シンセサイザーパラメーターマニュアル JA はじめに このマニュアルは、ヤマハの AWM2 音源を搭載したシンセサイザーでよく用いられるパラメーターや用語 について説明しています。 このマニュアルは、製品固有のマニュアルと合わせてお読みいただくことを想定して作っています。 まずは製 品固有のマニュアルをお読みいただき、パラメーターや用語についてさらに詳しく知りたい場合にこのマニュ アルをご活用ください。 ヤマハのシンセサイザーをより深く理解するためにご利用いただければ幸いです。 お知らせ このマニュアルの著作権はすべてヤマハ株式会社が所有します。 本書に記載されている会社名および商品名等は、各社の登録商標または商標です。 このマニュアルで説明している機能やパラメーターには、お使いの製品に搭載されていないものもあります。 このマニュアルは、本書制作時 (2010 年 10 月時点 ) での最新情報に基づいて説明しています。 JA
目次 1 ボイスパラメーター . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 1-1 基本的な用語 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 1-1-1 定義 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 1-2 シンセサイザーパラメーター . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1-2-1 Oscillator ( オシレーター ) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1-2-2 Pitch ( ピッチ ) . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2-3 3 エフェクトパラメーター . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2-3-1 A ............................................. 2-3-2 B ............................................. 2-3-3 C ................................................ 2-3-4 D ............................................. 2-3-5 E.............................................. 2-3-6 F .............................................. 2-3-7 G ............................................. 2-3-8 H ..............................
ボイスパラメーター 1 ボイスパラメーター 1-1 基本的な用語 1-1-1 定義 ボイス 電子楽器に内蔵されている楽器音色のことです。 ボイスには以下の 2 種類があります。 ノーマルボイス ドラムボイス ノーマルボイス 主に音階演奏に使用する楽器音色のことです。 キーボード演奏により各鍵盤に合ったピッチで発音します。ノーマルボイス は複数のエレメントで構成されています (「エレメント」を参照 )。 ドラムボイス ドラム専用の特殊なボイスのことです。 ドラムボイスは、リズムセクションを演奏するために用意された打楽器音を 中心としたさまざまな音色やウェーブを、各鍵盤に割り当てたものです。ド ラムボイスはドラムキットとも呼ばれます。 C0 C1 C6 図 1: 鍵盤ごとに異なる打楽器 (C0 〜 C6) エレメント ノーマルボイスを構成する要素のことで、音作りの最小単位です。 エレメントは、音の素材であるウェーブにボイスパラメーターを適用して作 ります。複数のエレメントを組み合わせることで 1 つのノーマルボイスを作 ります。 ドラムキー ドラムボイスを構成する要素のこ
ボイスパラメーター GM 1-2 音源の音色配列や MIDI 機能に関する一定の基準のことです。 この基準により、メーカーや機種が異なった音源でも、ほぼ同じ系統の音色 で演奏が再現されます。本体の GM ボイスバンクは、GM 対応のソングデー タがほぼ正常に再生できることを目的にしており、GM に完全に対応してい るわけではありません。 シンセサイザーパラメーター 1-2-1 Oscillator ( オシレーター ) 電子楽器の音源部を構成するユニットの 1 つで、サウンドの元になるウェーブフォーム ( 波形 ) を出力します。 このユニットでは主に以下の設定ができます。 音の素材になるウェーブフォームをノーマルボイスの各エレメント、またはドラムボイスの 各キーに割り当てます。 各エレメントの発音鍵域を設定します ( ノーマルボイスの場合 )。 ベロシティーの範囲を設定します ( ノーマルボイスの場合 )。 XA 機能 ( エクスパンデッドアーティキュレーション機能 ) のパラメーターを設定します。 Element Switch ( エレメントスイッチ ) XA Control
ボイスパラメーター Waveform Bank ( ウェーブフォームバンク ) Waveform Category ( ウェーブフォームカテゴリー )、 Waveform Number ( ウェーブフォームナンバー ) Assign Mode ( アサインモード ) ( ドラムボイスの場合 ) エレメントまたはドラムキー ( ドラムボイス ) のウェーブフォームバンクを 指定します。 Preset ( プリセット ) User ( ユーザー ): サンプリングモードで録音したサンプルを元に、ユー ザーウェーブフォームを作成できます。 ウェーブフォームカテゴリーとウェーブフォームナンバーを選択して、 エレメント ( ノーマルボイス ) またはドラムキー ( ドラムボイス ) に割り当 てるウェーブフォームを設定します。 発音中の音に対して、同じチャンネルで同じ音程のノートオン情報を続けて 受信したときの、音源側の発音方法を設定します。 Single ( シングル ): 先に発音された音をいったん止めてから再び音を鳴 らします。 Multi ( マルチ ): 発音中の音は鳴らしたまま重ね
ボイスパラメーター Velocity Limit ( ベロシティーリミット ) Note Limit ( ノートリミット ) エレメントが発音するベロシティーの、最低値と最高値を設定します。 ここで設定したベロシティーリミット内で、エレメントが発音します。 この設定により、たとえば、弱く弾いたときと強く弾いたときで異なるエレ メントを発音できます。 93 〜 34 のように最低値と最高値が逆になるような設定を行なった場合、 1 〜 34 と 93 〜 127 の範囲で発音します。 エレメントが発音する音域の最低音と最高音を設定します。 ここで設定した最低音と最高音の鍵盤範囲で、エレメントが発音します。 C5 〜 C4 のように最低音の方が最高音より音程が高くなるような設定を行 なった場合、C -2 〜 C4 と C5 〜 G8 の範囲で発音します。 1-2-2 Pitch ( ピッチ ) 電子楽器の音源部にあるオシレーターから出力された波形の音高をコントロールします。 ピッチユニットは、エレメントのチューニングやピッチ EG の設定など、ピッチに関する設定を コントロールします。エレメントごとにピッチ
ボイスパラメーター Pitch Key Follow Sensitivity Center Key ( ピッチキーフォローセンシティ ビティーセンターキー ) ピッチキーフォローセンシティビティーで基準となる鍵盤を設定します。 ここで設定したノートナンバーの鍵盤では、キーフォローセンシティビ ティーの設定に関係なく、通常の音が鳴ります。 E D F G + – A B C 図 2: ピッチキーフォローセンシティビティーとセンターキー A: B: C: D: E: F: G: 低音側 センターキー 高音側 音程変化の量 ピッチキーフォローセンシティビティー =+100% の場合 大きい 小さい 8
ボイスパラメーター 1-2-3 Pitch EG ( ピッチ EG: ピッチエンベロープジェネレーター ) ピッチ EG では、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の高さ ( ピッチ ) の時間的な変化 を作ります。下のグラフに示したパラメーターにそれぞれ値を設定し、ピッチ EG を作ります。 鍵盤を弾くと、ここで設定した EG に従ってボイスのピッチが変化します。 たとえば、シンセブラスなどに有効なオートベンド効果 ( ピッチが自動変化する効果 ) を演出で きます。 K D J 0 E L F G A M N H I C B 図 3: ピッチエンベロープジェネレーター A: B: C: D: E: F: G: H: I: J: K: L: M: N: 鍵盤を弾く ( キーオン ) 鍵盤を離す ( キーオフ ) 時間 ピッチ ホールドタイム アタックタイム ディケイ 1 タイム ディケイ 2 タイム リリースタイム ホールドレベル アタックレベル ディケイ 1 レベル ディケイ 2 レベル ( サステインレベル ) リリースレベル Hold Time ( ホールドタイ
