User Manual

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MTX5-D取扱説明書
Danteについて
このモデルは、オーディオ信号を伝送するプロトコルとしてDanteを採用しています。Danteとは、
Audinate社が開発したプロトコルで、ギガビットイーサネット対応のネットワーク環境で、サンプリング
周波数/ビットレートが違う複数のオーディオ信号や、機器のコントロール信号を同時に扱える特長を持っ
ています。そのほか、下記のようなメリットがあります。
理論上はギガビットイーサネット環境で最大512イン/512アウトで合計1,024チャンネルの音声を伝送可能。
(MTX5-Dでは、24/32ビットの解像度で16イン/16アウトを実現しています。)
高精度のネットワークシンクロ技術の採用により、低レイテンシー、低ジッター、高サンプル精度を実現。MTX5-
Dでは、レイテンシーは0.25msec/0.5msec/1.0msec/5.0msec4タイプから選択可能。
プライマリー回線とセカンダリー回線による、万が一の障害に強いリダンダント接続に対応。
Danteの詳細については、Audinate社のウェブサイトを参照してください。
http://www.audinate.com/
また、ヤマハプロオーディオのウェブサイトにも、Danteに関するさまざまな情報を掲載しています。
http://www.yamahaproaudio.com/japan/ja/
このモデルのDanteネットワークでの接続には、2つの方
法があります。
デイジーチェーン接続
デイジーチェーンとは、機器を数珠つなぎにする接続方
法です。ネットワーク構築が簡単で、ネットワークス
イッチも不要です。接続機器の台数が少ない簡単なシス
テムのときに使用します。
接続する機器が多くなるとレイテンシーも大きくする必
要があります。また、ケーブルの断線などによりシステ
ムに障害が発生すると、ネットワークがそこで分断され、
その先の機器との伝送ができなくなります。
スター接続
スター接続とは、ネットワークスイッチを中心に機器を
接続する方法です。ギガビットイーサネットに対応した
ネットワークスイッチを使うことで、幅広い帯域が必要
な大規模ネットワークにも対応します。ネットワークス
イッチには、ネットワークを制御/監視するためのさまざ
まな機能(任意のデータ回線のクロック同期や音声の伝送
を優先させるQoSなど)が盛り込まれているものをおす
すめします。
このとき、万が一のネットワーク障害が起きても、音声
に影響させずに通信ができる環境を構築するためにリダ
ンダントネットワークを構築するのが一般的です。
接続方法について
NOTE
Danteネットワーク内では、ネットワークスイッチのEEE
(*)を使用しないでください。
EEE機能に対応したスイッチ間では、消費電力の相互設定
自動で調整されますが、相互設定の調整が正しく機能しない
スイッチもあります。
これにより、Danteネットワーク内の不適切な場面でスイッ
チのEEE機能が有効になってしまう可能性があり、クロック
同期性能が悪化して音声が途切れる場合があります。
そのため、以下の点にご注意ください。
マネージドスイッチを使う場合、Danteを使用するすべて
のポートのEEE機能をオフにしてください。EEE機能
がオフにできないスイッチは使用しないでください。
アンマネージドスイッチを使う場合、EEE能に対応した
スイッチを使用しないでください。これらのスイッチは
EEE機能をオフにできません。
* EEE(EnergyEffi cientEthernet)機能とは、ネットワークのトラ
フィックが少ないときにイーサネット機器の消費電力を減らす技術。
グリーンイーサネットやIEEE802.3azとも呼ばれています。
NOTE
MTX-MRXEditorを使用するコンピューターを、MTX5-
Dの使用していないDante[PRIMARY]端子またはDante
[SECONDARY]端子に接続してください。詳細な接続は、
「MTXセットアップマニュアル」を参照してください。
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88
88
MTX5-D(ID#1)
MTX5-D(ID#2)
MTX5-D(ID#3)
PRIMARY
SECONDARY
PRIMARY
PRIMARY
SECONDARY
コンピューター