User Manual

搭載されている音源について
ELS-02/ELS-02C/ELS-02X取扱説明書
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︵楽器音色︶
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搭載されている音源について
ELS-02C/ELS-02Xには、AWM(アドバンストウェーブ
メモリー )音源でつくられたボイスと、さらにはVA(バー
チャルアコースティック)音源でつくられたボイスが内蔵さ
れています。
VA音源は、リードボイス2のボイスセクションのボイス用
に採用されており、AWM音源は、それ以外のすべてのボイ
スセクションのボイス用に採用されています。
AWM音源は、実際の楽器の音をサンプリングして、複雑な
波形をデジタルデータとして再現することで、リアルな楽器
音をつくり出します。ここでは特別な操作が必要なスーパー
アーティキュレーションボイスについて説明します。
スーパーアーティキュレーションボイス
スーパーアーティキュレーションボイスは、アコースティッ
ク楽器のリアルなサウンドや奏法を再現する音源技術が使わ
れています。ギターの弦と指が擦れるノイズやハーモニク
ス、エレピの鍵盤アクションノイズまでリアルに再現してい
ます。ジャズの即興で使われる歌唱法で「シュビドゥバ…」
といったスキャット、レガート、ベンド、グリッサンド等の
奏法も、奏者の息使いが感じられるほど自然な演奏表現が可
能です。弾き方や左フットスイッチで、自由な表情付けがで
きます。スーパーアーティキュレーションボイスには、
「S-」で始まるボイス名がつけられています。
スーパーアーティキュレーションボイスの表
情付けの例
ボイスコンディション画面のページ2にあるアーティキュ
レーション(48ページ)の項目を設定することにより、下記
のような表情付けができます
効果音の例:S-ナイロンギター1(タイプA)
[ART.1]あるいは[ART.2]を選択した状態で、左フットス
イッチを押すと、ギターの胴を叩いたような効果音が鳴りま
す。
ハーモニクスの例:S-スチールギター2(タイプB)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、ハーモニクス奏法(ピッキング・ハーモニク
ス)のサウンドになります。
スキャットの例:S-シュビドゥバ/Hmm(タイプC)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、常に「Hmm」の発声に固定されます。左
フットスイッチが押されていないときは、鍵盤を弾くたびに
「シュ」「ビ」「ドゥ」「バ」と発声が切り替わります。
ベンドやグリッサンドの例:S-アルトサック
(タイプD)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、ピッチがベンドアップしながら発音します。
[ART.2]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、グリッサンド奏法になります。
[オート]をONにした状態で鍵盤を弾くと、ベンド奏法やグ
リッサンド奏法の効果が自動的にかかります。
AWM音源に対し、VA音源は先に仮想の楽器を本体内に設
計し、その楽器に振動が伝わる様子をシミュレーションする
ことで音をつくり出します。この「仮想の楽器」のことを
「物理モデル」と呼びます。特にこのエレクトーンに用意さ
れているボイスは、サックスやフルートなどの管楽器をはじ
め、ミュージックシーンで使用するさまざまな楽器を物理モ
デルのデータとしてつくり上げたものです。
たとえば、管楽器を例にとると、息の強さや口の締め付け具
合などの音を出すきっかけとなる部分から管の内部に入る空
気の流れを算出し、その後内部での共振を忠実に再現するこ
とで、ナチュラルで表現力豊かなリードボイスを生みだしま
す。
ただし、本物の楽器をシミュレーションしているので、本物
の楽器同様、音域が限られたり楽器コントロールにクセが
あったりなど、演奏上の制約があります。
VA音色使用時のご注意
VA音色はAWM音色とは異なり、自然楽器により近く、ま
た、よりリアルで高い表現力を実現するために、以下のよう
な演奏上の注意点が必要になります。
推奨音域(39〜40ページ)以外では音が鳴りにくかった
り、正しい音程が出ないボイスがあります。
ホリゾンタルタッチやアフタータッチによってピッチや音
色を変化させたときに、滑らかに変化しないボイスがあり
ます。
リードスライドをかけたときに音程が滑らかに変わらない
ことがあります。
レガートやトリルで演奏したときに、音が出ないことがあ
ります。
AWM音源
VA音源
共振をレー音を出すきかけ
空気の流れ
算出
マウスピー
(リー
サッ
フルーなど
唇の動き
弦楽器の弦