ボイスパラメーター Decay 1 Level アタックレベルに達してから、次の変化の目標となるピッチです。 ( ディケイ 1 レベル ) Decay 2 Level ディケイ 1 レベルに達してから、次の変化の目標となるピッチです。 ( ディケイ 2 レベル ) Release Level 鍵盤を離してから、最終的に到達するピッチです。 ( リリースレベル ) EG Depth (EG デプス ) EG Depth Velocity Sensitivity (EG デプスベロシティー センシティビティー ) ピッチ EG によるピッチの変化幅を設定します。 0: 元のピッチのまま変化しません。 値が 0 から離れるほどピッチ変化の幅が大きくなります。 マイナスの値 : ピッチ変化の高低が逆になります。 ピッチ EG によるピッチの変化幅を、鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) に よって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 強いベロシティーでピッチ EG の変化幅が広くなり、弱いベ ロシティーでは狭くなります ( 図 4)。 マイナスの値 : 強いベロシテ
ボイスパラメーター EG Depth Velocity Curve 鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) によるピッチ EG の変化幅の増減の仕方を、 プリセットされている複数のカーブから選択します。 (EG デプスベロシティー カーブ ) D Y C A X B 図 6: ピッチ EG デプスベロシティーカーブ A: B: C: D: X: Y: EG Time Velocity Sensitivity (EG タイムベロシティー センシティビティー ) 弱い 強い 狭い 広い ベロシティー ピッチの変化幅 ピッチ EG によるピッチ変化の時間を、鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) に よって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 強いベロシティーでピッチ EG の変化が速くなり、弱いベロシティーで は遅くなります ( 図 7)。 マイナスの値 : 強いベロシティーでピッチ EG の変化が遅くなり、弱いベロシティーで は速くなります。 0: ベロシティーによるピッチ EG の変化はなくなります。 図 7: 鍵盤を強く弾いた場合 ( 強いベロシティー ): ピッチ変
ボイスパラメーター EG Time Key Follow Sensitivity (EG タイムキーフォロー センシティビティー ) EG Time Key Follow Sensitivity Center Key (EG タイムキーフォロー ピッチ EG のピッチ変化の速さを、鍵盤の高低によって増減する度合いを設 定します。 プラスの値 : ピッチ EG の変化が低音部ほど遅く、高音部ほど速くなります。 マイナスの値 : ピッチ EG の変化が低音部ほど速く、高音部ほど遅くなります。 0: 鍵盤の高低によるピッチ EG の変化はなくなります。 EG タイムキーフォローセンシティビティーの基準音を設定します。 ここで設定したキー ( ノート ) では、ピッチ EG で設定したピッチ変化の速 さがそのまま再現されます。 センシティビティーセン ターキー ) F C G +63 +30 D E -40 B A 図 9: ピッチ EG タイムキーフォローセンシティビティーとセンターキー A: B: C: D: E: F: G: センターキー 遅い 速い 低音 高音 プラスの値 マ
ボイスパラメーター 1-2-4 Filter ( フィルター ) 特定の周波数よりも高い ( または低い ) 周波数の信号を取り除くことで、音色を作り変えるため のユニットです。 このユニットでは、電子楽器の音源部でピッチユニットから出力された音声信号を処理します。 フィルターは、ある周波数までの信号は通過させますが、それ以上または以下の信号は通過させ にくくする働きがあります。その周波数をカットオフ周波数 ( フリケンシー ) といいます。カッ トオフ周波数の調整により、音の明るさを変えることができます。 フィルターのレゾナンスを調整して、音に独特のクセを付けて音色が変化する度合いをコント ロールします。 Cutoff Frequency ( カットオフ周波数 ) Cutoff Velocity Sensitivity ( カットオフベロシティー センシティビティー ) Resonance ( レゾナンス ) Width ( ウィズ ) Resonance Velocity Sensitivity ( レゾナンスベロシティー センシティビティー ) Gain ( ゲイン ) Cutoff Ke
ボイスパラメーター Cutoff Key Follow Center Key カットオフキーフォローセンシティビティーの基準音を示します。 ( カットオフキーフォロー センシティビティーセン E ターキー ) D F G + – A B C 図 10: カットオフキーフォローセンシティビティーとセンターキー A: B: C: D: E: F: G: Distance ( ディスタンス ) 低音側 センターキー =C3 高音側 カットオフの周波数変化の量 カットオフキーフォローセンシティビティー =100 の場合 大きい 小さい デュアルタイプのフィルター ( デュアル LPF、デュアル HPF、デュアル BPF、デュアル BEF)、および LPF12+BPF6 の、2 つのカットオフ周波 数の距離 ( 差 ) を設定します。 他のフィルタータイプが選択されている場合は機能しません。 HPF Cutoff Frequency HPF のカットオフ周波数を設定します。 フィルタータイプが LPF12+HPF12、LPF6+HPF6 の場合のみ、このパ ( ハイパスフィルターカット
ボイスパラメーター 1-2-5 Filter Type ( フィルタータイプ ) LPF ( ローパスフィルター ) 設定したカットオフ周波数よりも高い周波数の音をカットするフィルターです。 カットオフ周波数を上げるとパスする信号が多くなり音が明るくなります。 カットオフ周波数を下げると多くの信号がカットされるため音が暗くなりま す。レゾナンスを上げると、カットオフ周波数付近の信号が増幅 ( ブースト ) されて特徴的な音になります。 最も使いやすく、シンセサイザーの音作りに適したフィルターです。 Y C A Y A X B X 図 11: ローパスフィルター A: B: C: X: Y: LPF24D カットオフ周波数 レゾナンス 通過する部分 周波数 ( ピッチ ) 音量 デジタルならではのクセを持つ -24dB/oct の LPF 型ダイナミックフィル ターです。 LPF24A と比べ、レゾナンス効果が強く付けられます。 A B 図 12: LPF24D A: B: レゾナンス 通過する部分 15
ボイスパラメーター LPF24A アナログシンセの 4 ポール LPF(-24dB/oct) に近い特性を持つ、デジタル の LPF 型ダイナミックフィルターです。 LPF18 3 ポール (-18dB/oct) の LPF です。 LPF18s 3 ポール (-18dB/oct) の LPF です。 LPF18 に比べると、なだらかな周波数カーブを持っています。 HPF 設定したカットオフ周波数よりも低い周波数の音をカットするフィルターです。 レゾナンスを上げると、カットオフ周波数付近の信号が増幅 ( ブースト ) さ れて特徴的な音になります。 ( ハイパスフィルター ) Y C B X A 図 13: ハイパスフィルター A: B: C: X: Y: HPF24D カットオフ周波数 レゾナンス 通過する部分 周波数 ( ピッチ ) 音量 デジタルならではのクセを持つ -24dB/oct の HPF 型ダイナミックフィル ターです。 レゾナンス効果が強く付けられます。 A 図 14: HPF24D A: HPF12 レゾナンス -12dB/oct の HPF 型ダ
ボイスパラメーター BPF ( バンドパスフィルター ) 特定の周波数 ( カットオフ周波数 ) 付近の周波数帯域の信号を通過させ、そ れ以外の周波数帯域の信号をカットするフィルターです。 Y C B X A 図 15: バンドパスフィルター A: B: C: X: Y: BPF12D 中心周波数 カットされる部分 通過する部分 周波数 音量 デジタルならではのクセを持つ -12dB/oct の HPF と LPF を組み合わせた フィルターです。 Y A B B D X C 図 16: BPF12D A: B: C: D: X: Y: レゾナンス カットされる部分 通過する部分 -12dB/oct 周波数 音量 17
ボイスパラメーター BPF6 -6dB/oct の HPF と LPF を組み合わせたフィルターです。 A Y B B D X C 図 17: BPF6 A: B: C: D: X: Y: BPFw レゾナンス カットされる部分 通過する部分 -6dB/oct 周波数 音量 -12dB/oct の HPF と LPF を組み合わせたフィルターですが、通過させる バンド幅をより広く設定できます。 Y B B A C X 図 18: BPFw A: B: C: X: Y: この幅をより広く設定できる カットされる部分 通過する部分 周波数 音量 18
ボイスパラメーター BEF ( バンドエリミネートフィル ター ) バンドパスフィルターと逆の特性を持ったフィルターです。 カットオフ周波数付近の音をカットして、カットオフ周波数の上下の周波数 の音をパスします。 Y B X A C 図 19: バンドエリミネートフィルター A: B: C: X: Y: 中心周波数 カットされる部分 通過する部分 周波数 音量 BEF12 -12dB/oct のバンドエリミネートフィルターです。 BEF6 -6dB/oct のバンドエリミネートフィルターです。 Dual LPF -12dB/oct の LPF を 2 つパラレル ( 並行 ) に組み合わせたフィルターです。 2 つのフィルター間の距離を、ディスタンスで設定します。フィルターの特 性図は画面に表示されます。 ( デュアル LPF) A Y B X 図 20: デュアル LPF A: B: X: Y: Dual HPF ディスタンス 画面上では、低い方のカットオフ周波数を設定。高い方のカットオフ 周波数は低い方に連動する 周波数 音量 -12dB/oct の HP
