User Manual
VAV9670
JA
保 証 書 付
パワーアンプリファイアー
取 扱 説 明 書
このたびは、ヤマハパワーアンプリファイアー
PA2120
をお買い求めいただきありがとうございます。
PA2120
のさまざまな機能を十分にご活用いただくために、ご使用の前にこの取扱説明書を必ずお読みくだ
さい。また、お読みになったあとも、大切に保管してください。
•
この取扱説明書に掲載されているイラストは、すべて操作説明のためのものです。
•
本書に記載されている会社名および商品名等は、各社の登録商標または商標です。
特長
•
ハイインピーダンス接続とローインピーダンス接続のスピーカー接続に対応
•
モノラル接続の場合、
2
つのゾーンのソース選択や音量を独立してコントロール可能(ゾーニング)
•
スタンバイ中に入力信号を感知すると自動的に電源をオンにする「オートウェイクアップ」機能を搭載
•
コントロールパネル
DCP
シリーズを接続して、リモートコントロールが可能
•
ヤマハスピーカーに適した音質にチューニングする「スピーカー
EQ
」を内蔵
付属品(お確かめください)
•
電源コード(日本国内専用:
125V
まで)
•
ユーロブロックプラグ(
6
ピン×
1
、
3
ピン×
1
、いずれも
3.5mm
ピッチ)
• Technical Specification
(英語):ブロック図、寸法図、入出力仕様を記載しています。
•
取扱説明書(本書):保証書が裏面にあります。
オートスタンバイとオートウェイクアップ
省エネルギーのため、本製品は
25
分以上入力信号がないときは自動的に電源がスタンバイ状態になります。
オートスタンバイのオン
/
オフは
[
z
]
ボタンで設定できます。(→各部の名称と機能)
スタンバイ状態のときに入力信号を感知すると自動的に電源がオンになる「オートウェイクアップ」が用意
されており、マイク入力や
BGM
を入力すれば、電源オンの状態に復帰します。
オートウェイクアップは、初期設定ではオンになっています。オートウェイクアップのオン
/
オフはリアパ
ネルの[
SETUP
]ディップスイッチで設定できます。(→各部の名称と機能)
設置例
■
2
つのゾーンに複数のスピーカーを接続して使用する場合
(
MODE: MONO
)
BGM
ソース
DCP
(ゾーン
A
用)
DCP
(ゾーン
B
用)
ゾーン
B
:
7.5W
×
10
本=
75W
ゾーン
A
:
15W
×
6
本=
90W
■
ステレオ
2
チャンネルで使用する場合
(
MODE: STEREO
)
BGM
ソース
DCP 120W
×
2
本(ステレオ
2
チャンネル)
ユーロブロックプラグの取り付け
例([
REMOTE
]端子に接続する場合)
1 2 3 4
ゆるめる
締める
マイナス
ドライバー
約
5mm
(約
0.2"
)
端子ネジ
ユーロブロックプラグ
NOTE
•
付属のユーロブロックプラグを必ず使用してください。紛失した場合は、ヤマハ修理ご相談センターにお問い
合わせください。
•
ユーロブロックプラグに取り付けるケーブルには、より線を使用し、図のようにむき出して配線してください。ま
た、ユーロブロックでの配線は、ケーブルの重さや振動による金属疲労により、より線が切れやすくなる場合があ
ります。ラックマウント時は、できるかぎり束線バーなどを使用してケーブルを結束して固定してください。
•
より線には、はんだめっきしないでください。
1
端子ネジをゆるめる。
2
ケーブルを差し込む。
3
端子ネジをしっかりと締め付け、ケーブルを少し引っ張り抜けないことを確認する。
4
ユーロブロックプラグを本機の端子に取り付ける。
スピーカーケーブルの接続
リアパネルにある[
SPEAKERS
]出力端子は、プラグやケーブル芯線をねじで固定するバリアストリップタ
イプです。
Y
型プラグを使った接続と、芯線がむき出しの場合の接続を説明します。
注意
•
スピーカーケーブルに荷重がかからないように設置してください。
•
本機はアンプ出力に
BTL
(
Balanced Transformer Less
