User Manual

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Y-S3 スピーカシステムデザインガイド
直接音と反射音
カバーエリアの確認
次に、このスピーカが、アレイ全体として適切なエリアをカバーしているかどう
かをチェックする。Y-S
3
上では、 をクリックして Array Mode に切り替えると、
アレイ全体によるコンター図が表示される。下図に Splay angle 50.0 のときの結
果を示す。この図を見ると、現在のアレイ設定で客席内の主要部分となる中央付
近をカバーできていることが確認できるが、一方、1kHz のコンターでは複数スピ
ーカからの音の干渉によって生じる音圧分布の谷間が観測される。
カバーエリアのチェック(左250Hz中:1kHz右: 4kHz1/1 Oct.Band
音圧分布の確認
周波数帯域による音圧分布の違い
続いて、複数スピーカ間の位相干渉による影響を確認する。Y- S
3
上では、 をク
リックして SPL モードに切り替えると、音圧分布のカラーマップが表示される。
250Hz 帯域の分布では、複数スピーカの干渉による音圧の谷間は現れていない。
これは対象周波数帯域の波長が 2 台のスピーカの間隔に比べて十分長いためであ
る。
1kHz 帯域の分布では、スピーカ間の干渉による音圧の谷間が観測される。この谷
間が許容されるかどうかは、設計の考え方によって変わるが、例えば、室の中央
付近ではその分布のばらつきは約 10dB 以内に収まっているため許容範囲である、
といった判断が可能である。