ボイスパラメーター Dual BEF -6dB/oct の BEF を 2 つシリアル ( 直列 ) に組み合わせたフィルターです。 ( デュアル BEF) Y A X B 図 21: デュアル BEF A: B: X: Y: ディスタンス 画面上では、低い方のカットオフ周波数を設定。高い方のカットオフ 周波数は低い方に連動する 周波数 音量 LPF12+HPF12 2 ポール (-12dB/oct) の LPF と HPF を 2 つシリアル ( 直列 ) に組み合わ せたフィルターです。 HPF カットオフと HPF キーフォローセンシティビティーを設定できます。 LPF6+HPF6 1 ポール (-6dB/oct) の LPF と HPF を 2 つシリアル ( 直列 ) に組み合わせ たフィルターです。 HPF カットオフと HPF キーフォローセンシティビティーを設定できます。 LPF12+BPF6 -12dB/oct の LPF と -6dB/oct の BPF を 2 つパラレル ( 並行 ) に組み合 わせたフィルターです。 2 つのフィルター間の距離を、ディス
ボイスパラメーター 1-2-6 Filter EG ( フィルター EG: フィルターエンベロープジェネレーター ) フィルター EG では、タイムとレベルを設定して、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、 カットオフ周波数の時間的な変化を作ることができます。下のグラフに示したパラメーターにそ れぞれ値を設定し、フィルター EG を作ります。鍵盤を弾くと、ここで設定した EG に従ってボ イスのカットオフ周波数が変化します。 K D J 0 E L F G A M N H I C B 図 23: フィルターエンベロープジェネレーター A: B: C: D: E: F: G: H: I: J: K: L: M: N: 鍵盤を弾く ( キーオン ) 鍵盤を離す ( キーオフ ) 時間 カットオフ周波数 ホールドタイム アタックタイム ディケイ 1 タイム ディケイ 2 タイム リリースタイム ホールドレベル アタックレベル ディケイ 1 レベル ディケイ 2 レベル ( サステインレベル ) リリースレベル Hold Time ( ホールドタイム ) Attack Time
ボイスパラメーター Decay 1 Level アタックレベルに達してから、次の変化の目標となるカットオフ周波数です。 ( ディケイ 1 レベル ) Decay 2 Level 鍵盤を押さえている間、持続し続けるカットオフ周波数です。 ( ディケイ 2 レベル ) Release Level 鍵盤を離してから、変化の目標となるカットオフ周波数です。 ( リリースレベル ) EG Depth (EG デプス ) EG Depth Velocity Sensitivity (EG デプスベロシティー センシティビティー ) フィルター EG によるカットオフ周波数の変化幅を設定します。 0: フィルター EG によるカットオフ周波数の変化はなくなります。 値が 0 から離れるほどカットオフ周波数の変化の幅が大きくなります。 マイナスの値 : カットオフ周波数変化の高低が逆になります。 フィルター EG によるカットオフ周波数の変化幅を、鍵盤を弾く強さ ( ベロ シティー ) によって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 強いベロシティーでフィルター EG の変化幅が
ボイスパラメーター EG Depth Velocity Sensitivity Curve 鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) によるフィルター EG の変化幅の増減の仕 方を設定するカーブです。 (EG デプスベロシティー 図 26 のカーブの場合、中程度のベロシティーの広い範囲でカットオフ周波 センシティビティーカーブ ) 数の変化が少なく、逆にベロシティーが最も弱い部分と強い部分はカットオ フの変化が大きくなっています。 D Y C A X B 図 26: フィルター EG デプスベロシティーカーブ A: B: C: D: X: Y: EG Time Velocity Sensitivity (EG タイムベロシティー センシティビティー ) 弱い 強い 狭い 広い ベロシティー フィルター EG の変化幅 ( カットオフ周波数の変化幅 ) フィルター EG によるカットオフ周波数の変化の時間を、鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) によって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 強いベロシティーでフィルター EG の変化が速くなり、弱い ベロシティーでは遅くなります (
ボイスパラメーター EG Time Velocity フィルター EG のどの部分で EG タイムベロシティーセンシティビティーを Sensitivity Segment 有効にするかを設定します。 (EG タイムベロシティー センシティビティーセグメ ント ) EG Time Key Follow Sensitivity (EG タイムキーフォロー センシティビティー ) EG Time Key Follow Sensitivity Center Key (EG タイムキーフォロー フィルター EG のカットオフ周波数の変化の速さを、鍵盤の高低によって増 減する度合いを設定します。 プラスの値 : フィルター EG の変化が低音部ほど遅く、高音部ほど速くな ります。 マイナスの値 : フィルター EG の変化が低音部ほど速く、高音部ほど遅く なります。 0: 鍵盤によるフィルター EG の変化はなくなります。 EG タイムキーフォローセンシティビティーの基準音を設定します。 ここで設定したキー ( ノート ) では、フィルター EG で設定したカットオフ 周波数の変化の速さがそのまま再現
ボイスパラメーター 1-2-7 Filter Scale ( フィルタースケール ) フィルタースケールは、鍵盤 ( キー ) の高低によって、フィルターのカットオフ周波数を変化さ せる機能です。鍵盤を 4 つのブレークポイント ( ノートナンバー ) で分割し、各ブレークポイン トにカットオフ周波数を増減する値 ( オフセット値 ) を設定します。ブレークポイント以外の音 では、設定されたブレークポイント間を直線で結んだ周波数となります。 カットオフ周波数 =64 のときに表 1 と図 30 のように設定した場合、各ブレークポイントでの 周波数は以下のようにオフセット値を加算された値になります。 /i 表 1: 各ブレークポイントでのオフセット値 ブレークポイント 1 2 3 4 ノート C#1 D#2 C3 A4 オフセット -4 +10 +17 +4 Y 81 74 68 60 A B C D X 図 30: フィルタースケール A: B: C: D: X: Y: ブレークポイント 1 ブレークポイント 2 ブレークポイント 3 ブレークポイント 4 ノ
ボイスパラメーター 1-2-8 Amplitude ( アンプリチュード ) フィルターを通過したあとの信号の、音量に関する設定をするユニットです。ここで決められた 出力レベルでエフェクトユニットに出力されます (2 エフェクトを参照 )。 アンプリチュードエンベロープジェネレーター ( アンプリチュード EG) の設定によって、鍵盤を 弾いた瞬間から音が消えるまでの、音量の時間的な変化を作ります。 Level エレメントまたはドラムキーの音量を設定します。 ( レベル ) エレメントまたはドラムキーの音量を、鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) で 変化させる度合いを設定します。 ( レベルベロシティーセンシ プラスの値 : 鍵盤を強く弾いたときほど音が大きくなります。 ティビティー ) マイナスの値 : 鍵盤を弱く弾いたときほど音が大きくなります。 0: ベロシティーによる音量変化はなくなります。 Level Velocity Sensitivity 26
ボイスパラメーター Level Velocity Sensitivity Offset レベルベロシティーセンシティビティーで決定した音量を一律に増減します。 プラスした結果、値が 127 よりも大きくなる場合は、ベロシティーが 127 ( レベルベロシティーセンシ の音量になります。 ティビティーオフセット ) Y A 127 B 0 64 C 127 X 図 31: レベルベロシティーセンシティビティーオフセット = 0 Y A 127 B C 0 64 127 X 図 32: レベルベロシティーセンシティビティーオフセット = 64 Y 127 A B C 0 64 127 X 図 33: レベルベロシティーセンシティビティーオフセット = 96 A: B: C: X: Y: レベルベロシティーセンシティビティー = 0 レベルベロシティーセンシティビティー = 32 レベルベロシティーセンシティビティー = 64 鍵盤を弾いたときのベロシティー 実際に音源に送るベロシティー 27
ボイスパラメーター Level Velocity Sensitivity Curve 鍵盤を弾く強さ ( ベロシティー ) による音量の変化の仕方を設定します。 ( レベルベロシティーセンシ ティビティーカーブ ) D Y C A X B 図 34: レベルベロシティーセンシティビティーカーブ A: B: C: D: X: Y: 弱い 強い 小さい 大きい ベロシティー ( 鍵盤を弾く強さ ) 音量 エレメントの音量を、鍵盤の高低によって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 低音部の鍵盤を弾いたときほど音量が小さく、高音部の鍵盤 ( レベルキーフォローセンシ を弾いたときほど音量が大きくなります。 ティビティー ) マイナスの値 : 低音部の鍵盤を弾いたときほど音量が大きく、高音部の鍵 盤を弾いたときほど音量が小さくなります。 Level Key Follow Sensitivity Level Key Follow Sensitivity Center Key レベルキーフォローセンシティビティーの基準音となる C3 を表示します。 ( レベルキーフォローセンシ
