MTX5-D/MY4-AEC システムセットアップマニュアル MTX5-DとMY4-AECを使うと、遠隔会議システムが構築できます。MTX5-DとMY4-AECで遠隔 会議システムを構築する場合は、このマニュアルをお読みください。このマニュアルではMTX Editor にプリインストールされているプロジェクトファイルを使って、簡単にセットアップする方法を説明 します。MTX5-DとMY4-AECの入出力の関係を理解することで、応用したシステム構築が可能にな ります。 使用する機器の詳細については本体に付属の取扱説明書を、MTX Editorの詳細については「MTX Editor取扱説明書」(PDFファイル)をそれぞれご参照ください。 ご注意 • このソフトウェアおよびセットアップマニュアルの著作権はすべてヤマハ株式会社が所有します。 • このソフトウェアおよびセットアップマニュアルの一部または全部を無断で複製、改変することはできません。 • このソフトウェアおよびセットアップマニュアルを運用した結果およびその影響については、一切責任を負いかねますのでご了承くだ さい。 • アプリケーションのバージョンアップ
はじめに MTX5-D/MY4-AECシステムセットアップマニュアルでは、MTX5-Dの[SLOT]にMY4-AECを挿入した場合の設定に ついて説明をします。 また、代表的な例として、以下のパターンでの設定方法について簡単に説明します。 細かいパラメーターの設定については「MTX Editor取扱説明書」をご参照ください。 ここで紹介する4例のファイルはMTX Editorをインストールすると、以下フォルダーに格納されます。 ● 32bit OSの場合 C:¥Program Files¥Yamaha¥MTX Editor¥V*.*¥ProjectFile ● 64bit OSの場合 C:¥Program Files(x86)¥Yamaha¥MTX Editor¥V*.*¥ProjectFile *.*はインストールしたMTX Editorのバージョンとなります。 例 ファイル名 例1) 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 AEC 4Mic 1RemoteLocation-*.
はじめに 例1) 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 Microphone 1 Analog OUT 会議室 XMV4140 Microphone 2 CODEC Microphone 3 Network 拠点A YDIF Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT Microphone 4 遠隔地が1カ所で、近接地のマイクが4本以下の例です。 使用するファイルはAEC 4Mic 1RemoteLocation-*.
はじめに 例2) 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが8本ある例 Microphone 1 会議室 Analog OUT XMV4140 Microphone 2 Microphone 3 YDIF Microphone 4 Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT CODEC Network 拠点A Microphone 5 Microphone 6 Microphone 7 Microphone 8 遠隔地が1カ所で、近接地のマイクが5本以上8本以下の例です。 使用するファイルはAEC 8Mic 1RemoteLocation-*.
はじめに 例3) 遠隔地が4カ所で、会議室にマイクが4本ある例 Analog OUT 会議室 XMV4140 Microphone 1 Microphone 2 CODEC A Network 拠点A CODEC B Network 拠点B CODEC C Network 拠点C CODEC D Network 拠点D YDIF Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT Microphone 3 Microphone 4 遠隔地が複数カ所で、近接地のマイクが4本以下の例です。 使用するファイルはAEC 4Mic 4RemoteLocation-*.
はじめに 例4) 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 Microphone 1 Analog OUT 会議室A XMV4140 Microphone 2 CODEC A Microphone 3 Network 拠点A Network 拠点B YDIF Analog IN MTX5-D Microphone 4 Analog IN/OUT Microphone 1 会議室B Analog OUT Microphone 2 CODEC B Microphone 3 Microphone 4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例です。 使用するファイルはAEC 2MeetingRoom 2RemoteLocation-*.
