User Manual
コンテンポラリーな音楽を制作するためのプロ
フェッショナル向けワークステーションです。(武田)
さまざまなフレーズ=MOTIF(モチーフ)を組
み合わせて音楽制作を行うという、使い方の形態
からきています。“この楽器を弾くことで、どんどん音
楽のモチーフが生まれてきた”と言っていただける
ことを願って付けました。(武田)
先進的かつクールで、プロフェッショナルな堅固
さを兼ね備えたもの。使いたい機能にすばやく行き
着けるダイレクト・スイッチ、ノブ、スライダーを分かり
やすく配置することで、タッチパネル以上の操作性
を実現しようと考えました。(武田)
サウンド・エンジンは、先行モデルのS80で好評
でしたので、それをベースに演奏だけでなく制作に
使える音を補強するというごくごく自然な流れで開
発されました。ノーマル音色、ドラム音色、サンプリ
ングを、同じ音源チップ上で同居させる上で、整
合性のとれたパラメーターを決定するに際しては、
“フレーズ・ファクトリー”です。音のみならず、リア
ルでクールなフレーズを次々と生み出し、それをつ
なげて、音楽のスケッチが簡単にできるようにする、
というプロ向けのワークステーションです。(井出)
シンセサイザーの開発期間中はもとより、製品が
リリースされた後も、実際のライブ/制作現場での
世界中のトップ・アーティストの意見・要望を取り入
れ、波形や音色データをはじめ、サウンド・エンジン
のブラッシュアップの努力は絶え間なく行っていま
す。特に“鍵盤と音とのマッチング”にはとことんこだ
わり、“鍵盤を弾いていて、自分の意図どおりにコン
トロールできる”ような合わせ込みは入念に行って
議論を重ねましたね。(武田)
初代MOTIFということで、音色開発にも気合
が入っており、ほぼ全面的に力を入れてやり切っ
た感じです。どの音色にも、どの音色ジャンルにも
愛着があります。あえて言えば、エレピ(ローズ系)
と小規模ストリングス系とドラムです。アコピの音に
力を入れていないということではなく、もともとヤマハ
に十分な力があったので、ほかの音色よりは時間
がかかりませんでした。(大貝)
CS1x、 S80と歴代のシンセサイザーでアルペジ
エーターを発展させてきましたが、その中で“フレー
ズ制作のツール”“音色の紹介フレーズとしての
働き”“音色の動きの一部”の3つの点で手応え
のある結果が得られていました。それを、MOTIF
でさらに充実させるようにしました。(大貝)
シンセサイザーではCS6X/S80から採用されて
いて、自然の流れだったと思いますが、アンサンブ
ル演奏をするにも、制作をするにもAWM2音源だ
います。(坂本)
“キーボードメガボイス”を搭載したこと。ギター
やベースをはじめとしたMIDIの打ち込みが難しい
楽器も簡単にリアルな音が出せ、もちろん手弾きで
もホンモノの楽器に負けない演奏ができるように仕
上げました。“MOTIF”の楽器名に相応しく、曲
作りのモチーフをインスパイア、アシストできるような
便利な機能です。(坂本)
MOTIFのサウンドについては、やはり単純に
MOTIFの後継モデルだったから。進化した快適
な環境で使えるよう、既存のMOTIFユーザーに
けでは表 現できない音 色 素 材はあるし、同じ
AWM2音源でも、本体のメモリーには限界があっ
て、もっと多彩で新しい音素材を、というミュージシャ
ンの欲求に答えるために、採用しました。(武田)
MOTIFには素材としての、使える音、使えるフ
レーズがぎっしり詰まっていますが、そこからインスパ
イアされたミュージシャンが新たなフレーズを素早く
作り出し記録していける音楽制作ツールとして、通
常のフレーズ・シーケンサーや進化したアルペジ
エーターと、サンプリングとの組合せをシームレスに
行えるように考えました。(武田)
ユーザー・インターフェースの決定には、試作前
の段階で、実物大のパネル・スイッチの絵をボール
紙に貼り付けて、アメリカに行き、ミュージシャンをは
じめとして関係者に印象を聞きました。音色につい
ても先行モデルのS80をもとに制作過程でも使える
音になっているかの実験を行うなど、あくまでユー
ザーの評価を判断の基準として、製品を世に送り
出すことを心がけました。(武田)
も安心して使っていただきたかったからです。S90
のサウンドについては、ライブ演奏で活躍しているS
のサウンドを制作でも使えるようにという試みからで
す。冒頭に述べました“フレーズ・ファクトリー”の
幅、可能性を広げることが目的でした。(井出)
MOTIF ESは、デザイン、ユーザー・インター
フェースはMOTIFとほぼ同じですが、中身は根
本的に違います。それもあって、全く違うワークス
テーションにするという案もあり、後継か、新規かの
岐路に立ちました。結果、MOTIFのコンセプトを
育てていくという方向を取りました。それにより、
MOTIFというブランド定着させるため、デザインと
ユーザー・インターフェースはあえて初代にそろえま
した。(井出)
MOTIF
MOTIF ES
初代モデルの音色の開発は気合を入れてやり切りました
フレーズ・ファクトリーの幅を広げることが目的でした
担当プロデューサー
武田文光 /
コンテンツ担当
大貝洋一郎
担当プロデューサー
井出健介 /
コンテンツ担当
坂本崇
開発者の言葉で紐解くシリーズ誕生秘話
MOTIF Maker Interview
5