ボイスパラメーター Alternate Pan ( オルタネートパン ) Random Pan ( ランダムパン ) Scaling Pan ( スケーリングパン ) 鍵盤を弾くたびに左右交互に音の定位が移動する度合い ( 変化の幅 ) を設定 します。 パンで設定した位置が定位の変化の中心となります。 設定値の数値が大きくなるほど、定位が左右に移動する幅が広くなります。 鍵盤を弾くたびに、ランダムに音の定位が移動する度合いを設定します。 パンで設定した位置が定位の変化の中心となります。 音の定位が、鍵盤の高低によって左右に変化する度合いを設定します。 パンの設定が C3 での定位となります。 プラスの値 : 低音部の鍵盤を弾いたときほど定位が左になり、高音部の鍵 盤を弾いたときほど右に移動します。 マイナスの値 : 低音部の鍵盤を弾いたときほど定位が右になり、高音部の 鍵盤を弾いたときほど左に移動します。 1-2-9 Amplitude EG ( アンプリチュード EG: アンプリチュードエンベロープジェネ レーター ) アンプリチュード EG では、タイムとレベルを設定して、鍵盤を弾いた
ボイスパラメーター Attack Time ( アタックタイム ) Decay 1 Time ( ディケイ 1 タイム ) 鍵盤を弾いてからアタックレベルで設定した音量に達するまでの時間を設定 します。 アタックレベルで設定した音量に達してから、ディケイ 1 レベルで設定した 音量に達するまでの時間を設定します。 ( ディケイ 2 タイム ) ディケイ 1 レベルで設定した音量に達してから、ディケイ 2 レベルで設定 した音量に達するまでの時間を設定します。 Release Time 鍵盤を離してから音が消えるまでの時間を設定します。 Decay 2 Time ( リリースタイム ) Initial Level 鍵盤を弾いた瞬間の音量を設定します。 ( イニシャルレベル ) Attack Level 鍵盤を弾いてから最初に変化する音量です。 ( アタックレベル ) Decay 1 Level アタックレベルに達してから、次の変化の目標となる音量です。 ( ディケイ 1 レベル ) Decay 2 Level 鍵盤を押さえている間、持続し続ける音量です。 ( ディケイ
ボイスパラメーター EG Time Velocity Sensitivity (EG タイムベロシティー センシティビティー ) アンプリチュード EG による音量変化の時間を、鍵盤を弾く強さ ( ベロシ ティー ) によって増減する度合いを設定します。 プラスの値 : 強いベロシティーでアンプリチュード EG の音量変化が速く なり、弱いベロシティーでは遅くなります ( 図 37 と図 38)。 マイナスの値 : 強いベロシティーでアンプリチュード EG の音量変化が遅 くなり、弱いベロシティーでは速くなります。 0: ベロシティーによる変化はなくなります。 図 37: プラスのセンシティビティー : 強いベロシティーの場合、音量変化が速くなる 図 38: プラスのセンシティビティー : 弱いベロシティーの場合、音量変化が遅くなる EG Time Velocity アンプリチュード EG のどの部分で EG タイムベロシティーセンシティビ Sensitivity Segment ティーを有効にするかを設定します。 (EG タイムベロシティー センシティビティーセグメ ント ) EG T
ボイスパラメーター EG Time Key Follow Sensitivity Center Key (EG タイムキーフォロー EG タイムキーフォローセンシティビティーの基準音を設定します。 ここで設定したキー ( ノート ) では、タイムで設定した音量変化の速さがそ のまま再現されます。 センシティビティーセン ターキー ) F C G +63 +30 D E -40 B A 図 39: アンプリチュード EG タイムキーフォローセンシティビティーと センターキー A: B: C: D: E: F: G: EG Time Key Follow Sensitivity Release Adjustment (EG タイムキーフォロー センシティビティーリリー スアジャストメント ) センターキー 遅い 速い 低音 高音 プラスの値 マイナスの値 EG タイムキーフォローセンシティビティーの EG リリースに対する感度を 調整します。 値を下げると感度が下がります。 +63: ディケイ 1、ディケイ 2 と同じ EG タイムキーフォローセンシティ ビティーになります。 -64
ボイスパラメーター 1-2-10 Amplitude Scale ( アンプリチュードスケール ) アンプリチュードスケールは、鍵盤 ( キー ) の高低によって、音量を変化させる機能です。鍵盤 を 4 つのブレークポイント ( ノートナンバー ) で分割し、各ブレークポイントに音量を増減する 値 ( オフセット値 ) を設定します。 ブレークポイント以外の音では、設定されたブレークポイント間を直線で結んだ音量となります。 レベル =80 のときに表 2 と図 40 のように設定した場合、各ブレークポイントでの音量は以下 のようにオフセット値を加算された値になります。 /i 表 2: 各ブレークポイントでのオフセット値 ブレークポイント 1 2 3 4 ノート C1 C2 C3 C4 オフセット -4 +10 +17 +4 97 Y 90 84 76 A B C D X 図 40: アンプリチュードスケール A: B: C: D: X: Y: ブレークポイント 1 ブレークポイント 2 ブレークポイント 3 ブレークポイント 4 ノート 出力レベル Bre
ボイスパラメーター 1-2-11 LFO ( ローフリケンシーオシレーター ) 音源部のローフリケンシーオシレーター (LFO) は、低周波の信号を発振するユニットです。 ピッチ / フィルター / アンプリチュードに対する変調 ( 周期的な揺れを与えること ) に使われま す。ピッチへの変調によって音の高さを揺らす効果 ( ビブラート )、フィルターへの変調によっ て音色を揺らす効果 ( ワウワウ )、アンプリチュードへの変調によって音量を揺らす効果 ( トレ モロ ) をつけることができます。 LFO は、すべてのエレメントに共通にかかるコモン LFO と、各エレメントにかかるエレメント LFO の 2 種類の設定があります。 LFO Wave ウェーブを選択して、LFO の揺れ方 ( 周期的な変化の仕方 ) を設定します。 (LFO ウェーブ ) Play Mode ( プレイモード ) LFO を繰り返し揺らせ続ける (loop) か、1 周期分揺れたところでストップ する (one shot) かを設定します。 ( スピード ) LFO の揺れの速さを設定します。 値が大きいほど揺れが
ボイスパラメーター Key On Reset ( キーオンリセット ) 鍵盤を押したときに LFO の発振がリセットされるかどうかを設定します。 Off ( オフ ): LFO の発振はリセットされず、鍵盤を弾きなおすたびに、毎 回鍵盤を弾いたときの位相から信号波形が始まります。 X A 図 42: キーオンリセットオフ A: X: キーオン 時間 Each-on ( イーチオン ): 鍵盤を弾くたびに LFO の発振がリセットされ、 波形の初期状態から信号波形が始まります。 X A B 図 43: キーオンリセットイーチオン A: B: X: キーオン (1 音め ) キーオン (2 音め ) 時間 1st-on ( ファーストオン ): 鍵盤を弾いたときに 1 音めは必ず LFO の発振 がリセットされ、波形の初期状態から信号波形が始まります。1 音めを ノートオフせずに 2 音めを弾いた場合、2 音めはリセットされません。 X A B 図 44: キーオンリセットファーストオン A: B: X: キーオン (1 音め ) キーオン (2 音め ) 時間
ボイスパラメーター Random Speed ( ランダムスピード ) LFO の揺れの速さをランダムに変化させます。 値を大きくするほど、スピード変化が大きくなります。 0: 元のスピードになります。 テンポシンク =On の場合は設定できません。 Delay ( ディレイ ) Fade-In Time ( フェードインタイム ) 鍵盤を弾いてから LFO の効果が始まるまでの時間を設定します。 値が大きいほど LFO の効果が始まるまでの時間が長くなります。 LFO の効果が徐々に深くかかっていく時間を設定します。 値が大きいほど LFO の効果が始まってから最大レベルになるまでの時間 が長くなり、ゆっくりと変化が大きくなっていきます。 0: LFO の効果はフェードインされず、すぐに最大値になります。 B D X C A 図 45: 低い値 : 速いフェードイン D B X C A 図 46: 高い値 : 遅いフェードイン A: B: C: D: X: キーオン 最大値 ディレイ フェードイン 時間 36
ボイスパラメーター Hold ( ホールド / ホールドタイム ) LFO の効果が最大レベルに達したあと、フェードアウトに移行するまでの 持続時間を設定します。 値が大きいほど持続時間が長くなります。 127: フェードアウトに移行しなくなります。 B C X A 図 47: ホールドタイム A: B: C: X: キーオン 最大値 ホールド 時間 37