)接続の方式を採用しています。プラスマイナスそれぞれの端子
にアンプ出力が接続されるため、他の端子やシャーシとの接触は故障の原因になりますのでご注意ください。
NOTE
アンプとスピーカーの+
/
-を一致するように結線してください。逆にすると位相が反転するため、音が正しく
出ません。
Y
型プラグの場合
ネジをゆるめ、
Y
型プラグを奥まで差し込み、
プラグが脱落しないようにネジを締め付け
ます。
≦
5.8mm
(≦
0.23"
)
≧
3.2mm
(≧
0.13"
)
芯線がむき出しの場合
ネジをゆるめ、芯線をバリアストリップ端子に巻きつけ、
ケーブルが脱落しないようにネジを締め付けます。芯線
がシャーシに当たらないように注意してください。
*
実寸法
15mm
*
(
0.6"
)
スピーカーケーブル
シャーシに
当たらない
こと
外部機器の接続
本機の電源がオフの状態で、
BGM
チューナー、
CD
プレーヤー、ポータブルオーディオプレーヤーなどを、
本機の[
INPUT
]端子に適切なケーブルを使って接続します。接続がすべて終わってから、電源コードをコ
ンセントに挿します。
警告
電源コードをコンセントに挿したときに入力信号を感知すると、初期設定ではオートウェイクアップ機能が働き本機の電源
が自動的にオンになります。また、オートスタンバイ機能をオフにしている場合は、電源コードをコンセントに挿したとき
に本機の電源が自動的にオンになります。急に音声が出るのを防ぐために、必ずすべての機器の電源がオフの状態でマイク
や外部機器を接続してください。
PA2120
リアパネル
RCA
ユーロブロック
NOTE
ユーロブロックプラグの取り付け方法は、「ユーロブロックプラグの取り付け」をご参照ください。
コントロールパネルの接続
ヤマハデジタルコントロールパネル
DCP1V4S
、
DCP4S
、
DCP4V4S
を
PA2120
に接続すると、離れた場
所から音量の調節ができます。コントロールパネルは、最大
2
台まで接続できます。また、
PA2120
から末
端のコントロールパネルまでの合計ケーブル長は、最長
800m
(
24 AWG
)です。
NOTE
DCH8
を経由して接続する場合は、最遠のコントロールパネルまでの距離が
200m
(
DCH8
の制限)となります。
距離が必要な接続の場合は、
DCH8
を使用せずに、ディジーチェーン接続をおすすめします。
2
台接続する場合の注意点:
•
デイジーチェーン接続する
•
パネル
ID
を別々に設定(
0
または
1
)
• 2
台めのディップスイッチ
4
をオンにする(終端設定)
• Ethernet
のケーブル長は、合計で
800m
以下(
24 AWG
)
1
ON
2 3 41
ON
2 3 4
1 2 3
1
1 2 3
0
1 2 3
2
1 2 3
3
1 2 3
4
1 2 3
5
1 2 3
6
1 2 3
7
1
ON
2 3 4
RJ-45
リアパネル リアパネル
PA2120
リアパネル
Ethernet CAT5e
以上
ストレートケーブル
(合計
800m
以下(
24 AWG
))
ヤマハ
デジタルコントロールパネル
ディップスイッチを
オン(終端設定)
(
2
台接続するときは、
2
台めのみ)
パネル
ID
を指定 パネル
ID
を指定
コントロールパネルのパネル
ID
■
コントロールパネルで操作できる機能
DCP1V4S
エンコーダー スイッチ3 スイッチ
4
ボリュームコントロール エンコーダーの操作対象:
SPEAKER A
エンコーダーの操作対象:
SPEAKER B
DCP4S
スイッチ1 スイッチ2 スイッチ3 スイッチ
4
音量アップ:
SPEAKER A
音量ダウン:
SPEAKER A
音量アップ:
SPEAKER B
音量ダウン:
SPEAKER B
DCP4V4S
エンコーダー3 エンコーダー4
ボリュームコントロール:
SPEAKER A
ボリュームコントロール:
SPEAKER B
NOTE
•
記載されていない操作子は機能しません。
•
コントロールパネルで操作した設定は、コントロールパネルの接続を外してもそのまま保持されます。
REMOTE
