User Manual
Dante Controller ユーザーガイド
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“Clock offset”(クロックのオフセット)について
ハードウェアクロックは圧電振動水晶クォーツを基盤としています。水晶の微妙な個体差により、振
動周波数には多少の誤差が見られます。機器の「スレーブ」クロックがネットワークのマスターク
ロックに同期を試みるとき、その周波数はマスタークロックの周波数に合わせるためプルアップ/ダ
ウンする必要があります。このクロック周波数の調整値を“offset(オフセット)”と呼びます。
ハードウェアクロックは“pull range(調整範囲)”と呼ばれる、限られたオフセット値しかサポートで
きません。調整範囲を超えるとスレーブクロックはマスタークロックとの同期がはずれ、自動的に
ミュートされます。
通常ソフトウェアのクロックはアルゴリズムを使用して、内部カウンターからクロックを得ています。
ソフトウェアクロックについてはオフセット値の制限はありません。
オフセットの急激な変化はスレーブクロックにおいてマスタークロックとの同期が外れる原因にもな
ります。
スレーブクロックのオフセットに影響して不安定性を誘発する原因は下記のようにさまざまです。
ネットワークリンクのオーバーロード
不完全に実装された EEE (Energy Efficient Ethernet)
マスタークロックが公称周波数で駆動していないなど、正確でない外部ワードクロックで駆動して
いる。
ヒストグラムについて
ヒストグラムの水平軸はクロックの公称周波数に対する周波数オフセットの計測分布です。単位は、
100 万分の 1(ppm)です。水平軸の 0 地点はクロックの公称周波数に相当します。(クロックを駆
動させたい周波数 – 例:98kHz)
垂直軸は各データ地点で記録された計測数が対数目盛で表示されます。
計測はほぼ毎秒ごとに行われ、ヒストグラムは継続的にアップデートされます。
機器を選択するには最上部のドロップダウンメニューをクリックします。
ヒストグラムをクリアするには、Clear をクリックします。
Save をクリックすると、現在のデータのスクリーンショットを png 形式で保存します。