ボイスパラメーター Fade-Out Time ( フェードアウトタイム ) 鍵盤を弾いてホールドで設定された持続時間を経過したのち、LFO の効果 が徐々に減衰して消えていく時間を設定します。 値が大きいほど LFO の効果が減衰していく時間が長くなり、ゆっくりと変 化が小さくなっていきます。 C D B X A 図 48: 低い値 : 速いフェードアウト C B D X A 図 49: 高い値 : 遅いフェードアウト A: B: C: D: X: Pitch Modulation Depth キーオン 最大値 ホールド フェードアウト 時間 LFO のウェーブでピッチを周期的に変化させ、ビブラートをかける設定です。 値が大きいほどピッチの変化幅が広くなります。 ( ピッチモジュレーション デプス ) Filter Modulation Depth LFO のウェーブでフィルターのカットオフ周波数を周期的に変化させ、ワ ウ効果をかける設定です。 ( フィルターモジュレーショ 値が大きいほどカットオフ周波数の変化幅が広くなります。 ンデプス ) Amplitude Modu
ボイスパラメーター LFO Element Switch セットごとに、各エレメントに対して LFO 信号での変調を有効にするか、 (LFO エレメントスイッチ ) 無効にするかを選択します。 Depth Offset ( デプスオフセット ) LFO Phase Offset (LFO フェーズオフセット ) コントロールデプスで設定した LFO 信号による変調の深さを、エレメント ごとに増減する設定です。 この設定によってコントロールデプスがマイナスになる場合は 0 に設定され ます。 この設定によってコントロールデプスが 128 以上になる場合は 127 に設 定されます。 LFO ウェーブがリセットされたときの初期位相を、エレメントごとに設定 します。 Y X 0 A 90 180 270 240 120 図 50: 波形の位相 A: X: Y: Template ( テンプレート ) Slope ( スロープ ) Cycle 位相 時間 音量 オリジナルの LFO 波形を作成するときの基になる波形を、あらかじめ用意 されたテンプレートの中から選びます。 現在表示されている
ボイスパラメーター 1-3 操作パラメーター 1-3-1 General ( ジェネラル ) ボイスバンク ボイスバンクはボイスが記憶されているメモリーです。 Category カテゴリーとは音色の種類や特徴を一目でわかるようにするためのキーワー ドです。 ボイスは、特定のカテゴリーに登録されています。 ( カテゴリー ) Assignable Function ASSIGNABLE FUNCTION [1] ボタンと [2] ボタンとが、ラッチタイプと 1 Mode / Assignable モーメンタリータイプのどちらで働くかを選びます。 Function 2 Mode Latch ( ラッチ ): ボタンを押すとオンになり、もう一度押すとオフになり ( アサイナブルファンクショ ます。 ン 1 モード / アサイナブル Momentary ( モーメンタリー ): ボタンを押している間だけオンになり、 ファンクション 2 モード ) 離すとオフになります。 リボンコントローラーの機能の仕方を設定します。 Reset ( リセット ): リボンコントローラーから指を離したときに
ボイスパラメーター Micro Tuning Root ( マイクロチューニングルー 音律の基準となる音を設定します。 音律によっては、基準音の設定が必要ないものもあります。 ト) Mono/Poly ( モノ / ポリ ) 発音方式を選択します。 Mono ( モノ ): 単音で演奏する状態です。 Poly ( ポリ ): 和音で演奏できる状態です。 レガート演奏をする際に「Mono」にするとなめらかな演奏を再現できます。 Key Assign Mode ( キーアサインモード ) 発音中の音に対して、同じ発音チャンネルで同じノートオン情報を続けて受 信したときの、音源側の発音方法を設定します。 Single ( シングル ): 先に発音された音をいったん止めてから再び音を鳴 らします。 Multi ( マルチ ): 発音中の音は鳴らしたまま重ねて発音します。 「Single」は、発音中の音に対して、同じ発音チャンネルで同じノートオン 情報を続けて受信する場合に便利です。また、「Multi」は、同一ノートを受 信したときに、次々とチャンネルを割り当てて複数発音させる設定です。
ボイスパラメーター 1-3-4 マイクロチューニングリスト Equal Temperament ( 平均律 ) Pure Major ( 純正律 ( 長調 )) Pure Minor ( 純正律 ( 短調 )) Werckmeist ( ヴェルクマイスター ) Kimberger ( キルンベルガー ) Vallot&Yng ( バロッティ & ヤング ) 1/4 shift (1/4 シフト ) 1/4 tone (1/4 トーン ) 1/8 tone (1/8 トーン ) 19 世紀に発明された音律で、12 のすべて等しい半音からなります。 このため転調も完全に自由になり、後期ロマン派から印象主義、12 音音楽 に至る西洋音楽の隆盛がもたらされました。 金管楽器の音律で、自然倍音を基準とするため、合奏時の和音はきれいな濁 りのないハーモニーとなります。 ただし移調の際にはルート音を変える必要があります。 演奏する際の調 (C 〜 B) を、マイクロチューニングルートに指定する必要 があります。 純正律 ( 長調 ) と同じ特徴を持ちます。ただし短調となります。 演奏する際の調 (C 〜
ボイスパラメーター 1-3-5 Arpeggio ( アルペジオ ) アルペジオとは、鍵盤を押さえるだけでさまざまなシーケンスが、その時点で選択されているボ イスで自動的に演奏される機能です。 ヤマハのシンセサイザーに搭載されているアルペジオは従来の分散和音などが中心だったアルペ ジオの枠を大きく超えて、鍵盤を演奏するときの演奏補助的な役割にとどまらず、音楽制作のた めのツールや、作曲 / 編曲のためのツールとして活用できるようなものに進化しています。 Arpeggio Bank ( アルペジオバンク ) アルペジオタイプのバンクを選びます。 Preset Bank ( プリセットバンク ): 本体にプリセットされているアルペ ジオタイプを選択します。 User Bank ( ユーザーバンク ): 自分で作成したアルペジオタイプを選択 します。 Arpeggio Category/ カテゴリーとサブカテゴリーから目的のアルペジオタイプが含まれるカテゴ Sub Category リーを選びます。 ( アルペジオカテゴリー / アルペジオにはいくつかのタイプがあり、タイプごとに再生方法が違いま サブ
ボイスパラメーター Key Mode ( キーモード ) Velocity Mode ( ベロシティーモード ) 鍵盤を弾いたときのアルペジオ再生の仕方を設定します。 Sort ( ソート ): 複数の鍵盤を弾いたとき、鍵盤を弾いた順番に関係なく 常に同じアルペジオが鳴ります。 Thru ( スルー ): 複数の鍵盤を弾いたとき、鍵盤を弾いた順番によってア ルペジオの再生の仕方が変わります。 Direct ( ダイレクト ): アルペジオによる演奏は再生されず、鍵盤を弾い た音がそのまま鳴ります。ただし、アルペジオによって、パンやブライ トネスなどのコントロールチェンジデータによる音色変化の効果が得ら れます。したがって、アルペジオデータ内にコントロールチェンジデー タが入っているアルペジオタイプや、アルペジオカテゴリー「Control」 ( コントロール ) に含まれるアルペジオタイプを選択している場合に有効 な設定です。 Sort+Direct ( ソート + ダイレクト ): ソートの設定でアルペジオが鳴り、 同時に鍵盤を弾いた音も鳴ります。 Thru+Direct ( スルー
ボイスパラメーター Velocity Rate ( ベロシティーレート ) アルペジオ再生のベロシティーを増減する割合を設定します。 100%: 元のままです。 100% より小さい値 : 鍵盤を弾いたときのアルペジオ再生のベロシ ティーを下げます。 100% より大きい値 : ベロシティーを上げます。 この設定によってベロシティーが 0 になる場合は 1 に置き換えられます。 この設定によってベロシティーが 128 以上になる場合は 127 に設定され ます。 Gate Time Rate ( ゲートタイムレート ) アルペジオ再生のゲートタイムを増減する割合を設定します。 100%: 元のままです。 100% より小さい値 : アルペジオ再生のゲートタイムを減らします。 100% より大きい値 : アルペジオ再生のゲートタイムを増やします。 この設定によってゲートタイムが 0 になる場合は、1 に置き換えられます。 Octave Range ( オクターブレンジ ) Loop ( ループ ) Trigger Mode ( トリガーモード ) アルペジオ演奏の音域を、
ボイスパラメーター Random SFX Velocity Offset ( ランダム SFX ベロシ ティーオフセット ) ランダム SFX 機能で再生される効果音のベロシティーを増減する値を設定 します。 この設定によってベロシティーが 0 になる場合は 1 に置き換えられます。 この設定によってベロシティーが 128 以上になる場合は 127 に設定され ます。 Random SFX Key On ランダム SFX 機能で再生される効果音を再生する際のベロシティーを決定 Control する方法を設定します。 ( ランダム SFX キーオン On ( オン ): ランダム SFX 機能で再生される効果音を、鍵盤を押さえたと コントロール ) きのベロシティーで再生します。 Off ( オフ ): 自動的に決められるベロシティーで再生します。 Fixed SD/BD ( フィックスト エスディー / ビーディー ) ( ドラムボイスの場合 ) アルペジオ再生においてバスドラム (BD) を C1、スネアドラム (SD) を D1 に割り当てるかどうかを設定します。 このパラメーターの設定を