例1 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 ここでは以下の例を調整する場合のポイントについて説明します。 Microphone 1 Analog OUT 会議室 XMV4140 Microphone 2 CODEC Microphone 3 拠点A Network YDIF Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT Microphone 4 この例での信号の流れは以下のようになっています。 パラメーター 変更可 パラメーター変更可のシグナルパス パラメーター 変更不可 Patched directly to AEC パラメーター変更不可のシグナルパス Input Mic In ([INPUT]1‒4) Matrix Zone Output AEC 4 ch NE NEVoice Secondary FBS CODEC ([INPUT]5) 1 ch InputCh 9 1 ch Matrix 10 1 ch ZONE 10 1 ch OutputCh 6 1 ch FromFE FEVoice NR
例1 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 「パラメーター変更不可」となっているところでは、Dynamics系コンポーネント(Gate、Comp、Ducker)の使用と、 設置後のシステム運用中のパラメーター変更を避けてください。エコーキャンセルが効果的に働かなくなります。 また、この例での接続は以下のようになります。 Microphone Microphone Microphone Microphone 4 3 2 1 MTX5-D (UNIT ID=01) RECORDER CODEC Network Switch Computer ON XMV4140 (UNIT ID=30) ON 1 2 3 4 5 6 7 8 MTX5-D/MY4-AECシステムセットアップマニュアル 8
例1 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 ■ MTX Editor設定例 • Distanceの設定 シンプルな構成で、マイクとスピーカーの距離が2m以内の場合、MTX Editorで設定を変更する必要ありません。 マイクとスピーカーの距離が2m以上の場合は、[Distance]ノブで距離を設定してください。 • エコーの除去量の設定 エコー量が大きい場合には、[Effect]リストボックスでエコーの除去量を調整してください。数字が大きくなるほど多 くのエコーを除去できます。しかし、その分音質が劣化しますので、バランスをチェックしながら調節してください。 • FBSの設定 MTX5-DにはDYNAMICとFIXEDの2種類のFBSが搭載されています。このプロジェクトファイルではMTX5-D本体 のDYNAMICはオンになっています。必要に応じて「INPUT」画面でFBSのFIXEDの設定をしてください。設定方法 については「MTX Editor取扱説明書」を参照してください。 NOTE FBSはMY4-AECにも搭載されていますが、MTX5-DのFBSのほうが柔軟な設定ができますので、MTX5
例1 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが4本ある例 ■ 設定変更例 • 遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合 入力チャンネル9のフェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯する程度に入 力レベルを調整してください。 • 近接地のマイクからのボリュームを変える場合 「MY4-AEC」画面の[Near-end Mic.]ボタンをクリックして、パラメーター編集画面を表示させ、[GAIN]ノブを操 作してください。Mic In.
例2 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが8本ある例 Microphone 1 会議室 Analog OUT XMV4140 Microphone 2 Microphone 3 YDIF Microphone 4 Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT CODEC 拠点A Network Microphone 5 Microphone 6 Microphone 7 Microphone 8 この例での信号の流れは以下のようになっています。 パラメーター 変更可 パラメーター変更可のシグナルパス パラメーター 変更不可 パラメーター変更不可のシグナルパス Input Mic In ([INPUT]1‒8) 8 ch Direct Ch 17–24 Matrix 8 ch Matrix 11–14 Zone 4 ch ZONE 11–14 Output 4 ch OutputCh 6–9 AEC 4 ch NE NEVoice Secondary FBS CODEC ([ST IN]1L) 1 ch InputCh 9 1
例2 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが8本ある例 NE: FromFE: NEVoice: FEVoice: TO FE: NR: Near-end Mic From Far-end Near-end Voice Far-end Voice To Far-end Noise Reduction 「パラメーター変更不可」となっているところでは、Dynamics系コンポーネント(Gate、Comp、Ducker)の使用と、 設置後のシステム運用中のパラメーター変更を避けてください。エコーキャンセルが効果的に働かなくなります。 また、この例での接続は以下のようになります。 Microphone Microphone Microphone Microphone 4 3 2 1 MTX5-D (UNIT ID=01) RECORDER CODEC Network Switch Microphone Microphone Microphone Microphone 8 7 6 5 Computer ON XMV4140 (UNIT ID=30) ON 1 2 3 4 5 6
