User Manual
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MOX の注目すべき特長の1つに、鍵盤の弾き心地の良さがある。
MOX8に搭載されたピアノタッチのGHS 鍵盤はもちろんのこと、MOX6
の新開発セミウェイテッド鍵盤は、Gakushiも“61鍵シンセでここまで弾
きやすいのはすごい”と驚きの声を上げるほどの出来映え。“音色ともうま
くリンクしていて、弾いてて「いいぞ!」っていうのをすごく感じます”。
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さまざまなソフトウェアが付属し、高い連携性の下に活用できるのも
MOXシリーズの魅力。専用エディターやDAWソフトCubase AIをはじめ
として、楽器もシーケンサーもハードウェア派を自認するGakushiが太鼓判
を押したオルガン音源YC-3B(右画面)、“アクや主張もあるけど、アンサ
ンブルにうまくなじみます”というシンセ音源 Prologueがバンドルされている。
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インタビュー中でGakushiが何度も言及しているパフォーマンスクリエイ
ターは、MOXの使い勝手を飛躍的に高めている注目の機能。例えばボイ
スモードでLAYERボタンを押し、レイヤーしたい音色を選ぶと瞬時にパフォ
ーマンス(音色セット)を作成できる。同様にスプリットや、ドラム・パート
を重ねたパフォーマンスの作成(DRUM ASSIGN)も簡単に行うことが
可能。演奏の手を休めずに幅広い音作りを楽しめる、うれしい機能だ。
「Le_t Go」について
MOX本体だけでここまで作れるんだ、というところを体感してほしいです
「ドラムに関しては、普段 R&B /ブラック系の
音楽をやっていて、特に生ドラム系の音色になか
なか満足できないことが多いんです。だいたいス
ネアのピッチが低くてロック/ポップスっぽくなっちゃ
うんですけど、MOXに入っている音はその悩み
を解消してくれました。今回の曲では、Power
いましたよ。オルガンといえば、付属のソフトウェ
ア音源YC-3Bもかなり気に入りました。使いやす
くて動作も軽いし、グリスしても音がグチャグチャ
になったりしない。今までソフト音源はあまり使って
こなかったんですけど、こんなに良いんだ!とびっ
くりしました。
僕はギタリストがいない現場で歪み系
のギター・パートを弾くことがけっこう多いので、ディ
ストーションの音は注意深くチェックします。MOX
には、シミュレーターっぽくない感じで豊かに歪む
音があって、バッチリだなと思いました。フィードバッ
クも良い感じで出せるのでよく使っています。
Standard Kit 1という音色を使っています。逆
にベースはシンベでやってみようと思って、モーグ
的な低音感で下を支えてくれるFat Sineという音
色を選びました。ドラムもベースも、ちょっとした音
の違いでグルーブが変わってしまいますけど、今
回はすごく良い音が見つかったと思います。
メロディを弾いているエレピの音色はNatural
Wurliy、バッキングの生ピアノはFull Concert
Grand。どちらもプリセットそのままで使いました。
サビで出てくるオルガンはFullyです。
ブラスはBright Section。普段ならパフォーマ
ンスを組んで使うところですけど、ここではソング・
モードなので素の音色です。スパッと切れる感じ
僕自身けっこう打ち込みもやるんです
けど、シーケンサーは今でもハードウェア派なんで
す。ハードでやる楽しさが好きなので、MOXの
シーケンサーもスムーズに使えました。リアルタイム
録音が全くストレスなくできただけでなく、普段は
やらないステップ録音も試してみたらとても簡単に
できました。これならビギナーでもすぐにトラックを
作れますね。まさにオールイン・ワンだと思いました。
やはり最初に話したパフォーマンスクリ
エイター機能がポイントですね。僕は特にピアノと
ストリングスをレイヤーして使うことが多いんですけ
ど、それが瞬時にできるだけでなく、2つの混ざり
具合いをノブで調整することもすぐにできます。最
初は素のピアノの音で始まって、途中から徐々に
ストリングスを足していって盛り上げる、というよう
な使い方が簡単にできるのはうれしいです。ちょっ
で、とても気に入っています。
後半で味付け程度に鳴らしているシンセは、
MOXの中でも特に好きなStraight RBという音
で、サビのバックにも薄く入れています。プリンス
の2 年前くらいのアルバムにけっこう入ってたなと
思うような音で、普段のセッションでもよく使います。
この音だけはソリッド感を増やそうと思って、少し
違うノコギリ波を足しました。
全体のバランスは、弾いているときのベロシティ
でほぼそろえてあるので、最後に微調整したくら
いです。とにかく素の音をメインにして、本体だ
けで作った音でもこんなにすごいんだ、というのを
体感してもらえるように作りました」
とした操作の加減で、思いもしなかった面白い音
色を作れる可能性もありますね。シンガーと僕だ
けみたいなシチュエーションではスプリットもよく使う
ので、このパフォーマンスクリエイター機能は重宝
します。あと、僕はけっこうキーボードをたくさん積
むのが好きなので、軽いというのも良いですね。
車を持っていないころは61 鍵のキーボードでもカ
ートに載せて運んでいましたけど、これならリュッ
クみたいに背負えてしまうのは魅力です。
ブラスのようにMOTIF XFよりも好き
な音色があるというのは大きいし、さらに探ればそ
ういう音色はまだまだあると思います。ロックやポッ
プスなど全般に使えると思いますけど、僕が専門
とするR&B系の音楽には絶対欠かせない1台で
すね。こんなに軽くて値段も手ごろで、これだけ
のクオリティのシンセってほかにないと思います。
値段を超えた魅力が詰まった1台です
http://jp.yamaha.com/mp/
Demo Sound
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