ボイスパラメーター 1-3-7 Effe ct ( エフェクト ) 音源部やオーディオ入力部から出力された音声に、残響、広がり、厚みなど、さまざまな効果を かけ、音を加工する装置です。音作りの最終段階でエフェクトを活用することによって、さらに 表現力を加えます。 エフェクトがかかっていない音を「ドライ」音、エフェクトで加工された音を「ウェット」音とい います。 マスターエフェクト 音声の最終出力段階で本体サウンド全体にかけるエフェクトです。 システムエフェクト すべてのパートに対して効果をかけるエフェクトです。 各パートのセンドレベルによって出力された信号をまとめてエフェクトに送 り、効果のかかった信号をリターンレベルで出力ラインとミックスするタイ プのエフェクトです。 インサーションエフェ クト 特定のパートに対して個別に、各パートの信号がミックスされる前に効果を かけることができるエフェクトです。 音色を大幅に変えたい場合など、積極的な音作りをサポートします。各ボイ スにはインサーションエフェクト A/B を 1 セットにした 1 系統のインサー ションエフェクトが内蔵されていて、A/B を異な
ボイスパラメーター Insertion Effect Connection インサーションエフェクト A と B の接続方法を設定します。 Parallel ( パラレル ): インサーションエフェクト A と B の出力が個別にマ ( インサーションエフェクト スターエフェクト / マスター EQ、リバーブ、コーラスに送られます。 コネクション ) A B 図 51: インサーションエフェクトコネクションのパラレル Ins A>B: インサーションエフェクトAの出力がインサーションエフェク ト B に送られ、インサーションエフェクト B の出力がマスターエフェク ト / マスター EQ、リバーブ、コーラスに送られます。 A B 図 52: インサーションエフェクトコネクションの Ins A>B Ins B>A: インサーションエフェクトBの出力がインサーションエフェク ト A に送られ、インサーションエフェクト A の出力がマスターエフェク ト / マスター EQ、リバーブ、コーラスに送られます。 A B 図 53: インサーションエフェクトコネクションの Ins B>A V
ボイスパラメーター Chorus To Reverb ( コーラス トゥー リバーブ ) Reverb Return コーラスエフェクトで処理された信号をリバーブエフェクトへ送る量を設定 します。 値を大きくすると、コーラスがかかった音にリバーブが深くかかる状態にな ります。 リバーブエフェクトで処理された信号の出力レベルを設定します。 ( リバーブリターン ) Chorus Return コーラスエフェクトで処理された信号の出力レベルを設定します。 ( コーラスリターン ) Reverb Pan リバーブエフェクトで処理された信号の、左右の定位を設定します。 ( リバーブパン ) Chorus Pan コーラスエフェクトで処理された信号の、左右の定位を設定します。 ( コーラスパン ) 1-3-8 EQ ( イコライザー ) 一般的にイコライザー (EQ) は、アンプやスピーカー、部屋の特性に合わせ音場環境を補正する ために使用します。 その設定は、音をいくつかの周波数帯域 ( バンド ) に分けて、各帯域のレベル ( ゲイン ) を上げ 下げすることで、サウンドを補正します。演
ボイスパラメーター Frequency ( フリケンシー ) Gain ( ゲイン ) Q ( キュー ) 中心周波数を設定します。 ゲイン設定によってブースト / カット ( 増減 ) する中心周波数を設定します。 フリケンシーで設定した周波数付近の信号レベルを、どの程度ブースト / カット ( 増減 ) するかを設定します。 ブースト / カットする帯域の幅を設定します。 そのため、このパラメーターによって周波数特性カーブが決まります。 Q 設定は、ピーキングタイプであるミドルにだけ用意されています。ハイと ローの EQ は、シェルビングタイプの EQ となっています。 50
エフェクト 2 エフェクト 2-1 基本的な用語 2-1-1 定義 2-2 VCM (Virtual Circuitry Modeling/ 仮想回路モデリング ) VCM とは、アナログエフェクターの回路挙動を素子レベル (IC やコンデン サーなど ) からモデリングする技術のことです。VCM テクノロジーを使っ たエフェクトタイプは、ビンテージで味わいのある音を演出できます。 REV-X REV-X とは、ヤマハがプロオーディオ機器用に開発した、リバーブアルゴ リズムのことです。REV-X によるリバーブ音は、高密度で豊かな残響の音 質、なめらかな減衰、原音を生かす広がりと奥行きといった特長を持ってい ます。 エフェクトタイプ 2-2-1 Reverb ( リバーブ ) 複雑な残響音を人工的に作って、音が鳴っている空間の拡がりを再現するエフェクトです。 音に自然な余韻を与え、空間や奥行きを演出できます。再現する空間の大きさや響き方によって、 HALL、ROOM、PLATE、STAGE などのプログラムがあります。 REV-X HALL 新世代リバーブアルゴリズム「REV-X」を
エフェクト 2-2-2 Delay ( ディレイ ) 入力音を時間的に遅らせて発音させ、やまびこのような効果を作り出すエフェクトです。 CROSS DELAY 2 本のディレイのフィードバックをクロスさせたエフェクトです。ディレイ 音が左右に飛び交うタイプのディレイです。 TEMPO CROSS DELAY ディレイタイムが曲のテンポとシンクするタイプのクロスディレイです。 TEMPO DELAY MONO ディレイタイムが曲のテンポとシンクするタイプのモノラルディレイです。 TEMPO DELAY STEREO ディレイタイムが曲のテンポとシンクするタイプのステレオディレイです。 CONTROL DELAY ディレイ長をリアルタイムに変えてスクラッチ音などを作り出すディレイです。 DELAY LR L/R の 2 本のディレイ音を発生するディレイです。 DELAY LCR L/C/R の 3 本のディレイ音を発生するディレイです。 DELAY LR (Stereo) L/R の 2 本のディレイ回路をステレオ入力化したディレイです。 2-2-3 Chorus ( コーラス
エフェクト 2-2-5 Phaser ( フェーザー ) フィードバック回路と位相をずらして原音とミックスするフェーズシフト回路を持つエフェク ターです。シュワシュワといった独特のトーンで、メローなサウンドを作ることができます。フ ランジャーよりも目が細かく効果が柔らかいので活用できる範囲は広く、特にエレピに使うと多 彩な音作りができます。 VCM PHASER MONO 1970 年代に使用されていたアナログフェーザーの特徴を再現したエフェク トで、暖かみのある高音質なフェーザーエフェクトをかけることができま す。VCM 技術を用いたビンテージ系のモノラルのフェーザーです。 VCM PHASER STEREO 1970 年代に使用されていたアナログフェーザーの特徴を再現したエフェク トで、暖かみのある高音質なフェーザーエフェクトをかけることができま す。VCM 技術を用いたビンテージ系のステレオのフェーザーです。 TEMPO PHASER LFO のスピードがテンポと同期するタイプのフェーザーです。 DYNAMIC PHASER 入力音のレベルによって位相をリアルタイムにコントロールするエフ
エフェクト 2-2-8 Compressor ( コンプレッサー ) 大きな音を圧縮したり小さな音を持ち上げたりして、音のツブをそろえたり音に迫力を出したり するエフェクトです。アタックやリリースを設定することで、音のアタック感やリリースの長さ などもコントロールできます。マルチバンドコンプは、特定の周波数帯域で働く 3 台のコンプ レッサーを組み合わせたもので、イコライザーとコンプレッサーを組み合わせたような積極的な 音作りが可能です。 VCM COMPRESSOR レコーディングスタジオで定番として求められるアナログコンプレッサーの 376 特性をエミュレートしています。ドラムやベース向きの太く芯のある音が得 られます。 CLASSIC COMPRESSOR 比較的かかりがよいコンプです。ソロ楽器などに適しています。 MULTI BAND COMP 3 バンドのマルチバンドコンプです。 2-2-9 Wah ( ワウ ) フィルターの周波数特性を変化させることで、独特のサウンドを作り出すエフェクトです。周波 数特性が LFO によって周期的に変化するのがオートワウ、入力する楽器音の音量によって変化
エフェクト 2-2-11 Tech ( テック ) フィルターやモジュレーションなどにより、積極的に音を変化させるエフェクトです。効果音を 作ったり、曲や音に大きな変化を付けたいときなどに効果的です。 RING MODULATOR 入力音を金属的な音に変化させるエフェクトです。 DYNAMIC RING MODULATOR 入力音のレベルによって、RING MODULATOR のパラメーター「OSC Freq」をリアルタイムにコントロールするエフェクトです。 DYNAMIC FILTER 入力音のレベルによって、フィルターのカットオフ周波数をリアルタイムに コントロールするエフェクトです。 AUTO SYNTH ディレイと変調の組み合わせで入力信号を再合成するエフェクトです。 ISOLATOR 強力な効きのフィルターを使って帯域別に音量をコントロールするエフェク トです。 SLICE 入力音をぶつ切りにするエフェクトです。 TECH MODULATION 独特の変調をかけ、入力音を金属的なサウンドに変身させるエフェクトです。 2-2-12 Vocoder ( ボコーダー ) マイ
