールやライブハウスの音場をリスニング
ルームに再現することができます。
映画製作者の意図するサウンドは、セリフは明瞭にス
クリーン上に定位し、効果音はその奥、音楽はさらに
その奥に拡がり、そしてサラウンドは視聴者を取り囲
んでスクリーンの映像と一体になるようにデザインさ
れています。
ヤマハDSPをAV再生用に進化させたプログラムが
CINEMADSP」です。映画のサラウンドデコーダー
であるドルビープロロジックやドルビーデジタルとヤ
マハDSPを融合し、映画のサラウンドを最良の状態
でデザインするダビングステージ最終的な映画のサ
ウンドデザインを完成させるファイナルミックス)
のクオリティをご家庭に再現するサラウンド音場で
す。
CINEMADSPの音場プログラムでは、左右のフロン
ト、センターチャンネルにもヤマハDSP処理を加え
ることで、視聴者はセリフの実在感や効果音、音楽の
奥行き感とともに、スムースな音源の移動感とスク
リーンまで回り込むサラウンド音場に包まれます。