端子の使いかた(ユーロブロック
3
ピン)
リアパネルの[
REMOTE
]端子にスイッチを接続して、離れたところから[
SPEAKERS
]端子と[
THRU
OUT
]端子からの出力のミュートのオン
/
オフや電源のスタンバイ
/
オン切り替えができます。[
REMOTE
]
端子は、左から
M
(ミュート)、
S
(スタンバイ)、
G
(グラウンド)の順で構成されています。
[
REMOTE
]端子への接続には、ユーロブロックプラグを使用します。ユーロブロックプラグの接続方法は、
「ユーロブロックプラグの取り付け」をご参照ください。
全チャンネルのミュートをオン
/
オフする場合
電源のスタンバイ
/
オンを切り替える場合
ミュートをオンにする ミュートをオフにする 電源をスタンバイにする 電源をオンにする
NOTE
•
[
REMOTE
]端子でスタンバイ状態になっているときは、フロントパネルの[z]ボタンや、信号の入力による
オートウェイクアップでは電源がオンになりません。[
REMOTE
]端子からの操作でのみ電源がオンになりま
すのでご注意ください。
•
[
REMOTE
]端子でミュート状態になっているときは、フロントパネルの[
z
]ボタンが緑色で点滅します。
接 続 資 料
ハイインピーダンス接続とローインピーダンス接続
ハイインピーダンス接続とは、スピーカーシステムにスピーカートランスを取り付けることでインピーダン
スを数百Ωから数
k
Ωに上げてパワーアンプと接続する方式です。ローインピーダンス接続に比べて、はる
かに少ない電流でスピーカーシステムを駆動できるので、多数のスピーカーシステムが接続できます。また、
長距離伝送でも、ケーブルの抵抗がスピーカーシステムのインピーダンス値に対して無視できるくらいの値
になるため、電気信号の伝送ロスがほとんどありません。ハイインピーダンス接続した場合のパワーアンプ
側の最大出力電圧は、
100V
または
70V
で動作させるのが一般的です。
ローインピーダンス接続はスピーカートランスを使用せず、スピーカーシステムの定格インピーダンス
(
4
~
16
Ωが一般的)のままパワーアンプと接続する、オーソドックスな方式です。短距離伝送でケーブル
の抵抗を無視できる範囲であれば、スピーカートランスを使用し
ないローインピーダンス接続の方が
、
ハ
イ
インピーダンス接続よりも音質的に有利です。
それぞれの接続方式の違いなどを説明します。
■
駆動できるスピーカーシステム数の違い
ハイインピーダンス接続の場合
使用するスピーカーシステムの定格入力の合計値がパワーアンプの出力値以内に収まっている限りは、何台
でもスピーカーシステムを並列接続できます。スピーカーシステムの定格入力はスピーカーシステムと使用
するスピーカートランスの設定で決まります。異なる定格入力のスピーカーシステムを混在させて接続する
こともできます。また、定格入力を変更できるスピーカーシステム(ヤマハ
VXC
シリーズ、
VXS
シリーズなど)
では、定格入力を変更することで、スピーカーごとの音量を変更できます。
10W 10W 10W 10W 10W
スピーカートランス
70V/100V
ローインピーダンス接続の場合
ローインピーダンス接続で、
1
チャンネルに対して複数のスピーカーシステムを接続する場合は、次の方法
があります。
並列接続
同じインピーダンスのスピーカーシステムを並列接続した場合、スピーカーシステム全体の総合インピーダ
ンスは
1
本あたりのスピーカーシステムのインピーダンスを台数で割った値になります。
4
Ω
接続不可
8
Ω
8
Ω
8
Ω
総合インピーダンス=
4
Ω
直列接続
直列接続の場合、スピーカーシステム全体の総合インピーダンスは各スピーカーシステムのインピーダンス
の和になります。ただし、仮にひとつのスピーカーシステムが故障した場合、そこで電気信号がせき止めら
れてしまうため他のスピーカーシステムにも影響を与えてしまいます。
電気信号不通
故障
音が出ない
総合インピーダンス=
8
Ω
4
Ω
4
Ω
ラックマウント時の注意
この機器が動作保証する室温は
0
~
40