例2 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが8本ある例 ■ MTX Editor設定例 • Distanceの設定 シンプルな構成で、マイクとスピーカーの距離が2m以内の場合、MTX Editorで設定を変更する必要ありません。 マイクとスピーカーの距離が2m以上の場合は、[Distance]ノブで距離を設定してください。 • エコーの除去量の設定 エコー量が大きい場合には、[Effect]リストボックスでエコーの除去量を調整してください。数字が大きくなるほど多 くのエコーを除去できます。しかし、その分音質が劣化しますので、バランスをチェックしながら調節してください。 • FBSの設定 MTX5-DにはDYNAMICとFIXEDの2種類のFBSが搭載されています。このプロジェクトファイルではMTX5-D本体 のDYNAMICはオンになっています。必要に応じて「INPUT」画面でFBSのFIXEDの設定をしてください。設定方法 については「MTX Editor取扱説明書」を参照してください。 NOTE FBSはMY4-AECにも搭載されていますが、MTX5-DのFBSのほうが柔軟な設定ができますので、MTX5
例2 遠隔地が1カ所で、会議室にマイクが8本ある例 ■ 設定変更例 • 遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合 入力チャンネル9のフェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯する程度に入 力レベルを調整してください。 • 近接地のマイクからのボリュームを変える場合 入力チャンネル17から24のフェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯す る程度に入力レベルを調整してください。 • 近接地のスピーカーのボリュームを変える場合 上記の「遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合」と「近接地のマイクからのボリュームを変える場合」 を参照して、入力側のレベルを変更してください。 • 近接地のマイクからの音声をスピーカーから出さない場合 「MATRIX」画面で入力チャンネル5から8のセンドをオフにしてください。 • 録音/再生機材を接続する場合 録音する場合はMTX5-Dの「OUTPUT」7端子に機材を接続してください。再生する場合はMTX5-Dの「ST IN」 2L端子に機材を接続してください。また、録音する場合は、入力チャンネルSTIN2Lの[
例3 遠隔地が4カ所で、会議室にマイクが4本ある例 Analog OUT 会議室 XMV4140 Microphone 1 Microphone 2 CODEC A Network 拠点A CODEC B Network 拠点B CODEC C Network 拠点C CODEC D Network 拠点D YDIF Analog IN MTX5-D Analog IN/OUT Microphone 3 Microphone 4 この例での信号の流れは以下のようになっています。 パラメーター 変更可 パラメーター変更可のシグナルパス パラメーター 変更不可 Patched directly to AEC パラメーター変更不可のシグナルパス Input Mic In ([INPUT]1‒4) Matrix Zone Output AEC 4 ch NE NEVoice Secondary FBS CODEC ([INPUT]5‒8) 4 ch InputCh 9–12 4 ch Matrix 10 1 ch ZONE 10
例3 遠隔地が4カ所で、会議室にマイクが4本ある例 「パラメーター変更不可」となっているところでは、Dynamics系コンポーネント(Gate、Comp、Ducker)の使用と、 設置後のシステム運用中のパラメーター変更を避けてください。エコーキャンセルが効果的に働かなくなります。 また、この例での接続は以下のようになります。 Microphone Microphone Microphone Microphone 4 3 2 1 MTX5-D (UNIT ID=01) RECORDER CODEC D Network Switch CODEC C CODEC B Computer CODEC A ON XMV4140 (UNIT ID=30) ON 1 2 3 4 5 6 7 8 MTX5-D/MY4-AECシステムセットアップマニュアル 16
例3 遠隔地が4カ所で、会議室にマイクが4本ある例 ■ MTX Editor設定例 • Distanceの設定 シンプルな構成で、マイクとスピーカーの距離が2m以内の場合、MTX Editorで設定を変更する必要ありません。 マイクとスピーカーの距離が2m以上の場合は、[Distance]ノブで距離を設定してください。 • エコーの除去量の設定 エコー量が大きい場合には、[Effect]リストボックスでエコーの除去量を調整してください。数字が大きくなるほど多 くのエコーを除去できます。しかし、その分音質が劣化しますので、バランスをチェックしながら調節してください。 • FBSの設定 MTX5-DにはDYNAMICとFIXEDの2種類のFBSが搭載されています。このプロジェクトファイルではMTX5-D本体 のDYNAMICはオンになっています。必要に応じて「INPUT」画面でFBSのFIXEDの設定をしてください。設定方法 については「MTX Editor取扱説明書」を参照してください。 NOTE FBSはMY4-AECにも搭載されていますが、MTX5-DのFBSのほうが柔軟な設定ができますので、MTX5
例3 遠隔地が4カ所で、会議室にマイクが4本ある例 ■ 設定変更例 • 遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合 入力チャンネル9から12のフェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯する 程度に入力レベルを調整してください。 • 近接地のマイクからのボリュームを変える場合 「MY4-AEC」画面の[Near-end Mic.]ボタンをクリックして、パラメーター編集画面を表示させ、[GAIN]ノブを操 作してください。Mic In.
