User manual

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HS80M/HS50M/HS10W
取扱説明書
 HSシリーズのスピーカーは、電子キーボードやほかの
電子楽器にも直接接続できます。
スピーカーの設置
 モニター環境を構築するとき、スピーカーの設置は最
も重要なポイントの1 つですが、モニター環境を改善する
には費用や時間がかかってしまうと諦めがちです。特に、
小さいスタジオでスピーカーを設置するとき、大きな障
害物があるとやっかいです。スピーカーを設置するス
ペースが十分にあるなら問題ありませんが、スペースが
限られている場合は、より良いパフォーマンスを引き出
すためにちょっとした計測と調節で驚くほど改善される
でしょう。ステレオでも5.1サラウンドのモニター環境で
も基本は同じです。
部屋の壁やコーナーからの距離
 正確な再生音を得るために、スピーカーを部屋の壁や
特にコーナーから離して設置してください。壁に近づけ
過ぎると、スピーカーの周波数特性が乱れてしまいます。
最低1.5m壁から離すのが理想ですが、実際には、卓上か
スピーカーのリアが壁にくっつくほど近づけてスピー
カーを設置してしまうかもしれません。ここで覚えてお
きたいのは、壁や部屋のコーナーに近づけば近づくほど、
壁からの音の反射によってスピーカーの低音が強調され
やすくなるということです。低音が強調された場合は、
感覚に頼るか少し周波数特性を整える(イコライゼーショ
ン)といった補正をする必要が出てくるでしょう。
 HS50M,HS80MスピーカーにはROOM CONTROL
スイッチがついているので、スピーカーの低音が強調さ
れるのを簡単に補正できます。壁に近づくにつれて、
ROOM CONTROLスイッチを“0“−2”“− 4”
にすると、自然な低音になります。ただし、スペースに
余裕がある場合は、最も近い壁から1.5m以上離して設置
することを念頭におきましょう。
左右は対称に設置
「部屋の壁やコーナーからの距離」でも説明しました
が、スピーカーと壁の位置によってスピーカーの再生音
は、まったく変わってきます。1台のスピーカーのリアを
壁にくっつけて設置して、もう1台をリア側に障害物がな
い所に設置したら、どうなるでしょうか? 良い結果は、得
られないでしょう。いずれにしても優れたミックスを作
る環境ではありません。左と右のスピーカーからの再生
音が異なってしまうので、バランスのいいミックスを作
ることはほとんど不可能になります。また、正確なパン
ニングもできません。とにかくミキシングに本気で取り
組むなら、できるだけ左右対称の場所にスピーカーを設
置してください。スピーカーから壁までの距離を同じにす
るために、ひもを使って測ってみましょう。部屋の中に
大きな障害物があると、部屋の音響特性や左右のバラン
スを台無しにしていまいます。また、ドアや窓の位置も
気にかけることも大切です。いつも理想的な左右対称の
環境が整うとは限りませんが、できるだけ努力する価値
はあります。