℃です。この機器を複数台または他の機器と一緒に
EIA
標準のラッ
クにマウントする場合、各機器からの熱でラック内の温度が上昇し、十分な性能を発揮できないことがあり
ます。この機器に熱がこもらないように、必ず以下の条件でラックにマウントしてください。
•
この機器を複数台マウントする場合や、他の機器と一緒にマウントする場合は、機器
1
台ごとに
1U
以上
のすき間を空けてください。
また、このすき間は通風パネルを取り付けたり、開放したりして、十分な通気を確保してください。
•
ラックの背面を開放して、ラックを壁や天井から
10cm
以上離し、十分な通気を確保してください。ラッ
クの背面を開放できない場合は、ラックに市販のファンキットなどの強制換気用装置を設置してください。
ファンキットを取り付けた場合は、ラックの背面を閉じた方が放熱効果が大きくなることもあります。
詳しくはラックおよびファンキットの取扱説明書をご参照ください。
1
主な仕様
出力
(
20
ミリ秒バースト、
THD+N
=
1%
)
アンプモード=
3
Ω
100W
×
2ch
アンプモード=
4
Ω
120W
×
2ch
アンプモード=
8
Ω
100W
×
2ch
アンプモード=
70V/120W 120W
×
2ch
アンプモード=
100V/120W 120W
×
2ch
アンプモード=
70V/200W 200W
×
1ch
アンプモード=
100V/200W 200W
×
1ch
増幅方式
Class D
全高調波歪率 ライン入力からスピーカー出力、
ハーフパワー
@1kHz
アンプモード=
3
Ω、
4
Ω、
8
Ω
≦
0.2%
ライン入力からスピーカー出力、
ハーフパワー
@1kHz
アンプモード=
70V
、
100V/120W
≦
0.2%
ライン入力からスピーカー出力、
ハーフパワー
@1kHz
アンプモード=
70V
、
100V/200W
≦
0.2%
周波数特性 ライン入力からスピーカー出力、
50Hz
から
20kHz
まで、
1W
出力
アンプモード=
3
Ω、
4
Ω、
8
Ω
0dB
、
-3.0dB
、
+1.0dB
ライン入力からスピーカー出力、
90Hz
から
20kHz
まで、
1W
出力
アンプモード=
70V
、
100V/120W
0dB
、
-3.0dB
、
+1.0dB
ライン入力からスピーカー出力、
90Hz
から
20kHz
まで、
1W
出力
アンプモード=
70V
、
100V/200W
0dB
、
-3.0dB
、
+1.0dB
ライン入力からスルー出力、
20Hz
から
20kHz
0dB
、
-2.5dB
、
+1.0dB
電源条件
100V
、
120V
、
230V-240V 50Hz/60Hz
(
*1
)
*1
定格電源電圧の±
10%
の電圧で動作することを確認しています。
消費電力 スタンバイ状態
アンプモードによらない
≦
1W
アイドル状態
アンプモード=
3
Ω、
4
Ω、
8
Ω
15W
アイドル状態
アンプモード=
70V
、
100V
20W
1/8
出力、ピンクノイズ
アンプモード=
4
Ω
60W
1/8
出力、ピンクノイズ
アンプモード=
70V/120W
60W
設置条件、ラックマウント条件 上下の通風確保し、ラックマウント可能
(ラックマウント時は上下
1U
以上の隙間をあけること)
使用温度
0
℃
to +40
℃
保存温度
-20
℃
to +60
℃
外形寸法(
W
×
H
×
D
)
480mm
×
44mm
×
351mm
(突起部含まない)
質量
4.8kg
付属品
AC power cord
(
2.0m
)×
1
、
3.5mm Euroblock plug
(
6pin
)×
1
、
3.5mm Euroblock plug
(
3pin
)×
1
、
Owner's Manual
×
1
、
Technical Specification
×
1
別売オプション
Digital Control Panel
(
DCP1V4S-US/EU
、
DCP4V4S-US/EU
、
DCP4S-US/EU
)
仕様および外観は、改良のため予告なく変更することがあります。