例4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 Microphone 1 Analog OUT 会議室A XMV4140 Microphone 2 CODEC A Microphone 3 Network 拠点A Network 拠点B YDIF Analog IN MTX5-D Microphone 4 Analog IN/OUT Microphone 1 会議室B Analog OUT Microphone 2 Microphone 3 CODEC B Microphone 4 MTX5-D/MY4-AECシステムセットアップマニュアル 19
例4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 この例での信号の流れは以下のようになっています。 パラメーター 変更可 パラメーター変更可のシグナルパス パラメーター 変更不可 パラメーター変更不可のシグナルパス Input Mic In ([INPUT]1–8) 1–4: 会議室 A 5–8: 会議室 B 8 ch Direct Ch17–24 Matrix 8 ch Matrix 11–14 Zone 4 ch ZONE 11–14 Output 4 ch OutputCh 11–14 AEC 4 ch NE NEVoice Secondary FBS CODEC A&B ([ST IN]2L/2R) 2 ch L: 会議室 A R: 会議室 B InputCh 9–10 2 ch Matrix 5–6 2 ch ZONE 5–6 2 ch OutputCh 9–10 2 ch FromFE FEVoice NR = ON NR = ON To FE Primary FBS 4 ch InputCh 2, 4, 6, 8 2 ch
例4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 また、この例での接続は以下のようになります。 会議室A Microphone Microphone Microphone Microphone 4 3 2 1 RECORDER B RECORDER A MTX5-D (UNIT ID=01) CODEC A CODEC B Network Switch Microphone Microphone Microphone Microphone 4 3 2 1 Computer 会議室B ON XMV4140 (UNIT ID=30) ON 1 2 3 4 5 6 7 8 会議室A 会議室B MTX5-D/MY4-AECシステムセットアップマニュアル 21
例4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 ■ MTX Editor設定例 • Distanceの設定 シンプルな構成で、マイクとスピーカーの距離が2m以内の場合、MTX Editorで設定を変更する必要ありません。 マイクとスピーカーの距離が2m以上の場合は、[Distance]ノブで距離を設定してください。 • エコーの除去量の設定 エコー量が大きい場合には、[Effect]リストボックスでエコーの除去量を調整してください。数字が大きくなるほど多 くのエコーを除去できます。しかし、その分音質が劣化しますので、バランスをチェックしながら調節してください。 • FBSの設定 MTX5-DにはDYNAMICとFIXEDの2種類のFBSが搭載されています。このプロジェクトファイルではMTX5-D本体 のDYNAMICはオンになっています。必要に応じて「INPUT」画面でFBSのFIXEDの設定をしてください。設定方法 については「MTX Editor取扱説明書」を参照してください。 NOTE FBSはMY4-AECにも搭載されていますが、MTX5-DのFBSのほうが柔軟な設定ができますので、MTX
例4 2つの会議室にわかれて別々の拠点と会議をする例 ■ 設定変更例 • 遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合 会議室Aの場合は、入力チャンネル9のフェーダーを操作してください。会議室Bの場合は、入力チャンネル10の フェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯する程度に入力レベルを調整し てください。 • 近接地のマイクからのボリュームを変える場合 会議室Aの場合は、入力チャンネル17から20のフェーダーを操作してください。会議室Bの場合は、入力チャン ネル21から24のフェーダーを操作してください。レベルメーターを見ながら、黄色がときどき点灯する程度に入 力レベルを調整してください。 • 近接地のスピーカーのボリュームを変える場合 上記の「遠隔地からの音声信号のボリュームを変える場合」と「近接地のマイクからのボリュームを変える場合」 を参照して、入力側のレベルを変更してください。 • 近接地のマイクからの音声をスピーカーから出さない場合 会議室Aの場合は、「MATRIX」画面で入力チャンネル2と4のセンドをオフにしてください。会議室Bの場合は、 「MATRIX」画面
資料 ■ MY4-AECの信号処理について MY4-AECのアコースティックエコーキャンセラー (AEC)は、Far-endからの信号を参照信号としてマイク入力信号に含 まれるエコー成分について学習を行ない、マイク入力信号からFar-endのエコー成分だけを差し引きます。これにより、 Near-endのクリアな音声を相手側に伝達できます。信号処理の流れは以下のようになっています。 Far-end Voice A NR From Far-end A Far-end Voice B NR From Far-end B Far-end Voice C NR From Far-end C Far-end Voice D NR From Far-end D REFERENCE ON/OFF Near-end Mic. 4 NR AEC FBS Near-end Voice 4 To Far-end 4 Near-end Mic. 3 Near-end Voice 3 NR AEC FBS To Far-end 3 Near-end Mic.