エフェクト 2-3 エフェクトパラメーター 2-3-1 A AEG Phase アンプリチュード EG の位相をずらします。 AM Depth 音量変調の深さを設定します。 AM Inverse R 右チャンネルにおける音量変調の位相を設定します。 AM Speed 音量変調の速さを設定します。 AM Wave 音量変調用の波形を選択します。 AMP Type シミュレートするアンプタイプを選択します。 Analog Feel アナログフランジャーの音質を加味します。 Attack コンプレッサー効果が効き始めるまでの時間を設定します。 Attack Offset ワウがかかり始めるまでの時間を設定します。 Attack Time エンベロープフォロワーの立ち上がり時間を設定します。 2-3-2 B Bit Assign Word Length の効き方を調節します。 Bottom ワウフィルターの可変範囲の最低値を設定します。 Bottom の設定値が、Top の設定値未満の場合のみ、設定が有効になります。 BPF1-10 Gain ボコーダー本体回路
エフェクト 2-3-4 D Damper Control ハーフダンパー対応のペダル (FC3) の踏み具合を設定します。ハーフダン パー対応のペダルを接続している場合は、ペダルを踏むことにより調整でき ます。 Decay リバーブの減衰感を制御します。 Delay Level ディレイ音のレベルを設定します。 Delay Level C センターチャンネルのディレイ音のレベルを設定します。 Delay Mix 複合エフェクトとしてミキシングするときのディレイ音のレベルを設定します。 Delay Offset ディレイ変調のオフセット値を設定します。 Delay Time ディレイの長さを音符や時間で指定します。 Delay Time C, L, R センターチャンネル、左側チャンネル、右側チャンネルのディレイの長さを それぞれ設定します。 Delay Time L>R 左 ( 入力 ) から右 ( 出力 ) へのディレイタイムを設定します。 Delay Time Offset R 右チャンネルにおけるディレイの長さのオフセットを設定します。 Delay Time R>L
エフェクト Dry Mix Level ドライ音とウェット音をミックスした信号のレベルを設定します。 Dry Send to Noise ノイズへ送られるドライ信号の量を設定します。 Dry/Wet Balance ドライ音とウェット音 ( エフェクト音 ) のバランスを設定します。 Dyna Level Offset エンベロープフォロワー出力に足すオフセットを設定します。 Dyna Threshold Level エンベロープフォロワーが動き出すレベルを設定します。 2-3-5 E Edge 歪み方のカーブを設定します。 Emphasis 高域の特性の変化を設定します。 EQ Frequency EQ で増減させる周波数を設定します。 EQ Gain EQ で増減させるゲインを設定します。 EQ High Frequency 高域を EQ で増減させる周波数を設定します。 EQ High Gain 高域を EQ で増減させるゲイン量を設定します。 EQ Low Frequency 低域を EQ で増減させる周波数を設定します。 EQ Low Gain 低
エフェクト 2-3-6 F F/R Depth 前後のパンの深さを設定します。 このパラメーターは、Pan Direction=L turn または R turn のときに有効 です。 FB Hi Damp Ofst R 右側チャンネルにおける高音の減衰量のオフセットを設定します。 FB Level Ofst R 右側チャンネルにおけるフィードバックの量のオフセットを設定します。 Feedback エフェクト出力を再び入力へ戻すレベル ( マイナスは位相反転 ) を設定します。 Feedback High Damp フィードバック音における高域の減衰量を設定します ( 値が小さいとき高域 が速く減衰します )。 Feedback Level 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [REVERB 系、EARLY REFLECTION] イニシャルディレイのフィードバッ ク量を設定します。 [DELAY 系全般、CHORUS 系、FLANGER 系、COMP DISTORTION DELAY、TECH 系 ] ディレイ出力を再び入力へ戻すレベル ( マイナスは位 相反転
エフェクト 2-3-8 H Height シミュレートする部屋の高さを設定します。 Hi Resonance 高域成分の調整をします。 High Attack 高域側においてのコンプレッサー効果が効き始めるまでの時間を設定します。 High Gain 高域側においての出力のレベルを設定します。 High Level 高域のレベルを設定します。 High Mute 高域のミュートスイッチです。 High Ratio 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [REV-X HALL、REV-X ROOM] 高域成分の調整をします。 [MULTI BAND COMP] 高域側においてのコンプレッサーの圧縮比を設定 します。 High Threshold 高域側においての効果が効き始める入力レベルを設定します。 Horn Speed Fast ファスト回転時のホーン ( 高域側 ) の回転するスピードを設定します。 Horn Speed Slow スロー回転時のホーン ( 高域側 ) の回転するスピードを設定します。 HPF Cutoff Frequency
エフェクト 2-3-10 L L/R Depth 左右のパンの深さを設定します。 L/R Diffusion 音の広がり感を設定します。 Lag 音符で指定されたディレイにずれをつけるディレイの長さを設定します。 LFO Depth 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [SPX CHORUS、SYMPHONIC、CLASSIC FLANGER、RING MODULATOR] 変調の深さを設定します。 [TEMPO PHASER] 位相変調の周波数を設定します。 LFO Phase Difference 変調波形の L/R 位相差を設定します。 LFO Phase Reset LFO の初期位相のリセット方法を設定します。 LFO Speed 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [CHORUS 系、FLANGER 系、TREMOLO、RING MODULATOR] 変調 の周波数を設定します。 [TEMPO PHASER、TEMPO FLANGER] 変調スピードを音符で指定します。 [AUTO PAN] オートパンの周波数を設定します。 L
エフェクト 2-3-11 M Manual 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [VCM FLANGER] ディレイ変調のオフセット値を設定します。 [VCM PHASER MONO、VCM PHASER STEREO] 位相変調のオフセッ ト値を設定します。 Meter 拍子の切り替えをします。 Mic Gate Threshold マイク入力用のノイズゲートのスレッショルドレベルを設定します。 ノイズによって意図しないボコーダーの出力が発生しないように、ノイズの 音量が大きい場合は、値を大きく設定します。 Mic Level マイク入力のレベルを設定します。 Mic L-R Angle 出力を取り出すマイクの L/R の角度を設定します。 Mid Attack 中域側においてのコンプレッサー効果が効き始めるまでの時間を設定します。 Mid Gain 中域側においての出力のレベルを設定します。 Mid Level 中域のレベルを設定します。 Mid Mute 中域のミュートスイッチです。 Mid Ratio 中域側においてのコンプレッサーの圧縮比を
エフェクト 2-3-12 N Noise Gate Attack ノイズゲートがかかり始めるまでの時間を設定します。 Noise Gate Release ノイズゲート効果から開放されるまでの時間を設定します。 Noise Gate Threshold ノイズゲート効果が効き始める入力レベルを設定します。 Noise Input Level ノイズ入力のレベルを設定します。 Noise Level ノイズのレベルを設定します。 Noise LPF Cutoff Frequency ノイズにかけるローパスフィルターで高域をカットする周波数を設定します。 Noise LPF Q ノイズにかけるローパスフィルターのレゾナンスを設定します。 Noise Mod Depth ノイズの変調の深さを設定します。 Noise Mod Speed ノイズの変調スピードを設定します。 Noise Tone ノイズの音質を設定します。 2-3-13 O On/Off Switch アイソレーターの On/Off スイッチです。 OSC Frequency Coarse 入力波形を AM
エフェクト Pre-LPF Cutoff Frequency 高域をカットするローパスフィルターのカットオフ周波数を設定します。 Pre-LPF Resonance 入力のローパスフィルターにクセを付けます。 Presence ギターアンプなどによくみられるパラメーターで、高域をコントロールします。 2-3-15 R Ratio コンプレッサーの圧縮比を設定します。 Release コンプレッサー効果から開放されるまでの時間を設定します。 Release Curve エンベロープフォロワーのリリースカーブを設定します。 Release Time エンベロープフォロワーの収束時間を設定します。 Resonance フィルターにクセを付けます。 Resonance Offset レゾナンスの値のオフセット値を設定します。 Reverb Delay 初期反射音からリバーブ音までのディレイタイムを設定します。 Reverb Time リバーブの長さを設定します。 Room Size 音が鳴っている空間の大きさを設定します。 Rotor Speed Fast ファスト
