User Manual

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Y-S3 スピーカシステムデザインガイド
直接音と反射音
まとめ
位相を考慮した Y-S
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シミュレーションを利用することで、下記のような検討が可能で
ある。またその有効性は実測でも確認された。
複数スピーカ間の干渉。
スピーカの設置位置、狙い、数による音圧分布の変化。
実際のホールにおける実測結果からも、カバーエリア計画において位相を考慮した検
討を加えることの有効性が示された。
ただし、以下の点については直接音によるシミュレーションでは顕在化しないため、
配慮しておく必要がある。
おもに低域周波数における反射波の影響(部屋に固有なモード)
遠距離での距離減衰(有響空間では計算より緩慢になる)
Y-S
3
を用いることで、複数スピーカ間の干渉やカバーエリアなどを事前に予測でき、
スピーカの適切な設置位置を事前に検討できる。逆にもしシミュレーション上で問題
となるような配置を行った場合、その問題は実音場でも同様に再現されうるため、問
題を回避するための指針となる。実際の有響空間では計算結果に現れない影響がいく
つか出てくるが、計算手法の特徴を把握しておくことで、設計段階で検討すべき有効
な情報を得ることが出来る。