エフェクト 2-3-17 T Threshold 効果が効き始める入力レベルを設定します。 Top ワウフィルターの可変範囲の最高値を設定します。 Top の設定値が、Bottom の設定値以上の場合のみ、設定が有効になります。 Type 選択したエフェクトタイプに基づいて以下の設定をします。 [VCM FLANGER] フランジャーのタイプを選択します。 [WAH 系全般 ] オートワウのタイプを選択します。 [EARLY REFLECTION] 反射音のタイプを選択します。 2-3-18 V Vocoder Attack ボコーダー出力のアタック値を設定します。 値を小さくすると立ち上がりが早くなり、大きくすると遅くなります。 Vocoder Release ボコーダー出力のリリース値を設定します。 値を小さくすると減衰が早くなり、大きくすると遅くなります。 Vowel 母音を選択します。 2-3-19 W Wall Vary シミュレートする部屋の壁の状態を設定します。 値が大きくなると乱反射が強くなり、小さくなると乱反射は弱くなります。 Width シミュレートする部屋
MIDI 3 MIDI 3-1 概要 3-1-1 MIDI について MIDI ( ミディ ) は、 Musical Instrument Digital Interface の頭文字をとったもので、楽器同 士を接続して演奏情報や音色情報などをやりとりするために作られた世界統一の規格です。世界 統一規格ですから、メーカーや楽器の種類が違ってもデータをやりとりできます。 MIDI では、 「鍵盤を弾く」、「ボイスを選ぶ」といった演奏に関する情報以外に、画面を切り替えるための情 報や、テンポをコントロールするための情報など、さまざまな情報をやりとりできます。 これらの情報をフルに活用すると、鍵盤やコントローラーを使って演奏するだけではなく、パー トごとのパンやリバーブの深さを変えたり、エフェクトの設定を変更するなど、本体パネルで設 定するパラメーターのほとんどを、外部 MIDI 機器から MIDI を通してコントロールできます。 3-1-2 MIDI チャンネル MIDI の情報には、 MIDI チャンネルという 1 〜 16 の番号が割り当てられています。 この MIDI チャンネルを使って、 1
MIDI A B C 図 57: MIDI ケーブル A: MIDI トランスミットチャンネル 2 B: MIDI ケーブル C: MIDI レシーブチャンネル 2 3-1-3 MIDI ポート 前述の 16 個しかない MIDI チャンネルを拡張するためのものとして、 MIDI ポートがあります。 MIDI ケーブルでは同時に 1 ポート分 (16 チャンネル分 ) のデータしか通信できませんが、 USB ケーブルでは最大 8 ポート分 (16 x 8=128 チャンネル分 ) の MIDI データを扱えます。 3-1-4 MIDI メッセージ MIDI で扱うメッセージには、大きく分けて以下の 2 種類があります。 チャンネルメッセージ ( 「 3-2 チャンネルメッセージ」を参照 ) システムメッセージ ( 「 3-3 システムメッセージ」を参照 ) 以下の説明では、 MIDI メッセージの例を示します。 録音した MIDI データの編集方法など、 MIDI メッセージの詳細については、市販されている MIDI の解説書をご参照ください。 67
MIDI 3-2 チャンネルメッセージ 3-2-1 Note On/Off ( ノートオン / ノートオフ ) 鍵盤の演奏情報を伝えるメッセージです。 Note On ( ノートオン ): 鍵盤を押さえたときに送信されるメッセージです。 Note Off ( ノートオフ ): 鍵盤を離したときに送信されるメッセージです。 各メッセージには、どの鍵盤を演奏したかを示す「ノートナンバー」と、どれくらいの強さで演奏 したかを示す「ベロシティー」という 2 種類のデータが含まれます。 ノートナンバーの受信範囲は、中央のド (C3) を 60 として、 0 (C -2) 〜 127 (G8) です。 ベロシティーの情報はノートオンにのみ含まれ、受信範囲は 1 〜 127 です。 3-2-2 Pitch Bend ( ピッチベンド ) ピッチベンドホイールを操作することで出力する、ピッチを連続的に変化させる MIDI メッセー ジです。 ピッチベンドホイールの操作を数値で示します。 3-2-3 Program Change ( プログラムチェンジ ) ボイスを選択するための MIDI メッセージです。 バ
MIDI ポルタメントタイム (No.5) ポルタメントのかかり方を調節する MIDI メッセージです。 127: ポルタメント効果は最大になります。 0: ポルタメント効果はなくなります。 ポルタメントスイッチ (No.65) をオンにしないと効果はありません。 RPN MSB と RPN LSB イベントの値を設定する MIDI メッセージです。 データエントリー MSB (No.6) 、データ MSB と LSB の 2 つのコントロールチェンジの組み合わせでパラメーター エントリー LSB の値が設定されます。 (No.38) メインボリューム (No.7) パートごとのボリューム ( 音量バランス ) を調節する MIDI メッセージです。 127: 音量が最大になります。 0: 音が出ません。 パートごとの音量のバランスを調節するときに使います。 パン (No.
MIDI アタックタイム (No.73) パートごとのアンプリチュード EG のアタックタイムを調節する MIDI メッ セージです。 0 〜 127 の値を -64 〜 +63 に置き換えて元のボイスデータに加算し、ア タックタイムを変更します。 ブライトネス (No.74) パートごとのフィルターカットオフ周波数を調節する MIDI メッセージです。 0 〜 127 の値を -64 〜 +63 に置き換えて元のボイスデータに加算し、カッ トオフ周波数を変更します。 ディケイタイム (No.75) パートごとのアンプリチュード EG のディケイタイムを調節する MIDI メッ セージです。 0 〜 127 の値を -64 〜 +63 に置き換えて元のボイスデータに加算し、デ ィケイタイムを変更します。 エフェクト 1 デプス ( リバーブセンドレベ ル ) (No.91) リバーブエフェクトに対するセンドレベルを設定する MIDI メッセージです。 エフェクト 3 デプス ( コーラスセンドレベ ル ) (No.
MIDI 表 3: RPN パラメーターリスト RPN パラメーター名 MSB LSB 000 000 000 データエントリー ( 範囲 ) 機能 MSB LSB ピッチベンドセンシ ティビティー 000 024 - ピッチベンド情報による音程変化 の幅を、半音単位で設定します。 001 ファインチューン -64 - +63 - 音程をセント単位で変更します。 000 002 コースチューン -24 - +24 - 音程を半音単位で変更します。 127 127 ヌル - - RPN と NRPN の指定を解除して、 誤ってデータエントリーを送っても音 源の設定が変化しないようにします。 3-2-5 Channel Mode Message ( チャンネルモードメッセージ ) オールサウンドオフ (No.120) 各パートの発音中の音をすべて消去する MIDI メッセージです。 ホールド 1 やソステヌートなどのチャンネルメッセージは保持します。 リセットオールコント ローラー (No.
MIDI 3-3 システムメッセージ 3-3-1 システムエクスクルーシブメッセージ 音源やエフェクトの設定を変えたり、スイッチをリモートコントロールしたり、音源モードを切 り替えたりなど、 MIDI を通して音源の内部設定を変更するためのメッセージです。 外部 MIDI 機器との間で、バルクダンプやパラメーターチェンジなどのシステムエクスクルーシブ メッセージの送受信を行なう場合、本体のデバイスナンバーを相手側機器のデバイスナンバーと 合わせる必要があります。 この MIDI メッセージを使うと、外部 MIDI 機器から本体のほとんどす べての設定をエディットすることも可能になります。 GM システムオンなどの一部のシステムエ クスクルーシブメッセージはユニバーサルメッセージと呼ばれ、デバイスナンバーは不要です。 ジェネラル MIDI (GM) このメッセージを受信すると、シンセサイザーは GM システムレベル 1 と システムオン 互換性のある MIDI メッセージを受け取るようになるため、バンクセレクト メッセージを受け付けなくなります。 GM システムオンメッセージを受信すると、マルチのパート
MIDI 3-3-3 システムリアルタイムメッセージ シーケンサーをコントロールするメッセージです。 スタート (FAH) 曲を先頭から再生するメッセージです。 曲の先頭で [>] ( プレイ ) ボタンを押したときに送信されます。 コンティニュー (FBH) 曲を途中 ( 現在の位置 ) から再生するメッセージです。 曲が途中で停止しているときに [>] ( プレイ ) ボタンを押すと送信されます。 ストップ (FCH) 曲をストップするメッセージです。 曲の再生中に [ ■ ] ( ストップ ) ボタンを押すと送信されます。 アクティブセンシング (FEH) 演奏中に MIDI ケーブルが抜けたり、断線したりしてトラブルが起こるのを 防ぐための MIDI メッセージです。 アクティブセンシングを受信してから一定時間経っても次の信号がこない場 合は、 MIDI ケーブルにトラブルが起きたと判断して、オールノートオフと リセットオールコントローラーを受信したときと同じ処理をします。 次の信号を待機する時間は約 300msec です。 タイミングクロック (F8H) 他の MIDI 機器と同
ヤマハホームページ http://www.yamahasynth.com/jp/ ヤマハマニュアルライブラリー http://www.yamaha.co.jp/manual/japan U.R.G.